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虚無と狂信者-14




 マリー・ガラント号に乗り込む列に並ぶ、タバサとベルナドット。脱出手段のない彼らは、
戦地での結婚式に出席する訳も無く、先に脱出すると言っておいた。
「まあ、プラフだけどな」
「最高のタイミングで横合いから思い切り殴りつける」
 ベルナドットは主人の答えに同意する。彼らは礼拝堂に向かった。

「さあ、始めようか。」
そう言うと十人のワルドは一斉にライトニングクラウドを唱える。
あるものは風、あるものは土で防いだが、ほぼ全員がトライアングル。
スクウェアの偏在達の一斉攻撃で全ての精神力は使い果たされた。
ルイズはワルドの一体にレビテーションをかける。すぐさま弾けるワルドの偏在。
さらにサイトはトリガーを引き、正確にワルドの偏在を貫く。
だがワルドのエアハンマーが二人を吹き飛ばし、ルイズは気絶、銃は彼方に飛んで行った。
「ふむ、君達はやはりやる、魔法にかまけた奴らとは一味違う。」
「ほざくな!」
ワルドは雷撃をサイトに浴びせる。だが、サイトは止まらない。ワルドに肉薄する。
しかしその突きはあっさりとかわされ逆に胸を貫かれる。
サイトはその杖を捕まえようとするも、ワルドは蹴りを腹に喰わせて吹き飛ばす。
メイジ達は各々武器を持って立ち向かうもエアハンマーで悉く吹き飛ばされる。
「さて、任務を果たそう。」
そう言ってウェールズにひたひたと迫る。ウェールズは口惜しげに唇を噛んだ。
突然ワルドが弾け飛ぶ。ルイズはふらふらと立ち上がり前を向いていた。
口元は血と吐瀉物で汚れている。
七人のワルドが近づく。
「ルイズ……やめとけ……」
「うるさいわね……。」
ふらつきながらも明確な敵意を持ってワルドを睨む。籠った声で呟いた。
「姫様を馬鹿にして、裏切って……許さない。」


「それだけの理由で戦うのか?万に一つも勝ち目は無いぞ」
「そんなに無くても充分よ……。私が…貴族が戦うのなんて…勝ち目がほんの僅かでもあれば、そう………」
ルイズは杖を振り上げる。
「那由他の彼方で充分よ!」
叫びとともに爆撃が行われる。ワルドの偏在達は散り散りになりそれらをかわす。
その爆音とは違った音が響いたと思うとワルドの偏在達が吹き飛んだ。

「分身を作り、即死の雷撃を唱え、風を自在に操る…………。ならこんなのはどうだい?」
ベルナドットのマシンガンはワルドの偏在を容赦なく消し飛ばす。
氷の矢が吹きかかり、さらに偏在達を目減りさせる。
不意を打たれた格好のワルドは風の障壁を纏う間も与えられず、もし纏っても、近代兵器
はそんなものを物ともする訳が無かった。最後にタバサの後ろに回ったワルドの喉笛を
ベルナドットの投げナイフが貫いた。
奇襲、不意打ち、挟撃。
ベルナドットの本領のオンパレードと言っていい。
「生きてるか?」
ベルナドットとタバサ。二人の奇襲はワルドをあとかたもなく消し去った。
「全滅だな。」
「あんた達……卑怯ね。」
「こちとら喧嘩弱ぇからよ。軍人さんとまともに喧嘩なんざしねぇぜ」
ウェールズがふらふらと立ち上がる。
「それもそうさ…………まして相手が裏切りものなら尚更だ。」
そこでベルナドットとタバサは辺りを見渡す。
そう全ての偏在は跡形も無く消えうせた。跡形も無く。
残ったのは、木彫りの人形が二体。
「てめぇら気をつけろ!!」


ウェールズの後に居たメイジ。その男が杖をタバサに向けていた。
タバサの方に飛び、雷撃をかわりに背中に受け、帯電と共に倒れるベルナドット
後ろに立っていたのはウェールズに使えていたメイジ
その顔が少しずつ霧だ晴れるように変わっていき、ワルドのものとなる。
風のスクウェアスペル、フェイスチェンジ

