あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼い使い魔-04


「う・・・う~ん・・・」

「へっ・・・あれっ・・・?」とルイズは間抜けな声を出し辺りを見回す
辺りはもう日も暮れ、すでに夜になっていた
「そういえば…医務室に使い魔の様子を見にいって・・・」
「目が覚めたか」「ひゃうっ!!」

突然かけられた声に驚き、声のした方向へ顔を向ける
腕を組みながら、窓から見える二つの月をバックに此方を睨みつける
蒼いコートを羽織った銀髪の青年がそこに立っていた
まるで一枚の絵画のごとき構図にルイズは一瞬息をのむ
が、すぐに正気を取り戻しバージルに食ってかかった
「なな、な、なんであんたがここにいるのよ!」
先ほど死ぬほど怖い思いをした相手である、当然の反応だ
バージルの手にはルイズにとってもはやトラウマになりつつある閻魔刀が握られている
しかしバージルから出た言葉は意外なものだった
「俺は貴様の使い魔だろう、そんなことも忘れたのか?」
「き、貴様って!貴族に向かって・・・ってええっ!?
 使い魔に・・・なってくれるの…?」

「貴様には借りがあるからな、少しの間だけ付き合ってやる」
フンッと鼻を鳴らし腕を組みルイズを見降ろしながら
どっちの立場が上なのか分からないくらい偉そうにバージルは言った。
使い魔、という単語が出ただけで斬り掛って来た男である、
(どういう心境の変化なのかしら…)と怪訝な眼でルイズはバージルを見た。
その陰には一人の勇敢な教師の決死の説得があったことを彼女はまだ知らない。

「そ、そう!ご主人様への言葉遣いはともかくとして!ようやく立場を理解したようね!」
ベッドに仁王立ちになりビシィッ!っとバージルに人さし指を突き付ける
「そうね、まずは使い魔としての仕事を説明してあげるわ!」
と、昼ごろに発動できなかったご主人様モードに入ったルイズ。
バージルは興味なさそうに外を見ている。
「まずは使い魔は主人の目となり、耳となる能力が与えられるの!」
「何も見えんな…」
「ま、あんたにはそのへん期待してないわ、だって使い魔とはいえ人間の平民でしょ?あんた」

――空気が変わった
メイジとはいえ年頃の女の子であるルイズにも解る
これは、母、烈風カリンが本気で怒った時…いや、それ以上に恐ろしくおぞましい気
医務室で感じたものよりも遥かに恐ろしい殺気、それをバージルは放っていた
生命の本能の部分が、全身の細胞が悲鳴を上げている、
チャキッ・・・
閻魔刀の鍔が鳴る
「(えっ・・・えっ・・・?何…なんで怒ってるの…?)」
思考が真っ白になる、気がつけば鞘から放たれた閻魔刀がルイズの喉元1サント先に突きつけられていた
「二度目はない、二度と俺を"人間"と呼ぶな・・・」
閻魔刀を納めながらバージルは静かに言った

その場に思わずへたりこむルイズ、「(何で…?それだけで…?)」
バージルを見ると先ほどと同じように窓際に寄りかかっている、ただその瞳はどこか哀しそうに見えた
「それで…続けろ」

ルイズはなんとか正気を取り戻し、といっても腰は完全に抜け立ち上がれなかったが…
「え、えと・・・、つ、次に使い魔は主人の望む物を見つけてくるの。たとえば秘薬とか」
「ふん、この世界のことは知らん」
「…」
次に下手なことを言って今度こそ首を刎ねられてはたまらないと、気になる単語がでてくるがだんまりを決め込む、

「あ、あと、使い魔は主人を守ること!これが一番重要!」
「フン、守る・・・か」
「えと…その…ま、まぁ、みたところあんた結構強そうよね、うん、実際に感じたから、よ、よくわかったわ」
「フン、精々その使い魔に殺されないように気をつけろ」
ニヤリと嫌な笑みを浮かべるバージル
「本当、シャレにならないからやめて・・・」
と泣きそうな顔をしながらルイズは呟いた、もちろん平民が貴族を殺した場合、例外なく死刑となる
しかも、ヴァリエール家は由緒正しき公爵家である、その息女を殺したとあってはトリステイン王国を敵に回すことになる
しかしこの男はそんなことすら関係なく実行しかねない、むしろ敵対するものを皆殺しにするまで戦い続けそうで恐ろしい。

