あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼い使い魔-12a


虚無の曜日から数日後、
バージルが昼食のために厨房へ入ると、
厨房全体の空気が重く沈んでいる。
別にバージルが入って来たから空気が重くなったわけではない、
厨房には使用人達やマルトーを筆頭とする料理人たちが集まっていたが全員表情が暗い、
その中にシエスタの姿は見ることが出来なかった。
「何をしている」
「おぉ、『我等の剣』!来てくれたか…!」
バージルに気がついたマルトーが声をかける、だがその声はどことなく元気がない。
「…、あの女はどうした」
先日幻影剣を放ったことにより、シエスタがバージルに対し怯えるようになってしまったが
洗濯はしてくれるのでバージルはそれほど気にしていなかった、が、見かけないのは少し気になったらしい、
バージルはシエスタがいないことをマルトーに訪ねる
「あの女っていうと…あぁ、シエスタか…実は…もういないんだ…」
「そうか」
自分から聞いておきながらその返答を軽く流す
そんなバージルに気にせずマルトーは続ける
「先日王宮からの勅使で来ていた、モット伯って貴族に見初められて仕える事になってな。
今朝早く迎えの馬車で行っちまったんだ」
「ならうれしそうにしたらどうだ?」
苦々しく話すマルトーに皮肉を返す
「そんなことできるか、元々あのモット伯ってのは、あまりいい噂を聞かないんだ、
そうやって気に入った若い娘を次々召抱えているらしい」
「フン…くだらんな」
そう言うと席を立ち厨房を出ようとするバージルを見つつマルトーが呟く、
「結局平民は貴族の言いなりになるしかないのさ…」

バージルが厨房を出ると背中のデルフが話しかける
「ま、こういうのはいつの時代にもいるもんだな」
「……」
「おい相棒、妙なこと考えてないだろうな?」
「知らん」
バージルが短く答えるともはや聞きなれた声が聞こえて来た
「そうよ、妙なことを考えるのはよしなさい」
「…フン、いつから聞いていた」
現れたのはバージルの主であるルイズだった
「あんたが厨房に入ってからよ、あんたがいくら強くっても、貴族を殺すなんて許されないことなのよ」
「逆に貴族が平民を殺しても罪にはならない、か」
―フッとバージルの口の端が歪む
「まるで悪魔だな」
「なっ!なんですって!?貴族を侮辱する気!?」
「違うのか?貴族は抵抗できぬ平民を生かすも殺すも隷属させ辱めるのも自由、これが悪魔でなければなんだ?」
バージルの強烈な皮肉、『お前もその一人だ』、口では言っていないがそう言われている
「真の貴族はそんなことしないわ!」
「では真の貴族とはなんだ?貴様は真の貴族なのか?」
「それはっ……」
バージルのいたぶるような言葉は続く。
「全ての貴族の中に真の貴族だ、そう呼べる人間がいるのか?」
「もうやめて!」
「フン、俺からして見れば、モット伯とやらも、貴様もたいして変わらん」
そう言いながら左手のルーンを見せる
「違う…違うわ…」
「どうだかな…」
「相棒、その辺にしておけ」
続けようとするバージルをデルフが制する
「思ったことを言ったまでだ」
ルイズは座り込み目に涙を浮かべ耳をふさいでしまっている
「まったくおでれーた、悪魔の囁きってのは存在したんだな…やりすぎだぜいくらなんでも」
そんなルイズを見て(?)デルフは呟く
バージルは静かに踵を返しその場を後にする
残されたルイズは「違う…違う…」と壊れたレコードのように繰り返すだけだった

バージルが学院の正門前につくとデルフが話しかけて来た。
「相棒、やっぱり行くのかい?」
「モット伯とやらに挨拶に行くのも悪くはない」
「悪魔同士話し合うのも悪くないかもな相棒」
とデルフが茶化すように笑う
「モット伯?」
後ろから声が聞こえた
「来たか…」
まるで来るのが分かっていたようにバージルが声がした方向を振り返る、そこにはタバサが静かに佇んでいた
「シエスタを助けに行くの?」
「…だったらどうする」
「私も行きたい」
答えるバージルにタバサは同行を申し出る
「何故だ?」
「もっと力が欲しい、それだけ」
その言葉を聞くとフッっとバージルは笑う
「力を求め、魔を求めるか、いいだろう好きにしろ、場所は知ってるな?案内しろ」
その言葉を聞くと、タバサは自身の使い魔、風竜のシルフィードを呼ぶ、
「それが貴様の使い魔か、あの日追ってきたのはそいつだったか」
「シルフィード、乗って」
そう言うと、バージルに手を差し出した、
バージルがシルフィードに乗ろうとした時、背後から声がかかる
「待ちなさい!!」
そこにいたのはルイズだった、目は赤く泣き腫れている
「貴様か、何の用だ」
「私も行くわ!貴族として、シエスタを助けるわよ!」
「好きにしろ、かまわんな?」
タバサはコクリと頷く、
それを見るとルイズはバージルの背中にしがみつくようにシルフィードに乗り込む
こうして、3人を乗せた風竜はモット伯の邸宅へと飛んでいった。

