あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼い使い魔-22


「ばっ!ばかーーーー!何してんのよーー!!!」
突然天井から乱入しウェールズを殺害しようとしたバージルにルイズが慌てて怒鳴る。
少しでもルイズが声を上げるのが遅かったら今頃ウェールズの首は宙を舞っていただろう。
「こいつは賊だろう、何故生かす必要がある?」
閻魔刀を納刀しながら、バージルはルイズを睨みつける。
「ちっ!違うのよ!その人は空賊だけど殿下なのよ!」
「……意味がわからん」
「だから空賊として襲ってきたけどその人は本当は殿下本人で…あぁもう!」
「…わかるように説明しろ」
そう言いながらバージルはワルドを見る。
「つまりだ、君が今殺しかけたその人こそ、僕たちの旅の目的であるウェールズ殿下本人だ。
空賊に扮し敵の物資補給を断つ作戦の最中だったらしい、僕たちの乗った船は偶然それに巻き込まれてしまった、ということだ。」
そう言いながらワルドは苦笑する。
「ところで、これだけ広い空の上でよくこの船の場所がわかったわね?しかも空賊に襲われていたことまで。」
キュルケが疑問を口にする、当然の疑問だ
「…こいつの視界が見えた」
バージルはつまらなそうに言うとルイズを横目で見る、ルイズは必死にウェールズを介抱していた。
バージルは初日のルイズの言葉を思い出す
―使い魔には主人の目となり耳となる能力が与えられるの。
「(使い魔の能力…か。)」
バージルがそこまで考えると、ウェールズが目を覚ましルイズから説明と謝罪を受けていた。
「申し訳ありません!私の使い魔のバージルがご無礼を!どうかお許しください!」
「い…いやぁ…ハハ、あの時君の言葉をもっと真剣に受けとめておくべきだったよ…」
バージルの桁外れの殺気と閻魔刀の魔力を浴び、あっけなく意識を手放してしまったウェールズは苦笑しながら言う、
「あれほどの恐ろしい殺気は今まで向けられたことなどなかったな…見事な剣だ…
いや、すまない、君たちの船を襲ってしまったことがそもそもの始まりだ、こうなってしまったことにもこちらに責任がある。」
そういいながらウェールズは深く頭を下げた。
「いえっ!こちらの責任です!だから頭を上げてください!」
あたふたするルイズをよそにバージルはさっさと船室を後にしてしまった。
船室を後にし甲板に出る、途中船員とすれ違ったが、ついてきたキュルケの必死のフォローにより事なきを得た。
「ところでダーリン、タバサは?」
「上だ」
そう言いながら空を見上げる。
見るとタバサの風竜が降下してくる、甲板にどよめきが起こるがキュルケが「私たちの仲間よ」とフォローを入れた。
「おかえりタバサ、私たちは無事だから安心して、旅の目的は達成したみたいよ、この船にウェールズ殿下が乗っていたわ。
空賊の恰好でね…」
そういいながらキュルケはタバサと話しこむ、それを横目でみてからバージルは目の前のアルビオン大陸を見る。
「……」
さすがのバージルもこの壮観な眺めに言葉を無くしたのか、目を見開いている。
ふと気がつくと背中のデルフが何事かぶつぶつと呟いている。
「スパーダ…スパーダ…どっかで聞いたような…うーん…?」
その言葉にバージルが反応する
「知ってるのか?」
そういうとデルフを引き抜く。
「え?あ、いや、どっかで聞いたことがあるようなないようなーってな、ハハ…」
「いいから思い出せ!」
いつになく激しい感情を露わにするバージル、その気迫にキュルケやタバサがビクッ!と反応した。
「い、いや、ほら俺っち6000年も生きてっからさ!忘れちまうこともあるんだって!それに!思い違いかもしれないだろ!?」
「ど…どうしたのダーリン?急に大声なんて出しちゃって…」
「チッ…なんでもない…」
そう呟くとデルフを鞘におさめる、使えん奴め…そう心の中で毒付く。
「そう…じゃあ、私たち、船室に行ってるわ、そろそろギーシュ起こさないと」
そう言うとキュルケ達は船室へと戻っていく、
それと入れ替わるようにルイズが甲板に出てきた。
ルイズはバージルを見ながらおずおずと話しかける。
「あの…バージル…」
「…手紙は取り戻せたのか?」
「あ…それはアルビオンのニューカッスルにあるって…」
「………」
「その…助けに来てくれたのよね…?」
「余計な世話みたいだったな」
「そうよ!殿下にあんなことして!
…でっ…でも助けに来てくれたのは…その…ほっ…褒めてあげるわ!」
「……」
バージルは沈黙したまま船室へと向かう。
宿で感じた冷たさは少しだけ減じている、そんな気がした。
結果は大変なことになりかけたが、バージルが自分を救うために来てくれたのだ、そのことが何よりもうれしかった。
「ありがとう…」
誰にも聞こえないように、ルイズは小さく呟いた。

