あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

第2話 夢がいっぱい胸いっぱい


 私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。こう見えてもガリ勉だ。ピンク髪ナメんな。

 さて、使い魔の「ぶた」の能力でギーシュとの決闘で勝ったはいいが、色々と根深い問題を孕んでいた。

 まず、私が四大魔法を使ったという事実は皆から綺麗に無視された。いや、ぶたの能力で起きた物だし普段はちーとも
使えもこねくりもしないが、そんなに私が魔法使えるのが嫌か、嫌なのかこの野郎ども。

 ただ「ゼロ」の二つ名では呼ばれなくなった。替わりに付いた二つ名は「悪魔」「男の敵」「男殺し」。ふざけんなぁ。
私がそこら辺を歩く度に男たちが怯えて波のようにマジ引いてるんですけど。

 だが気になるのはそこじゃない。いやすみません気になります。切実に。先行っていいですか?

 問題の2つ目は、あの決闘で「ぶた」が怪しさ大爆発の能力を起こした事を、私以外の誰もが全くちっとも認識していないという事だ。

 これについてはもう一つ掘り起こすべき事象がある。実は周囲の風景が少しずつ変わって来ているのだ。が、それに誰も気が付いていない。
 判りやすいところで言えば、食堂に飾ってあるアルヴィーだろう。これは早い話が夜踊る魔法の人形だ。これは私の知る限り妖精を模っていた筈である。
間違ってもパンツ一丁のアフロ野郎である筈はない。あれが夜に大挙して踊るんですぜ?こんなキモい変化にすら皆気付かないのだ。

 つまり、あの「ぶた」は洗脳も出来るかもしれないという推測が立ってしまう。おっとろしい話だ。たぶん世界を変えられる。というか征服出来る。超ズルに。
だが自分は何故か平気だ。ご主人様だから?いやもしかして自分でも自覚がないところがあるのか?
 こんな危ない能力を持つ存在は果たしてこいつだけなのか?もしかして昔誰かが同じ能力を使っていたのだろうか?例えば始祖ブリミル…。
 いやいや、危うく異端くさい発想に行き着くところだった。冷や汗が滝のようだ。

 ま、うちの使い魔は可愛いからいいか。


 そういやアフロといえば、決闘で黒焦げのアフロになったギーシュは、そのままアフロのままでいた。そんなに気に入ったかアフロ。
何故かネクタイまで着けるようになった。成人したら赤いジャケットを着るつもりだという。何の影響だ。
 しかも信じられない事に、そのアレなスタイルでモンモランシーとよりを戻してマジな仲になったらしい。
モンモランシーといえば髪型が縦ロールという無茶な人だ。というかドリル。
 アフロとドリル。アフロとドリル。…何か思い起こしそうで喉まで出掛かってるだのが、なかなか出てこない。二人の子供がアフロで牛の角のマッチョな…。
 それはそうとある時、モンモランシーがギーシュにこう囁いたのを聞いた。

「今夜、私の部屋で」

 そしてギーシュは男になった。



 いや「そしてギーシュは男になった。」の前の描写を埋めようと努力はしたのだよ。具体的には覗きという濡れ衣の観察を。
 しかし我がライバル、キュルケ・ミドルネーム呼んでやるかめんどくせぇ・ツェルプストーにイイ笑顔で止められたのだ。曰く、
「よしなさいヴァリエール。昔から言うでしょ。人の恋路を邪魔する奴は、馬に掘られて死んじまえって」
「意味はさっぱりきっぱり判らないけど、最低限これだけは言えるわ。あんたが言うな」
 家系はヴァリエール家の人間を寝取りまくり、本人は学院で男漁りまくりの奴が言うか。心の棚は双月まで積み重なってるのか?
 そういやギーシュには手を出していないんだね。彼はイイ男の基準に達していないのか。
 ともかく、先の格言が意味が判らないなりに何か猟奇的くさいので、一応諦める事にした。ところで掘るって何をどこに?

