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蒼い使い魔-11


―フッ…
突如タバサの視界からバージルが消える
「…っ!?」
ズガンッ!一瞬でタバサの上空まで間合いを詰めたバージルのヘルムブレイカーが襲いかかった。
一瞬バージルを見失ったものの上空からの凄まじい殺気を感じ
横へ転がるように避けたタバサはすぐさま魔法の詠唱へと移る
「エア・ハンマー」
かつて彼を昏倒させた魔法を使う、今回は昏倒とまでは行かなくとも距離を取るつもりで放つ
バージルは即座に反応、閻魔刀を抜き放ち魔力が込められた空気の塊を両断、
両者の間に大きな風の流れが巻き起こった。
タバサはフライを使い距離を取りつつ次の魔法の詠唱へと入る、
その隙をバージルが逃す筈もなく、デルフに魔力を込めタバサに思いっきり投げ付けた
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
広場にデルフの悲鳴が木霊する、回転しながらすっ飛んで来るデルフを何なく躱し、
次の動作に入ろうとする、が
「……ぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
後ろから戻ってくる悲鳴を上げる剣にすんでの所で気が付き杖で受け流す。
ガキィン!という音とともにデルフは宙を舞いバージルの手元に吸い込まれるように収まった
「あ、あぶねーな相棒!いきなりぶん投げるなんて!」
「黙れ、貴様が叫ばなければ決着はついていた」
杖に固定化が掛っていなければ戻って来た剣に杖ごと真っ二つにされていただろう。
手にはまだしびれが残っている。

「Humph, What's wrong? "―フン、どうした?"」
「ウィンディ・アイシクル」
バージルの挑発に反応するかのように魔法を放つ
多数の氷の槍がバージルに襲い掛かる、バージルは閻魔刀を使いそれらを叩き落とす、
その様子を見ながら(?)おずおずと背中のデルフが話しかける
「あ、あの~相棒?」
「なんだ」
「俺っちもそれに似たようなことが出来ることを思い出したんだけど…使う気ない…」
「ない」
そう冷たく言いながら全ての氷の槍を叩き落としたバージルはタバサに向かいスティンガーを突き放つ。
「エア・ハンマー」
バージルがスティンガーを放つのと同時にタバサも魔法を放つ、
空気の塊とデルフが激突する、すると空気の塊がふっとかき消え、勢いの衰えぬスティンガーがタバサに襲い掛かる
「!?」
自らの死を覚悟したタバサは杖をぎゅっと握り締め目をつぶった、
―ズガンッ!と激しい音とともにタバサの身体が杖と共に木の葉のように吹き飛ばされる
地面に強かに打ちつけられ意識を手放しかける。
「くっ…かはっ!」
激しい衝撃とともに全身に痛みが走る、だがなぜか死んではいない、仰向けになり霞む目で杖を探す、杖は運よく手を少し伸ばせば届く場所に落ちていた
右手を必死に伸ばし杖を取ろうとする、が、バージルがタバサの腕を踏みつけそれを阻止した、
「ぁうっ…」
無言のまま閻魔刀を抜き放ちタバサの首に突き付ける、少しでも妙な動きをすれば斬るつもりだろう。
バージルの眼はゾッとするほど冷たく感情などまるで窺うことが出来なかった。

「愚かな」
ギリッと右腕を踏む力が強くなる、
「うっ…!」
「愚かだ」
「っ…!」
「力なくては何も守れはしない」
ゴキッ!骨が砕ける音が広場に響く
「あぐっ!!!」
「―自分の身さえもな」
年端もいかぬ少女の腕をへし折りながらバージルは呟く、
まるで自分自身に言い聞かせるように…。

その言葉が終わると同時にタバサは意識を手放した。

「おい相棒…いくらなんでもやりすぎなんじゃねぇの?」
閻魔刀を静かに納刀するバージルにデルフが話しかける、
「この女から仕掛けて来た、降りかかる火の粉を払っただけだ」
「でもまさか腕折っちまうなんてな…、あの突きで娘っ子の杖を狙った時はいいとこあるとおもったんだがねぇ。
相棒はやっぱり正真正銘の悪魔だよ…」
「フン…ところで、あの魔法どうやって消した」
「あぁ、あれか、俺、あのくらいの魔法なら吸収できるのよ、だから激突した瞬間消えたワケ、
使う気ないとか言っといてしっかり使ってくれちゃって、俺っちうれしくて泣きそうだったぜ!」
「黙れ」
そう言いながらバージルはコートを翻し広場を後にした。
「(この女も…俺と同じ…)」
「ところで相棒、なんか落としたぜ?」
「…」

「う…うぐっ…」
バージルが立ち去ってからしばらくして、激痛にタバサが意識を取り戻す。
負けた、今まで数多くの危険な任務をこなし、生き残って来た
そんな自信があった、なのにあの男の足元にも及ばない。
今まで戦ってきた相手とは明らかにレベルが違う、
そもそもあの男はギーシュとの決闘時に使った幻影剣や居合を使ってはこなかった、
まるで手に入れたばかりの剣を試すかのように、遊ばれたのだ。
情けなくて涙が出る、感情を殺すと決めたのに。
「力…」
あの男が去り際に言っていた…

『―力なくては何も守れはしない、自分の身さえも』

そうだ、力だ、かあさまを守るために、復讐を果たすために力が欲しい
だが自身の持つ力は、あの男にまるで及ばない、だがさらに高めることは出来る
「もっと力を…」
そう呟き、右腕を抑えながら杖を取ろうと立ち上がる、ふと足元をみると緑色に光る石が落ちていた
なんだろうと思い緑色に光る星の形をした石を手に取る、おそらくあの男が落としていったのだろう。
「きれい…」
そう呟くと、―パリンッ!という音とともに砕け散ってしまった
すると光がタバサを包み、体の傷が癒えて行く、
砕けていた右腕の痛みも消えている、
試しに右手を動かして見ると痛みも感じないしなんの不自由もなく動いた。
「治った…」
タバサは信じられないと言った表情で広場に立ち尽くしていた。

翌朝
バージルが廊下を歩いていると部屋のドアが開き、中からタバサが出て来た。
バージルはまるでそこにはなにも存在していないと言わんばかりに通り過ぎる、
そんなバージルにタバサは声をかけた。
「昨日は…」
「……」
バージルは立ち止まるが振り向かずに話を聞いた
「ごめんなさい」
「……用は済んだか」
そう言うや立ち去ろうとするバージルにタバサは言葉をつづけた
「あの石は」
「フン、俺には必要ないものだ」
「そう…、私は…力が欲しい…かあさまを守る力が、復讐を果たす力が。」
かあさま、その言葉にバージルが少し反応する、
「やはり貴様も…俺と同じ…か…」
「え…?」
「いや、こっちの話だ」
そう言い残し、バージルは立ち去る、その背中を追うようにタバサも歩き出した。






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