あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼炎の使い魔-14

翌朝、学院長室ではそれはもう大変な事になっていた。

「土くれのフーケ! 宝物庫を荒らした盗賊が!」

「随分とナメた真似をしてくれる!!」

「衛兵達は何をやっていたんだ!!」

「平民なんぞ当てにはならん!」

ワーワーギャーギャーと教師連中は大声を上げる。
そんな大騒ぎの中、ルイズと使い魔のカイト、
そしてギーシュ達3人と今朝、生徒の話を聞いたコルベールは呆気に取られた表情でその光景を見ていた。
昨晩の事を報告しに学院長室に来たと思ったらこれである。
朝からテンション上がりまくりの教師陣は更にヒートアップしていく。

(あ、倒れた。)

とうとう、頭の血管でも切れたのか教師の一人がドサリと倒れた。
しかしその教師は生徒のルイズに影口を叩くような人間だ。
別にいいかと思いながら、皆が冷静になるのを待っている。
さて、この教師陣は一体何をしてるのかというと…

「当直は誰だったんだね!?」

「ミセス・シュヴルーズ! 貴方ではありませんか!」

所謂責任の擦り付け合いである。
こんな事をしてる暇があればさっさと何らかの対策を立てればいいのに。
ルイズはともかくギーシュまでもがそう考えていた。
ミセス・シュヴルーズという女性はあまりの剣幕に泣きながらも謝罪の言葉を述べる。

