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蒼い使い魔-24


「我が系統は風!何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育してやろう!」
そう言うとワルドはルーンを唱え出す、それを中断させるわけでもなくバージルは身動き一つしない。
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
ワルドの呪文が完成された。するとワルドの体が、風で霧が揺らぐようにブレ始める。
バージルの目の前でワルドの体が分裂し始める。
一人……、二人……、三人……、四人……と別れ、ようやくワルドは元の形へと戻る。
本体を合わせて五人のワルドがバージルを取り囲んだ。
「へっ…遍在!?」
ギーシュが驚いたように声を上げた。
「風のユビキタス(遍在)……。風は遍在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」
ワルドの分身は、すっと懐から、真っ白の仮面を取り出すと、顔につけた。
「あの愚鈍な男は貴様だったのか、すると、貴様は何度俺に殺されたんだ?」
バージルが冷たい眼でワルドを見据える。
「フッ…あの時は不覚を取ったが、今回はそうはいかない…!」
「言ってるそばから油断か…話にならんな…」
「何だとッ!?」
ワルドがバージルを睨みつける、バージルの右手にはいつの間に抜き放たれたのか閻魔刀が握られている。
「貴様…まさか…!」
閻魔刀がゆっくりと納刀されてゆく、やがてチンッっと完全に鞘に収まる音が響く、
その瞬間、遍在の一人が真っ二つにされ消え去った。
「貴様ッ!!一体何をッ!?」
ワルドの顔が驚愕に歪み、バックステップで大きく距離をとる。
「次は何をするんだ?貴様の魔力が尽きるまで付き合ってやる…早くかかってこい」
バージルが口元を歪め挑発する。
「なっ…!舐めるなァ!!!」
ワルドが吠えるともう一度ルーンを唱え遍在を作り出す。
「…芸がないな…」
消えた一体を補充し再び五体になったワルドは一斉に散開し、詰まらなそうに溜息を吐くバージルに向け魔法を放った。
「ライトニング・クラウド!」
光の速さで襲い来る電撃を難なくかわし、遍在の一人を斬る。
「一匹…」
エア・ニードルで接近戦を挑んできた一人の偏在を杖ごと閻魔刀で流れるように斬り捨てる。
「馬鹿なッ!私の杖が!?」
「二匹…」
魔法の力によって作られた杖など、魔を喰らう閻魔刀の前ではただの棒切れと同じ。そのことを知らぬワルドは恐怖に顔を歪める。
デルフを引き抜き遍在の一体に向けスティンガーを放つ、それに反応した遍在がウインド・ブレイクを放つが
デルフによって吸収され、バージルのスティンガーがモロに直撃し内臓をぶちまけながら消滅していった。
「三匹…」
そのままデルフで「ラウンドトリップ」を放つ。魔力を帯びたデルフが飛び最後の遍在の首を斬り飛ばした。
「四匹…」
遍在を皆殺しにしたバージルは、回転しながら戻ってくるデルフを掴み『本体』のワルドを見る。
「バッ…バカなッ…!こ…こんなことが…!」
「軽い運動は済んだな?そろそろお互い本気を出すとするか…」
恐怖で後ずさるワルドを見ながら、バージルがしれっと言う。
バカな…!?これで”軽い”だと!?ワルドは心底恐怖する、目の前の男に。
ワルドは魔力を振り絞りもう一度遍在を生みだす。
五人のワルドが再びバージルを取り囲む、バージルがつまらなそうに溜息を吐いたその時、
遍在の一体が爆発し掻き消えた。
「何っ!?」
ワルドが驚愕し振り向くと、そこには杖を構えたルイズが立っていた。
一瞬の出来事に、バージルですら呆気にとられてしまっている。
「私だって、戦うわ…戦えるんだから!」
そんなルイズをみてキュルケが驚く
「ちょ!ルイズ!なにやってるの!?ダーリンにまかせればいいじゃない!」
「使い魔だけに任せるなんてできないわよ!」
「ルイズゥゥ!!!貴様ァァ!!」
そのルイズの行動はワルドの逆鱗に触れたのか、遍在の一体がルイズへ向けウインド・ブレイクを放つ、
ルイズの体が木の葉のように宙を舞い、壁にしたたかにたたきつけられる。
「「ルイズ!!」」
キュルケがルイズの体を抱き抱える、ルイズは頭から血を流しぐったりとしていた。
「ハッ…ハハハハ!!これで我々の脅威が消えた…!主が死んだ以上…ルーンが消える!貴様も終わりだなガンダールヴ!ハハハハ!!!」
ワルドが突如笑い出す。
「目的を二つ達成できた!そしてここにはすぐに我が『レコン・キスタ』の大群が押し寄せる。
ほら!馬の蹄と竜の羽の音が聞こえるだろう!貴様の運命はここで終わりだ!」
「だからどうした…?貴様は死ぬ…肉片一つ残らずにな…」
その声を聞いたワルドはバージルに笑いながら視線を戻す。
ワルドは一つ勘違いをしていた、バージルの常識外の強さはガンダールヴに起因するものだと、
彼の強さはルーンありきの強さ、そう勘違いしていた。
それ故、ガンダールヴのルーンが今まで彼にまるで力を貸していないことを知らずにいた。
そして言葉を失うこととなる。
バージルの周りに凄まじい程の魔力が迸る、その眼には恐ろしい程の怒りと殺意が宿っていた。
手にしていないにも関わらずデルフの刀身が輝く。
「そうだ!思い出したぜ!『ガンダールヴ』!そうやって心を震わせるんだ!お前の強さは心の震えで決まる!
今のお前なら『ガンダールヴ』も力を貸す!怒り!悲しみ!愛!喜び!なんだっていい!とにかく心を震わせ…いや、まて!やっぱ落ち着け相棒!!」
デルフが思わず制止を試みる程の強烈な怒りが、バージルの立つ床にヒビを入れ城全体を震撼させる。

