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蒼い使い魔-02


「くっ…ここは…」
男が覚醒した、ベッドから身を起こし辺りを険しい目で睨み回す。
どうやら誰もいないらしい、開け放たれた窓からはやわらかな日の光が差し込み
爽やかな風を送り込む、
城のような場所なのだろうか?中世西欧風の建築様式が目に入った。
「一体…」
どうやらここは魔界ではないらしい、このような清浄な空気は魔界はおろか
彼がいた現代世界でもありえない。

バージルはベッドに腰かけ今まであったことを思い出す。
魔界で双子の弟――2000年前に魔界から人間界を救った、伝説の魔剣士スパーダの血を引くダンテと戦い、敗北、魔界に身を投げたはずだ、しかしここは?
そうだ、途中なにか光を放つ鏡の様なものが現れて…そこに吸い込まれた?
そして気がついた時には目の前にはなにやらピンク色の髪をした女がいて…
たしかそこで使い魔だの何だのと…

そこまで思い出しバージルは首を振り思考を中断する。
「有得ん…馬鹿馬鹿しい」
そう呟くとベッドから立ち上がる。
すでに傷は完全に癒えている。体に巻かれていた包帯を
手早く解くと適当に投げ捨て、自分が身につけていたものを探す。
目的の物はイスの上に折りたたんでおいてあった。
彼を象徴する氷の様に蒼いコート、母の形見のアミュレット
そして、彼の愛刀であり父の形見―閻魔刀が立て掛けてあった

彼は一瞬安堵の表情を浮かべると――すぐにまた険しい表情に戻ったが
手早く服を纏い、アミュレットを仕舞う、そして左手に閻魔刀を握り締めた、
その時、左手が輝くのに気がついた。
「…?」
訝しげな表情を浮かべ自分の左手を見る、
―何だこれは?
グローブを外してみようとした時、ドアの開く音によってそれは中断された。

「おや?目覚めましたかな?」
ドアから現れたのは、頭髪の後退した、人のよさそうな中年男であった。
「貴様は…」  ―チャッ…
そう言うなり僅かに閻魔刀の鍔を押し上げ数サント程刃を抜いた。
「や、や、や!待ってください!私は別に戦いに来たんじゃありませんぞ!話を聞いてください!」
「ふん…」
かなり動揺している中年男をみて警戒が殺がれたのか、閻魔刀を鞘に収める。
「誰だ貴様は」
とぶっきらぼうに聞くバージル。
「私は、ここ、トリステイン魔法学院で教師をしております『炎蛇』のコルベールと申します」
「トリステインと言ったな、何だそれは」
「はて・・・?失礼ですがトリステイン王国をご存じない…?」
「知らん、俺がいた所はそんな場所も国も存在しない」
「うぅむ・・・では」
と、コルベールが話をきりだそうとした所、後ろから勢いよく入って来た桃色の髪の少女によって中断された。
「あんた、トリステインを知らないってどこの田舎者よ!?」
と叫んで入って来たのはバージルを召喚した張本人であるルイズ
ドアを勢いよく開け放ち自分が召喚した男、バージルに詰め寄る。

「…何だ貴様?」  ―チャキッ…
また閻魔刀を構えるバージル
「あわわわ、ミス・ヴァリエール!」
せっかく警戒を解いたのにそれをぶちこわしにしてくれた生徒を必死にたしなめるコルベール
正直、この至近距離であの剣を振り回されたら自分でも止められるかわからない。

そんな教師の苦労を知ってか知らずか、ルイズはバージルに食ってかかる。
「貴様ってなに!?ご主人様に向かってそんな口きいていいと思ってるの!?」
どこまでも恐れ知らずな少女である。
「というか!さっきちゃんと名乗ったでしょ!?覚えなさいよ!私はルイズ!ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!」
「そんなことを聞いているのでは無い、主人と言ったな…なんだそれは…」

バージルの表情は険しくなり、あたりには一触即発の雰囲気が流れている。
「ま、ま、ま、そういった説明はおいおい後にしましょう…お願いですから!
そ、そうだ!まずは、お互いを知ることから始めましょう!?ね!?」
コルベールは必死にその場を取り繕う、
「そ、そういえば、まだお名前を伺っていませんでしたな、お教え願えますか?」
「…バージルだ…」
と腕組みをし、壁に寄り掛りながら短くバージルは答えた。
「そう!名前もわかったことだし、説明するわね!」
と、こちらも負けじと腕組みをし、偉そうにふんぞり返るルイズ。

「バージル、あなたは私に使い魔として召喚されたの!使い魔は一生メイジの手となり足となり従うのよ!
だから私はあなたのご主人さまなの!わかっ――」

           ――キィィーン…!

前に聞いた嫌な音、バージルは刃を覗かせた閻魔刀を納刀している。
「なっ…何が…?」
その疑問は次に起こったことが強制的に教えられた。
ズガンッ!!と背後で音が響く。
ルイズが振り向くとそこあったベッドが真っ二つになっていた。
「一体何を…」
バージルの十八番、神速の居合、それは炎蛇のコルベールをもってしても見切ることはできなかった…

「ミ・・・ミス・ヴァリエール!無事ですか!?」
「え…?え…?」
自分の体のあちこちをさわってどこも斬れていないことを確認したルイズは、安堵とともに崩れるように意識を手放した。

「バババ・・・バージルさん!いくらなんでも子ども相手に!」
「黙れ、気に食わんことを言われて黙っている奴がどこにいる」
悪魔の様な冷徹な眼でコルベールを睨みつける。
「い・・・いやしかしですね、と、とりあえず、彼女は自室に運んでおきますので、ここでお待ちください!
いいですか!?決っっっっっして出歩かないでくださいね!」
と、彼女を抱え、医務室から出ていくコルベール、去り際にドアに「入室厳禁」の張り紙と魔法でロックを厳重にかけ
ルイズを彼女の自室へと運んだ。
「彼女を介抱したら・・・次は彼の説得・・・ですか・・・うぅ、助けてください…」
コルベールは泣きそうになりながら一人そう呟いた。






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