そういえば、さっき気になる単語を聞いた、「この世界のことは知らない」と
それだけは知っておこうとバージルに質問をしてみた
「ねぇ、さっきこの世界のことを知らないって言ってたわよね?あれってどういうこと?」
「・・・まだ説明していなかったか。」
チッ、と軽く舌うちをするとバージルは自分のいた世界についてぽつぽつと語りだした

その内容はルイズにはとても信じられないものばかりだった
バージルのいた世界は魔法の概念はなく、誰も魔法を使えないというのだ
それだけでも信じられなかったし、一番信じられなかったのは悪魔の存在
ハルキゲニアでは物語の中でしか存在しない怪物が実物として存在していること、
世界は人間が住む人間界、悪魔が棲む魔界の二つに分かれていること
2000年前に魔界の侵攻から人間界を守った伝説の魔剣士スパーダの存在
スパーダは人間を愛し、人間の女を娶り双子を儲けたこと、
そしてバージルはその双子の片割、魔剣士スパーダの血を引く半人半魔の存在だということを。
スパーダの力を求め、魔界への道を開き、人間の心を持つ双子の弟と壮絶な殺し合いをしたこと
戦いに敗北し、そのまま魔界へと身を投げたことを。
ルイズにはどれも信じられないものばかりだった、
だが、バージルのあの再生能力、剣術をみると完全に人間離れしているとしか思えなく、
また、それを語るバージルの表情を見る限り信じる他なかったのである。

ルイズは納得した、なぜ召喚された際あんな大怪我をしていたのか、
そして"人間"と呼ばれた時、なぜあんなにバージルは怒ったのか・・・
バージルは人間を捨て、悪魔としての道を選んだ、
故に自分の中に流れる人間の血を疎ましく思っているのだ。

「話はこれで終わりだ」
バージルはここまで話して不思議に思う。
「(なぜ俺はこの小娘相手にこんな事をここまで話しているんだ・・・?)」
普段のバージルなら他人に自分のことを話すなど絶対にあり得ないことである。
なのになぜこの小娘に?
と、自分らしくない行動に多少の苛立ちを覚えつつ「満足したか?」と言った

ルイズは茫然としていた、己が呼び出した使い魔の存在、そして過去に
「何を呆けている」
とバージルに声をかけられ正気に戻る

「え?あ、うん…、って、もうこんな時間じゃない!もう私は寝るわ!」
そういうとルイズは床を指差す・・・が、指差した先にはすでにバージルが閻魔刀を抱え壁にもたれかるように座っていた
「(なっ・・・)」
ベッドの上で硬直しているルイズを見てバージルが口を開く
「何をしている、寝るんじゃないのか」
「あんたは床よ」と言おうとしていたが完全に先を越されてしまったルイズは
「べっ・・・別になんでもないわよ!」と叫ぶと
寝るために着替えようと制服を脱ぎ始めた
「…何をしている」
さすがにバージルが声をかける
「別に?着替えているのよ?」と別に気にする様子もなく服を脱いでゆく
ルイズはこの使い魔は主人が目の前で着替えるのが気恥ずかしいのだと解釈した
召喚した時から振り回されまくったルイズはいい気味だと気にせず着替える
「フン…正気を疑うな…」というとバージルは興味がなさそうに目をつむった
「な、なんですって!?使い魔に見られても恥ずかしくないだけよ!」
と叫びバージルに着替えた衣類を投げ付ける
「それ、明日の朝に洗っておいて、それと、朝ちゃんと起こしてよ」
といいルイズはベッドのなかに潜り込んだ
目をつむったままとんでくる衣類を手ではたき落としたバージルはフン、と鼻を鳴らし
長かった異世界初日を終えた


ルイズはベッドの中で思う、
「私は、悪魔を呼んでしまったの・・・?でもバージルは自分を半人半魔の存在といっていた
もしかしたら、彼も彼の弟のように人間の心に目覚めるかもしれない、
そしたらもう悪魔じゃないわよね・・・、なら私は人間の部分をさがしてあげなくちゃ・・・
その前に言葉遣い・・・なんとか・・・」
それだけ考えると深い眠りへと落ちていった






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