 そのツェルプストーは最近、杖の先にぶたの頭の人形をくっつけていた。ぶたが気に入っているらしい。だが杖の仕込みは私が先にやっているのだ。
真似をするな。うちの使い魔を横取りする気とはふてぇ奴だ。

 そしてうちのラブリィな使い魔の「ぶた」はどうしているか?
 毎日、食って踊って抱き枕になっての毎日だ。この前見た時には他の使い魔達も一緒に踊っていた。
巨大な風竜すらきゅいきゅい言いながら踊る様は壮観の一言に尽きる。
 あと抱き枕と言いますか、これはもう、ちい姉さまに匹敵する柔らかさ暖かさですよ。貴様にはやらんぞツェルプストー。お前は自分とこのサラマンダー抱いて
物理的に燃えてろ。

 ただ問題が一つあった。使い魔は普通心とか声とか目とか色々通じ合っちゃったりするものだが、何故か通じない。これは困る。
 という訳で、何か通訳出来そうなアイテムをという事で、虚無の蚤の市で安く売られてきたインテリジェンスソードを買い与えてみた。早い話喋る剣だ。
自称「デルフリンガー」だそうな。色々判ると売り込んでるから動物の通訳くらい出来るだろう。出来ないならコルベール先生に売るよ?

 しかしてあっさり通じた。そしてぶたは自分の名前が「はれぶた」だと名乗った。ただ通じたといっても、予想も付かない方法だった。
刀身に文字が浮かんできたのだ。ハルケギニア語で。便利だ。
「俺っちにそんな機能はねぇえええ!それに俺はプラカードじゃねぇえええええ!!」
 プラカードが喋るな。

 そんなはれぶたがプラカード、もといデルフリンガーで普段何をしているかというと、乗り物にしていた。
 自分の何倍もある剣を当たり前のように軽々と持ち上げる時点で妙におかしい話だったのだが、そんな事もどうでもよくなる扱い方だった。
 かいつまんで言うと、柄頭を前にして刃を地面に着けたデルやんに乗って馬の如く紐で支えて突き進んでいるのだ。地面斬りながら。
「い~やーやーめーて~!と~めーて~!俺のナニが削れちゃうぅん!」
 あー聞こえません聞こえません。

 だがある日、そのデルやんに乗ったはれぶたが一人のメイドの前で気取っていた。メイドは黒髪ボブカッターのシエスタだった。確か仕事熱心でええ娘だ。
 で、はれぶたはナニをしているかといえば、片手というか片前足でこう、くぃっと。要するにナンパだ。
 おいはれぶたさんや。何でメイドですか。ご主人差し置いてメイドか。あれか、シエスタのデカ胸ですかそうなんですか。何かシエスタもまんざらでもないし。
そりゃ私は貧乳だ。貧乳よりデカ胸なのか。胸が全てか。これはもう胸がでかくなる伝説のチチカカ湖か。チチカカ湖で泳ぐしかないのか。そんな湖ないけど。
どうしても思考が胸から離れなくなってしまった私は止められない。いやいやいや、ここはご主人らしく優しく諭しに行こう。具体的には私を誘いなさいと。



「エア・ハンマー」

 はれぶたが弾き飛ばされた。壁に激突して大回転している。風の魔法だ。何しやがりますかー!?
 下手人はタバサだった。学院の貧乳ランキング堂々第1位(グラモン家調査)のガリアっ娘だ。まさかあんたもシエスタの胸に嫉妬か。
チチカカ湖か。チチカカ湖行きか。
 いやここは悲しい貧乳同士、一緒に手を組もう。そしてチチカカ湖に行こう。私の脳内ではタバサと貧乳同盟を立ち上げていた。

「そろそろ食べさせて欲しい。殺さないから、せめてバラ肉だけでも」
 同盟解消。というか死ぬ死ぬ絶対死ぬ。マジやめて。私は必死でタバサを羽交い絞めにした。彼女、目が光ってて口からヨダレ垂らしてます。
 肝心のはれぶたはめり込んだ壁から抜け出して、鼻をぎりぎり回していた。壁にはぶた鼻の跡がくっきりと。
 つまり鼻が壁にくっついて鼻がぎりぎり回転してたのね。そして逆回転して戻している。もうどんな物理現象が起きても驚かないぞ。