「You're going down!(―跪け!) 」

バージルの体に纏うように現れた蒼いオーラがバチバチッ!っと音を立てて弾ける、
その光景を唖然とした表情でワルドが見つめていた、が、突如おぞましい感覚が体中を包み込んだ。
今まで感じたことのない…、いや、あったとしてもこれ程のものは存在しなかった。
それは心の芯を侵食し凍りつかせる、恐怖であることにワルドはようやく気がついた。
「な…な……ぁ…」
ワルドの口から言葉にならない悲鳴が漏れる、汗が止まらない、逃げろ、今すぐ地の果てまで逃げろ、体中の全細胞が悲鳴を上げる、
だが金縛りにあったかのように動けない、それは遍在達も同じく恐怖でうごけないでいた。
それは遠くから見ていたキュルケやタバサたちも同じだった。

「This is the power of Sparda!(―これがスパーダの力だ!)」

バージルが叫ぶと、オーラが弾け、彼の体が変化する、
バチッ!バチバチッ!という音と共に全身に紫電が走り
纏っていたコートは皮膚と同化しているのか鎧のように硬質化、彼の銀髪も兜のように変化した。
左手に持っていた閻魔刀の鞘は左腕と同化、口は裂け、鋭い牙がその中に並んでいる。
その姿はまさに、『Demon(―悪魔)』と呼ぶにふさわしい姿をしていた。

「なっ…なによ…あれ…」
「あ…ぁ…」
「……………」
目の前の悪魔は自分たちに敵意を向けているわけではない
ただそこに敵を殺すために存在しているだけ、にもかかわらず強烈な恐怖が三人を包み込む。
倒れているルイズのように意識を失っているならどれだけいいことか、
三人は身を寄せ合い目の前で起こる事を見守るしかなかった。

「きゅいっ!!?」
雲の中で待機していたシルフィードが驚愕する、大気中の精霊が悲鳴を上げている。
ハルケギニアには存在しない、存在してはいけない禍々しい力が、ニューカッスルの中で渦を巻いている。
この場にいたくない、今すぐ逃げだしたい……それが出来ないのは、主であるタバサがまだ中にいるからだった。

