先ほどの授業でシャツがボロボロになったルイズは自分の部屋を目指しとぼとぼ歩いていた。
事は数十分前…。
今回行われる「練金」の授業では霊夢が一緒にいなかったので先生にそれを聞かれ少し恥ずかしかった。
最初の時は霊夢もほかの使い魔たちとともに教室の後ろで聞いていたのだが…。
もしかするとおさらいとしてそのとき授業を担当していた教師が言っていた属性のこととかメイジにもクラスはあるとか…そんなのを知りたかっただけなのかも。
それともただ単に飽きただけとか、そんな風に考えていると当然授業が頭に入らず、ルイズは先生に注意された。
今回行われる「練金」の授業では霊夢が一緒にいなかったので先生にそれを聞かれ少し恥ずかしかった。
最初の時は霊夢もほかの使い魔たちとともに教室の後ろで聞いていたのだが…。
もしかするとおさらいとしてそのとき授業を担当していた教師が言っていた属性のこととかメイジにもクラスはあるとか…そんなのを知りたかっただけなのかも。
それともただ単に飽きただけとか、そんな風に考えていると当然授業が頭に入らず、ルイズは先生に注意された。
「ミス・ヴァリエール。罰としてこの石くれを真鍮に変えてください。」
そういって担当教師のミセス・シュヴルーズが教壇の上にあいてある石くれを指さすと、ほかの生徒たちがいつもの様に机の下に隠れだした。
キュルケが先生に中止を呼びかけるがシュヴルーズ先生は一年生の時のルイズを知らないためかいっこうに彼女の言葉を聞き入れなかった。
ルイズは毎度の事だと我慢し、ため息をはくと教壇へと近づき、置かれている石くれに杖を向けると呪文を唱え始めた。
彼女は今このときだけ僅かばかりの自信を持っていた。あの召喚の儀式の時にはちゃんとやれたのであるから。
出てきた奴がこっちの言うことをあまり聞いてくれなくても一応は成功したからこれから魔法がどんどん使えていくのかな…と浅はかな心で思っていたが。
そういって担当教師のミセス・シュヴルーズが教壇の上にあいてある石くれを指さすと、ほかの生徒たちがいつもの様に机の下に隠れだした。
キュルケが先生に中止を呼びかけるがシュヴルーズ先生は一年生の時のルイズを知らないためかいっこうに彼女の言葉を聞き入れなかった。
ルイズは毎度の事だと我慢し、ため息をはくと教壇へと近づき、置かれている石くれに杖を向けると呪文を唱え始めた。
彼女は今このときだけ僅かばかりの自信を持っていた。あの召喚の儀式の時にはちゃんとやれたのであるから。
出てきた奴がこっちの言うことをあまり聞いてくれなくても一応は成功したからこれから魔法がどんどん使えていくのかな…と浅はかな心で思っていたが。
現実は非情である…誰が言ったのか知らないがまさにその通りであった。
そんなこんなで巨大戦艦の主砲が放つ砲弾も裸足で逃げ出す程の爆発で教室は滅茶苦茶になり、ミセス・シュヴルーズは奇跡的に気を失うだけですんだ。
それと一部の生徒たちも巻き添えを食らって気絶してしまった事により授業は中止となった。
廊下へ出たときにルイズと同じボロボロになりながらも無事だった生徒たちの怨嗟の声を軽くスルーし、今こうして自分の部屋へと向かっているところであった。
ようやくたどり着き、小さくため息をはいてからドアを開けた先にいた人物を見てまたため息をはいた。
「おかえりなさい、その格好を見ると外で見た爆発はアンタの所ね。」
彼女がこの世界に呼び出した異邦人、博麗 霊夢がイスに座っていた。
テーブルの上には食堂で使っているティーセットが置かれており、ポットからは小さな湯気が立っている。
大方給士にでも頼んで借りたのだろう。
ルイズの部屋にもティーセットはあったのが不運にも二日前に壊してしまったのだ。
「えぇそうよ…。」
ルイズは顔に多少疲れを浮かべながらそう言った。
ドアを閉めるとクローゼットを開け中から着替えのブラウスを取り出した。
それと一部の生徒たちも巻き添えを食らって気絶してしまった事により授業は中止となった。
廊下へ出たときにルイズと同じボロボロになりながらも無事だった生徒たちの怨嗟の声を軽くスルーし、今こうして自分の部屋へと向かっているところであった。
ようやくたどり着き、小さくため息をはいてからドアを開けた先にいた人物を見てまたため息をはいた。
「おかえりなさい、その格好を見ると外で見た爆発はアンタの所ね。」
