あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

のんきな使い魔

「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ 神聖で美しく強力な使い魔よ
 私は心より求め訴えるわ 我が導きに答えなさい!」

BOGOOOOOOOON!

ルイズの必死の思いを込めた詠唱は、実に漫画チックな爆発の前に掻き消された。

「バッカヤロー 殺す気か!?」
「いい加減にしろ ゼロのルイズ!」

立ち込める黒煙の中、周囲の罵倒が徐々に拡大していく。
屈辱に身を震わせるルイズ……と、その時、

「あり~? もしかして、また迷子かな」

爆発の中心から響いてきた謎の声に、不意に喧騒が止む。
やがて、煙が晴れた先に、銀色のゲートが姿を見せた。

「使い魔のゲート」
「サモン・サーヴァントは成功していたのね」

「やった! スゴイ スゴイわ!
 言葉がしゃべれる使い魔なんて、もしかして韻獣! それとも亜人!」

「韻獣だって?」「あの、ゼロのルイズが……」

呆然とする周囲をよそに、子供のように跳ねまわるルイズ。
――が、肝心の使い魔は、声こそ聞こえるものの、いつまで経っても出てこない。

「まいったなあ、全然出られないぞ。
 仕方ない、お昼にするか」

「ル、ルイズの使い魔が!?」「ゲートの中で弁当広げ始めたぞ!」

「コ、コラ~! 馬鹿やってないでとっとと出てきなさいよ!」

「ムニャ、もう食べられないよ……」

「寝るなァー!!」



「ミスタ・コルベール、どうなさるの? アレ……」

「……まぁ、召喚自体は成功しているみたいですし、出てくるまで待ちますか」

 ・
 ・
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―― 一週間後、

「……」
「ねぇ、お姉さん、ここは学校?」

ルイズの眼前には、野球帽を逆にかぶり、Nの文字がプリントされたトレーナーを着た、半ズボン姿の少年がいた。

「ゼロのルイズが平民を召還したぞ」「一週間も待たせてそれかよ!」

「ミッ、ミスタ・コルベールッ! やり直しを……」

「いいですよ。明日の授業開始まで間に合わなければ、問答無用で留年ですが?」

「……」

ルイズは大きくため息をつくと、改めてランドセルを背負った少年と向かい合った。

「アンタ、名前は何て言うの?」
「ん? ぼくはのんきだよ」
「それは知ってるわ。で、名前は?」
「だからのんきだよ」
「それは知ってるってば!私が聞いてるのは」
「だからのんきなんだって」
「知ってるって言ってるでしょ!」

