あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

第1話 封殺!楽屋オチ!


 私、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。桃髪の淑女だ。ほんとだよ。体型については聞くな。

 今の私は幸せだ。

 先ほどシュヴルーズ先生の授業中に連金の魔法が失敗して爆発した事はいい。
別にちょっと椅子と窓ガラスと先生とマリコルヌが吹っ飛んだだけだ。

 で、教室の片づけを命ぜられたのもまだいい。結局私は魔法の出来ない「ゼロ」だと噛みしめるのが不幸だ。

 しかし一匹の「ぶた」が踊って慰めてくれたのだ。私も一緒に踊る。だから幸せだ。
 このぶたは昨日私が召還した使い魔なのだ。成功するまでに何度も何度も召還の魔法に失敗して爆発した事はいい。
 別にちょっと雑草とブラウスとマリコルヌが吹っ飛んだだけだ。愛くるしいのが呼ばれたからいいじゃない。

 楽しく踊れば、嫌な事も忘れる。また頑張ろうって気になれる。私の心は明るくなってきた。周囲も明るく見えちゃう。あら周囲も明るい…?
 答えは一つ。人間太陽、もといコルベール先生もいつの間にか一緒に踊っていた。なんて爽やかな笑顔なのでしょう。

 「楽しかったですよミス・ヴァリエール。でも教室はちゃんと片付けてくださいね」
 世の中甘くはなかったようだ。


 爽やかな肉体労働を終えたら、まさに今は昼食の時間だ。食堂で昼食をもりもり食う。あぁ飯が美味い。
 当然ぶたも隣の椅子に座らせて同じメニューを与えている。無碍にはしません。
 しかしよく見ると普通にナイフとフォーク使ってます。もしかしたら亜人かもしれない。

 ハァイ、ヴァリエール、と声を掛けてきたのは、私のライバルというか目の上のタンコブというかそのでかいダブルコブゥが私に深遠の何かを見せてくれそうな女、キュルケ・以下略・ツェルプストーだ。彼女も踊る人だ。主に腰周りが。
 その隣の、同士という言葉が喉まで出掛かってしまう体型で青髪の子はタバサだったか。二人で凸と凹だ。主に胸周りが。
 そのタバサはこっちをじっと見ている。ガン見って奴ですか。

 「…じゅるり」
 あれですかそのヨダレは私とぶたの目の前に並んだ料理の事ですよね。間違っても私のぶたとかそんなオチはやめてお願い。
 「食材・・・」聞こえません。

 「あ…」
 「えーといや何?食材の提供ならお断りよNOと言える貴族よ」
 「そのスープ、豚の骨でダシを取った奴」
 「ぶふ-----!」

 ぶたは盛大に噴出してしまった。そりゃ共食いはヤですね。これが私でもヤです。


 その結果どうなったか、かいつまんで語ってみよう。トンコツ入りのゲ…液体は近くをねり歩いていたギーシュの顔面に直撃し、ポッケから香水の瓶が転げ落ち、
それがモンモランシーからのプレゼントとバレて、下級生のケ何とかさんがギーシュの後頭部に靴跡をくれてやり、モンモランシーは顔面に靴跡をくれてやり、
ふらついたギーシュはマリコルヌの皿の上に突っ伏した。
 で、まぁ当然の事ながら、ギーシュの怒りの矛先は元凶に向かう。具体的には液体をぶちまけたうちのぶた。
落とし前をつけるため、ギーシュは物凄い形相でぶたに決闘を申し込む。
そして私が、非力な愛くるをしいうちのぶたに何吹っ掛けるのよ、その決闘、私が受けるわ!…といったところだ。
 要するに私とギーシュが決闘するのだ。ツェルプストーからの目が冷たいです。

 で、屋外のヴェストリ広場でございます。食堂ではやれません。食堂が血で汚れるのは不本意なので。主にモンモランシーによりギーシュの血がって方面で。
 既に周囲はギャラリーまみれだ。多分誰も私が勝てると思っていないんだろうなぁ畜生。