アルビオンの真下、風竜の上、ヴェルダンデが穴を掘り進めている。
急にアンデルセンの視界がぼやけた。
「何だ?」
左目の視界に目の前の景色とは別の映像が浮かんでいる。右目を閉じると、はっきりと
それは見えた。雷撃に倒れる男、伏す少年、青い髪の少女に向けて呪文を唱える男。
ワルド子爵
「どうしたのアンデルセン?もうすぐ開通するわよ?!」
静止を聞かず、アンデルセンは聖書を使い、移動を始めた。

崩れ落ちるベルナドット、雷撃を喰らうウェールズ達。
タバサは呪文を唱えようとしたが、ワルドのエアカッターの方が早く、
鮮血にまみれ、動かなくなった。
ルイズに向け、エアカッターを唱えるワルド子爵。
ルイズの思考が追い付くのはベルナドットが地面に突伏した時だった。
「化かし合いは、僕の勝ちだね。」
ワルドは冷徹に彼女を見下す。そして、呪文を解き放つ。
血しぶきが舞う。
しかし自分には痛みが無い。
ルイズは瞑った眼をおそるおそる開いた。



目の前に立つのは、サイト。
蛇口の様に血を流す彼。
にも関わらず彼はゆったりと辺りを見渡す。
焦げる男たち。勇敢に戦うはずだった彼ら。
ベルナドット。ぶっきら棒で、自分のことを心配してくれた気さくな傭兵。
ルイズ。守ると約束した少女、勝気すぎる彼女が今は倒れ泣いている。
タバサ。無表情で無愛想で、けど悩みを解決してくれた、本当は心優しい少女。
彼らはみな傷を負い、倒れ伏している。
彼の中で何かが切れた。
その足取りはしっかりとワルドに迫る。
「神よ。彼らの口から歯を抜き取ってくださるように」
風が彼を裂く
「主が獅子の牙を折られるように」
雷撃が貫く
「彼らは水のように捨てられ、流れ去るがよい」
偏在が一つ生まれ、杖がサイトを貫いた
「神の矢に射られて衰え果て」
その杖をもろともせず、銃剣を貫く。
掻き消える偏在から興味無さげに視線を外す。
そのままワルドに向かって歩き続ける。
「蛞蝓のように溶け、太陽を仰ぐことのなき流産の子となれ」
ワルドは恐怖した、ありったけの魔力で偏在を生みだす。
「鍋が柴の炎に焼けるよりも速く」
偏在に銃剣を投げつけ、また一つ倒す。
「生きながら、怒りの炎に巻き込まれるがよい」
サイトは銃剣を両手に持ち、彼の様に十字に構えた。
「AMEN」


ワルドは少年によって自己に生まれた恐怖を無理やり押し込めた。
(落ち着け!敵はもはやこいつ一人!こちらは偏在が二人いるんだ。)
同時に二人を襲わせ、一つは心臓、一つは首を、それぞれ狙う。
それで滅ぼす。この少年を。
そして偏在二つは忠実にそれを実行しようとした。
だが、それはサイトの腕でのガードによって阻まれる。
サイトは両腕を使って顔面と首、胸をガードし、突進していた。
(わかってきた…………)
自分はベルナドットのように銃を上手く使い、策を用いることはできない。
ルイズやタバサのように魔法を使える訳でもない。
まして、吸血鬼のようなでたらめな化け物でもない。
ただ真っ直ぐに、彼の様に、
前へ 前へ
心臓目がけて 銃剣を

ウェールズは思った。彼は何故征くのか。
風のスクウェアに、いかな不死身とは言え。
その瞳に逡巡は無く、死の覚悟もなく、ただ生きたものの意志を持つ。
ただ、前へ、前へ、
これは誇り高き貴族そのものではないか。