バージルと合流した一行は、ニューカッスルの王党派しか知らない港へ向かう事になった。
アンリエッタから授かっている手紙をウェールズに渡す。読み上げてる途中、彼女が結婚する事に驚いていたが、取り乱す様子はなかった。
そして、彼女から貰った手紙を返す事になったのだが、それはバージルに説明したとおりニューカッスル城にあるという。
というわけで、こうして向かっている途中なのである。
雲に隠れつつ大陸の下を潜り込むように進路を取る。制空権は反乱軍旗艦『レキシントン』が押さえておりこの船『イーグル』号ではどうにもならないらしい。
「あの艦の反乱が全てが始まった。我々にとって因縁の艦さ…。このまま雲の中を進み
大陸の下からニューカッスルに近付く。そこに我々しか知らない秘密の港がある」
その言葉どおり大陸の下には直径300メイル程の穴が開いている場所がありそこを垂直に昇っていく。
しばらく昇ると白い光るコケに覆われた鍾乳洞に出る。
これが港らしく、舫いの縄が飛び岸壁に引き寄せられるようにして係留され木でできたタラップが取り付けられた。
その光景を感心した様子でワルドが頷く。
「秘密の港、というわけですか。まるで空賊ですな、殿下」
「そう、空賊なのだよ」
ウェールズがいたずらっぽく笑った。