 「なぁゼロのルイズ、ここまで来て何だが、僕が相手をしたいのはそこの使い魔だ。ここは身を引いてそこのぶたと替わってくれないかな。というかゼロの君では僕に勝てないよね」
 何時の間にか顔面に付いた靴跡が増えているギーシュが説得にかかってくる。ちょっというか全面的に私のぶたが元凶だし、貴族同士の決闘は禁じられているし、
多分この流れが彼にとって不本意くさい発言だ。しかしだからといって引けない。特に最後の言葉が余計だからって理由で。

 だから答えは、
 「ノーサンキューよ!このチェリー野郎!」
 小さい男、というつもりで言ったのだが、何故かギーシュはやけに顔を真っ赤にしてうろたえていた。
 図星でしたと周囲に宣伝しているようなものだが、そんなに慌てる事なのか?周囲も囃し立てるし。
 「チェチェチェチェリーじゃないぞ僕はチェリーじゃない!」
 背後からツェルプストーが私の肩を叩く。そして私の疑問を溜息混じりに解消してくれた。
 「あのねヴァリエール。チェリーって童貞って意味よ」
 わー…ごめん。学院一のナンパ師ギーシュから思いもよらず皮丸剥がしにしてしまった。


 さすがにギーシュも諦めた。恥掻いてまで説得しませんねそりゃ。というよりここまでやられる筋合いもなかろう。メチャクチャ怒ってるよ。
 「では、僕は速攻でこの決闘にケリを付けさせてもらうよ」
 目が三角です。マジです。
 ギーシュは土のメイジだ。だからゴーレムを生み出せる。製作者の趣味を反映しているので女性型だ。確かワルキューレと名付けていたっけ。それが7体もいる。
 実際のところ、ギーシュの実力がどうであろうと、私では話にもならない。魔法使えないんですもの。爆発しかしないからね。だから私の二つ名は「ゼロ」なのだ。
 勝算なんてゼロだ。
 それでもぶたは差し出せない。この子はこんなアレな私が魔法に成功した唯一の証明なのだ。そして私を慰めてくれた大切な使い魔だ。

 「僕のワルキューレ達、一斉に…」
 「ぶいゆ~!」

 ぶただ。ぶたがギーシュの前に猛然と立ちはだかった。今更指摘するのも何だけど二本足でどっかりしっかりと。


 「駄目よぶたちゃん!」私は更にぶたの前に出る。
 「ぶい!」ぶたも更に私の前に出る。
 「駄目!」
 「ぶい!」
 「駄目!」
 「ぶい!」
 「駄目駄目!」
 「ぶいぶい!」
 「駄目駄目駄目!」
 「ぶいぶいぶい!」
 「駄目駄目駄目駄目!」
 「ぶいぶいぶいぶい!」
 「あ」

 気が付けばギーシュは私の目と鼻の先にいた。ついケリを入れる。

 「(以下自粛)~!!」
 あろう事か私のキックはギーシュの股間にモロ・ヒット。爪先が結構埋まった気がしたが見なかった事にしよう。
 そしてギーシュは、敢えて記すのは憚っておきたい表情とポーズを取っていた。
 よく見るとギャラリーの男性陣が揃って真っ青な顔で股間を抑えている。何故!?
 しかもぶたまで真っ青になって股間を抑えている。あぁ、この子オスだったんだ。
 「あー、その、ごめん」
 ツェルプストーの目線が氷点下行ってる気がする。

 そりゃもう怒るよね、怒りますよねギーシュさん。ワルキューレ×7が猛然と斬りにかかりやがります。やる気よね、殺る気ですよねギーシュさん。
 「ミス・ヴァリウエール!君は男性の敵だ!」
 しかして私はぶたを抱えて逃げるので精一杯だ。槍と矢と剣と拳が飛び交いまくる。呪文を唱える暇もない。心の中でごめんを連発する余裕はあるけども。
 あぁ、もう駄目なのか。無駄におちゃらけた文体と話で進行してた筈なのに、何でここまでシリアスに死ぬ予感にまみれるのだ。どういう事だ。
 こんな時、ピンチになったら魔法に目覚めて華麗に敵を倒す、そんな上手い話ある訳ない。現実は非情だ。
 だがここで、ぶたが私に向かって飛び込んで来た。そして私の頭を「吸った」。

 ぶ~!

