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創世の使い魔-00



創世の使い魔
第0章 ―とある酒場にて―

 ――『彼』の話を聞きたいって?
 珍しい事もあったものだ。『彼』の話を聞きに来たのは君が初めてだ。
 おっと、気を悪くしたかな。いつもは船に関係することばかり話してるものでね。

 ああ、『彼』の事はよく知ってるよ。『彼』の事を調べるのはとても興味深いからね、まぁ私の数少ない趣味さ。

 『彼の伝説』の伝説は至る所に存在する。
 例えばフランスの昔からあるおとぎ話で、杖を携えた少年が暴君を倒すというお話は、とても有名だ。絵本にもなっているね。
実のところ、かの王を殺したのは『彼』ではないのだけれど、少なくとも関係者であるという資料は残されている。

 そも『彼』の伝承を遡ると、実は文明発祥の時代まで遡ることができる。
 いや正確には、それ以上遡るための資料がないと言ったほうがいいかもしれない。
 アフリカにその頃に描かれた壁画が残されているんだけど、『彼』の特徴と一致する人物の絵が複数箇所で発見されている。
 他にもチベット仏教の経典には、『輪廻の外に在る者』『未来の導手』『昼と夜の間に立つ人』という称号とともに『彼』の名が残されていて、
その扱いは最高指導者であるダライ・ラマと同等であるともされているんだ。ただ、ラマたちと異なっているのは『彼』は
輪廻する事無く――つまり死ぬこと無く、今もどこかで生きているとされている点だね。

 他にも『飛行機』を発明できたのは『彼』のおかげだという話もあるし……そうそう、ファーストフードの代名詞であるハンバーガーの考案に
協力した、なんていうのもあるね。
 冗談みたいだろう?同一と思われる人物が世界各地の異なった時代に――しかも20世紀まで、その痕跡を残してるなんて。
 一度だけ、考古学の分野で彼の事が取り上げられた事があるんだけど、そのときは一笑に伏されてしまったらしい。
 まったく、悲しいことだね。
 旧約聖書の創世神話はあれだけ人々に信じられているのに、たった一人の英雄が人類文明を『復活』させた、というのは
彼らにとってみれば陳腐な妄想にすぎないようだ。

 あぁそうそう。時に君は、『オーパーツ』という言葉を知っているかい?
 場違いな工芸品――Out Of Place Artifacts、略してOOPARTS。
 考古学上、当時の文明では加工する事や製造することが困難な出土品の事を指す言葉だ。
 さて、いま私が首から下げているネックレスだがここにはまっている宝石がなにか、君は知っているかい?
 ラピスラズリ? アイオライト? ターコイズ? 残念、どれも違う。
 この石はね、『プライムブルー(原初の蒼)』というんだよ。
 素敵な名前だろう。
 うん? 何の関係があるって? いやいや、それが大有りなんだよキミ。
 この『プライムブルー』こそが、そのオーパーツと呼ばれるべき宝石なんだよ。
 それは何故か。それはね、この宝石の元素と分子構造は特殊でね。地球上にはまず存在しない物質なんだそうだ。
これは、学者先生のお墨付きだよ。
 落下した隕石に含まれたんじゃないかって? それはまた夢のない話だ。人を納得させる説得力としては、まぁ十分だけどね。
 で、これがなぜオーパーツと呼べる物なのか。
 ちょっと、見てくれ。きれいな形をしてるだろう?まるでカットしたかのようだ。
 この宝石は『このままの状態』で発掘されたんだ。おおよそ、六千年前の遺跡からね。
 どうだい、夢のある話じゃないか。

 他にも………。

 ………。

 ………。

 ――いや、そうか。失礼した。
 ここにいる時点で気づくべきだったね。
 君はわざわざ、この『私』に『彼』の話を聞きに来たのだから。
 その理由なんて、たった一つしかありはしない。

 いいだろう。『私』までたどり着いた事に敬意を評して、話そうじゃないか。

 この私――クリストファー・コロンブスが見聞きし、調べ上げた本当の物語を。

 光と闇の使者、『アーク』によって創りだされた『天地創造』の神話を……。




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