あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

.hack//G.U. vol3.5 The World of ZERO-00


「おいおい、もうその辺にしといたらどうだ」
「無駄だって、所詮ゼロが成功するわけないじゃん」

周囲からの野次を受けながらも、ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエールは再び杖を振り下ろす。
爆発。
その振り下ろした先から爆風が発生し、周囲の人たちが顔を腕で庇い、さらに野次は酷くなっていく。
こんな事をこの少女は何度も何度も繰り返しているのだ。
トリステイン魔法学院。
ここは国の貴族達が魔法を習い、また(子供同士とはいえ)貴族同士の社交場としての意味を持つ教育施設。
魔法とは、始祖ブリミスによって授けられ貴族のみに許された奇跡の技である。
そう、つまり魔法は貴族が貴族たらんとする最大のステータスなのだ。
そんな中で、魔法が使えない前代未聞の貴族がこの少女である。
彼女の魔法は必ず「爆発」する。
それは火の魔法でも、土も、風も、水も、全ての魔法がルイズの唱えた場合は爆発しか起きないのだ。
家柄はトリステインでも名だたる大貴族なのだが、故に魔法が使えないという事実は彼女に強い劣等感を抱かせた。
そのため彼女は本を読み漁り、時には徹夜で読み明かして勉学に励んだ。
そこに自分が魔法を使えない理由が記されているかもしれないという希望を抱いて。
だがどんなに努力しようとも、今まで一度たりとも魔法が成功する事はなかった。
それでもルイズは諦めない。
いつかはきっと使えるようになる、努力しつづければ必ず報われると信じ続けていた。
しかし、今日ばかりは失敗は許されない。
今日は使い魔を召喚する為の大切な日なのだ。
この儀式で何を召喚するかによって、進級と専門課程が決まる。
つまり、召喚に成功しなければ進級することが出来ないという事だ。
それだけは許されない。
ルイズの貴族としての誇りが、今まで努力し続けてきた人生がここで終わってしまうという事実を受け入れられるはずがなかった。
再び杖を振る。
また爆発。
それでもめげる事無く、再度挑戦しようと試みる。

「ミス・ヴァリエール、もういいでしょう。また後日にやり直しましょう」

そう進言したのはコルベールという名の、少々寂しい頭部を持つ教師だ。
生徒思いの熱心な教師であり、生徒達からも厚く信頼されている。

「……嫌です。成功するまでは止めません!」

ルイズは再び杖を振り下ろした。
さらに爆発。

「ですがミス・ヴァリエール。あなたの後にもまだサモン・サーヴァントを終えていない生徒は残っているのですよ。
 あなた一人のために、これ以上の時間を費やす事はできません」

コルベールはさらに厳しく諭した。
ルイズの後ろにはまだ使い魔を召喚していない生徒が数名控えている。
ルイズとてただ我侭なだけの人間ではない。
今度は素直に従った。
だが、

「わかりました、でもあと一回だけ挑戦させてください! お願いします!!」

ルイズはコルベールに詰め寄るように訴えた。


「……いいでしょう、本当にあと一回ですよ?」

その言葉に笑顔で礼を言い、最後の召喚を試みる。
もう失敗は許されない。
一人だけ居残りや後回しなどルイズが許容できるわけがない。
ルイズは深く息を吸い込み、心の中で思いついた呪文を口にしながらその杖を掲げた。

「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!
私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!!!」

その呪文を言い終えると同時に、今までの非にならない程の大爆発が起きた。
その爆風に巻き込まれて、周囲の生徒とコルベールが吹き飛ばされた。

「また失敗かよ! いい加減にしろ!」
「こっちにまで迷惑かけるな!」

さらにひどい罵詈雑言がルイズに浴びせられる。

(やっぱりダメなの……? 結局ゼロはゼロでしかないの……?)

ルイズは地に膝を付けて泣いていた。
今まで何度も挫けそうになった。
心無い言葉を何度も吐きかけられた。
それでも……それでも諦めなかった。
いつかは立派なメイジになると、そう信じて。

(でも、それでもやっぱり……)
「え?」

それは生徒達の中の誰かの囁き。
その声に反応して顔を上げたルイズは自分の目を疑った。
自分の起こした爆煙の中に、何らかの影が存在しているのだ。

「う……嘘だろ? ルイズが成功したってのか!?」

周囲の生徒達も動揺を隠せない様子だ。
それもそうだろう。
なぜならコレが、ルイズの初めて成功した魔法なのだから。

「嘘……ホントに私、成功したの?」

ルイズもまた信じられないという様子で、ゆっくりとソレに近づいて行く。
やがて煙が晴れ、その中から出てきたソレを見たとき。

「!?」

絶句した。
それはルイズも、生徒達も、いつの間にか起き上がっていたコルベールも、その場に居た全ての人間が言葉を失った。
なぜならそれは、

「……人?」

そう、それは人だった。
仰向けになって気を失っている男だったのだ。

「平民……なのか?」

ギャラリーとなった生徒達の一人が、自信が無さそうにそう呟いた。
それはその姿が余りにも異端だったからだ。
真っ白な髪と、その髪と同じ白い服。
腕や腰、背や脚に付けられた鎧の様なもの。
いや、むしろ彼を彩る為の装飾と呼ぶべきか。
その顔立ちは驚くほど整っている。
そして何よりも、両の肩と頬に刻まれた赤い刺青が皆の眼を惹いた。
それはトリステインの、いやハルケギニアの中にあって異端という以外の何者でもなかった。

