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ゼロの女帝 第十二話



「・・・・・・・と、いうわけで殿下、もといお頭。
 無事襲撃は成功。
 味方は勿論エモノにも怪我人は一切出ず、積荷の接取に成功しました。
 荷は食料に貴金属。あと大量の硫黄です」
「硫黄か、それはいい。
 間も無く始まるであろう戦いにおいて、その硫黄から作られる火の秘薬はさぞかし
 反逆者どもの心胆を痛めつけることだろうな」
「それと・・・・・・・貴族を五人に使い魔三体です」
「?」
「どうやらトリステインの貴族らしくお頭に面会を望んでおりますが」
「トリステインか・・・・・・よかろう」


「で、おめぇら貴族様が俺に会って、何話したいってんだ?」
その瞬間、髭を生やした金髪の男性を除く全員が笑い出す。
赤い髪の少女など笑いすぎて痙攣起こしているほどだ。
「何がおかしい!」
「だ、だ、だってぇ」
微笑みながら子供らを見つめる年長っぽい女性がぽつりと呟く。
「ずれてるわよ、かつらと付け髭」
「滑りやすい」
「いや、それ言う相手が違うから」


「あー、まあそういう訳で私がアルビオン王子ウェールズだ」
「トリステイン特使、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールでございます」
「同じく特使、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドと申します」
「以下略」
「酷いじゃないか、大体なんで僕の扱いはいつでもどこでもこんなに悪いんだ!」
「しょうがないじゃない、だいたいあなたたち、みんな正式の特使であるあたしとワルドさまに
 勝手についてきただけっつーんだし」
「そういやそうね」
「で、あたしがルイズちゃんの使い魔、瀬戸と申します」
「・・・・・・アルビオンでは聞いた事無いんだがトリステインでは平民が使い魔というのは
 よくある事なのかね?」
「史上初と聞き及んでおります。この一点をもってしても我が主が歴史に名を残すのは確実」
「歴史はともかく、彼女は平民ではありません」
「というと?」
「遠く遠く、馬で何日走ろうと船で何年飛ぼうと決してたどり着けない地の王族なのだとか。
 そして、王族とか平民とかそういった馬鹿らしいものを超越した存在なのです、彼女は」
「馬鹿らしいかね、王族というのは」
「少なくともこのハルケギニアにおいて彼女は評価されるべき血統ではありません。
 しかし彼女にわたくしは教えられたのです、魔法など芸のひとつでしかないのだと」
「それはともかく特使どの、用を聞かせてはくれまいか」
その言葉にルイズは慌てて懐の手紙をウェールズ王子に手渡す。
「姫は結婚するのか?あのアンリエッタが。私のかわいい…従妹は」
ルイズは無言で頭を下げて肯定した。
ウェールズは再び手紙に視線を落とす。最後の一行まで読んで、微笑んだ。
「了解した。何より大切な手紙だが、姫の望みは私の望みだ。返すことにしよう」
ルイズの顔が輝く。
「しかし、今手元にはない。空賊船に姫の手紙を連れてくるわけにはいかぬのでね」
ウェールズは笑って言った。
「ご苦労だが、ニューカッスルの城までご足労願いたい」

ルイズ達を乗せた私略船「イーグル」号と捕獲された輸送船「ジーン・グレイ」号改め「フェニックス」号は
反乱軍の警戒網をすり抜け、ニューカッスルへとたどり着いた。
ルイズ達は王子の先導の下、城内のウェールズの居室へと向かう。
王子の部屋とは思えない、質素な部屋であった。
「高級品は戦費に変えてしまってね」
笑いながら王子は机の引き出しを開き、宝石のちりばめられた小箱を取り出す。
鍵を使い蓋を開けると、そこにはアンリエッタの肖像が描かれていた。
中から手紙を取り出すと、ゆっくりと読み返し始める。
何度もそうやって読まれたであろう手紙は、既にボロボロであった。
読み終わると、ウェールズは手紙をたたみ、封筒に入れてルイズに手渡した。
「ありがとうございます」
ルイズは深々と頭を下げ、その手紙を受け取る。
「明日の朝、非戦闘員を乗せて出航する『イーグル』号に乗って帰りなさい」
ウェールズの言葉に、ルイズはじっと俯いていたが、そのうち決心したように口を開いた。
「あの…殿下。王軍に勝ち目はないのですか?」
「ないよ。我が軍は三百、敵軍は五万。正面から戦って勝てってそりゃ無理だろう」
ルイズは再度、俯いた。


「殿下の討ち死になさるさまも、その中に含まれるのですか?」
「何で?」
きょとんとした表情でこちらをみやるウェールズ王子。
「いや、今勝ち目無いって仰ったじゃないですか」
「うん、そうだね。
 だから隙を見て我ら王党派は脱出し、ゲリラ戦を行う」
「ゲリラ戦って王子様がですか?」
キュルケの言葉に頷くウェールズ。
「繰り返すが正面から戦って勝ち目など無いから。
 かといって死にたいわけでもないし、なら精一杯正面以外で戦うべきだろう」
「亡命なさいませ!」
ルイズが絶叫する。
「卑しくもアルビオンの王子が野山で泥に塗れてゲリラ戦など・・・・・・今すぐトリステインに亡命なさいませ!」
「で、あの反逆者どもが今度はトリステインを責める口実を作れ、と?」
「多少早くなるだけにございます!」
「・・・・・・確かにほんの少しだけ早くなる、その程度だろう。
 でも今のトリステインにはその「ほんのわずかの時間」が宝石並に貴重なんじゃないのかい?
 それに、確かに泥には塗れるが勝算はある」
「勝算、ですか?」
「ああ。ゲリラ戦においてある国のバックアップを受ける手はずを整えてあるんだ。
 さんざんレコン・キスタとやらの心胆冷やしめてくれ、とね」
「ある国、ですか」
「そう、ガリア王ジョゼフの支援をね」
ぴくり、とタバサと、そしてワルドが身じろぎをする。
「あの無能王の手を借りたからといってどうなります!」
「ふっ 使者殿。
 君は見事に、あの無能王という評判に騙されているね。
 一度でも直接会えば、そしてあの目を見れば彼を無能とは呼べまいよ。
 彼は確かに道化だ。
 だが真の道化とは、最も優れた存在でなければならないのだよ」


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