あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ZERO A EVIL-10


無事に裏口から脱出したルイズ達は、船が停泊している桟橋に向かっていた。
貴族派の妨害があった以上、一刻も早くアルビオンに辿り着かなければならない。
長い階段を駆け上がり丘の上に出ると、四方八方に枝を伸ばした巨大な樹が現れる。枝の部分には船が木の実のようにぶら下がっていた。
後ろを振り返ってみても、追っ手が来る様子はない。どうやら、フーケはうまく敵をひきつけてくれているようだ。

「よし、こっちだ!」

ワルドに促され、ルイズ達は樹の根元にある空洞の中に入っていく。
空洞の中には各枝に通じる多くの階段がある。ルイズ達はアルビオン行きの階段を見つけると、再び長い階段を上り始めた。

階段をしばらく上り続け、踊り場付近に辿り着いた時、ルイズは背後からこちらに近づいてくる足音を耳にする。
慌てて振り向くと、白い仮面という怪しげな風貌の男がこちらに向かってくるのがわかった。
どう見ても船に乗りに来た客には見えない。貴族派の刺客とみてまず間違いないだろう。
そう考えたルイズがワルドとシエスタに知らせようとした瞬間、仮面の男は走るスピードを上げ黒塗りの杖を取り出すと魔法を詠唱し始める。
すると、仮面の男の杖の先端が白く光る。一撃で相手を刺し貫くことができる威力を持つ魔法、エア・ニードルだ。
仮面の男は最後尾のシエスタに目をつけたようで、一直線にシエスタの方に向かっている。シエスタも仮面の男に気付いたようだが、その時には男はすぐ側まで迫っていた。

それを見たルイズは、背中に背負っていたデルフリンガーを抜き、一気に仮面の男との距離を詰める。
そして、シエスタを貫こうとしたエア・ニードルをすんでのところで受け止めた。

「シエスタには指一本触れさせないわよ!」
「やっと俺の出番がきたぜ! さあ相棒、一気にやっちまえ!」

デルフリンガーは自分の出番がきたことに喜んでいるようだが、ルイズの心はそれどころではなかった。
あと一歩でも遅かったらシエスタは命を落としていたかもしれないのだ。そう考えると、この仮面の男を許すわけにはいかなかった。
憎しみと怒りの感情が溢れそうになるのを抑えつつ、ルイズはデルフリンガーを構えて仮面の男と対峙する。左手のルーンは僅かに光を放っていた。

「シエスタ、今のうちにここから離れて!」
「は、はい!」
「ワルド様、シエスタをお願いします!」

ワルドにシエスタのことを任せたルイズは、仮面の男に向かって高くジャンプするとそのまま勢いよく斬りかかる。
オルステッドが使っていた技である『ジャンプショット』。シンプルだが強力な技だ。
仮面の男はとっさに杖でガードするが、勢いを殺しきれず、鍔迫り合いでルイズにおされる形になる。
ルイズはその隙を見逃さず、渾身の力でデルフリンガーを仮面の男に叩きつける。剣をハンマーの代わりにして相手を叩く力技『ハンマーパワー』。峰打ちだが威力は申し分ない。
ルイズの攻撃をまともに喰らった仮面の男は、回転しながら後ろに吹き飛ばされる。
その時、いつの間にか側まで来ていたワルドが追い討ちをかけるようにエア・ハンマーを放つ。直撃を喰らった仮面の男は階段から落下していった。
その後しばらく待ってみても仮面の男が戻ってくる気配はない。どうやら撃退に成功したようだった。

「どうやら、もう大丈夫のようだね。さすがルイズ、見事な剣さばきだったよ」
「そんな。敵を撃退できたのはワルド様のお陰ですわ」
「謙遜することはない。君の力は僕の想像以上だよ! この力があれば貴族派の妨害など恐れることもないさ!」
「ワルド様?」

どこか興奮気味に語るワルドを不思議に思ったが、戦いに勝って気分が高揚しているのだから無理もないと気にしないことにした。
シエスタにも怪我はなさそうなので、ひとまずは安心といったところだろうか。