「ぁ…ぁ……悪魔……」
ワルドがようやくその言葉を口にしたのと同時に
目の前の悪魔が右手を左手と同化した閻魔刀に手をかける、

残っていた三体の遍在が一瞬で『消えた』。
斬られ、崩れ落ち、消えたのではなく、文字通り消滅した。

「うっ…うわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
目の前に存在する絶対的な恐怖にワルドはあらん限りの声をあげ遁走を試みる。
先ほどの遍在で精神力に余裕がなくなりもう遍在を出すことができない、だが貴族派による突撃が始まったらしく、
それと同時に礼拝堂の中に入ってくるように指示しておいたグリフォンが天井に空いた穴から急降下してきた。
「(助かったッ…!!)」
ワルドが安堵の表情を見せ、グリフォンの手綱に手を伸ばそうとした瞬間。
―ズガンッ!!という音とともに、ヘルムブレイカーがグリフォンに襲い掛かる。
一瞬で移動しグリフォンの頭を叩き割り、地に堕とした悪魔はゆっくりとワルドに視線を戻す。
「な…ぁ…」
目が合った、それだけで心臓を直接掴まれるような感覚に陥る。
「エ…エア・カッター!!」
ありったけの精神力を振り絞り目の前の悪魔に不可視の風の刃を放つ、ワルドの祈りが通じたのか
風の刃は悪魔の体を切り裂いた。
「やっ…やったか!?」
ワルドの顔に希望が宿る、俺の魔法は奴に通じる!そう確信した。
だが悪魔の姿を見てそれはすぐに絶望へと変わる。
傷は付いていた、だが傷口からは血が流れていない、それどころか再生をはじめ、数秒後には元の状態に戻っていたのだ。
「ひっ…そんな…」
「終わりか…?」
地の底から響くような恐ろしい声、それを振り切るようにワルドはありったけの魔法を放つ
「ウインド・ブレイク!!エア・カッター!ライトニング・クラウド!!!」
二つ名『閃光』に恥じぬ速度で矢継ぎ早に魔法を叩きこむ、その全てが悪魔に直撃し、土煙を巻き起こす。
「どうだっ!?」
最後に叩き込んだライトニング・クラウドはまともに食らえば人間なら消し炭になる威力だ。
ワルドが土煙の中を睨みつけていると、突然、自分の左腕に違和感を感じた、―なんだ…?そう思いワルドは左腕を見る、

肩口からきれいに左腕が『消滅』していた。
痛みがまるで感じられず、血も流れていなかった。
「えっ…?」
そう呟いた瞬間、傷口から夥しい血が噴き出すのと同時に今まで感じたことのない激痛が走る。
「ぐああああああ!!!!う…腕がッ!?腕があああああああああ!!!!」
崩れ落ち右手で傷口を抑えうずくまる。何だ!?何が起こった?そう考える余裕もない。
激痛で意識を手放しそうになりながらも、ワルドはどうやってこの化け物から逃げるか、それだけを考えた。
土煙の中から悪魔が現れ、ワルドを見下ろす、その眼には一切の慈悲が感じられなかった。
「つまらん…これで終わりだ…」
そう言いながら錆が消え刀身が輝くデルフを高く振り上げる、ワルドが逃れ得ぬ死を覚悟したその時。
礼拝堂の扉を突き破り、貴族派の傭兵やメイジたちの先遣隊がなだれ込んできた。
それを見て、一瞬の隙をついたワルドはフライを使い、距離をとる。
「ハッ…ハハ…天は俺を見捨てなかったようだ…!これだけの数、たとえ貴様が化け物でも相手にしきれまい!
ルイズとともに死ね!ガンダールヴ!」
ワルドは左肩を押さえながら叫ぶ。
「俺は貴族派だ!あの化け物を討ち取り名を挙げろ!」
そういうと、周囲を傭兵やメイジが取り囲む、そして一斉に矢と魔法を浴びせようとしたその時、
「You Trash...(―ぶち壊してやる…)」
低く悪魔が呟く、そして、消えた。
「なっ…どこへ行った!?」
「消えた!?」
次の瞬間一人のメイジの身体が消滅した、そのメイジの血だけがその場にぶちまけられる。

