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異世界BASARA-57



重傷の幸村と氏政、そしてルイズ達を乗せた忠勝がトリステインの王宮に到着したのは、翌日の昼間であった。
戦争が始まるという噂が広まっていた矢先に空から忠勝が降下してきた為、一時は王宮内が騒然となったが、アンリエッタが取り成してくれたおかげで捕まる事はなかった。

そして、その王宮の一室……
その部屋にはルイズとギーシュ、そしてベッドで眠る幸村と氏政がいる。
2人の傷は酷かったが、水のメイジ達による迅速な治療のおかげで何とか一命を取り留める事が出来た。
その後、この部屋に運ばれて絶対安静を言い渡されたのである。
しかし、幸村と氏政はアルビオンの戦いから2日経った今も目を覚まさずにいた。

(……馬鹿……)

ベッドで眠り続けている幸村に、ルイズは心の中で呟いた。

(私を守る為に死ぬのはダメって言ったのに……)

だがルイズははっとなって首を振る。
幸村がこうなる原因を作ったのは自分だ。もし幸村が駆けつけてくれなかったら、自分はここにいない。

(私に、もっと力があれば……)

ルイズは唇を噛み締め、己の無力さを悔やんだ。


一方、もう1つのベッドで寝ている氏政の横にはギーシュがいた。
初めて氏政を使い魔の儀式で召喚した時、ギーシュはこう思った。


――何故、自分の使い魔がこんな平民なんだ――


何も平民を召喚したのはギーシュだけではない。
ルイズ、キュルケ、タバサも同じように平民を召喚している。
だが、その中でも氏政はとても頼りなく見えたのだ。
おまけに主である自分の言う事も聞かず、自分勝手に振舞う……
ギーシュはどこか心の中で、彼を軽蔑していた。

しかし、ギーシュの命を救ったのは、頼りないと思っていたこの氏政であった。
ギーシュの脳裏に、アルビオンの港でレコン・キスタと対峙した時の光景が浮かぶ。
突如現れたミノタウロスには敗れたものの、彼は敵兵相手に良く戦った。

(僕は……何も出来なかったな……)


そしてもう1人、トリステインの王女もまた、自分の無力さに悲嘆していた。
アンリエッタの手には、アルビオンから取り戻された手紙が握られている。
それをそっと握り締めると、これを渡された時の事を思い出した。


「……すまん、お前が一番取り返したかったものを取り返せなかった……」
手紙を渡しながら利家はアンリエッタに謝った。
「あの子爵様が裏切り者だったなんて……まさか、魔法衛士隊に裏切り者がいたなんて……」
受け取った手紙を見つめながら、アンリエッタははらはらと涙を流した。

「それでお前……覚悟は出来ているか?」
と、利家は真剣な顔つきでアンリエッタに問い掛けた。
「覚……悟……?」
涙を拭いながらアンリエッタは利家に問い返す。
「そうだ。手紙は取り戻したが、あいつ等が攻めてこなくなった訳じゃない。その時戦う覚悟だけはしておくんだぞ」
利家はそう言うと、踵を返して部屋から出て行こうとする。

「アンリエッタ」

と、扉を開けた利家がアンリエッタに声を掛けた。

「兵に守られるのが総大将ではない。兵を守るのが総大将だ。それを忘れるな」

そう言うと、利家は振り返らずに部屋から出て行った。

「兵を守るのが……総大将……」
2日前に利家から言われた言葉を、アンリエッタは思わず口にしていた。
ウェールズ皇太子も、兵を守る為に勇敢に戦って……そして死んだ。

ならば、自分は勇敢に生きよう。勇敢に生きて、皆を守ろう。

アンリエッタは手の中にある手紙を見つめ、そう誓った。



幸村が王宮に運ばれてから3日目……
ルイズは窓からさし込む日光の眩しさで目を覚ました。
幸村の看病をしていて、いつの間にか眠ってしまったようである。
目を擦りながら、ルイズはふとベッドに眠る幸村を見ると、そっと髪を撫でた。
幸村は相変わらず眠り続けている。
(黙っているとかっこいいのに……)
ルイズは幸村の髪の毛を撫でながら思った。


『さ、行こうルイズ』


不意に最初の夢で出てきた幸村が脳裏に浮かび、ルイズは真っ赤になった。
(な、何で今頃になって思い出すのよ!!)
真っ赤な顔のまま、ルイズはチラッと幸村に目を向ける。
黙っていればかっこいい男の寝顔がそこにあった。
(ギーシュは……お、起きてないわね……)
ギーシュが寝ているのを確認すると、ルイズはゆっくりと幸村に顔を近づける。
そして、そっと幸村の唇にキスを…………


……しようとしたその時だった。


「うーーーん……」
「っっっっっっっ!!!!!?????」


ベッドで寝ていた氏政が突然呻き声を上げたのだ。
ルイズは疾風の如き速さで顔を上げる。一足遅れて、氏政の声に気づいたギーシュが目を覚ました。
「ウ、ウジマサ!?気がついたのかい!」
ギーシュが大声で騒ぎ立てる中、氏政はゆっくりと右手を上げる。
そして次の瞬間。



「逝けるっっっっっ!!!!!!」



氏政はカッ!と白目をむいて叫んだ。



「逝くなあぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!」
それを聞いたギーシュが大声でツッこんだ!
ビクン!と一瞬氏政の体が痙攣する。しばらくして氏政はぱちりと目を開き、ゆっくりと体を起こした。

「ウジマサ……だ、大丈夫かい?」
「……わしは二度汁かけしたご飯が好きなんじゃ。良いか?けっして計り間違えたわけではないぞ。二度汁かけしたご飯が好きなんじゃ」

少し錯乱しているようだが、何とか大丈夫そうだ。
「あ、ああウジマサ……良かった……本当に……本当に!」
「二度汁かけごは……ん?な、何じゃここは?わしは牛の妖怪と戦っていた筈じゃが……」
しばらくして落ち着きを取り戻したのか、氏政はキョロキョロと辺りを見回した。
と、氏政はフルフルと震えているギーシュに気がついた。
「無事でよがっだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ~~!!!!!」
「ちょ、何泣いておるのじゃおぬ……うげぇ!!」
感極まったギーシュは、涙でグシャグシャになった顔のまま氏政に抱きついてきた。
一方、さっきまで幸村にキスをしようとドキドキしていたルイズは、ギーシュの変貌っぷりに唖然とした。




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