彼女がこの世界に呼び出した異邦人、博麗 霊夢がイスに座っていた。
テーブルの上には食堂で使っているティーセットが置かれており、ポットからは小さな湯気が立っている。
大方給士にでも頼んで借りたのだろう。
ルイズの部屋にもティーセットはあったのが不運にも二日前に壊してしまったのだ。
「えぇそうよ…。」
ルイズは顔に多少疲れを浮かべながらそう言った。
ドアを閉めるとクローゼットを開け中から着替えのブラウスを取り出した。
いつまでもボロボロのブラウスを着ても仕方がない。
先ほどのことで次の授業開始時間は延長されたがいつまでもこんなススだらけの服など着ていられない。
そんな時、ふと目の前に湯気を立ち上らせているティーカップが スッ と横から出てきた。
そのティーカップを持っていたのは霊夢であった。
「え、あたしに…?」
「お茶の一杯くらいは飲んで行きなさい、案外気持ちがやすらぐわよ。」
「ん、…ありがとう。」
ルイズはお礼の言葉を言ってから霊夢の持っているティーカップを受け取るとイスに座り、湯気を立たせている薄緑の液体に慎重に口を付けた。
お茶を飲んだルイズの第一感想は「渋くて素朴だわ。」第二感想は「だけど、これはこれでおいしいわね。」
「でしょ?これはこれでおいしいものよ。」
その答えを聞いて満足したのか霊夢は柔らかい笑顔でそう言うとティーカップを手に取るとゆっくりとお茶を飲んでいく。
先ほどのことで次の授業開始時間は延長されたがいつまでもこんなススだらけの服など着ていられない。
そんな時、ふと目の前に湯気を立ち上らせているティーカップが スッ と横から出てきた。
そのティーカップを持っていたのは霊夢であった。
「え、あたしに…?」
「お茶の一杯くらいは飲んで行きなさい、案外気持ちがやすらぐわよ。」
「ん、…ありがとう。」
ルイズはお礼の言葉を言ってから霊夢の持っているティーカップを受け取るとイスに座り、湯気を立たせている薄緑の液体に慎重に口を付けた。
お茶を飲んだルイズの第一感想は「渋くて素朴だわ。」第二感想は「だけど、これはこれでおいしいわね。」
「でしょ?これはこれでおいしいものよ。」
その答えを聞いて満足したのか霊夢は柔らかい笑顔でそう言うとティーカップを手に取るとゆっくりとお茶を飲んでいく。
午前の柔らかい日差しが窓から入る中、霊夢とルイズは静かにお茶を飲んでいた。
先にお茶を飲み終えたルイズが口を開いた。
「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「なに?」
「今更なうえ唐突だけどね、アンタが空を飛ぶのに杖も詠唱も無しに行うなんてどうやってするの?やっぱり先住魔法?」
「本当に今更ね…しかも唐突すぎるわ。まぁいいけど。」
霊夢は少し面倒くさそうな顔をした。
「アレは私の能力よ。空を飛ぶ程度の能力。誰にも縛られない能力でもあるけど。」
誰にも縛られない、ということはやっぱりあの使い魔のルーンもそれで消えてしまったのだろうか。
しかしそれよりもルイズはあの先住魔法と見間違えるような行為が能力だと言うことにまず驚いた。
「の、能力…?魔法で飛んでるんじゃなくて?」
「えぇ、…まぁ魔法使って空を飛んでる奴もいるけどね。」
そう言った彼女の目は一瞬だけ何処か懐かしむような目をしていた。
きっと元いた世界にメイジかなんかの親戚がいたのだろうか。
霊夢は手に持っていたカップをテーブルに置くとイスから立ち上がり、座り心地のいいベッドに腰を下ろした。
一方のルイズは少し落胆したような顔を浮かべた。
「そう…別にそれは魔法とかじゃなくて最初から備わっていたものなのね……。」
「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「なに?」
「今更なうえ唐突だけどね、アンタが空を飛ぶのに杖も詠唱も無しに行うなんてどうやってするの?やっぱり先住魔法?」
「本当に今更ね…しかも唐突すぎるわ。まぁいいけど。」
霊夢は少し面倒くさそうな顔をした。
「アレは私の能力よ。空を飛ぶ程度の能力。誰にも縛られない能力でもあるけど。」
誰にも縛られない、ということはやっぱりあの使い魔のルーンもそれで消えてしまったのだろうか。
しかしそれよりもルイズはあの先住魔法と見間違えるような行為が能力だと言うことにまず驚いた。