後ろから、杖が二本、突き刺さる。
メキメキと音を立て,少年の体が悲鳴を上げる。
ライトニングクラウド
瞬時に黒こげとなる彼の全身。
しかし、すぐさまその姿は雷撃を受ける前に戻って行き、彼を睨む。
サイトはポケットから何かを取り出し、自身の後に投げる。爆発と共に偏在達は吹き飛び、
彼はワルドの足元に倒れ込んだ。そのままフラフラと立ち上がり、敵を見据える。
その眼光に気圧されたワルドはもはや動くことができなかった。



タバサは虚ろな目で、サイトの進撃を見ていた。
相手は風のスクウェアメイジ
魔法衛士隊の隊長
どう考えてもこの少年に追随できうる要素は無い筈だった。
彼がリジェネーターだからだろうか。
それだけではない。
神の代理人、神罰の地上代行者だからか。
違う。
明確な怒りと自分の意志で彼は戦っている。
己の心に反したものを、今打ち砕かんとしている。
「イーヴァルディ……」
彼女の口からでたのは、憧れの勇者の名だった。

もはやワルドに魔力はほとんど残っていない。しかし、それを持ってもワルドは退かなかった。
エア・ニードル。己の、おそらく最後の攻撃魔法。あとはフライがせいぜいだろう。
単純な斬り合い。しかし、こうなってからワルドの動きが洗練されていることにタバサは気づいた。
もとより満身創痍の才人に対し、ワルドは魔力を欠いたとはいえ、肉体的には余力十分だからだ。

ワルドの心は不思議な高揚に包まれていた。
吸血鬼、国家、裏切り、聖地
全てがもはやどうでもいいことになった。あるのは戦っているという事実だけ。
どうしたことだろう。魔力も尽き、策も尽き、己の剣術だけが残った時、
どこかでこれを望んでいたような気分。
もはや魔力は飛んで逃げる程しかない。だがその前にこの少年は始末する。
それは魔法衛士隊として、貴族として、男としての意地だった。

ここで逃げてしまっては、私は私でいられなくなってしまう。


杖を振るい、彼の首に狙いを定めた。
しかし、それは空を斬る。
少年は倒れ伏していた。
背中の焦げは回復していない。しかし、その眼は変わらぬ戦意でワルドを睨んでいる。
横ではタバサが杖をこちらに向けている。見え透いたハッタリだった。
しかし、そんな状況は関係無しに、ワルドはこの少年にトドメを刺す気にはならなかった。
彼は一昨日、大怪我を負っている。その事実が何故かこびりついていた。
己にはレコンキスタからの援軍。彼には味方の存在。ふとこの場で蹴りをつけるのが惜しい気がした。
ワルドは気丈な瞳でこちらを見るルイズを一瞥した。一瞬、ほんの一瞬だけ、魔法衛士の顔に戻る。
「次は殺す。必ず殺す」

踵を返したワルドはフライの呪文を唱えて飛び立った。ウェールズは気を取り直し、彼らに駆け寄る。
「彼らを避難船に運べ!早急に治療するんだ!」
サイトに駆け寄る皆。意識を保ったサイトはそれを押しとどめる。
「ベルナドットさんを………俺は……大丈夫……不死身ですから。」
そう言われ、それぞれに回る水メイジ。
タバサは立ちあがってそれを固辞した。ベルナドットに治療は専念される。
「すいません………ウェールズさん………苦労をかけて。」
「構わないさ、君らがいなければ僕は彼に殺されていたろう。」
ウェールズはサイトの手を取る。ふとその視線がどこかに向かった。
光る本のページが、そこに集まっている。そしてそれらが増えていく。
その中から男が現れた。警戒態勢をとるウェールズ達。しかし、サイトの態度で警戒を解いた。
「アンデルセン神父!」
彼は黙って回復法術をかける。
「神父、すいません………」
「しゃべるな」
すぐさま傷が治るサイトに驚くウェールズ達。一方サイトはふらふらと立ち上がった。
次いでもこもこと盛り上がる地面。そこからもぐらが姿を表した。
「なんだい?君らは?」
「こいつらの仲間です。」
 何故かギーシュが率先して答えた。


