第四話 洗濯超人ベルモンド
天気の良い早朝、メイドのシエスタはいつものように洗濯をしようと洗濯場へと向かっていた。
そんな彼女に呼びかける者がいた。シエスタが振り向くとそこには、
洗濯物を抱えたクマちゃんがいた。
シエスタの体に衝撃が走る。
昨日の使い魔の召喚でクマちゃんが召喚されていたというのは聞いていた。かわいらしいとも。
だが、実際に見てみるとここまで愛らしいものだとは。
こんな可愛いクマちゃんと毎日を過ごせるなんて。正直ルイズがうらやましい。
「ねえ、どうしたの?」
と、そこにベルモンドから声が掛けられる。
正気に返ったシエスタはごまかすようにベルモンドの用件を聞きなおした。
なんでも主人のルイズに洗濯ものを頼まれたのだが洗濯の場所が分からなくて困っていたそうだ。
なお、ルイズは朝起こされた時にベルモンドに抱きついて寝ていたことに気付き、
恥ずかしさをごまかすように洗濯を命じて部屋から追い出してしまっていた。
今現在は着替えも命じればよかったと後悔したり抱き心地が良かったなあとにやにやしたりと忙しい。
それはさておきシエスタは、クマちゃんと一緒にいたかったこともありちょうど自分も向かうところだったからと快く案内をすることにした。
互いに自己紹介しながら洗濯場へ着くとそれぞれの洗濯物を洗い始めた。
だが、
「あの、手、大丈夫なんですか?」
悲しいかなベルモンドのぬいぐるみの手は水を吸い、おまけに泡立ってびしょびしょのぶくぶくに。
すかさずシエスタは持ち前の親切心とかわいいクマちゃんのためという思いからベルモンドの分の洗濯も引き受けた。
別に苦にはならない。いつもの仕事が少し増えただけだし、
それに手を胸の前で握り合わせてギュッギュッと水を絞るベルモンドの仕草はとても可愛かったからだ。
そんな彼女に呼びかける者がいた。シエスタが振り向くとそこには、
洗濯物を抱えたクマちゃんがいた。
シエスタの体に衝撃が走る。
昨日の使い魔の召喚でクマちゃんが召喚されていたというのは聞いていた。かわいらしいとも。
だが、実際に見てみるとここまで愛らしいものだとは。
こんな可愛いクマちゃんと毎日を過ごせるなんて。正直ルイズがうらやましい。
「ねえ、どうしたの?」
と、そこにベルモンドから声が掛けられる。
正気に返ったシエスタはごまかすようにベルモンドの用件を聞きなおした。
なんでも主人のルイズに洗濯ものを頼まれたのだが洗濯の場所が分からなくて困っていたそうだ。
なお、ルイズは朝起こされた時にベルモンドに抱きついて寝ていたことに気付き、
恥ずかしさをごまかすように洗濯を命じて部屋から追い出してしまっていた。
今現在は着替えも命じればよかったと後悔したり抱き心地が良かったなあとにやにやしたりと忙しい。
それはさておきシエスタは、クマちゃんと一緒にいたかったこともありちょうど自分も向かうところだったからと快く案内をすることにした。
互いに自己紹介しながら洗濯場へ着くとそれぞれの洗濯物を洗い始めた。
だが、
「あの、手、大丈夫なんですか?」
悲しいかなベルモンドのぬいぐるみの手は水を吸い、おまけに泡立ってびしょびしょのぶくぶくに。
すかさずシエスタは持ち前の親切心とかわいいクマちゃんのためという思いからベルモンドの分の洗濯も引き受けた。
別に苦にはならない。いつもの仕事が少し増えただけだし、
それに手を胸の前で握り合わせてギュッギュッと水を絞るベルモンドの仕草はとても可愛かったからだ。
ああ、これだけでご飯三杯はいける。
シエスタが再び正気にかえったときいつの間にか洗濯は終わってしまっていた。
「じゃあ、あとは干してしまいましょう」
そう言って洗濯物を持とうとしたシエスタを、
「さっきのお礼にボクが持ってあげるよ」
とベルモンドが押しとどめた。
「そんな、悪いですよ」
そう遠慮したが、
「そんなことないよ。ここまで案内してくれた恩もあるしこれくらいさせてよ」
とそれを押し切ると、自分の分と一緒にシエスタの洗濯物もひょい、と持ち上げてしまった。
洗った後の水を吸った洗濯物というのは重い。今までもシエスタは一人で運んでいたとはいえ何度かに分け苦労して運んでいたのだ。
それをあっさりと持ち上げ、ベルモンドは物干し台へと別段変わらない足取りで歩いていく。
「うわあ、ベルモンドさんって力もちなんですね!」
「うん、ボク鍛えてるんだ。でも改めて言われると照れるなあ」
正直、このクマちゃんが鍛えているというのには違和感を感じた。
だが、照れているベルモンドを見ているとそんなものはどこかへ吹き飛んでしまった。
ああ、かわいい。
こんな使い魔を持っていいなあミスヴァリエール。
だが考えてみれば自分だってこうしてベルモンドに会えるのだ。
そう思いシエスタはこれから毎日洗濯を一緒にしようという約束を交わした。
洗濯を自分が、運ぶのをベルモンドが、そういう約束を。
洗濯物を干し終わった後ベルモンドと別れるのはさびしかったがそれでも足取りは軽かった。
これからは毎日このかわいいクマちゃんに会える。シエスタには日々が明るくなっていくように感じられていた。
今の彼女にはベルモンドの真実は知る由もなかった。
「じゃあ、あとは干してしまいましょう」
そう言って洗濯物を持とうとしたシエスタを、
「さっきのお礼にボクが持ってあげるよ」
とベルモンドが押しとどめた。
「そんな、悪いですよ」
そう遠慮したが、
「そんなことないよ。ここまで案内してくれた恩もあるしこれくらいさせてよ」
とそれを押し切ると、自分の分と一緒にシエスタの洗濯物もひょい、と持ち上げてしまった。
洗った後の水を吸った洗濯物というのは重い。今までもシエスタは一人で運んでいたとはいえ何度かに分け苦労して運んでいたのだ。
それをあっさりと持ち上げ、ベルモンドは物干し台へと別段変わらない足取りで歩いていく。
「うわあ、ベルモンドさんって力もちなんですね!」
「うん、ボク鍛えてるんだ。でも改めて言われると照れるなあ」
正直、このクマちゃんが鍛えているというのには違和感を感じた。
だが、照れているベルモンドを見ているとそんなものはどこかへ吹き飛んでしまった。
ああ、かわいい。
こんな使い魔を持っていいなあミスヴァリエール。
だが考えてみれば自分だってこうしてベルモンドに会えるのだ。
そう思いシエスタはこれから毎日洗濯を一緒にしようという約束を交わした。
洗濯を自分が、運ぶのをベルモンドが、そういう約束を。
洗濯物を干し終わった後ベルモンドと別れるのはさびしかったがそれでも足取りは軽かった。
これからは毎日このかわいいクマちゃんに会える。シエスタには日々が明るくなっていくように感じられていた。
今の彼女にはベルモンドの真実は知る由もなかった。