タラップを降り、久しぶりの地面の感触を得る。
すると、背の高い年老いた老メイジが近寄りウェールズの労をねぎらう。
「ほほ、これはまた大した戦果ですな!殿下」
老メイジが顔をほころばせ言っているのは、『イーグル』号の後ろにある『マリー・ガラント』号の事である。
「喜べ、パリー、硫黄だ!」
「おお!硫黄ですと!火の秘薬ではござらぬか!これで我々の名誉も守られるというものですな!」
老メイジが突如泣き始めた。
「先の陛下よりおつかえして六十年…………」
パリーと呼ばれた老メイジと、ウェールズが話し合っている。
彼らは負け戦だとわかっているのにも関わらず、戦う気らしい。
そんな様子を見ながら、ルイズはバージルに話しかける。
「負けることがわかっているのに戦うの?」
「……らしいな」
「死ぬ…んだよね?」
言葉を震わせながらルイズは続ける。
「どうして…?」
バージルが口を開こうとしたその時、タイミングよくパリーと呼ばれた老メイジがこちらに話しかけてきた。
「これはこれは大使殿。殿下の侍従を仰せつかっておりまするパリーでございます。遠路はるばるようこそこのアルビオン王国へいらっしゃった。
たいしたもてなしはできませぬが、今夜はささやかな宴が催されます。是非とも出席くださいませ」
ルイズたちは、ウェールズに付き従い、城内の彼の居室へと向かった。
ちなみにキュルケとタバサはトリステインの者ではないという事で別の場所に居る。
とはいえ二人も面倒だから、という理由が本心のようだ。
城の一番高い天守の一角にあるウェールズの居室は、王子の部屋とは思えない、質素な部屋であった。
ウェールズは椅子に腰掛けると、机の引き出しから宝石が散りばめられた小箱を取り出した。首からネックレスを外し、その先についていた鍵で小箱を開ける。
蓋の内側には、アンリエッタの肖像が描かれていた。
「宝箱でね」
ルイズがその箱を覗き込んでいるのに気づいたウェールズが、はにかんで言った。
小箱の中には一通の手紙が入っていた。
その中からボロボロになった手紙を取り出す。幾百と読まれてきたであろう手紙をもう一度だけ読むと
手紙を丁寧にたたみ封筒に入れルイズに手渡した。
「これが姫からいただいた手紙だ。この通り、確かに返却したぞ」
「ありがとうございます」
「明日の朝、非戦闘員を乗せた『イーグル号』がここを発つ。それに乗ってトリステインに帰りなさい」
ルイズがその手紙を食い入るように見ていたが、やがて意を決したかのように口を開いた。
「あの……殿下…。王軍に勝ち目はないのでしょうか?」
「我が軍は三百。それに対する敵軍は五万。勝つ可能性など万に一つもありはしないさ。我々にできる事は勇敢な死に様を連中に見せつけるだけのことだ」
「殿下の討ち死にされる様も、その中には含まれるのですか?」
「当然だ。私は真っ先に死ぬつもりだよ」
フッっとバージルが鼻で笑う。
それを無視しながらルイズはウェールズに深々と頭を下げ、続ける。
「殿下……、失礼をお許し下さい。 恐れながら、申し上げたい事がございます」
「なんなりと、申してみよ」
「…この任務をわたくしに仰せつけられた際の姫様のご様子…そして先ほどの小箱の内蓋の姫様の肖像
手紙に接吻なさった際の殿下の物憂げなお顔といい…もしや、姫様とウェールズ皇太子殿下は………」
「恋仲であったと言いたいのかね?」
「そう想像いたしました。とんだご無礼を、お許しください。してみるとこの手紙の内容とやらは……」
「恋文だよ。君が想像しているとおりにね。彼女が始祖ブリミルの名において永久の愛を私に誓っているものだ。
この手紙が白日の下に晒されればゲルマニアの皇帝は重婚の罪を犯した姫との結婚を破棄し同盟は成り立たなくなり一国で貴族派に立ち向かわなくてはなくなる」
「殿下!亡命なされませ!トリステインに亡命なされませ!」
ワルドがよってきてルイズの肩に手を当てるがそれでも収まらない。
「お願いであります。わたし達と共にトリステインへいらしてください!」
「それは出来ん…」
「…姫様の願いだとしてでもですか?姫様のご気性からしてご自分の愛した人を見捨てるとは思えませぬ!
おっしゃってくださいな殿下!姫様は、たぶん手紙の末尾にあなたに亡命をお勧めになっているはずですわ!」
「そのような事は一行たりとも書かれていない」
「殿下!」
ルイズが詰め寄る。
「私は王族だ。嘘はつかぬ。姫と私の名誉に誓って言うが、本当にそのような文句はない」
そう言うウェールズは苦しそうだった。その口ぶりから、ルイズの指摘が当たっていたことがうかがえた。
それを見てルイズは肩を落とす。
ウェールズが絶対に決意を曲げないことがわかった。
自分が亡命すれば、反乱軍にトリステインを攻撃する絶好の口実を与える、そう考えてのことだろう。
そして、アンリエッタが国事よりも私情を優先させる女と見られるのを避けようとしているのだ。
「ラ・ヴァリエール嬢、君は正直な、いい子だ。だが忠告しよう。そのように正直では大使は務まらぬよ。しっかりなさい」
寂しそうに俯くルイズに、ウェールズは微笑んだ。他人に安心を与えるような魅力的な笑みだった。
「しかしながら、亡国への大使としては適任かもしれぬ。明日に滅ぶ政府は、誰よりも正直だからね。なぜなら、名誉以外に守るものが他には無いのだから」
ウェールズはルイズの肩を叩きながら続ける。
「そろそろ、パーティーの時間だ。君達は我らの王国が迎える最後の客だ。是非とも出席してほしい」
ルイズ達は部屋の外に出る。
ワルドは居残って、ウェールズに一礼した。
「まだ何か御用がおありかな、ワルド子爵?」
「おそれながら、殿下にお願いしたい議がございます」
「何かな?私に出来ることであれば、なんなりとうかがおう」
ワルドはウェールズに、自分の願いを語った。
ウェールズはにっこりと笑った。
「なんともめでたい話ではないか。喜んでそのお役目を引き受けよう」