「あれ? ひょっとして俺の出番、もう終わり?」

そんなデルフリンガーの呟きをよそに、ルイズ達はさらに上を目指す。

階段を上りきり、桟橋に着いたルイズ達は、そこに停泊している船に乗り込む。
いきなり現れたルイズ達に船員は驚くが、ルイズとワルドが貴族だとわかるとすぐに船長を呼びに行った。
船長との交渉の末、ワルドが風の魔法で風石の代わりをすることで話はまとまり、船はアルビオンに向けて出港する。

「二人ともよくがんばったね。空に出てしまえばしばらくは安全だろうから、今のうちに休んでおくといい」

ずっと走りっぱなしで疲れていたルイズは、ワルドの言葉に甘えて客室で休むことにした。
シエスタはルイズと一緒の部屋で休むのをためらっていたが、ルイズに強引に引きずられていってしまう。
そんな二人の姿をワルドは微笑みながら見送っていたが、その目はシエスタの後姿を鋭く射抜いていた。


翌日、アルビオンが目に見える位置まで近づいた時にそれは現れた。
舷側から大砲を突き出した大きな黒い船が近づいてきたのだ。旗も掲げていないところを見ると、どうやら空賊のようだ。
その船にルイズ達の船はあっけなく停船させられてしまう。この船の武装は貧弱で、頼みのワルドも船を浮かすために精神力をほとんど使っていたのだから無理もなかった。

甲板に降り立った派手な空賊の男が船長と交渉している。どうやらこの男が空賊の頭のようだ。
そんな中、ルイズは大人しくしていた。ここで暴れればワルドやシエスタが危険な目に遭う可能性があるからだ。
もちろん二人に危害を加えるようならただでは済まさない。そんなことを考えながら、ルイズは怯えるシエスタを背中に隠し、成り行きを見守っていた。

男と船長の交渉はすぐに終わり、船長は命を助ける代わりに船と積荷を全て渡すという一方的な要求をのむことになった。
うな垂れる船長をよそに、上機嫌な男はルイズ達に目をつけると、船倉に閉じ込めるよう部下に指示を出す。後で身代金をたんまり取る腹積もりのようだ。
こうして、杖とデルフリンガーを取り上げられたルイズ達は空賊の捕虜になってしまうのだった。

「ルイズ様、これから一体どうなってしまうんでしょうか……」
「心配しなくてもいいわ。待っていれば、必ずチャンスは来るはずよ」

ルイズ達は、空賊が持ってきた水と食事のスープを飲みながら今後の事を話し合っていた。
シエスタにはああ言ったものの、ルイズも不安なのに変わりはない。だが、ワルドやシエスタの手前もあるので、冷静を装っていた。
そんな中、ワルドは一人落ち着いている。今は船倉の積荷を見て回る余裕すら見せていた。

その時、扉が開き空賊の男が入ってくる。男は三人を見渡すと、楽しそうに喋りだした。

「あんたらも運が悪かったな。まあ、大人しくしてりゃ悪いようにはしねえからよ」
「いや、そうでもないさ。目当ての人物にこうも早く会うことができるなんて思わなかったからね」
「あん? お前、一体何言ってんだ?」
「頭に伝えてくれないかな。我々はトリステインの大使で、アンリエッタ姫殿下から密書を言付かっているとね」
「……てめー、そんなことばらしちまってただで済むと思ってんのか?」
「いいから早く頭に伝えてくれないかな」
「いいだろう。ちょっと待ってな」

そう言うと空賊の男は船倉を出て行った。
二人の会話を聞いていたルイズとシエスタは唖然とした表情をしている。大事な任務をあっさり喋ってしまうワルドの真意がわからなかったからだ。
何か言いたそうな二人の表情にワルドは気付いていたが、特に気にする素振りもなく、ただ黙って男が戻ってくるのを待っていた。

しばらくして、男が船倉に戻ってくる。先程とは違い、表情は真剣そのものだった。

「来い。頭がお呼びだ」

男に連れられて、ルイズ達は船長室に通される。そこには、あの派手な空賊の男がいた。

「お前か、トリステインの大使ってのは」

空賊の頭の質問に、ワルドは優雅に一礼してから答える。

「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵です。先程伝えましたとおり、アンリエッタ姫殿下より密書を言付かって参りました」
「そんな大事なことを空賊なんかにぺらぺら喋っていいのかい? お前らを貴族派に売り飛ばすこともできるんだぜ」
「あなたがそんなことをするはずがないでしょう。ウェールズ・テューダー皇太子殿下」