風竜のスピードは早く、あっという間にモット伯の邸宅へと辿りつく
「こ…ここまで来たけど、ここからどうするの?」
「高度はそのままでいい、そのまま邸宅の上空へつけろ」
「わかった」
タバサはそう頷き指示通りシルフィードをモット伯の邸宅上空へと近づける
「えっ?ちょっとまって?すごく嫌な予感がするんだけど…まずは話し合いでしょ!?ねぇ!?」
ルイズが止めるのも聞かず
バージルはシルフィードから身を翻し飛び降りる

邸宅の庭へと着地するバージルに驚き見回りの兵が驚きの声を上げる
「だっ誰だ貴さっ―」
言い切るよりも先にバージルの閻魔刀による無慈悲な一撃が兵士の首を斬り飛ばす
「Scum..."―クズが…"」
そのまま邸宅の扉の前へと集まっていた兵士たちへと向かい疾走居合を放つ
その余りの速さに兵士たちは反応しきれず、斬られたことにすら気がつかないまま一瞬で絶命した。
血飛沫を浴び垂れ下がった髪を無造作にかき上げながらいつものオールバックに戻しながら辺りを見回す
まだ殺していない見回りの兵士が続々集まってくる、その時、僅かに地面が盛り上がった。
その様子を見てバージルは静かに呟く
「フッ…まさか本当に悪魔共がいるとはな…」
その呟きと同時に兵士が血飛沫を吹き上げ倒れ伏す、
「なっなんだっ!?ぐあっ!」
また一人、兵士が倒れる、その背中には巨大な鎌が深く突き刺さっていた。
地面から血のように赤い派手な服を着た悪魔が次々と沸き出てくる
「ヘル=ラスト…色欲…か…」
地獄で色欲の罪を犯した人間を責める下級悪魔、巨大な鎌を持ち、その姿は人間が見れば死神を連想させる。
それを見てニヤリと笑いながらデルフを抜き放ち悪魔の群れに向かいスティンガーで突っ込んでいく、
ハイタイムで上空に跳ね上げられた悪魔が飛んできた幻影剣によって串刺しにされなすすべもなく砂へと戻って行く
突如バージルが群れから飛び出し居合の構えに入る
「Cut off...!"―斬る…!"」
目にも止まらぬ居合切り、空間が裂け全ての悪魔が両断され崩れ落ちる。
その鬼神のごとき戦いぶりに唖然と口を開けるルイズとタバサ
「どうなってんのあれ…?」
「……」
なんて無謀なことをしたんだろう、タバサは内心命を拾っていた事に安堵していた
とてもじゃないがあんな攻撃をもらって生きている自信はない。
生き残りの兵士共々悪魔を皆殺しにしたバージルは屋敷へと進もうとすると。
上空からシルフィードにのったルイズとタバサが降りて来た
「ちょ、ちょっと待ちなさい!なんなのこいつらは!?っていうかなんであんた兵士も皆殺しにしてるのよ!」
「フン、こいつらが悪魔だ、モット伯とやらの歪んだ欲望に呼び寄せられ地獄から迎えに来たんだろう。
色欲とはな、ヤツに似合いの悪魔だ。俺が手を下さずとも、この屋敷の者はじきに皆殺しになるだろう」
「これが悪魔…、みっ、皆殺しって!シエスタが危ないじゃない!早く助けに―『―ヒュン!』」
「ギャァァァァァァアアアア!!」
バージルから放たれた幻影剣がルイズの頬を掠め飛んで行く、幻影剣はルイズの後ろに迫っていた
悪魔の顔を貫き、悪魔は苦悶の絶叫上げながら絶命した
「えっ…?あ…」
今ので腰をぬかし動けなくなってしまったルイズを冷たく一瞥すると
「ここは貴様に任せる、俺はモットとやらを殺す、罪の元を断たねばこいつらはさらに湧き続ける」
バージルはタバサに伝える
タバサは少し青い顔でコクリと頷くと
エア・ハンマーを唱え迫る悪魔を吹き飛ばし、氷の竜巻で上空へと打ち上げた。
それを見たバージルはモット伯の邸宅のドアを開け、内部へと足を踏み入れていった。





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