あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼い使い魔-05


朝の柔らかい光が窓から差し込み部屋の中を照らす
その光に気がついたのかバージルは静かに目を開いた
「…やはり夢ではない…か…」
と部屋を眺め、ベッドの上で静かに寝息をたてる少女をみて
昨日起きたことは現実であることを実感する

周囲には昨夜ルイズが脱ぎ捨てた衣類が散乱している、
「洗濯しておけ、と言っていたな…」
と寝る間際そう言いながらルイズがこちらに投げ付けて来たことを思い出す
フンと不愉快そうに鼻を鳴らし、手近なカゴの中に衣類を回収しバージルは窓から庭へ飛び降りた

適当に庭をうろついていると、一人のメイドが歩いているのが目に入った
洗濯が出来る場所を探しているバージルにとってその存在は渡りに舟だったので声をかけてみることにした

「おい、そこの貴様」
「はっはい!なんでしょう!?」
いきなり高圧的なご挨拶である、多少うわずった声でメイドは答えた

「これを洗濯できる場所を探している、案内しろ」
とカゴをメイドに見せる

「はい!すぐにご案内します!」
と洗濯場へと案内させたバージルは、非常に気だるそうに洗い始めた
その手際はあまり慣れているとは言い難かった
メイドはその姿を見ておずおずと話しかける
「あのっ、よろしければお手伝いいたしましょうか…?」
「そうか、では頼む」
とその返答を待っていたのかいないのか、バージルは即答した

メイドは手際よく洗濯物を洗ってゆく
それを偉そうに腕を組むいつものお決まりのポーズでながめるバージル
その微妙な空気に耐えられなくなったメイドはとりあえず話題を切り出してみる
「あの~、失礼ですが貴方は?みたところ学院の人ではないようですが…」
「昨日急にここに呼び出された」
「ということは・・・もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔の方ですか?」
「フン…そういうことになっている」
鼻を鳴らし適当にバージルは答える
「そうでしたか・・・昨日から噂になっていますよ、平民の使い魔が召喚されたって」
「貴様も魔法とやらが使えるのか?」
「いいえ、私も平民ですよ、ですからこの学院で貴族の方のお世話をしているんです」

「はい、終わりましたよ」
「助かった、礼を言う」
素っ気なく言うと、洗い終わった洗濯物が入ったカゴを受け取り立ち去ろうとするバージル
そのまま数歩進むと思い出したかのようにメイドに訪ねた
「そういえば、名を聞いていなかったな」
「あっ、申し訳ありません!私、シエスタといいます!」
「バージルだ…、借りはいずれ返す」
そう言うと学生寮へと歩いていった
残されたシエスタはバージルの後ろ姿を見送りつつ「不思議な人…」と呟くと
残された仕事を思い出したのか、その場を後にした。


出て来た窓からルイズの部屋に戻ったバージルは適当に洗濯物を干し始める
そして、まだ眠っている主人を起こすために声をかける
「起きろ」
「うっ・・・うぅ~ん、むにゃむにゃ…」
「起きろ」
もう一度声をかけ、肩を揺らす
「zzz…」

         ―チャキッ
閻魔刀の鍔が鳴る音と同時にガバッ!と跳ねるように覚醒するルイズ
「起きたか…」
「なななな何よっ!誰よあんた!」
突然のことにパニックになったのか喚き散らすルイズ
「貴様痴呆か?貴様が昨日呼び出した使い魔だ」
「あっ…そうだったわね…ハァ…ハァ…」
と荒く息をつき必死に呼吸を整えながらルイズは言った
「次からは…もうちょっとマシな起こし方…しなさいよ…」
「貴様が早く起きればな」
ジト目で睨むルイズにしれっとバージルは答えた

ようやく落ち着いたのかルイズはバージルにバケツを差し出し水を汲むように命じる
窓からさっさと飛び降り水を汲み戻ったバージルからバケツを受け取り顔を洗いながら話しかける
「バージル、あんた窓から飛び下りないでよ、誰かに見られたらどうするの?」
「見られることに問題があるのか?」
「あんたねぇ、どこの世界に窓から部屋に出入りするやつがいるのよ…
あんたが常識外れなのは認めるわ・・・でも空を飛べるメイジでさえドアから出入りするわよ?」