―バージルの最終奥義「絶刀」―
礼拝堂の内部の空間全体が歪むほどの、閻魔刀による目に見えぬ超高速の斬撃が繰り出される。
斬撃の嵐の渦はあらゆるものを切り刻み、消滅させてゆく、
「うっ…うわああああああああああ!!!」
「ばっ…化け物ォ!!!」
「助けてくれぇ!!!!」
傭兵達の悲鳴が礼拝堂内に響き、始祖へ助けを求める。しかしその祈りは届くことなく無慈悲なる一撃の前に塵と化す。
「ヒッ…!!」
ワルドが声にならない悲鳴を上げ天井に空いた穴からフライを使い遁走を試みる、
がまるでワルドを追跡するかのように空間の歪みがワルドに襲い掛かる。
「く…来るな…来るなァァァァァァ!!!!!」
ワルドの叫び声が響くと同時に身体が空間の歪みに飲み込まれる。
「…………!!!!!…ッ!!!!!!!!」
断末魔の悲鳴すら切り刻まれ、ワルドの体は肉片一つ残らず、『消滅』した。
礼拝堂の中央に人間の姿に戻ったバージルが現れ、流れるような動きで閻魔刀を納刀する。
―キンッという音と同時に礼拝堂内に血の雨が降る。
元より標的でなかった故に巻き込まれなかったキュルケ達は、血の雨を浴びながらそれを呆然と見ているしかできなかった。
血の雨を浴びたルイズが意識を取り戻す。
「あれ…?私…」
「ルイズ!目を覚ましたのね!?」
「あれ…?キュルケ…?ワルドは…?」
ズキズキと痛む頭を押さえながらルイズはキュルケに尋ねる。
「それが…あの…貴族派のメイジたちが入ってきてから…その…」
キュルケが怯えるようにバージルを見る。
ルイズがバージルに視線を向けると言葉を失った。
礼拝堂内部は文字通り血の海と化し、その中心に佇む己が使い魔の姿が。
この惨状を見ればわかる、殺したのだ、肉片一つ残さずに。
当のバージルは血を浴び、降りた自身の髪を手でかき上げ、オールバックに戻す。

「おい…相棒…」
デルフが静かに話しかける
「……何だ」
「今の力…思い出したぜ…」
「何のことだ?」
「スパーダの力だ、相棒、お前さんからは奴の力を感じる」
「やはり…親父を知っているな?」
「あぁ、だがその話はあとだ、さっさと脱出しようぜ」
「…あとでゆっくり聞かせてもらう」
そう言うとルイズたちの方向へ向き直り、近づいて行く。
「えぇと…ダーリン…よね?今の姿は…一体…?」
恐る恐るキュルケがバージルに声をかける、心なしかギーシュも怯えた表情をしている。
ルイズは何があったのかもわからず「姿…?なんのこと?」と首をかしげている。
「少し力を出しただけだ、それより脱出するぞ、これ以上ここにいても無意味だ」
バージルがそう言うと、穴を掘っていたヴェルダンデが顔を出す。どうやら脱出用の通路が出来上がったようだった。
するとルイズが思い出したかのように倒れ伏しているウェールズに駆け寄った。
「ウェールズ殿下!」
「うっ…ラ・ヴァリエール嬢…私はっ…」
ワルドの一撃は心臓を僅かにそれていたのか、かろうじてウェールズは生きていた。
薄れゆく意識を無理やり覚醒させ、ウェールズは自らの指にはめていた風のルビーを引き抜きルイズに手渡す
「これをアンに…渡してくれ…そして、伝えてくれないか…?愛していると…」
ルイズはそれを受け取り、ウェールズの体を抱き抱える、
傍にはいつの間にかバージルが立っていた。
「バージル君…面倒を…かけたね………
 ……さあ、早く逃げるんだ…もうすぐ…ここも…」
「そうだな」
そう言いながら閻魔刀を静かに抜刀する。
「ちょっと…何を…」
ルイズが思わずバージルに声をかける、
「これ以上苦しむ必要はない」
「そんな!」
声を荒げるルイズをウェールズが制止する。
「いや…いいんだ…僕はもう動けやしない、貴族派の連中に討ち取られるよりはいい…頼む…」
バージルは静かに閻魔刀でウェールズの心臓を貫く、