 ぶたが回転し「何か」が発動する(光量50%OFF)。ぶたの胸でルーンが光った。

 周囲の風景が一気に変わった。変わったとかそんな次元じゃない。だってここは円形のコロシアムですもの。魔法学園にそんな施設はない。
 ギャラリーは観客席で歓声を上げていた。どう見ても元の何百か千倍もの頭数で埋まっている。

 これは何!?…という疑問は浮かんで来なかった。今いるこの状況が「当たり前」のように認識しているのだ。恐らく周囲の全員がそうなのだろう。

 世界が変わったからといってギーシュが攻撃の手を緩める事はなかった。多分彼も皆と同じように「当たり前」のように認識しているのだろう。

 唐突に私は理解した。ここは私が今しがた望んだ世界だ。決闘という状況から浮かんだイメージだ。そして今の私には魔法が使える。そうナチュラルに受け入れていた。


 「これが!私の魔法!土の魔法!」
 呪文もへったくれもない。心に思った通り世界が動く。具体的にはゴーレムを生み出した。大体15554体くらい。
 外見は私だ。しかし顔はみんなぶただ。ぶっちゃけ豚鼻付き。ぶたルイズなのだ。待て。
 そいつらが腕を組んで同心円状に闘技場を埋め尽くしている。どうやらこの世界、ビジュアル的にぶた縛りであるらしい。
 ギーシュは、ビビりまくっていた。彼が出せるのは7体。こちらはその2222倍だ。ぶーぶーぶーぶー。

 「水の魔法ォ!」
 「あぁ!?ワルキューレ!」
 ぶたルイズがワルキューレに向けて、一斉に氷の槍を放ちまくる。こちらは15554体、そいつらがたった7体に向けて放ったらどうなるか?ワルキューレの末路はもはや粉っぽい何かです、ハイ。

 「火の魔法ォゥ!」
 「ア-----!」
 最後に残ったギーシュに向けてファイヤーボールが放たれる。しつこいようだが15554体分だ。巨大な火の玉にギーシュが埋まった。火ダルマどころじゃない。
 こんな暴力的な目に遭ってもギーシュは死なないし致命傷でもない。何せ私に都合のいい世界なのだ。死なないと決めたら死なない。慈悲深い私に感謝しなさい!

 「そして!風の魔法ォオ!」
 私はぶたルイズを両手で掴んだ。そのぶたルイズは全員がお互いを掴んだ、いわば巨大な鞭のような状態だ。鞭捌きは得意なんです。
 大股で大回転させて、竜巻を起こす。ギーシュin火の玉を呑み込んだ。
 炎の竜巻にまみれてギーシュは物凄い勢いで回りまくっている。悲鳴が近くなったり遠くなったり。もはや一方的なジェノサイドというものだ。死なないけど。

 ギーシュは遙か上空に飛ばされ、轟音と共に地面に落下した。見事にクレーターが出来上がった。
 底に転がっているギーシュは、服が焼け落ちてマッパ、髪はアフロと、誰が見ても勝負アリであった。

 「勝者!ミス・ヴァリエール!」
 何時の間にいたのか、コルベール先生が私の手を取って振り上げた。そういえば先生、決闘止めなかったね。実際は私が望んだからそうならなかったのだが。
 歓声が上がった。

 一気に世界が戻る。ギャラリーからの歓声は止まない。こいつらハイになりやがってます。一方、ギーシュはモンモランシーに介抱されている。あぁ、あの娘本気だったんだ。
 ツェルプストーは自分の事のように喜んでいる。タバサは相変わらず。
 「ゼーロ!ゼーロ!ゼーロ!ゼーロ!」
 観客のコールはそれかい。まぁ不本意だけど二つ名ですから。それはともかく、
 「勝ったー!勝ったよー!」
 「ぶいー!ぶいー!」
 私はぶたと手を取り合って踊った。それはもう笑顔で。
 お腹が空くほど本気で笑っていたいね。


次回

 タバサの袖は長かった
 タバサの袖は長かった


新着情報

取得中です。