「ベルナドット」
タバサが己の使い魔に話しかける。彼の服はほとんど黒こげていた。
「ベルナドットさん!!」
サイトが彼のそばに倒れ込む。
彼の心臓に耳を当てる。それはしっかりと鼓動を立てている。
人を即死させる魔法をかけられてなぜ彼は生きているのか。
ふと、彼の上着の中からカタカタと音が鳴る。
デルフリンガー。
魔法を唱えられた場合防ぐ術が無いベルナドットに対し、サイトが手渡したものだ。
魔法を吸いとる力を持つ魔剣は彼の命を救っていた。
「命、拾ったな………」
ベルナドットがポツリと呟く。
「良かった。」
「男に泣きつかれても嬉しくねえよ。」
いつもの軽口をしたあとベルナドットは立ちあがった。
「さあて、お宝貰ってトンズラこくか!」
サイトは笑って立ち上がろうとした時、彼の視界が暗くなった。
(あれ……?)
なお立とうとする彼の意思とは関係無く、彼の体は地面に倒れた。

「サイトさん!大丈夫ですか?」
「ちょっとダーリン!大丈夫?」
「アンデルセン!こいつを避難船まで運びなさい!」
ルイズに言われ、アンデルセンはサイトを抱え、メイジに案内された方へ向かう。
「仕様がない奴だ、全く………」
ただの甘えの抜けきらぬ餓鬼のくせに、無謀すぎる戦いに平気で挑む。
それでもって自分に好意を抱く女に心配ばかりかける。
自分のことを棚に上げながら、アンデルセンは随分軽くなった少年に心の中で説教をした。



ウェールズはその姿を見送った後、言い争いをしているキュルケ達に向き直り、頭を下げた。
「この滅びゆく王家のために君達が行ってくれた全ての事に、アルビオン皇太子として感謝する。」
皇太子の突然の登場に戸惑いつつ、一向は貴族の礼を持って敬礼する。
シエスタなどは恐縮の余り死んでしまいそうだった。
「最後に頼みがある。」
ウェールズは指から指輪を抜き取った。
「これをアンリエッタに渡してくれ、そして伝えてくれ。この指輪は何があっても手放すなと。」
受け取ったルイズはまじまじとそれを見つめ、謹んで拝礼する。
「報酬としてそれを見せれば避難船に積んだ財宝や書物を好きなだけ渡してくれるだろう。」
その言葉に一同の眼が輝いた。

「ミスヴァリエール」
ウェールズはルイズを呼びとめた。
「本当にありがとう。」
「いえいえ、そんな。」
恐縮するルイズに真剣な顔で聞くウェールズ。
「君は言ったね?戦うには那由他の彼方の勝機で充分だと。」
「はい………」
「君達はそうなのかね?彼らは。」
「…………アンデルセンは少なくとも………」
「………そうか」
ウェールズは虚空を見る。
「閣下は、死にに行こうとしています。」
「………そうだな」
地面に落ちた銃剣を拾い、自身の持つものと合わせ二本、彼は手に持つ。
それは鈍く輝き、無骨なものである。
「私はどこかで……諦めていたのかもな………
生きることを諦めたから………死を甘美なものとしてしまったのかも………」
爆音が響く、攻撃が始まった。彼は行かねばならない。
「彼と………アンリエッタに伝えてくれ。私は行ったと。
私の意志で行き、戦ったと。」



三百の兵を集め、ウェールズは言った。
「このまま座して待ったのでは億に一つも勝ち目は無い。」
彼らは顔を見合わせ、笑った。元より勝ち目など無い。既に負けているではないか。
しかし次のウェールズの言葉でその顔が変わる。
「これより我らは一振りの槍となって敵に突撃し、
天幕で安穏としているクロムウェルに突き立てようと思うのだがいかがだろう。」
それが成功すれば我々は勝利し、
それが失敗すれば我々は敗北する。
ただそれだけのゲーム
さっきまでとは凄い違いではないか。
もはや詰まれたチェスでは無く、
ばらばらの手札の中、全てを捧げてコールするポーカー。
気づけば皆笑っている。誰も彼も。
その笑顔はさっきまでとは違うものだ。
「行きましょうか、閣下」
「ああ、那由他の勝機を!」
三百の熱気はそれを一つの共通意志とする。それは全てを壊せそうな気がした。
彼らは滅びるというのに、滅ぼす気でそこに行く。


