あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界使い魔學院紀-01



「行っちゃったね…大丈夫かな…九龍クン…」
「奴なら大丈夫だ、≪秘宝≫を見つけ出し、ケロっとした顔で現れるさ。」
天香学園屋上、二人の生徒が沈みゆく夕陽を眺め学園から去って行った友を想う。
男子生徒がアロマに火をつけ煙を燻らせ小さく呟く
「死ぬなよ…九龍…。卒業までに戻ってこなかったらマジでお前の脳天に蹴りを入れてやるからな…」
「そうだね、皆守クンの言う通りだよね、きっといつかまた逢える、あたし達の≪宝探し屋≫に…」
皆守と呼ばれた男子生徒が小さく苦笑する
「あァ…、そろそろ戻るか…八千穂」
そう言いながら、校舎の中へと戻るべく、皆守が女学生の名を呼び振り返る、
すると八千穂と呼ばれた女生徒が驚いた表情でこちらを指差している。
「おい、どうしたんだよ?」
「ねぇ、皆守クン、その鏡一体何だろう…?」
「鏡だぁ…?」
返ってきた返事に訝しげな表情で八千穂が指さす先に視線を動かすと、
「なんだこりゃ? こんなもんあったか?」
皆守の前に大きな鏡がドンと鎮座していた。
「私たちがここに来た時は、こんなものなかったよねぇ? ってゆーか、なんか光ってるよ~?」
八千穂がその鏡に近づき触れようとしたその時、突如鏡が光を放ち彼女を飲み込もうとした。
「バカ! 触るな!」
皆守が叫び八千穂をかばうように制服の襟首を掴み引き倒す。その拍子に皆守は鏡に触れてしまい
恐ろしい力でその中に引きずり込まれる。
「皆守クン!!」
「八千穂! クソッ! 抜け出せねぇ!」
八千穂が皆守の腕を引っ張り完全に引きずり込まれないようにするも、ずりずりと彼の体は鏡の中に引き込まれていく。
「ど…ど…どうしよう~!! 皆守クン!!」
「ダメだ! このままじゃお前も飲み込まれちまう! 手を離せ八千穂!」
「そんなの出来ないよっ!」
それでも拒否する彼女を残った手で突き飛ばす。その拍子に彼の体は完全に引きずり込まれ、鏡とともに消え去ってしまった。
「皆守クン…そんな…どうしよう…」
その場に残された八千穂が座り込み呆然と呟いた…。


「…んだここは?」
鏡に飲み込まれ意識を失った彼は茫然とあたりを見渡す。
そこは明らかに自分が暮らしてた東京新宿、天香学園とは違う場所。
一面に広がる草原。遠くには資料で見た中世ヨーロッパ辺りを連想させる城が建っていた。
視線を感じそちらへ目を向けると自分の周りに見たこともない制服を着ている人達に気がついた。
「あんた誰よ?」
その中で一番皆守に近い位置にいた桃色の長髪の子が声をかけて来た。
「…あ? 何だお前」
事情が呑み込めていない皆守は少々イラついた口調で聞き返す。
その言葉とともに周囲にいた人々が笑い声をあげた
「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」
「さすがはルイズ、遥か予想の斜め上だ!」
「なっ、うるさいうるさい!! ちょっと間違えただけよ!!」
桃色の髪の子が頬をやや赤く染め、野次を飛ばす仲間であろう人達に怒鳴り散らす。
「おい、質問に答えろよ、ここはどこでお前は誰なんだ?」
周囲の人間に怒鳴り散らす少女に皆守が再び尋ねる
「うるさいわね! あんたは少し黙ってなさい!」
その返答に再び口を開こうとすると、この場で唯一大人であろう中年の男性が前へ出てきた。
その男性に向かい、ルイズと呼ばれた桃色の髪をした少女は訴えかける
「ミスタ・コルベール! もう一度やらせてください!」
「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
「でも…彼は平民ではないですか!」
「それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、それにより専門課程へと進むんだ。
一度呼び出した『使い魔』は変更することはできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。
奸むと好まざるにかかわらず、彼を使い魔にするしかない」
「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。彼はただの平民かもしれないが、
喚び出された以上、君の『使い魔』にならなければならない。
かつて人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。
彼には君の使い魔になってもらわなくてはな」
「そんな……」
その言葉を聞きとてつもなく嫌な予感がした皆守が前に出る
「待て、なんだその使い魔って、つかここはどこだ、いい加減にしねェと蹴り入れるぞ!」
「あーっ、もう!  うるさいだけじゃなく、失礼な平民ね!  いい? 言うのは一度だけよ。
ここは、ハルケギニア大陸のトリステイン王国。そして、伝統あるトリステイン魔法学院よ。
…後、これが一番大事な事だけど。私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール。
あんたの主人となるべきメイジよ。覚えておきなさい!」
半ば自暴自棄気味に叫びながら、少女はこちらへ近寄ってくる。
「はぁ? 何言ってんだ? そもそもメイジってなんだよ…」
早くしろーと野次を飛ばしてくる生徒を、ルイズと名乗った少女はキッと睨み、その後ため息をつきながら皆守の方を見る。
「あんた、感謝しなさいよね。こんな事平民には一生ないんだから」
怒りを通り越して呆然とする皆守にルイズが話しかける。
「ちょっと…屈みなさいよ、届かないわ、あとそのパイプ?取りなさい」
「なんだよ…何する気だよ…」
ブチブチと文句を言いながら少女の言う通りに屈む。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
小さな杖を皆守の目の前で振りながら呪文らしき言葉を紡ぐ。