パーティは城のホールで行われた。玉座には年老いたアルビオン王、ジェームズ一世が腰掛け、皇太子ウェールズがその脇に控える。
明日で自分たちは滅びるというのに、ずいぶんと華やかな宴であった。
キュルケとギーシュはパーティという事もありそれなりに楽しみ、タバサは料理を食べ進めている。
ルイズはどこか暗い表情をしながら椅子に腰かけていた。
バージルは適当に食事をとりホールの隅で壁に寄り掛かっていると、ウェールズが話しかけてきた。
「ラ・ヴァリエール嬢の使い魔の……バージル君、だね、楽しんでるかい?」
「そう見えるのか?」
「ハハッ、まぁ、そう言わずに楽しんでくれたまえよ。これが我々にとっては最後の晩餐だからね。」
「…俺は、貴様がいつどこで死のうと興味はない、この国の滅亡もな。力無きものが滅ぶ、それが世の常だ」
「厳しいことを言うね…確かに我々にはもう力は残っていない、だがそれでも守るべきものがある」
「誇りか…?」
「それもあるが……我々の敵である『レコン・キスタ』はハルケギニア統一をしようとしている。『聖地』を取り戻すという理想を掲げてな、
理想を掲げるのはいい。だが奴等はその過程で流されるであろう民草の血を考えず、荒廃するであろう国土の事を考えていない、
だからこそ勝てずとも、勇気と名誉の片鱗を見せつけハルケギニアの王家は弱敵ではないと示さねばならぬ。
奴等がそれで『統一』と『聖地の回復』という野望を捨てるとも思えぬが…それでも我々が先立ち勇気を示さねばならぬ」
「………」
「そうだ、一つ頼まれてくれないか。アンリエッタに会ったら伝えてほしい、
『ウェールズは勇敢に戦い、勇敢に死んでいった』と」
「…会うことがあればな」
「頼む」
それだけ言うとウェールズは座の中に戻っていく。
それを見送るとバージルはホールを後にしようとする、するとその前を立ちふさがるようにワルドが現れた。
「君に言っておかねばならない事がある。明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる。」
「………」
「是非とも僕たちの婚姻の媒酌をあの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。
皇太子も快く引き受けて下さった、式を挙げるのさ。君にも是非出席してもらいたいのだが…、
仮に出席してしまうと君が帰還するための手段がなくなってしまうんだ…」
「…興味がない」
「そうか、ならば君は明日の朝、すぐに船で発ちたまえ。
僕とルイズはグリフォンで帰る、滑空すれば問題なくトリステインまでたどり着ける。」
その答えを予期していたかの様にワルドは頷く。
「君とはここでお別れだな」
「そうだな……」
頷くと、バージルは立ち去ろうとする。
ふとバージルの足が止まり、

「貴様はよほど下らんことをするのが好きらしいな…」
振り返らずにワルドに言い放った。
「…どういうことだね?」
「………」
それに答えずバージルは廊下の奥へと消えていった。

