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黄金の使い魔-05-後篇


ヴェストリ広場
“風”と“火”の塔の間に在る、西向きの中庭で、日中も殆ど日が差さない。悪巫山戯には最適の場所
普段は大して人気も無いその場所は今、ギーシュと平民の決闘という名の一方的なリンチを見る為の生徒で溢れ返っていた

「諸君、決闘だ!貴族に対する無礼を犯した平民は、今!このギーシュ・ド・グラモンによって裁かれるだろう!・・・薔薇の葬列に送られてね・・・!!」
薔薇を掲げながら高らかに宣言するギーシュ
(き・・・決まった!!!!)


ワッと盛り上がる観衆

そんな生徒達の列にキュルケとタバサが居る、それも最前列である
「それにしても珍しいわねタバサ、あなたがこういう事に興味を持つなんて」

表情を変えないタバサだが、目線を追ってみるとどうやら目的はアイオリアの様だ
"雪風"の二つ名を持ち、シュバリエの称号を持つ少女は連金の授業の時に彼が何をしたのか知りたかった
そして、可能であるならそれを習得したい そう考えてた

「―――なるほどね、応援するわよタバサ!恋の相談なら任せなさい!」
猛烈な誤解が生まれてる様な気がしないでもないがタバサはいつも通りスルーした


「神よ、私は美しい」
ますますヒートアップするギーシュに到着したアイオリアが声をかけた

「待たせてしまってすまなかった」



「おや、逃げずに来たことは褒めてやろう」
薔薇の花びらを一枚、ヒラヒラと舞わせながら続ける
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュ――――」
そして地に落ちた薔薇は瞬く間に槍を手にした甲冑の女戦士を象った
「従って青銅のゴーレム“ワルキューレ”がお相手する」


ほぉ・・・アイオリアは素直に感心した
魔法とはこの様な事も出来るのか・・・


「これは決闘だ、どちらかが負けを認めるまで続ける、しかし僕はメイジだ、せめてもの慈悲に杖を落としたら負け、というルールも付け加えてあげよう」
一拍置いてギーシュは続ける
「さぁ、準備はいいかね、使い魔君」

「勇ましい事だ、いいだろうかかってこい」
さて・・・魔法とはどの程度の力があるものか、様子を見るか

その瞬間、ワルキューレが弾丸のように突進した。
アイオリアの腹部に槍を突き立てる

バキッ 鈍い音が鳴った

誰もが眼を覆った、鎧が砕け槍が突き刺さった姿を想像した為である
しかし、現実は違った
ワルキューレの槍の方が折れてしまったのだ

「ギーシュ、お前は俺と闘うにはまだ未熟すぎた様だな」

「誰が未熟だ!!」
ワルキューレの膝が兜を着けていないアイオリアの顔面に入る
「油断するからそうなるのさ、一体どちらが未熟なのやら」
歓声が上がり、得意気に薔薇を掲げ観衆に向き直るギーシュ 





「油断は誰でもするものだ、それをフォロー出来ない者を未熟というのだ」

その瞬間、ギーシュの隣で観客に優雅に礼をしていたワルキューレが消滅した
粉々になったのではない、塵も残さず文字通り消滅したのだ


「何ッ!?」
驚いたのはギーシュだけではない

アイオリアの方を見ていた観客にも何が起こったのか解らなかった
唯一つ解ったのは、その閃光があの平民の右腕から出ていた事だけ

「先住魔法か!?」
「なんだ・・・・なんだあの光は!!!!!!!」
「あの平民!!何をしやがった!!!」
広場は恐怖に包まれた



無事なはずはない、青銅の膝を顔面に深々と突き刺したのだ
良くて戦闘不能、悪くて首の骨を折って絶命もありえたはず


しかし、振り返るとそこにはアイオリアが立っていた
それも微動だにせず、無傷でだ

「まだ続けるのか?」
アイオリアの余裕の態度にいらだちが隠せないギーシュ
「当然だ・・・!!」
恐怖はある、だが軍人の息子として、グラモン家の4男として退く訳には行かなかった
更に6枚の花びらが舞った


しかしワルキューレは現れなかった
いや、正確には現れた瞬間閃光が走り消滅した


歩み寄るアイオリア、引き下がるギーシュ その背が壁についた所で彼はへたり込んでしまった

アイオリアの右腕が光る、それと同時にギーシュの顔の横の壁がまるで何かに抉り取られたかのように円形に消滅した

「降参しろ ギーシュ・ド・グラモン、俺の拳は弱者を守る為の物であって、弱者をうつ物では無い」

「降参!?貴族である僕が・・・!?
平民など相手にもならないはず!!!
平民にこんな事が出来るはずがない!!!
そんなことは認めない!!!
認めてたまるか!!!
貴族が平民に屈するなどあってはならない!!」

「平民が貴族に負けるのが当たり前?
それでなくっちゃならないってのは誰が決めた!
そんな事はお前達が勝手に決めた戯言だ
お前の様な理不尽な貴族に平民が従う義理がどこにある?
平民が貴族より弱いなんていうのは、貴族が作った幻想だ!」

反対側の壁にも穴があいた

「最後だギーシュ・ド・グラモン、降参しろ、杖を奪われるのではなく、自らの意思でだ」







「こ・・・降参だ・・・」 

少年は力なく呟いた


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