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ゼロの女帝 第二十三話


「さて」
とシルフィードの背中でサイトは後ろのタバサに語りかける。
「今回の任務はどんなんだ?まあなんとなく分かるけど」
「王宮に反乱を宣言した土のメイジの捕縛」
「それってひょっとして」
「肯定。
 『パペットマスター』の異名を持つ土のスクェアメイジ、名をワィル。
 ゴーレムやガーゴイル製造に長けていてそれらの売買で巨大な富を得ている」
「こないだ同じ罪状で俺らが成敗したばかりじゃないか!
 ・・・・・・・・ひょっとしてわざと反乱させてるのか」
「肯定。
 彼は反乱を起こそうとも討伐軍の兵士を決して殺さない。
 故に兵の鍛錬に最適だし私達が彼のガーゴイルを倒すことで彼は精進し、更なる強力なガーゴイルを作成する。
 それはガリアにとって有益」
「ンなこったろうと思ったよ。
 前回わざわざ殺すなっつって指示あったのが変だと思ってたからな」
「捕縛してもそのガーゴイルの技術や機能を提供する事で無罪放免はおろか国から
 様々な特権と資金を受けている。
 多分、彼の才能がそれなりに尽き、かつ技術を王宮勤務の土メイジが十分吸収した所で
 過去の罪状をもって捕縛し、人脈と資産を全て没収する」
「えげつねェな     あれがワィルの城・・・・・・かよ」
一目見て全身の力が抜けていくサイト。
「よくきたな、すっとこどっこい凸凹コンビ!
 今回こそはキサマらを倒しガリアを!否ハルケギニアを征服してくれる!
 キサマらの想像もつかない恐ろしい仕掛けにまみれたこの城に入ってくるがいい!」
「あー・・・・・・ひょっとして『うまくジャンプしないと下の槍に貫かれる穴』とか
 炎かなんかで燃えてる床の上で消える足場とかンな罠か」
「うぐっ」
「で、魔力仕込んであって『ファイアーボール』とか『ウィンドカッター』とか放ってくるガーゴイルが六体ほど待ち構えてて
 ソイツら全部倒さないとアンタの所にたどり着けないとか」
「うぐぐぐぐっ」
「あー、どこの阿呆も似たようなのがいて、似たようなコト考えるんだな」
頭をボリボリと掻いていたサイトがふと見ると、タバサとシルフィードがキラキラした目で自分を見ているのに気づく。
「サイトってばスゴいのねー」
「城の外観だけという限られた状況であそこまで情報を見抜くとは。
 しかもガーゴイルの数や性能まで」
「似たような事考えた挙句実行に移した阿呆を知ってるからな」
まさかゲームの敵役とはいえない。
「しかし、だとするとアレか。
 シルフィードがラッ○ュかビ○トでジョゼフのクソ親父がラ○ト博士かよ。
 ・・・・・・・・・いくらなんでもイザベラがロー○ちゃんってのは受け入れ難いぞ」
「はやく任務を達成して学園に戻る。
 学園でまたセトが何かしでかしてるかもしれない」
「それが楽しみなんだろ」
「肯定」
「まあいいさ。
 確かにいない所で面白い騒ぎ起こされてたらたまらねぇからな。
 パスワードもセーブもないけど再挑戦は可能だからな!行くぜ!」


「で、アンタはご主人様放って置いてタバサと三日三晩イチャついてたってワケね」
「あのなぁ」
「ゲルマニアにもDrワィルの名は聞こえてるわよ。
 外見にオリジナリティあり過ぎるけど性能は太鼓判だって。
 ただ性能に比べれば値段は安いけど定期的にウィル自身ないし彼の助手とでも言うべきガーゴイルによる
 メンテが必要なんで結果的に割高になるって陛下がボヤいてたとか」
「ウチの父様もよ。
 でもそれだけの出費にかなう作品だって言ってた」


