どんなに物を盗もうと
土くれの心は満たされない
どんなに魂を喰らおうと
虚無の中心は満たされない
Zero's DEATHberry ――ゼロの死神
『The sword which talks ― master 』
『The sword which talks ― master 』
『土くれ』
そう呼ばれる盗賊がいる、彼女は大いに困っていた。
そう呼ばれる盗賊がいる、彼女は大いに困っていた。
事の発端は数日前にまでさかのぼる。
彼女が、トリステイン魔法学院に秘書『ロングビル』として、潜り込んだ事から始まる。
彼女が、トリステイン魔法学院に秘書『ロングビル』として、潜り込んだ事から始まる。
春の使い魔の召喚儀式から数日が経ち、異変が起きた。
使い魔を介して見た物は、学院のメイドが包丁を片手に構え、もう片方の手に小さな円筒を握っている姿
そして、それを使い魔の目の前に突き出して来る様子。
使い魔を介して見た物は、学院のメイドが包丁を片手に構え、もう片方の手に小さな円筒を握っている姿
そして、それを使い魔の目の前に突き出して来る様子。
小規模な爆発があり、それ以降使い魔からの交信は完全に途絶えた。
そこで、新たに使い魔を召喚したのだが
『しなければ良かった』
そう思ってしまうほどに召喚されたそれは、奇妙だった
『しなければ良かった』
そう思ってしまうほどに召喚されたそれは、奇妙だった
首から伸びた管のようなもの
その先の出鱈目な骸骨と人の皮の様な物
骨の面の様な奇妙な貌
その先の出鱈目な骸骨と人の皮の様な物
骨の面の様な奇妙な貌
それら全てがはじめて見る物だった
そして、自分は今から「それ」と契約をする
そして、自分は今から「それ」と契約をする
「・・・黒崎・・・一護・・・!!」
フーケに聞こえないように使い魔、グランド・フィッシャーが呟き
その様子を一人のメイドが満足そうに見ていた
その様子を一人のメイドが満足そうに見ていた
数日後
異変に真っ先に気が付いたのは、学園の人間ではなく使い魔だった
使い魔の名は『黒崎 一護』一応死神である
使い魔の名は『黒崎 一護』一応死神である
ドドドドドドドドドド・・・・
(この霊圧・・・まさか・・・!!
(この霊圧・・・まさか・・・!!
即座に死神イヒして霊圧の元となっている地点に向かう
其処には、巨大なゴーレムで壁を破壊しようとしている黒服のメイジが居た
其処には、巨大なゴーレムで壁を破壊しようとしている黒服のメイジが居た
(!?あいつじゃない?
疑問を持ったままゴーレムに『月牙』を叩き込む
ゴーレムはゆっくりと崩れ、そして再び再構築される
ゴーレムはゆっくりと崩れ、そして再び再構築される
暫くの間を空けてタバサ、キュルケ、そして一護の主人たるルイズが到着する
タバサが無言でゴーレムの右腕を凍らせ
キュルケがもう片方の腕を破壊する
ルイズは頭部目掛けて魔法を放とうとして失敗したが、かえって大きなダメージを与えた
キュルケがもう片方の腕を破壊する
ルイズは頭部目掛けて魔法を放とうとして失敗したが、かえって大きなダメージを与えた
しかし、やはりゴーレムは即座に再構築される
そして壁に向かって止めの一撃が加わろうとしたとき
ゴーレムの腕が爆発、その爆風により壁は崩れ落ちた
ゴーレムの腕が爆発、その爆風により壁は崩れ落ちた
キュルケ談
その時、盗賊はとても錯乱していました
ひとまず彼を落ち着けるのが先決だと思い
彼がうわごとのように呟いていた『破壊の杖』を、手渡しました
実際のところ、私がもう少し落ち着いていればこんな事はしなかったでしょう・・・
その時、盗賊はとても錯乱していました
ひとまず彼を落ち着けるのが先決だと思い
彼がうわごとのように呟いていた『破壊の杖』を、手渡しました
実際のところ、私がもう少し落ち着いていればこんな事はしなかったでしょう・・・
ルイズ談
その時私はとても錯乱していたので、落ち着くためにとりあえず使い魔を杖で叩き続けました
おかげで私はこうして落ち着きを取り戻せました、彼には本当に感謝しています
その時私はとても錯乱していたので、落ち着くためにとりあえず使い魔を杖で叩き続けました
おかげで私はこうして落ち着きを取り戻せました、彼には本当に感謝しています
こうして盗賊は目当てだった『破壊の杖』を手に入れ意気揚々と去っていきました
『破壊の剣、たしかに領収いたしました。土くれのフーケ』 という文字を壁面に残して
『破壊の剣、たしかに領収いたしました。土くれのフーケ』 という文字を壁面に残して
数刻後
「……それで、犯行の現場を見ていたのじゃな、ミス・ヴァリエール……詳しく説明してくれんかの?」
「……それで、犯行の現場を見ていたのじゃな、ミス・ヴァリエール……詳しく説明してくれんかの?」
出来る訳無い
自ら壁に穴を開け、自ら秘宝を手渡し、笑顔で盗賊を見送った報告なんて
たとえ皮を剥がれ、肉を裂かれ、骨を砕かれ、神経を解きほぐされようと
出来る訳が無かった
『それは、本能だ!!』とか聞こえたが、何、気にすることは無い
自ら壁に穴を開け、自ら秘宝を手渡し、笑顔で盗賊を見送った報告なんて
たとえ皮を剥がれ、肉を裂かれ、骨を砕かれ、神経を解きほぐされようと
出来る訳が無かった
『それは、本能だ!!』とか聞こえたが、何、気にすることは無い
そこで、到着したときにはすでに盗賊が去った後だということにしておいた
「追おうにも、手がかりはナシか……」
オスマンが諦め掛けたその時
「手掛かりならあります!!」
ミス・ロングビルが高らかに宣言する
「ミス・ロングビル居間まで何処に?」
心底心配そうにコッパゲが問い
ロングビルが答えて曰く
ロングビルが答えて曰く
「申し訳ありません、フーケの行方について調査をしておりまして。」
「仕事が速いの。で、結果は?」
「はい。森の廃屋に、黒いローブの男が入って行くところを見たという情報を手に入れました」
「仕事が速いの。で、結果は?」
「はい。森の廃屋に、黒いローブの男が入って行くところを見たという情報を手に入れました」
「では、捜索を私にやらせてください!」
会話にルイズが割り込む
先ほどの失態を如何にかして埋め合わせたいのである
それにキュルケ、タバサと続く
先ほどの失態を如何にかして埋め合わせたいのである
それにキュルケ、タバサと続く
「では、頼むとしようか。ミス・ロングビル、案内役を頼む。」
雨が降っていた・・・・・