なんだ、負け戦ではない。勝てるじゃないか
さあ、行こうかオリヴァー・クロムウェル



サイトをベッドに寝かせ、アンデルセンは溜息をつく。そして後ろのルイズに謝る。
「すいません。遅れてしまいご迷惑をかけて。」
ルイズは沈んだ様子で首を横に振る。
「いいの……。私なんて何もできなかったし、何も…………。」
彼は主の頭に手を置く。
「彼は望んでこうなりました…だから」
「わかってるわ………ただ、私が情けないのは………。」
ルイズは震えた。目には涙がつたう。
「私は………あなたたちみたいに………死を恐れずに戦うなんてできない。貴族なのに……。
ねえ、何で?なんでそんなことができるの?貴方達みたいな平民はできるのに……。」
アンデルセンは溜息をついた。貴族とはいえただの少女が、そんなことできる訳がない。
(お前に毒されてるぞ。サイト)
元凶である自分を脇に置き、彼らを仕方なく思った。

避難船にて私はベルナドットに治療をする。そして、その傍らでサイトに目線を送る。
「いいぜ?あっち行っても」
ベルナドットは悪戯っぽい笑みで私をからかう。無視した。
「今、生きているのは、あなたのおかげ。」
「失敗したけどな。」
それでも、スキルニルで三人となったワルドの十五の偏在たちのほとんどを倒したのはベルナドットの活躍だ。
ただ一つ疑問がある。ワルドが使った魔法、フェイスチェンジは水と風のスクウェアスペル。
風の偏在と同時に身につけることはできない筈だった。そんな疑問をよそに彼はぼやいた。
「しっかしサイトはしょうがねえな………無茶ばっかしやがる。」
その顔はどこか嬉しそうだった。
「あなたも………」
「ん?」
「心配ばかりかける」
ベルナドットは笑ってタバサを撫でてやる。無表情で左右に揺れる彼女。ふいに思い出す。
「「セラスは?」」
「「「あ」」」



アンデルセンは甲板にて、デルフリンガーから事の顛末を聞いていた。
 そこでふと疑問が湧く。
 サイトの回復法術の強さは自分に匹敵する。たかだか一月前にカトリックに改宗した
少年がである。デルフリンガーに訊ねてみても、唸るばかりで要領を得ない。
「多分……。胸のルーンが……、六千年前も……、うーん……」
 その時、ふと空を見ると、戦艦がこちらにやって来るのが見えた。

しばらく時間がたち、皆思い思いの行動を取り始めるも、ルイズはじっと才人を見つめていた。
「まさか、死んだりしないわよね……」
ピクりとも動かずに眠りつづける才人の髪を撫でる。そして溜息をついた。
「まだ、謝ってないんだからね……」
彼女はまだラ・ロジェールでの件を引きずっていた。キョロキョロと辺りを見回すと、
タバサとベルナドットは会話に夢中で、あとは誰もいない。そっと小声で呟いた。
「ご、ごめんね。悪く言って。あんたは確かに平民だけど…、あのワルドをたおしたんだからね…、
凄い功績よ?平民の癖に……、だから…。」
眠る彼の唇にそっと顔を近づける。
「き、貴族にここここんなことされるなんて、滅多にないんだからね…感謝なさい」

その時、ちょうど触れるか触れないか位の頃に、爆音が響いた。
「何!」
突然の衝撃に外に飛び出るルイズ達。見ると、艦船がこちらに砲撃を加えていた。
「避難船を攻撃するなんて!何考えてんの!?」
「いや、普通だろう。」
そこに立つはアーカード、そしてアンデルセン。
「婦警がいればハルコンネンで一撃だろうが、致し方ない。」
どうやら他に方法もなさそうだ。ルイズとキュルケは彼らに命ずる。
蝙蝠の群れと光るページの群れが、それぞれその戦艦に向かって行った。
ちょっとトラぶっただけのことだろう。聞こえてくる悲鳴を聞き流して、彼らは離れていく白の国を見送った。








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