「で、瀬戸さまは今回何をしようとしてるんだ?」
「さあ。昨日の夜『ちょっと思いついたんだけどさぁ』と言ってたわ。
 今調理場に居るみたいよ。
 ダーリン何か心当たり無い?」
「カンベンしてくれ」

などと食堂でダベっている一同の前に姿を見せた瀬戸。
シエスタを従え、二人してなにやら大きな荷物を背負っている。
「突然だけどバレンタインディよ!」
「カンベンしてくれ」
頭を抱えたサイトを無視してセトは背の荷物を降ろす。
「アタシの故郷にはね、バレンタインディという風習があるの。
 起源とかいうと長くなるから省略するけど、つまりは女の子が意中の殿方にお菓子を送るお祭りね。
 基本的にこの(と背から下ろした風呂敷包みからなにやら取り出す)チョコレートなんだけど
 クッキーでもいいわ」
「それに身分とか関係ありますか」
「身分なんざ持ち出すのは野暮ってモンよ、シエスタちゃん。
 それどころか『彼女が居る』かどうかすら関係無いわ!
 ルールはただ二つだけ!
 『女の子から意中の男に送る』と『貰った男は一ヵ月後にプレゼント返しをせねばならない』だけ!」
「瀬戸さま、止めたほうがいいと思いますよ」
「おや、なんでだい」
「ギーシュ、お前にゃ分からんだろうがな、これはある種の男にとってすっげ過酷な試練なんだよ」
「GMコマンドカスタム」とか「二月ないし三月十四日限定ステルス男」の異名を誇ったヒラガサイトは語る。
「ぶっちゃけ女の子に人気あるかないかを露骨に本人のみならず周囲にも知らしめるイベントなんだ」
ああそういえばサイトはセトと同郷なんだ、と皆が思う中彼の演説は続く。
「言っちゃナンだがその『ある種の男』が気の毒だろうが! マリコルヌとかマリコルヌとか、あと特にマリコルヌとか」
「なんでボク限定で気の毒なんだよ!」
「ああ、確かにマリコルヌには気の毒だね」
「だからなんでボクだけ!」
「お前だって他人事じゃねぇぞ。
 こないだまたフタマタ騒ぎ起こしたそうじゃないか。
 モンモランシーがアレでお前に愛想尽かしてたらどうする?
 彼女が他の男にチョコ渡す様を見せ付けられてお前正気でいられるのか」
「はっはっは、そんなことある訳無いじゃないか。
 ねえモンモランシー」
ギーシュの問いかけに視線をそらすモンモランシー。
「ど、どうしたんだい、何故僕の方を見てくれないんだぁ!」


「まあそんなだからやっぱりやめない、セト?
 いくらなんでも気の毒だわ、マリコルヌとかギーシュとか」
「そうね、マリコルヌちゃんとかギーシュちゃんとか可哀想よね」
「だからなんでボクばっかり!」
「ボクは気の毒なんかじゃない!」
「やめる必要は無いと思います!」
「どうしたのよシエスタ」

「ただの平民がメイジの方が使役する使い魔に告白してもかまわないとこのイベント!
 止めるなんて勿体無いです!
 夕べから徹夜でやらされたセトさんのお手伝いが無駄になるのもヤですし。
 キュルケさまやタバサさまもそう思われますよね!」
「まあ情熱のお祭りって事でアタシは賛成よ」
「わたしは別に」
「メイジのお方が他のメイジのお方が使役するメイジに贈り物しても構わないんですよ!
 別に愛の告白とかじゃなくて日頃手助けして貰ってるお礼に、という口実で渡しても一向に構わないんですし」
「構うわよ!っていうかタバサ!アンタやっぱり!」
「誤解。
 しかし日頃のお礼と言うなら」
「やっぱりぃぃぃぃぃぃ!」

しかし後日、このイベントはきっちり開催されハルケギニア全域へと広まっていったという。
後世、このイベントはコレをもたらした人物の名にちなんで「セト・バレンタインディ」と呼ばれるようになったとか。




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