その瞬間、その場にいた空賊全員の目がワルドを睨みつけるように鋭くなったのをルイズは見逃さなかった。
派手な空賊の男をウェールズ皇太子と結論付けたワルドの真意はわからないが、この反応を見るとまったくの見当違いにも思えない。

「俺がアルビオンの皇太子だっていう確証でもあるのかい?」
「殿下が指にしているのはアルビオン王家に伝わる風のルビーではありませんか? もしそうなら、トリステイン王家に伝わる水のルビーと共鳴し、虹色の光を作り出すことができるはずです」

その言葉を聞いたルイズは、アンリエッタから渡された水のルビーをワルドに手渡す。

「ワルド様、これを」
「ありがとうルイズ。殿下、よろしいですかな?」

空賊の頭は自分のしていた指輪を外すと、ワルドの持っている水のルビーに近づける。
すると、ワルドの言ったとおり二つの宝石が共鳴し、虹の光が作り出された。

「どうです、殿下」
「まいったな。まさかこんな形で見破られるとはね。君の言うとおり、私がアルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」

ウェールズは苦笑いを浮かべながら変装を解く。それを見た周りの空賊達は一斉に姿勢を正した。
シエスタは突然の展開に驚いていたし、ルイズはウェールズの変装を見破ったワルドを尊敬の眼差しで見つめている。
そのため、二人はワルドの手際が良すぎることを疑問に思うこともなかった。

その後、ワルドから手渡された手紙を読み終わったウェールズは、アンリエッタから送られた手紙を返すことを了承した。
だが、手紙はニューカッスル城に置いてあるとのことなので、ルイズ達はウェールズと一緒にニューカッスル城に向かうことになる。
ワルドがウェールズから手紙を受け取れば、今度はルイズの任務が始まる番だ。

ニューカッスル城に着いたルイズ達は、ウェールズの自室に通される。
ウェールズは机の中から宝石箱を取り出すと、中に入っている手紙を読み返し始めた。すでに何度も読んでいるのか、手紙はぼろぼろであった。
手紙を読み終えたウェールズは、それを丁寧に折り畳み、封筒に入れワルドに手渡す。

「姫からの手紙は、この通り確かに返却したぞ」
「ありがとうございます」

頭を下げ、ワルドが手紙を受け取る。
ワルドの任務が終了し、いよいよルイズの出番がやってきた。

「恐れながら、殿下に申し上げたいことがございます」
「君は?」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。幼少の頃、アンリエッタ姫殿下の遊び相手を務めさせていただきました」
「ほう。よし、何なりと申してみよ」
「ありがとうございます」

ルイズは一つ息を吐くと、意を決したように話し始めた。

「私は姫様から重大な任務を受けてここにやってきました。殿下、姫様は殿下がトリステインに亡命することを望んでいます! 私達と一緒にトリステインにいらしてください!」
「それはできない。私はアルビオン王家の誇りをかけて、最後の最後まで戦い続けるつもりだ」
「お願いでございます! 姫様は今でも殿下のことを愛しております!
 私にも愛している人がいます。ですから、姫様のお気持ちがよくわかるのです! もし、殿下が亡くなられるようなことがあれば、姫様は悲しみに打ちひしがれてしまいます!
 それに、このまま勝ち目のない戦いを続けるより、トリステインに亡命して再起を図る方がきっといい結果が得られるはずです! ですから、どうか、どうかお願いします!!」

ルイズの熱のこもった説得を聞いたウェールズは静かに目を閉じる。どうやら頭の中で考えをまとめているようだ。
ルイズはウェールズの返答を緊張した面持ちで待っている。やがて、ウェールズは目を開けるとルイズへ答えを出した。

「亡命はできない。例えそれが姫の望みであってもだ」
「殿下!」
「明日、ニューカッスル城への総攻撃が始まる。朝には非戦闘員を乗せた船が脱出する予定だ。君達もそれに乗って帰りなさい」
「待ってください!」
「そろそろパーティーも始まる時間だ。王国が迎える最後の客として、是非参加してほしい」
「まだ話は!」
「よせ、ルイズ!」

淡々と話すウェールズに、なおも食ってかかろうとするルイズだが、ワルドに止められてしまう。

「このまま君が取り乱してしまっては、ますますいい結果が得られなくなる。ここは僕に任せてくれないか」
「ワルド様、でも!」
「ルイズ、僕を信じてくれ」
「……わかりました」
「ありがとう。シエスタ、ルイズを連れてしばらくここから離れてくれないか」
「は、はい。ルイズ様、行きましょう」

