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ゼロの女帝 第十八話


「で」
ワルドを退けた(泣きながら逃げていった)瀬戸は問い掛ける。
「ウェールズちゃんはこれからどうするのかしら」
「もちろん戦いますよ みっともなく、無様に。
 必要とあらば忠臣さえも見捨て、時に誰彼構わず媚びへつらい、喉が乾けば泥水をすすり
 蝿がたかる腐肉を野良犬と奪い合いながら『レコン・キスタ』と戦います。
 それくらいせねば彼らにも悪いですから」
「彼らって、あの反逆者どものことですか?」
「そうだよ使者殿。
 始祖より王権を与えられし王家には向かうというのは広義に始祖へ反逆するのに等しい。
 そんなプレッシャーを跳ね除けて我々に戦いを挑んでいるんだ。
 あっさり挫けるわけには行かないだろう?」

「クロムウェル閣下、敵地に潜入していたワルド卿がご帰還なされました」
「おお、よくもどった。
 さっそくこちらに」
で、皆の視線の先にあったのは
「うっく ひっく えっぐ」
「ほらほら、いつまでも泣いてないでこっちきな」
「土くれのフーケ」ことマチルダ・サウスゴータに手を引かれて泣きじゃくるジャン・ジャク・フランシス・ド・ワルド子爵の姿でした。
「だって、あいつヒドいんだよ。
 せっかくボクが正々堂々裏切っての不意打ちで簡単にしとめて上げようっていうのにさ」
「はいはい」
「あいつったらあろうことかボクが裏切ってるのを見抜いて、しかも杖予備にいたるまでニセモノとすりかえるなんてヒドいと思わない?」
「あーはいはい、とりあえずあんたのボスの前なんだからちったぁシャキっとしなよ。
 あたしゃ足洗ってカタギになろうとしてたのを無理矢理参加させたんだからね。
 もっときっちりしてくんないとあたしの立場ってモンが無くなるんだから」
もっとも退職金にセクハラの慰謝料まできっちり貰ったあげく「戻ってきたらまた雇ってもらう」との言質を取っている彼女でした。


「ふふっ 気に入ったわウェールズちゃん。
 あたしの娘貰ってくれない?」
「残念ですがご遠慮しますよ。
 おそらく半年後くらいに誰か、王党派貴族の息女を娶る、ってな感じになるでしょうね」
「なっ」
絶句するルイズ。
彼の言葉は瀬戸の全面支援の拒否とアンリエッタと添い遂げることの諦めという意味なのだから。
「使者殿」
ウェールズがルイズに語りかける。
「私は王家の人間だ。
 平穏な時代ならともかく戦乱の世において「人として」幸せになる事など許されないのだよ」
「そうなのよルイズちゃん。
 王家の人間とはよく言って王国と民を守るための使い捨ての道具に過ぎないわ。
 使い捨てになりたくなければされないだけの力量を発揮しなければならない。
 よく物語で「王家の姫(ないし王子)である前に人間だ」とかいう阿呆が出てくるけどあれは間違い。
 王家に生まれると言う事はそれだけで幸せになる資格が無い、という事なのよ。
 ぶっちゃけ王家に生まれた分際で『自分は人間だ』と主張するなど図々しいにも程があるの」
「でも・・・でも王家って・・・・・・王家なんだから・・・・・・」
「貴族の出であっても、それはあまり変わらないわよ。
 それじゃ、ま、イッパツやるとしましょっか。
 少しくらいの手助けをお許しくださいな殿下」


「ふむ、それでその恐るべき女の為に使命を果たし得なかったという訳だね」
「申し開きもございません」
ようやく落ち着いたワルドの報告を聞いたクロムウェルは、彼を罰しようとしなかった。
「卿に出来なかったのなら何者にも出来まい。
 今はゆっくり体を休めたまえ」
「ははっ ありがたきお言葉」
自分はひょっとしたら役者に向いているのかもしれぬ、とクロムウェルは思った。
内心の落胆と彼に対する侮蔑の意思を完璧に隠しとおせたのだから。
「で、どう思われますか」
「お気づきになられてましたか」
「いえ、ハッタリです。
 多分貴女がそこにいるのではないか、とおもいましてな」
どう見ても人が隠れられない小さなカーテンの陰から一人の女性が姿をあらわす。
時に聖職者である自分すら姦淫の木の実をもぎ取りたくなる肉感的な女性。
彼を物心情報、ありとあらゆる状況と形で支援してくれる人物の『使い』を自称する存在である。
「で、いかが思われますか」


「そうですね、大変興味深いです。
 主にご報告して対策をたてましょうか」
その言葉が終わらぬうちに振動が『レコン・キスタ』旗艦レキシントン号を大きく揺さぶる。
「何事だ!」
「王宮から謎の光弾が!」
「魔法か!」
「いえ、系統魔法のどれでもありません!
 あらゆる魔法防御が貫かれて!」
一弾がブリッジを貫き、クロムウェルの襟を焼き払う。
「な、なにが・・・・・」
茫然自失する彼に比べ「使者」たる女性は冷静に懐から遠眼鏡を取り出し、王宮を見やる。
それは、明らかにメイジではない一人の女性が放つ謎の光。
その輝きは次々と『レコン・キスタ』に所属する船を貫いていく。
「馬鹿な・・・・・・」
数発の光弾に貫かれた船が燃える事無く地へと落ちていく。
「あれほどの威力の弾を・・・・・何発・・・・・しかも連続で・・・・・・」
呪文を詠唱している様子も無い。
「いったいいくら距離があると思ってるんだ!」
また一発が、今度は彼女の右の襟を焼く。
「!」
遠眼鏡越しに、確かにあの女はこちらを見て微笑んだ。
はっと遠眼鏡から目を離した瞬間、光弾が遠眼鏡を貫く。
あのわずかな瞬間、確かに彼女は自分に語りかけていた。
(あんまりおいたが過ぎるとお仕置きしちゃうわよって ご主人様に伝えなさい)




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