 そんな謎にまみれておちゃらけてちょっと命の危険がありながら日常は過ぎていく。しかしろくでもないイベントは起きる時には起きる。具体的には盗賊とか。


 えぇそりゃビックリですよ。夜中にでけぇゴーレムが宝物庫のある外壁を猛烈な速さで殴ってるんですから。「おたたたたたたたたた!」と。
 やかましいわ!と突っ込もうと思ったら、先にツェルプストーに突っ込まれた。ただし私に向けて。
「あなたが毎晩やってる自主トレだって爆音まみれで充分うるさいのよ。そしてあのゴーレムが狙ってるあの辺はあなたが爆発で削り取ったところよ」
 ごめん。実はあの辺モロに爆発魔法8連撃多重クリティカルクラッシュが掛かってクレーターが出来ていました。
固定化という、物を頑丈にするプロセスが建材に掛かっていたのだ。しかし豪快に壊してしまっていた。私の失敗魔法って凄いんだろうけど、これはない。
 しかもここの先生たちは怠け者揃いだから放置されてきたのよね。

 そういう事で一応罪悪感があるので、私は盗賊を捕らえる事にした。はれぶたとツェルプストーとタバサが手伝ってくれる。在り難い事です。

 恐らくこいつは、最近話題の「土くれのフーケ」だろう。貴族しか狙わないという、平民に妙に人気の盗賊だ。義賊とも言う。
…あたしら貴族やん。ガチターゲットですやん。

 ゴーレムがこっち見た。ついでに肩の上にいる人物もこっち見た。フーケだね。あれ殺る気だね。きっと殺る気だよきっと。ゴーレムでぷちっと。

 だが私は恐れない。私には怒涛の妄想力と妄想を実現する超ズルパゥワーがあるのだ。
「カッモヲォン!はっれぶた~!」
「ぶいゆ~!」
 はれぶたが私の頭を吸った。

 ぶー!

 はれぶたが大回転!(光量50%オフ) ついでに胸でルーンも光ってやがります。



 ぶたモグラだ!土といえばモグラでしょう。そのぶたモグラの大群が地面から飛び出して群れまくって蛇のようになってます。無限に飛び出してくるぞ。
 私はその蛇の頭に仁王立ちして、腕を組んでフーケを睨んでいた。隣には肉体労働担当としてぶた騎士を侍らせてみました。
ぶたモグラの蛇であっという間にゴーレムより高いポジションを取って周囲を廻った。
ツェルプストーとタバサもそれぞれぶたモグラの群れに乗って周回している。

 さてどうやってぶっ倒してあげよう。とあれこれ考えている間に、ツェルプストーはゴーレムの足元をち~まち~ま火球で削っていた。現実主義者め。
 しかし敵もさる者、ゴーレムは削られた端から再生していく。土ですもんね。タバサが上空から氷の矢を放っても同じ事だった。
 つまり再生させる隙を与えないほど一発で吹っ飛ばしてかつ術者も吹っ飛ばしてしまえってこった。

 上空に待機しつつ、ぶた騎士に剣を取らせる。得物は皆様のアイドル、デルやんだ。
「やっと俺っち本来の活躍だぜ!」
 全長222メイルになってるけどね!語呂合わせでぶーぶーぶー。それは剣と呼ぶにはあまりにもデカ過ぎた。デルやん満足してるからいいや。
 後ろに構えた時点で、切っ先が男子寮、具体的にはマリコルヌの部屋辺りを削っちゃってる気がするが、それくらい大したこたない。

 その巨体にも拘らず、軽々と構えて一気に振り下ろした。すごくあっさりさくっとな。

 ゴーレムは跡形もなく粉々に散った。が、勢いは止まらない。強烈な衝撃が地面を削り飛ばしながら一直線に飛んでいく。遂に城壁まで吹っ飛ばしてしまった。
 同時にフーケが物凄い勢いで回転しながらズタボロになって巻き込まれていく。わーい人が生ゴミのようだ。死なない法則発動中でよかったね。

 アイムウィン!ざまみろこの犯罪者!

 さてボロ雑巾、もとい土くれのフーケの素顔を拝むとしよう。

 女性でした。うつぶせに倒れて尻を上げてます。もうどうにでもしてポーズで気絶していた。
「黒」
 フーケの背後に廻ったタバサが言いたいことは判らんでもないが、色々とよしなさい。
 フーケをひっくり返してみたらあらビックリ、オスマン院長の秘書やってるミス・ロングヒルじゃないですか。おいおい身内の犯行かよ!