ルイズはシエスタに連れられて部屋の外に出て行く。
ウェールズの説得に失敗した自分を情けなく思うが、まだ全てが終わったわけではない。
ワルドがきっといい方向に話をもっていってくれることを信じて、ルイズは待つことにした。


夜になり、城のホールではパーティーが始まる。
明日、貴族派の総攻撃があるというのに、パーティーに参加している者達の表情は明るかった。皆が楽しそうに食事をしたり、踊ったりしている。
一方、ルイズは用意された客室でシエスタと一緒にワルドの帰りを待っていた。
城のメイドからパーティーが始まるという知らせを受けたが、自分の代わりにウェールズを説得してくれているワルドを置いて、パーティーに参加できるわけがない。

「それにしても遅いねー。何かあったんかね?」
「ウェールズ殿下を説得するのは、いくらワルド様でも簡単にはいかないわ。あれだけ強い意志を持っていらっしゃるんだもの」

デルフリンガーの呟きに答えるルイズの声には不安の色が混じっていた。あのウェールズの強い意志をどうやって曲げさせるのか、ルイズには想像もできない。
もし、ワルドの説得が失敗すれば、明日の総攻撃でウェールズは命を落としてしまうかもしれない。そう考えると気が気でなかった。
その時、ドアをノックする音と共にワルドが部屋に入ってきた。

「遅くなってすまない」
「ワルド様! ウェールズ殿下の説得はうまくいきましたか?」
「ルイズ、落ち着いて聞いてほしい。説得はうまくいかなかったが、ウェールズ殿下の意志を変えることができるかもしれない妙案があるんだ」
「その案とは何なのです?」

ルイズは緊張した面持ちでワルドの返事を待っている。ワルドはルイズが落ち着いているのを確認した後、口を開いた。

「僕達がここで結婚式を挙げるんだ」
「け、結婚式ですか!?」
「そうだ、お互いに愛し合っている僕達の結婚式を見れば、きっとウェールズ殿下の考えも変わるはずだ」

確かに、ウェールズがアンリエッタを愛しているのなら、幸せそうな結婚式を見ることで心に迷いが生まれる可能性はある。
ワルドと結婚することで自分だけ幸せになるのはアンリエッタに申し訳ないが、これでウェールズの命を救うことができたならアンリエッタも喜んでくれるはずだ。
こんな形で結婚式を挙げるとは思わなかったが、ワルドと結婚することに不満はまったくない。

「わかりました。私、ワルド様と結婚します」
「ありがとう、ルイズ。ウェールズ殿下にはすでに明日の結婚式の媒酌を頼んである。大丈夫、きっとうまくいくさ」
「はい!」

ルイズの返事に満足そうに頷いたワルドは、続いてシエスタの方に視線を向ける。

「シエスタ、君はその剣を持って先に船で脱出しなさい。僕とルイズはウェールズ殿下を連れてグリフォンでトリステインに帰る」
「え、でも……」
「待ってください、ワルド様。シエスタには私の結婚式に出席してもらいたいんです」
「しかし、グリフォンにはそんなに大勢は乗れないんだ」
「それなら、船が出発する前に結婚式を挙げましょう。ウェールズ殿下を説得する時間も必要なのですから、早くても損はないはずですわ」

ルイズは世話になっているシエスタに自分の晴れ姿を見てもらいたかったし、自分の結婚式に親しい人間が一人も出席しないのは嫌だった。
この状況では、姉のカトレアもアンリエッタも出席することはできない。だから、せめてシエスタだけでも出席してほしいと思ったのだ。

「わかった。ウェールズ殿下には僕から連絡しておくよ」
「すみません、ワルド様」

シエスタが結婚式に出席するのを認めたワルドは、ウェールズに連絡するために部屋を出て行った。

「ありがとうございます、ルイズ様。私なんかがルイズ様の結婚式に出席できるなんて夢のようです」
「私の一生に一度の晴れ舞台なんだから、シエスタには出席してもらわないとね。デルフ、あんたも出席すんのよ」
「おう、相棒の勇姿を拝ませてもらうぜ」