糸の切れた人形のように、ウェールズが力なく崩れ落ちる。
「殿下…」
「行くぞ」
ルイズが静かに泣き出す、その横でバージルは閻魔刀を納刀しキュルケ達のもとへ向かう
近くで爆発音。
さらに近くで、反乱軍のものと思しき鬨の声がする。
先遣隊は全滅させたが、すぐに本隊が到着するだろう、
バージル一人なら本隊すら全滅させることも可能だが、足手まといが多すぎる上、脱出が面倒になる。
そう考え今脱出することに決め、ヴェルダンデの掘った穴へと飛び降りる。
ヴェルダンデが掘った穴は、アルビオン大陸の真下に通じていた。
ルイズたちが穴から出ると、すでにそこは雲の中だ。
落下する5人とモグラを、シルフィードが受け止める。
明らかに定員オーバーだがそんなことは言っていられない
ヴェルダンデはシルフィードの口にくわえられたので、抗議の鳴き声を上げた。
最後の一人を回収したタバサはシルフィードに短い命令する。
「脱出」
シルフィードは「きゅいきゅい!」と返事をして、穴の下から飛び立つ。
雲の中を飛びアルビオンから脱出した一同は、
追っ手の気配が無い事を確認して一息ついた。

シルフィードは、緩やかに降下し雲を抜ける、そして魔法学院を目指し、力強く羽ばたいた。
疾風のように飛ぶシルフィードの背中から見るアルビオンは、次第に小さくなっていった。
短い滞在ではあったが、様々な出来事があったアルビオンが風と共に遠ざかっていく。
しばらくの間はバージルに対し質問の嵐だった、魔人化を見られた以上
隠し通す事は困難となり、渋々と自身のことを説明した。

「このことは黙っていろ、もし誰かに話したら…分かっているな?」
「も…もちろんだよ!!ねぇ!?」
凄むバージルにギーシュが首を縦にブンブンと振る
キュルケも同じように首を縦に振る。
「ねぇ…ところで…私が気絶している間に何があったの?」
ルイズが近くに座っていたキュルケに尋ねる。
「それが…あなたが攻撃されたとたん、ダーリンが突然切れちゃって…」
「その話はそれで終わりだ」
バージルが短く制する。
「ちょっと、ちゃんと教えなさいよ」
ルイズが抗議の声を上げるが無視されてしまった、
「もう、無視しないの!」
そう言いながらバージルの背中をたたく、
叩きながらも自分が攻撃されたときに普段無表情なバージルが怒りを露わにしたと聞いて、顔が自然に緩んでいた。
「あら~?なにニヤニヤしてるの?」
そう言いながらキュルケが楽しそうにルイズの顔を覗き込む、
「なっ!別にニヤニヤなんてしてないわよ!」
色々なことがあり、疲れ切っているにも関わらずルイズは大声で叫ぶ。
「もうっ!疲れたからちょっと寝るわ!ちょっとバージル、せ…背中貸しなさい…」
「勝手にしろ」
バージルが短く答える。
「…ありがと」
そう小さく呟くと、バージルのコートにしがみつく様に寝息を立てはじめた。
「なんだか兄妹みたいだね」
「フフッ、確かにそうね」
ギーシュの一言にキュルケが同意する。
「今回だけ」
タバサが呟くとシルフィードの速度を上げる。
アルビオンはもう見えなくなっていた。


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