そういうとベッドに腰をかけ、バージルに「着替え」と命じる
「…どこだ?」と聞くバージルに「そこのクローゼットよ、早くしなさい」と言う
適当にルイズに投げ付ける、するとルイズは「着替えさせて~」と言った、が
―チャキッという閻魔刀の鍔の音を聞き「なっ、なんでもないっ!」と急いで着がえ始めた

「昨日のことだが…」
ルイズが着替えているのでバージルが外を見ながら話す
「話した内容はすべて黙っていろ」
正直、バージルは自分のことを語ってしまったことを少なからず後悔しているのである
「え?なんでよ?」
「貴様にも不都合だろう」
「(うっ・・・たしかに悪魔呼んだなんて言えないわよね…)」
たしかに悪魔を呼んだとあってはヴァリエール家が黙ってはいないだろう
まだ腕の立つ平民のといったほうが数倍マシだ
周囲からのルイズ自身への評価はどうあれ、後々振り掛る事態に比べれば微々たるものである
そう頭のなかで打算すると
「わかったわ、黙っておいてあげる。そのかわり、私の言うことは聞くこと!いいわね!」
「フン・・・考えておいてやる」
とバージルは素っ気なく言った

着替え終わったルイズは朝食をとるために食堂へ向かおうとバージルを連れ外にでる
すると、それと同時に隣の部屋のドアが開いた
中から出てきたのは燃えるような緋色の髪をした女だった。背が高く出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいる
健康そうな褐色の肌だった。
その女性はルイズを見るとニヤリと笑って話しかける。
「おはようルイズ」
ルイズは顔をしかめ、露骨に嫌な感情をした。
「おはようキュルケ」
「昨日は大変だったわね~、でもよりによって平民を召喚しちゃうなんてさっすがゼロのルイズよね。」
ルイズは顔をしかめ、バージルは興味なさそうに腕を組み外を眺めている
ただの平民じゃないわよ!と言いかえしてやりたかったが、バージルとの約束がある手前それも言えない
言ったら斬り殺される、たぶん。
「へぇ、よくみたらすごい色男ね、見てるだけで燃え上がりそうだわ…、貴方のお名前をお教えいただけるかしら?ミスタ?」
「……………」
ガン無視をきめこむバージル
「バージルよ!」と代わりルイズが答える
「素っ気ないとこも素敵ね…私はキュルケ、微熱のキュルケよ。よろしくねミスタ・バージル」
そう言った後、自らの使い魔を呼ぶキュルケ。
「でもやっぱり使い魔にするならこういうのじゃなきゃ。おいでフレイム~」
すると扉のむこうからのそりと熱気を放つ巨大なトカゲが現れた。
「これってサラマンダー?」と悔しそうに聞くルイズ。
「そうよ~、火トカゲよ~、見て、この立派な尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、
間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ!って・・・あら?どうしたのフレイム?」
自らの使い魔の様子がおかしいことに気がついたキュルケがフレイムに声をかける
みるとフレイムが震えている、恐怖しているのだろうか?その視線はバージルに釘付になっている
すると、その視線に気がついたのかバージルは視線を下に向けフレイムと目を合わせた
ビクッとフレイムが反応するとそのまま回れ右をして去っていってしまった
「ちょっとフレイム、どうしちゃったの!?」とキュルケはフレイムの後を追いかけて行ってしまった

その場に残されたルイズはバージルに訪ねる
「あんた…なんかやった?」
「さぁな…それより、あの女は自分の名前の前に『微熱』と言っていた。あのコルベールという教師も『炎蛇』と名乗っていたようだが何だ?」
「メイジのふたつ名よ、ふたつ名でそのメイジの系統や力量がわかるの」
「それで貴様は『ゼロ』と呼ばれていたが、それが貴様のふたつ名か?」
「そっ、そんなの関係ないでしょ!?はやく食堂へ行くわよ!」
と、バージルの質問を無理矢理中断し、ルイズは足早に食堂へ向かった。






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