「(何の儀式だこれは…)」
と、少々呆れながら様子を見ていると杖を皆守の額に置き、徐々に顔を近づけてくる。
「おい! ちょっと待て! 何する気だ!」
それに驚いた皆守がルイズを突き飛ばそうとするも時すでに遅し、二人の唇が触れあった。
「(なんだろう?いい香り…)」
ルイズが皆守から漂ってきたラベンダーの香りにそんな事を考えていると。思いっきり彼に突き飛ばされてしまった。
「お前! いきなり何しやがる!」
皆守は怒鳴りながら唇を制服の袖でゴシゴシと擦る。
「ちょっと! 貴族に向かってなんてことするのよ!」
「うるせぇ! それはこっちのっ…! うぐっ!!!」
言い終える前に、左手に這うような熱と痛みが走る。
「クソッ! 何しやがった!」
「すぐ終わるわ。あんたの身体に『使い魔のルーン』が刻まれているだけだもの」
ルイズが呆れ気味に応える。確かに熱いのは一瞬で、体は普段の状態に戻った。
と、痛みから解放され地べたに座り込んだ皆守に、コルベールと呼ばれる男性が近寄ってくる。
「ふむ、珍しいルーンですね、少々見せてもらうよ」
そういいながら彼の左手に浮かび上がったルーンをさらさらとスケッチしていく。
スケッチし終わったコルベールは、周囲にいた生徒に指示を出す。
「――さて、これにて儀式は無事終了です。さあ皆、教室に戻りますよ。遅れないように」
コルベールとルイズ以外の生徒たちは皆宙に浮いた。
「なっ…」
その様子をみて、皆守は言葉を失い持っていたアロマを地面に落とす。
「なに驚いてるのよ、メイジが空を飛ぶなんてあたりまえじゃない」
「………んなわけあるかよ…なんなんだここは……俺はどこに来ちまったんだ…?」
落ちたアロマを拾うことも忘れ皆守は一人呆然と呟く。
そんな二人に空の上の生徒たちから声がかかる
「ルイズ! お前は歩いてこいよ!」
「お前みたいなのは平民がお似合いだぜ!」
「ハハハハ!!」
その言葉に顔を真っ赤にしながらルイズは俯く。そんなルイズを横目で見ながら皆守が話しかける。
「説明はしてもらうからな? それで…お前は飛ばないのか?」
「ううううるさい! さっさと行くわよ!」
叫びながらドスドスと建物へと向かうルイズを見ながら皆守は小さく呟く。
「…八千穂をかばって正解だったな…なんなんだよここは…」
こうして彼、皆守甲太郎の異世界での使い魔生活がスタートしたのだった。


1st.Discovery 『謎の異邦人』


「なんで月が二つあるんだよ…」
窓から見える二つの月を見て甲太郎は自分が異世界に来た事を痛感する。月が二つあるなど地球では絶対にありえないことだ。
あの後、歩いて寮塔に着いた甲太郎は、一緒にいたルイズに状況把握の為色々と質問をぶつける。
ここは何処なのか? 何処の宗教団体なのか? さっきは何の儀式だったのか? それはもう沢山聞き、気付けば夜に変わっていた。
その間に、なんとなくここが別世界だと感づいたのだが、ありえないと何度も甲太郎は自分に言い聞かせて来た。
だがそれも空に浮かぶ二つの月と、圏外になった携帯電話、そして先ほど見た何も使わず空を飛んで行った人々をみて、その考えも次第に変わっていったのだった。
「何言ってるのよ、月が二つあるなんてあたりまえじゃない、それよりコータロー、ちゃんと私の説明聞いてた?」
そんな甲太郎をみてルイズがイライラしたように話しかける。
「あぁ、ちゃんと聞いていたさ、俺はお前の≪使い魔≫とやらになっちまったんだろ? 
だがな、俺は学生だ、もう少しで卒業なんだぞ? そんなことに付き合ってられないんだよ、さっさと俺がいた世界に帰せ」
「平民のくせに学生? っていうか元いた世界ってなによ? それに、解除して還す手段があるならとっくにそうしてるわ」
「ふざけるのも大概にしろよ…一方的に拉致しておいて還す手段がないだと? どこまで勝手なんだ?」
「うるさいわね! そもそもあんた平民のくせに貴族に対する口の利き方がなってないのよ!」
「貴族だ? そんなことは知らねェよ、第一、一生ガキのお守なんざ俺はごめんだね」


