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ゼロの女帝 第八話


「ふう」
キュルケは、手ぬぐいで頬や額、そして胸の谷間に流れる汗を拭う。
王女の歓迎式典のあと、王女はこの学園で一泊するとのこと。
ゲルマニアの貴族である自分には関係無い、と夕方からタバサを相手に鍛錬を行った。
精神と生命をギリギリ削るかのような彼女との杖の打ち合わせはひどく疲れる、が心地良い。
青い親友は、となりで歩きながらコックに作ってもらった夜食をパクついている。
あのヴァリエールがコックや平民たちと最近妙に仲が良いので
(内容はともかく)彼女と言葉を交わす自分、そしてついでに自分の親友も
それなりに平民たちと仲良くなってきてしまった。
悪い気はしない。
評価基準のピントを『魔法』から『それ以外』に合わせれば貴族といえど胸糞悪くなる阿呆は
多々いるし平民といえど敬意を払うに値する人材は少なくない。
将来は平民を教育する職業訓練学校のようなものを開き人材派遣会社っぽいものを
経営するのも悪くないかもしれない。
「♪きゅっきゅっきゅー きゅっきゅっきゅー おっそうじおっそうじランララン」
「あら、こんばんわ。 貴方誰?」
「わたしですか?わたしは何を隠そう、おそうじのおばちゃんです!」
何が嬉しいのか、満面の笑顔でその女性はきっぱりと言い切る。
「・・・・・・そう、それじゃ頑張ってね」
「はーい頑張りまーす ♪きゅっきゅっきゅー きゅっきゅっきゅー おっそうじおっそうじランララン」

少ししてから、隣の親友が「そうじのおばちゃん」の後を追い始める。
「どうしたの、タバサ?」
「あのような平民、この学校に居ない」
「貴方全部覚えてるの?働いてる顔」
「全部を覚えてはいない。でも見た事のない顔くらいは判る
 それに掃除係のローテーション、この時間は誰も来ないはず」
「ちょっと聞いてみようか」
肩を並べてダッシュする二人。
「掃除のおばちゃん」とやらは床をモップで拭きながら、角をすっと曲がっていく。
「ちょっと待ちなさい」
追いつこうと角を曲がると、そこには誰も居なかった。
確かにほんの数秒前に「そうじのおばちゃん」が入っていったはずの廊下には誰もいない。
ドアは全部閉まってるし窓も内側から鍵がかかっている。
10メイルほどむこうまで、廊下には何もない。身を隠せるような何も。
呆然としたとなりで親友が真っ青になっている。
ふと見ると、視界の端になにやら人影が。
「あれは・・・・・・確か・・・・・・」






ルイズは驚きながらも、喜んでいた。
幼少のみぎり、忝くも遊び相手の名誉を賜った王女アンリエッタが
人目を憚りながらとはいえ会いに来てくれたのだから。 
和やかに思い出話に花を咲かせる二人の少女。
だがやがて、片方の顔が曇っていく。
「ルイズ・・・・・・・・わたくし、この度婚儀が決まったのよ」
「聞き及んでおります。めでたき事にございます」
「ああルイズ、貴方には貴方だけにはそのような世辞を口にして欲しくないの。
 だって婚儀の相手は・・・・・・」
「あのゲルマニアの皇帝ですね。始祖ブリミルの血を引かぬ」
「ええ。正直気が進みません」
「しかし」
「判っています。今や我がトリステインはゲルマニアの助力を得ねばやっていけないのだと。
 ですが・・・・・・」

「そんな・・・・・・・・そんな手紙・・・・・姫様とて知らぬわけでもないでしょう。
 『始祖に誓う』という事の重みを」
「承知しています。ですが・・・・・・」
「判りました!その手紙、動くこと適わぬ姫様に代わって
 このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが回収してきましょう!」
「ああ、ルイズ、わたしの大切なおともだち・・・・・・・お願いしてもよろしいの? 本当に・・・・・・」
「お任せくださフギャ!

突然奇声を上げてしゃがみ込むルイズ。
どうやらさっきから横で話を聞いていた女性がルイズに拳骨を食らわせたようだ。
先ほどルイズが紹介してくれた「セト」という女性。
『サモン・サーヴァント』で呼び寄せたものの『器が違いすぎて従えるなど到底かないません』
と言う事で『コントラクト・サーヴァント』は行ってないそうだが。
「アンリエッタちゃん・・・・・・・・自分が何を言ってるのか判ってるの?」
「え?え?え?」
「アルビオンは戦場。他国とはいえそこに貴族が、しかも女の子が行けばどのような目に合うのか」
「あ、あ、あのぉ」
「貴方はルイズちゃんに『死ね』と言ってるのに等しいのよ。
 しかも戦場で一方の軍の長に会うということはもう一方の軍に付け狙われるといってもいい。
 そしてルイズちゃんがこのような形で死ねば多分ヴァリエール公爵は王家に
 反感を持つでしょうね。
 『魔法も使えぬ娘を戦場へ向かわせたのか』と」

「あ・・・ああ・・・・あうううう・・・・で、でも」
「そう、『でも』その手紙は貴方の政略結婚を台無しにし、いえそれどころか
 ゲルマニアもトリステインの敵となるでしょう。
 誰か信頼の置ける人物に行ってもらわねばトリステインは滅ぶ。
 ですね」
「は・・・・・・・はい・・・・・・」
「ならば命じなさい、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールに!
 国の為、王家の為に死ね!と
 それを命じるのは王族の権利!王族の義務!」

その言葉を聞いてしばらく俯いていたアンリエッタは、やがてルイズを正面から見据える。
その顔はまるで別人のごとく覇気に満ちていた。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!
 トリステイン王国王女アンリエッタ・ド・トリステインの名において件の密書の回収を貴方に命じます!
 もしこの任務において貴方が死亡した場合の責任とそれによる結果の全てを
 この身で受けましょう!
 そして願わくば・・・・・・無事生きて帰ってきなさい!密書など打ち捨てて!」
「御意のままに!」
その光景を見つめてにっこりと微笑む瀬戸は、すすすとさりげなく動くと、唐突にドアを開けた。
「うわぁ」「きゃっ」「・・・」
「あ、貴方たちは・・・・・・」
「王女殿下!どうかこのグラモン家三男、ギーシュ・ド・グラモンにもその任、お命じください!」
「なんか、ちょっと面白そうね 一口かませてもらうわね」
「・・・・・・」




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