 「何か色々訳ありのようね」
とはツェルプストーの弁。訳なしの泥棒なんているのかって気がしないでもないが、ともかく何でミス・ロングビルなのか知りたい。野次馬根性さ。
 ここでもう一度はれぶたに活躍して頂こう。私が今抱き抱えている。貴様にこの抱き心地は勿体無いぞツェルプストー。
「はいかっちん」
 ミス・ロングヒルの頭にはれぶたの鼻を押し当てて、吸ってもらった。

 ミス・ロングヒルの心の中が映された。はれぶたにはこんな事も出来るんだぁ。

 本名はマチルダ・オブ・サウスゴータで、アルビオンのモード大公に仕える貴族の娘。大公の嫁はんがエルフで娘がハーフエルフの巨乳。マチルダと仲良し。
しかしエルフ絡みでジェームズ一世大激怒、そして大虐殺の超大失態、かくしてマチルダさんは没落、巨乳を匿って養うために盗賊家業へ。
そして学院の宝物庫を狙って秘書に成りすましてレッツ潜入。

 と、ロングヒル、いやミス・マチルダさんの聞くも涙語るも涙の波乱万丈の半生をダイジェストでお送りしました。プライバシーもへったくれもない。



 マチルダさんが気が付いた。状況を見て観念している様子だが、こっちを睨んでいる。でも私らは今どうこうしようって気はない。
 ツェルプストーが代表して尋ねてくれる。そういやうちらの面子じゃ彼女が年長者だ。

「お目覚めのようね、マチルダ・オブ・サウスゴータ」
「…何故その名を!?」
「今はいいじゃない」
「良くないわよ!」
 これじゃ私らがまるで悪役だ。色々すっとぼけるしかないか。

「前置きは置きましょう。盗賊やめない?」
「置き過ぎよ!ていうか私ぁこれで食ってんだよ。心優しい貴族様に掛けてもらう情けなんて欲しかないさ」
 何とあのおしとやか~なロングビルさんがべらんめぇに。今カックイイと思っちゃった。
「まぁまぁ、とにかく私たちはあなたを王宮に突き出す気はないから。今までどおりミス・ロングビルでいて欲しいのよ」
「…ナニが目的?」
「今あなたに去られたら、学院から貴重な20代女性が激減してしまうのよ~」
「はぁ!?」
 ここは貴族・平民合わせても、何でかってくらい異様に20代の女性が少ない。というか下手するとロングビルさん以外いたっけ?状態だ。
「バランスの問題なのよ~」
 ロングビルさんにとって全然説得力がない上に完全にこっち側の都合では無理があるか。
 無理でも今度は私の都合で個人的な核心を突く事にする。

「えーとロングビルさん、お願いがあります」
 タバサも並んでロングビルさんを見据える。どうやら私と心が一つのようだ。
「あなたの妹分にティファニアさんっていますよね?」
「そこまで知ってんのかい…」

「「乳の秘密を教えて!」」

 私とタバサはハモった。かなり真剣に。貧乳同盟ここにあり。
 だってあのハーフエルフは巨乳ですよ寧ろ爆乳。うまやらしーやん!
「あぁ!?あんたらマジで何言ってんだ」
「えぇ、マジで真剣です切実な問題です。ナニ食ったらあそこまで行けるんですか」
 これで駄目ならチチカカ湖行きだ。だからないんですけどねそんな地名。

 その後ロングビルさんはオールオッケー大笑い。呆れたとも言う。
 結局、ここまでコケて正体まで知られた以上、もう危険で不安定な盗賊稼業を続けられないとの事で、当面は秘書でいてくれる事になった。
さりとて秘書の収入だけでは妹分への仕送りは目減りする。それは困った。私達が恩を売って色々聞き出すためにも。

 という事でオールド・オスマンに掛け合って給料3倍増しにしてもらうよう私ら3人は怒鳴り込んで、いやいや交渉しに行った。

 しかし施設を破壊しまくった件でしこたま叱られた。そう簡単に大人にゃ勝てません。現実は非情だ。


 次回

寝不足アンリエッタがアンアンアン
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