部屋に戻ったバージルはいつものように窓際に歩み寄る。
「相棒、珍しくなにも言わなかったじゃねぇか」
「……」
バージルは答えず外を眺める、城を取り囲む攻め手の陣屋の篝火が目に付いた。
「三百対五万…か、どうするよ、相棒?」
「知らん、奴らがここで玉砕しようと、その結果この国が滅ぼうと、興味がない」
「そうさな、相棒ならそう言うか…」
「この国は、力が無いから滅ぶ、全ては…力が…」
バージルはそう呟きアミュレットを取り出し見る、その時、ドアをノックする音が響き、ドアが開く
廊下の灯りを背にしてその向こうに立っていたのはルイズだった。
パーティの席上で酒を振舞われたのだろう、わずかながら頬が赤くなっている。
「やっぱりここにいたのね…」
そういいながらバージルの近くに歩み寄り背中にしがみついた。
コートに顔をうずめ、泣きじゃくり出す。
バージルは振り払うこともせず何も言わず外を見ている。
「いやだわ……、あの人たち……、どうして、どうして死を選ぶの? 訳わかんない。
姫様が逃げてって言っているのに……、恋人が逃げてって言っているのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」
「…知らんな、これから死ぬ人間など興味がない」
「なによそれ!」
「人を想い…涙を流すのは人間のすることだ…、そしてそれは弱さだ」
「あんたも…人間じゃない!」
「黙れ!」
そのままルイズを突き飛ばす、ルイズは尻もちをつく形でバージルをにらむ。
「二度と俺を人間と呼ぶなと言ったはずだ…!」
そのまま閻魔刀を抜刀しルイズの鼻先に突きつける。だがルイズはひるむことなく言葉を続ける。
「何度でも言ってやるわ!あんたは人間よバージル!ならなんでそんなにそのアミュレットを大事にしてるの!?」
「それは!…スパーダの真の後継者が持つべき―「嘘よっ!!」」
「それが家族の形見だからでしょ!?お母様から貰ったものなんでしょ!?家族を、人を想う心を持つあんたは人間よ!!」
「黙れッ!!」
「もういいわ!あんたは人の気持ちを理解しようともしない!
この国の皇太子は残される人の気持ちなんか理解しようともしない!そんなに死にたいなら勝手に死んじゃえ!
みんなっ…!みんな!大嫌いよ!」
そう言うとルイズは部屋を走り去ってしまった。

部屋に取り残されたバージルにデルフが話しかける。
「相棒、この際だから言ってやる、俺もあの娘っ子に賛成だ」
「…なんだと?」
バージルは静かに聞き返す
「お前さんの心は人間だよ、人を想うことをできるのが人間と悪魔の線引きだとしたらな」
「言葉遊びを…貴様に何がわかる…」
「まぁ最後まで聞けよ、フーケの時もそうだったが…お前さんはなんであの娘っ子が空賊に襲われているとわかった時、即座に助けに飛んだんだ?」
「それはルーンが…」
「違うな、表面に現れちゃいないが心のどこかであの娘っ子を気にかけているんだ。
どんなに冷たくあしらっていても、なんだかんだであの娘っ子を助けてんだろ?」
「違う…」
「お前さんは人を想うことに慣れていないんだ、そしてお前さんに想いを寄せる人間がいることにもな」
「……これ以上喋ってみろ、へし折るぞ…」
「おー怖い。最後にひとつ、6000年生きている俺っちからのアドバイスだ。人間ってのはな、決して弱くねぇぞ?
確かに肉体は弱い。だがな、何か守るべきものがあるとき、人ってのはいくらでも強くなれるもんなんだよ。
そのルーンもまた然り、ってな。相棒も、守りたいものがあったからこそ力を求めるようになったんだろう?」
「………」
「まっ!俺っちの話はこれで終わりだ、相棒もその辺、よくよく考えてみるんだな」
部屋の中に静寂が訪れる、バージルは窓から月を眺めながら考える。
デルフの行っていた言葉は、ダンテが言っていた言葉だ。

―人を想い、感情を昂らせ流れる涙は人間の証明だ、もし涙が流せるなら、そいつはもう悪魔じゃない。

―人間は強いぜ?悪魔にはない力がある。

バージルは無表情のままアミュレットを見つめる。
「俺は…」
月は煌々とバージルを照らし続けた。


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