その後、ルイズ達は明日に備えるため早めに寝ることにした。
今日は興奮して眠れないと思っていたルイズだが、疲れていたせいもあり、ベッドに入るとすぐに眠ることができた。


ルイズは夢を見ている。

夢の中のルイズは、日の本という国でとある城の城主をしていた。
ルイズには大きな野望があった。混乱状態にある日の本を戦乱に巻き込み、その戦乱に乗じて自分が日の本を支配しようと企んでいたのだ。
そのために人外の力を手に入れ、異形の者達を手下にするなど着々と準備を進めてきたルイズだが、それを邪魔する者が現れた。
ルイズの野望を成功させるために捕らえていた男をある忍びが救出にやってきたのだ。
忍びの力はかなりのもので、捕らえていた男を救出されただけでなく、異形の手下達も倒されてしまう。
そして、忍びと捕らえていた男がついにルイズの所までやってくる。
だがルイズには人外の力がある。負ける気は毛頭なかった。
天守閣の屋根の上で、ルイズはカエルとヘビの姿に変化する。この姿こそ、これからの日の本を治めるのに相応しい気高き姿だとルイズは思っていた。
しかし、忍びと捕らえていた男にルイズは敗れ、天守閣の屋根の上から落下する。
こうしてルイズの野望は脆くも崩れ去ったのだった。

場面が切り替わり、ルイズの姿が変わる。
次のルイズは、鳥の顔をした大仏の姿をしていた。だが、これはルイズの本当の姿ではない。
この姿は、ある寺の池に捧げられた2000人の液体人間の憎しみという感情から生まれたルイズが、池の中央に建っている大仏に宿っただけなのだから。
ルイズの目の前には、自分と同じくらいの大きさのロボットが立っている。
液体人間の強い憎しみの感情に突き動かされるように、ルイズは目の前のロボットに戦いを挑む。
だが、圧倒的な強さを持つロボットにルイズは敗れてしまう。
ルイズは敗れたが、それで液体人間の憎しみが消えるわけではない。
液体人間は自分達をこんな姿に変えた者達を飲み込み、ルイズを倒したロボットさえも飲み込もうとするのだった……

再び場面が切り替わる。
今度のルイズは、以前見た夢と同じように山の頂上で下にいる者達を見ているだけだった。
だが、今回の夢は下にいる人物が違っている。下にいたのは背格好がまったく違う4人の人間と魔王だった。
やがてオディオと名乗った魔王と人間達との間に戦いが始まる。魔王の力は恐るべきものだったが、戦いは人間達の勝利で幕を閉じた。
戦いに敗れた魔王は真の姿を現す。そこに現れた姿を見たルイズに衝撃が走った。
魔王の正体は、ルイズもよく知っているオルステッドだったのだから……

その時急に場面が切り替わり、ふと気が付くと、ルイズは別の場所に立っていた。自分の姿を見てみると、魔法学院の制服を着たルイズ本人の姿なのがわかる。
辺りを見回してみると自分の周りに7つの石像があるのがわかった。石像を見ようと近くによるが、その姿を見たルイズは驚いてしまう。

「こ、これって!」

その7つの石像にルイズは見覚えがあった。
翼のないドラゴン、頭だけの姿をしたマザーコンピュータ、坊主頭の格闘家、ガトリング銃を持った大男、武道家、カエルとヘビの変化、鳥の顔をした大仏。
全て夢の中でルイズが体験した姿だった。

その時、奥に見える扉から一人の男が現れる。オルステッドだ。
オルステッドが現れたことでルイズは激しく動揺する。7つの石像とオルステッドは、自分もここにいる者達と同じ末路を迎えるということを示しているように感じられた。
だが、それを認めるわけにはいかない。

「私はあなた達と同じにはならないわ! 結婚式だってうまくいくし、ウェールズ殿下の命だって救ってみせるんだからッ!」

そう叫んだ瞬間、7つの石像の目が光を発し、周りの風景がぼやけていく。
ルイズが最後に目にしたのは、悲しそうな表情を浮かべるオルステッドの姿だった。

やがて、ルイズはゆっくりと目を覚ました。窓の外は薄暗く、まだ夜が明けていないのがわかる。

「大丈夫。きっとうまくいく、きっと……」

だが、いくら大丈夫と呟いてみても不安が晴れることはなかった。


新着情報

取得中です。