「嘘でしょ……こんなのって……」

だが、ルイズにとってはそれがただの平民に見えたらしい。

「ミスタ・コルベール! やり直しをさせてください! こんなの聞いたこともありません! もう一度だけ――」
「それは出来ません。使い魔召喚の儀式は神聖なものです。一度召喚した使い魔を気に入らないからと言ってやり直す事はできません」

そう言われてしまっては引き下がるしかない。
ルイズは渋々とそれにしたがった。

「何をしているのですか? 早くコントラクト・サーヴァントを済ませてしまいなさい」
「え……えええぇぇぇぇぇ!?」

コルベールに言われてルイズは顔を赤くして飛び上がった。
コントラクト・サーヴァントとは召喚した使い魔にルーンを刻む魔法である。
その方法は使い魔に口付けする事。
つまり、コントラクト・サーヴァントをするにはこの男とキスしなければならないのだ。

(でもこいつを使い魔にしないと進級が……でもやっぱり私のファーストキスをこんな訳のわからない奴にあげちゃうなんて……)

迷いに迷った末、ルイズは前者を選んだ。

「うぅ~」

未だ納得がいかないのか、唸り声を上げながらその男に顔を近づけた。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」

呪文を唱え、そっとその男の唇に自分の唇を合わせた、

「ぐっ!」

途端、その男の顔が歪み、呻き声が発せられた。
ルーンを刻む再には多少の痛みが発生するらしい。
その痛みで目が醒めたのか、男は目を開いて起き上がった。

「うっ……くっ!……………こ……ここは……?」

男は周囲を見渡し怪訝そうな表情を浮かべている。

(まあ、それはそうよね。いきなり呼び出されたんだから……)

と、自分の使い魔に少し同情していたとき、その使い魔と目が合った。

「おいあんた、ここはどこのエリアだ!?」
「え……?」

急にかけられた質問はルイズにとって全く持って意味不明だった。
その男はさらに幾つか質問をしたが、ルイズには全く訳が分からず「何それ?」としか言えなかった。
その言葉を聞いて、男は絶望したように手で顔を押さえて歯噛みした。
その姿にルイズは苛立ちを覚えた。

(何よ、せっかく同情してあげてるのに……頭を抱えたいのはこっちだって同じなのよ!)

そして彼の前に立ってずいっと顔を近づけた。

「ねえ、あんた名前はなんていうの?」
「はぁ?」

人を小ばかにしたような彼の返答に、ルイズのこめかみがぴくりと反応する。

「い!い!か!ら! とっとと教えなさい!!」
「っ!」

男がビクっと体を震わせ、怯えたようにゆっくりと口を開いた。

「……ハ……」









                          「ハセヲ」









                       全てを終えた戦い
                        救われた世界
                        救われた人々
                     だがハセヲを待っていたのは、
              共に戦った仲間でも、平和になったThe Worldでもなかった
                      彼を待っていたのは……

              「異世界だって!? そんなバカな話があるか!!」
           「大人しく私の使い魔になりなさい!」   「ごめんだね」
           「始祖ブリミル、って言ってわかるかしら?」  「様は神様みたいなもんか?」
            「この事を上に報告すれば……」  「下手をすれば聖戦に発展しかねんぞ」
              「あの……すみませんでした。私、逃げたりしてしまって」

                       「諸君、決闘だ!」



                      きっとまたこぼれる光

               「そのルーンはガンダールヴという伝説の使い魔の印でな」

                       暖かく包んでくれる

                「つまり君は神の御使いに等しき存在なのじゃよ」

                      現実から逃げようとして

                   「これが俺の新しい始まりってか?」

                       大事なもの見失ってる

                   「洒落になってねえぜ、オーヴァン」

                    信じていたい あなたが来るのを

            「だって……魔法が使えない私には……これしかないんだもん!」

                   いつの日かここで 巡り合うまで

             「貴族の誇りもなかったら……私はどこにもいなくなっちゃう!」

                     感じていたい 時が止まるまで

                      「安心しろ、ルイズ」

                      暖かい手で 私に触れて

                     「俺もお前も、此処に居る」




                      冷たい手に 引き寄せられ

                      「俺は……もう逃げねえ」

                       流れてゆく 時を過ごし

                      「この現実からも……」

                       遠くを見た その瞳に

                       「コイツ等からも……」

                       何が映っているのだろう……

                     「そして……テメーからもな!!」

                       何が映っているのだろう……



                   .hack//G.U. vol3.5 The World of ZERO

                       ハセヲの物語は再び、
                        ゼロから始まる


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