ギーシュがそれを見て足を出そうとしたが、それはルイズによって止められた。

「何をするんだ?」

「オールド・オスマンが来たわ」

ルイズの言うとおり、奥からオールド・オスマンが登場した。
彼はこの学院の最高責任者だ。
決めるときには決める。
決まらない時はエロイ。

きっとクーンが年を取ったらこんな感じになるのではないだろうか。 …多分。

そんなオスマン氏は今は決まっているらしく、騒ぐ教師陣を宥めはじめた。
そして、昨夜の状況をルイズたちに聞き始めた。

「お主達じゃな、土くれのフーケを目撃したのは。」

ルイズは答える。

「はい、正確に言えば私とギーシュの2人だけですが。」

「ん? 使い魔の…カイト君はどうしたのかね?」

オスマン氏はカイトを不思議そうに見ながらもルイズに問いかけた。

「用事があったとかで一緒には居ませんでした」

ルイズの言葉に周りの教師陣の様子が変わる。

彼女は少し失望した。
何が何でも今のうちに責任者を見つけたいのだろう。
ルイズは小さくため息を吐いてカイトに話しかけた。

「ほら、あんたも言いなさい。」

カイトはその言葉にコクリと頷いて背中からデルフリンガーを取り出した。

「…ハアアアアア」

「ん、ああ。 えっと、自分は昨夜はシエスタって言うメイドの所へ行っていた、ってさ。」

「「なっ!」」

ルイズとギーシュは同時に驚愕の言葉を出した。

「ふうむ…、ならばミスタ・グラモンの方は…?」

突然話を振られたギーシュは驚きつつも努めて冷静に言葉を返した。

「ぼ、僕の使い魔は昨夜は寝ていました。」

オスマン氏はその言葉を聞いてそっと目を閉じる。
そして、謝罪の言葉を2人に掛けた。

「ふむ、すまんかった。疑いを掛けるような真似をして。」

オスマン氏の言葉に2人は頷く。
ルイズは握りこぶしを作っていたが…
きっとその握りこぶしはカイトに対する物に違いない。

室内に沈黙が下りる。

そこでふとコルベールが、思い出したかのように口を開いた。

「そういえば…ミス・ロングビルは?」

言われてみれば彼女がいない。
どうしたのだと話を始めた矢先に、扉が開いた。

「土くれのフーケの所在が分かりました!」

それはミス・ロングビルだった。

その瞬間カイトの様子が変わった。

「…!」

いきなり警戒の姿勢になったカイトを横の2人は不思議に思う。
そして、右腕がスーっと光り始めた。
ルイズは慌てながら、カイトを止めた。

「ちょっと馬鹿! 何やってるのよ!」

飽くまで小声でカイトの腕をつかむ。
カイトは少し黙った後、腕の周りに浮かび始めていた光を消した。

そんなやり取りをしてる間に、教師陣の様子が変わった。

「では土くれのフーケはそこに…」

「はい、証言者の話を聞けば間違いないと思います。」

「それでは、早速王室に報告に…」

「しかし、それでは逃げられてしまうぞ!」

騒がしくなってきた教師陣をオスマン氏は止める。

「おほん!!」

そして、ある策を出した。

ならば、こうしよう。
学院内の不始末は学院でつけると。
だから、こちらから少数で奪還しよう。

オスマン氏はそう提案して、有志を募る。

「では、これから捜索隊を編成する。自分がというものは杖を上げよ!
 貴族として名を上げたいと思うものはおらんのか!」

オスマン氏が声を出しても教師連中は顔を見合わせるだけだ。
ルイズはそれを見て、杖をあげた。

「ミス・ヴァリエール! ここは教師に「誰も上げないじゃないですか!」…っ!」

堂々と言い放ったルイズにミス・シュブルースは口を閉じた。
そしてそれを見て、ギーシュも杖をあげた。

「ミスタ・グラモン! 貴方まで!」

「な、何考えてるのよ!」

ルイズもこれには戸惑うばかりだ。
ギーシュはその言葉を聴いて、堂々と反論する。

「僕はミス・ヴァリエールとその使い魔君に多大な借りを作ってしまった。
 だから、僕は彼女達に力を貸したい!」

本当は名も上げたいのだが、そこら辺は流石に空気を読んだらしい。

ギーシュの顔は所謂、漢の顔になっていた。

「ふむ、では頼むとしようか。」

オスマン氏は志願した2人(カイトは強制)を捜索隊に編成した。

だが、それに異を唱えるものがいた。

コルベールである。

だが、オスマン氏はコルベールを含め全ての教師に口を開いた。

先の決闘でギーシュとカイトの実力は知っている。
圧倒的に負けたとはいえ、あの時のギーシュの力は教師陣に引けを取らないほどの強さだったのだ。
それに、メイジの価値は使い魔を見よという言葉があるように、またルイズの力も未知数だ。

そんな3人相手に勝てる者はいるのか?

そう言えば、異を唱える者は誰も居なかった。

「ふむ、ミス・ロングビル。3人を手伝ってやってくれたまえ」

ミス・ロングビルはそれに頷いて、部屋から出て行った。

「さて、決行は今日の夕方じゃ。ミス・ロングビルに迎えに行くように指示を出しておく
 それと今日の授業は休んでよい。
 ただし、準備を怠らずにの。」

授業免除を受けても3人の顔は真剣そのものだった。
オスマン氏はそれに満足げな顔を浮かべると、解散の言葉を放った。

「では、これにて解散じゃ!」


数十分後…

「サボってるみたいで気持ち悪いわね…」

ルイズは学院の外にある野原に座っていた。
部屋にいると落ち着かないのだ。
そんな彼女に一緒に居たギーシュは声を出す。

「まあ、たまにはいいんじゃないかな。」

ギーシュは寝転んで学院を眺めている。
そんなギーシュに彼女は当然の疑問を出した。

「でも、なんであんたまで?」

「決まってるだろ?
 ここで逃げたら名が廃る…ってね」

彼は命よりも名を惜しめと教えられてきた。
しかし、今の彼にとってそれは言い訳だった。

「僕は力を手に入れて調子に乗った。
 それを止めてくれたのは君たち二人だ。」

「…」

「だから本当は、君たちに力を貸したい。
 ただそれだけの事だから安心してくれ。
 僕だって戦えないわけじゃない。女性を傷つけるのは流儀に反するからね」

それは何時ものような口説きの姿勢ではなく、社交辞令的なものだった。
何時も女性の事と自分の名誉ばかり考えているわけではないらしい。
彼女もそれに好感を覚えたのかギーシュに言葉を掛けた。

「ま、期待してるわ。」

「任せたまえ。」

さて、と2人が立ち上がったのはほぼ同時だった。
2人は後ろの人物に目を向ける。否、睨んだ。
カイトはその様子に?マークを頭に浮かべた。

「さ~て、カイト。少し聞きたいことがあるんだけど。」

「ああ、僕も聞きたいことがあったんだ」

「…?」

「あんた、何でシエスタのところに行ってたのよ!」

「そうだ! 僕の方が先に君と約束しただろう!!」

「それに、あんた何でミス・ロングビルに攻撃しようとしてたのよ!!」

あまりの剣幕にカイトは一歩後ろに下がった。
作戦まであと7時間…
本当に大丈夫なのだろうか…


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