―― 一時間後、

「……五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」

チュッ

「ル、ルイズさん! 何を……」

突然のファーストキスに慌てる少年。
やがて、その左手が、まばゆい輝きを放ち始めた。

「うわっ! ボクの左手が」
「おお、少年の左手に契約のルーンが!」

パァアアァァ

「……全然、刻まれないわね」
「光ってる、だけ」

「まあ、契約自体は成功しているみたいですし、
 ルーンが浮かび上がった時点で、正式に合格としましょう」

「そ、そんな……」

「まあまあ、人生は長いよルイズさん、そう落ち込まないで」

「アンタが言うんじゃないわよ!」


――かくして、ゼロのルイズと、のんきな少年の生活が始まった。

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 ・


――夏。

「あらヴァリエール、三か月もどこ行ってたの?」

「……のんちゃんの為に、護身用の武器を買いに行ってたのよ」

「しゃべる剣が売ってるなんて、やっぱりここは凄い国だね」

「コッチもおでれーたさ、帰り道を間違えてアルビオンに行っちまうほどの
 方向オンチな虚無なんて、初めて見たぜ」

「ウ、ウルサい! アレは絶対、のんちゃんのせいよ!」

「ウェールズさん、おみやげ沢山くれたね」

「……で、その後、間違って実家に帰っちまうしよぉ」

「だから、絶対絶対、のんちゃんのせいだってば!」

「カトレアさんの作ったケーキ、おいしかったね」



「結局アンタら、どうやって帰ってきたの?」

「……聖地を目指すつもりで旅をしていたら、道に迷って学院に到着していたわ」

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 ・

――秋。

「大変です! オールド・オスマン」

「なんだねコルベール君、騒々しい」

「じ、実は、のんきくんのルーンが一向に刻まれない事を疑問に思い
 あれ以来、図書室で文献を当たっていたのですが……」

「フム、それで?」

「そうしたら、本棚の奥から…… いかがわしい本がこんなに!」

「……キミ、半年以上もかけて、そんな物を探していたのかね?」

「え! あ、あれ? 興味ありませんか?
 どれもこれも、百年以上前の貴重な資料ばかりですよ?
 もちろん、私もやましい気持ちなんてありませんが、これは風俗史を研究する上で……」

「ミスタ・コルベールッ!!」

「ハ、 ハイッ!」

「そのエロ本は、ワシのコレクションじゃ!」

ドピューッ




「まったく、この学院の教師達ときたら……」

「ま、読書の秋、だな」

「ルイズさん、そんな事よりボク、もうお腹ペコペコだよ」

「ハハハ、相棒は食欲の秋ってとこか」

「……いや、そんなオチはいらないわ」

 ・
 ・
 ・

――冬。

「……フム、すると学院の秘宝【破壊の杖】は、怪盗フーケに奪われてしまったというわけじゃな?」

「のんきくん、この犯行文を見つけた時の事を覚えているかい?」

「もちろんだよ! 学院に来た最初の夜の事だからね」

ドドドド

「……て、事は、もう九か月以上も前?」

「とっくに逃げてるわね。フーケ」

「どうやら破壊の杖は、諦めるしかなさそうじゃの。
 各自、これを反省として、防犯対策を心がけるように。以上じゃ」

「あら、そういえば学院長、ミス・ロングビルは?」

「ロング……ビル……? 居たっけ? そんな職員」



-その頃、学院から馬車でい時間ほどの距離にある、とある森では……。

「ぶえっくしょんっ!
 うう……、この時期にほったて小屋暮らしは堪えるねぇ
 犯行から九か月、いい加減、探しにこないかしら……」

 ・
 ・
 ・

――そして、季節は巡り、再び春。

「見ろ! のんきくんの左手に使い魔のルーンが!」

「おお、これは珍しい形のルーンだ! メモしておこう」

「やったわ! 召喚より一年、遂に契約に成功したわ!」

「よく頑張ったのう。ミス・ヴァリエール」

「学院長!」

「異例続きじゃった、春の使い魔召喚の儀式も、これにて無事終了じゃ
 諸君達は全員合格、明日からは一人もかけることなく二年に進級じゃ!」

「おめでとう、ルイズさん!」

「あなたなら出来ると思っていたわ。ヴァリエール!」

「ようし! みんな、ルイズを胴上げだ!」

「ありがとう…… ありがとう、みんな!」

(やったわ、お父様、お母様。
 召喚から一年もかかってしまったけど、留年することなく、無事に進級することが出来ました。
 これもみんな、身近でささえてくれた友人たち、先生たちのおかげ……
 ありがとうのんきくん、ありがとうみんな……!)

 ・
 ・
 ・

―― 一方その頃、ガリア。

「チェックメイト!」

「わわっ! ま、待った!」

「ハハ、いくら考えても無駄だな。これで697回目の待っただよ? パパさん」

「ううっ、負けた…… さすがジョゼフさん」

「あら、三か月で決着なんて、随分早かったのね」

「やあママさん、前回は駒の動かし方を教えながらやったから、半年かかったんだよ」

「ところでママ、おやつは」

「ええ、パパとジョゼフさんの大好物のケーキが……」

「「やった!」」

「出来てないわ」


ドドドド


「そんな、どうして?」「三か月も前から準備していたのに……」

「ええ、三か月かけて、ケーキの作り方を読破したわ」

「……」

「それじゃあ、今から材料を買ってくるから、仲良くお留守番しててね」



「……まだ時間がかかりそうだな、迷子にならねばいいが」

「もう一局、指しますか」




のんきくんと言うかのんき時空召喚


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