そう言いながら甲太郎は壁に寄り掛かりアロマに火をつける。
「ガキってなによ! もう…なんでこんなメイジもなにも知らない田舎者が私の使い魔なのっ…!?」
ルイズは自分が召喚してしまった男をキッと睨みつける、なんでこんな奴が召喚されてしまったのだろうか。
そう思っていると、ルイズの鼻をラベンダーの香りがくすぐった。
「ねぇ、あんたの吸ってるのもしかしてパイプ? そんなもの吸っていいと思ってるの?」
「いや、こいつはパイプじゃなくってアロマさ、いわゆる精神安定剤ってやつだ」
「何よそれ…、でもいい香りね」
「どうだ? お前も試してみるか?」
甲太郎はニヤリと笑い咥えていたアロマをルイズに差し出す、ルイズはその言葉に顔を真っ赤にした。
「な…な…何言ってるのよ! そ…そんなもの吸うわけないでしょ! 馬鹿じゃないの!?」
「ふん…うまいんだがな…」
そう言いながら、ふーっと煙を吐き出し考える、
何としても元いた地球に帰りたい、もう少しで卒業する身だ、
それに、親友と再会を約束したのだ、卒業するまでににもう一度会うと、自分自身がその約束を果たせないなど笑い話にもならない。
とはいえ、ここは右も左も知らない世界だ、今のところはおとなしくしておくべきか…、そう考え甲太郎はルイズに話を切り出す。
「お前、改めて聞くが、俺ではない使い魔のほうがいいよな?」
「と…当然じゃない!」
「よし、決まりだ、お前は俺との契約を解除し元にいた世界に還す方法を探す、
その代りに俺はお前に従おう、これはお互いにとって為になる取引だ、悪い話じゃないだろ?」
「取引って…あんたねぇ、平民であるあんたが貴族である私に取引なんてできる立場だと思ってるの?
でも、あんたの言うことももっともよね、私もあんたみたいなやる気のない平民なんかよりネズミとか犬を召喚しなおしたほうがよっぽどいいわ」
「チッ、んだよそりゃ…お前が男なら蹴り飛ばしてやるところだ…、まァいい、とりあえず交渉成立だ」
ルイズの尊大な態度に少々イラついたが、ぐっとこらえる、子供相手に怒りをぶつけたところで疲れるだけだ。

「とりあえず、使い魔としての仕事を説明しておくわ、契約解除するまであんたは私の使い魔なんだから
しっかり働いてもらうわよ、その代わりここにいる間の衣食住はこちらで面倒見てあげるわ」
「めんどくせぇな…」
ため息交じりに呟いた甲太郎をルイズがキッと睨みつける
「なんか言った!?」
「いや…で、何をやらせる気なんだ?」
「本当やる気を感じさせない奴ね…! いい? まず使い魔には主人の目となり、耳となる能力が与えられるわ、
でもあんたじゃ無理ね、何も見えないもの 」
「へぇ…」


そういいながらぷか~っとアロマの煙を吐く、まるで興味がないらしい。そんな甲太郎の態度にイラ付きを感じながらルイズは続ける
「…あと、使い魔は主人の望むものを見つけてくるの、例えば秘薬とか」
「悪いがご期待には添えられそうもねぇな」
すでに甲太郎は床に寝そべっている、目を離したら寝ていそうだ。
「ちょっと! 何寝てるのよ! 最後までちゃんと聞きなさい! あと使い魔は主人であるメイジを守ること! これが一番大事!」
「おいおい、荒事をさせる気か? 俺は学生だぜ? 平和な日常を享受させてくれよ…」
「あんたなんかにそんなことは期待してないわ、だから洗濯とかその他雑用はしっかりやってもらうからね!」
「んで俺が……わかったから、んな睨むな…」
殺意のこもった眼で睨みつけてくるルイズにめんどくさそうに手を振りながら答える。
「もうっ…! 本当なんなのコイツ! どこまで無気力なのよ!」
そうブチブチと文句を言いながら自身も眠るために、制服を脱いでいく、それをチラとみた皆守が驚いて口を開いた。
「なッ! お前! なにやってんだ!」
「何って? 着替えてるのよ、見ればわかるじゃない、っていうかお前って何? ご主人様って呼びなさいよ」
「そうじゃねぇよ! なんで俺の前で着替えてんだ!」
「何よ、使い魔の前で着替えたって何も思わないわ」
そういいながらルイズはスルスルと衣服を脱ぎ寝巻き姿へと着替える。
「どこまでも常識のねぇガキだな…」
「それ、明日になったら洗濯しなさい」
と、キャミソールとパンティを甲太郎に投げ付ける。 それを手で払い落すと甲太郎は再び目を閉じ考える。
「(んでこんなことになっちまったんだ…、あァ…マジで夢であってくれ…)」
そこまで考えると、深い眠りへと落ちて行った。

To be continued...



特記事項
皆守甲太郎:ドライです 使い魔です
ルイズ:協調性がありません ご主人様です




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