「の、能力…?魔法で飛んでるんじゃなくて?」
「えぇ、…まぁ魔法使って空を飛んでる奴もいるけどね。」
そう言った彼女の目は一瞬だけ何処か懐かしむような目をしていた。
きっと元いた世界にメイジかなんかの親戚がいたのだろうか。
霊夢は手に持っていたカップをテーブルに置くとイスから立ち上がり、座り心地のいいベッドに腰を下ろした。
一方のルイズは少し落胆したような顔を浮かべた。
「そう…別にそれは魔法とかじゃなくて最初から備わっていたものなのね……。」
つまりは生まれたときからそのような力を持っていたのだ。
ルイズは思った…まるで私と正反対だなぁ。 と。
そんなことを思い、ちいさな憂鬱の波がやってくる。
どこか妙な寂しい雰囲気を醸し出しながらルイズは力なく項垂れた。
「どうしたの?」
それに気づいたのか霊夢はルイズに声をかける。
「…あのね、ちょっと話聞いてくれる。」
「え?…まぁちょっとだけなら。」
そう言ってルイズは語り始めた。
自分がさる公爵家の末女として生まれたのだが物心付いたときからまともな魔法が行えず、常に失敗し続けてきたこと。
父はその事についてあまり触れなかったが母と姉がそれをもの凄く気にしていること。
いつまでたっても魔法は使えず、無駄に失敗したときの爆発が強くなるだけ。
「それがほかの生徒達に『ゼロ』って呼ばれている理由よ。」
一通り語り終えたルイズは一度間をおいて言った。その鳶色の瞳は何処か悲しみを湛えていた。
霊夢はお茶すすりながら黙って話を聞いていたがそんなルイズに気にする風もなくこう言った。
「つまり何?アンタより強い私が羨ましいって事なのね。人に長ったらしい愚痴を聞かせておいて。」
少々呆れた言い方と突き刺すような視線で霊夢はそう言った。
ルイズは霊夢の視線に少々たじろぐが力弱く首を振った。
いつにもまして珍しく今のルイズは少し弱気であった。
そりゃいつもは気の強い女子生徒だが霊夢の方が気の強さは勝っている。
ルイズは思った…まるで私と正反対だなぁ。 と。
そんなことを思い、ちいさな憂鬱の波がやってくる。
どこか妙な寂しい雰囲気を醸し出しながらルイズは力なく項垂れた。
「どうしたの?」
それに気づいたのか霊夢はルイズに声をかける。
「…あのね、ちょっと話聞いてくれる。」
「え?…まぁちょっとだけなら。」
そう言ってルイズは語り始めた。
自分がさる公爵家の末女として生まれたのだが物心付いたときからまともな魔法が行えず、常に失敗し続けてきたこと。
父はその事についてあまり触れなかったが母と姉がそれをもの凄く気にしていること。
いつまでたっても魔法は使えず、無駄に失敗したときの爆発が強くなるだけ。
「それがほかの生徒達に『ゼロ』って呼ばれている理由よ。」
一通り語り終えたルイズは一度間をおいて言った。その鳶色の瞳は何処か悲しみを湛えていた。
霊夢はお茶すすりながら黙って話を聞いていたがそんなルイズに気にする風もなくこう言った。
「つまり何?アンタより強い私が羨ましいって事なのね。人に長ったらしい愚痴を聞かせておいて。」
少々呆れた言い方と突き刺すような視線で霊夢はそう言った。
ルイズは霊夢の視線に少々たじろぐが力弱く首を振った。
いつにもまして珍しく今のルイズは少し弱気であった。
そりゃいつもは気の強い女子生徒だが霊夢の方が気の強さは勝っている。
「べ、別にそんなんじゃ…。」
「それにたぶん、そんなのは失敗の内に入らないわよ。」
その言葉にハッとした顔になった。
「え?それって、どういう意味なの?」
「例えどんな形式でも杖から出ているんでしょう?ならそれはアンタたちが言う魔法なんじゃないの。」
少々無理がありそうな解釈である。
「幻想郷にもアンタみたいに馬鹿みたいに威力を持った魔法を使う奴だっていたわよ。それと同じなんじゃない?」
そう言うと残っていたお茶をクイっと飲み干すと続けた。
「それに魔法なんて勝手に新しいのホイホイと作れるような物なんだしこの際それを新しい魔法だと思えばいいのよ。」
言いたいことを言い終えて満足したのだろうか霊夢はカップをテーブルに置くと最後にこう言った。
「それに、アンタはちゃんと召喚に成功したんだから。」
そう言って霊夢はゴロンとルイズのベッドに寝転がった。
「それにたぶん、そんなのは失敗の内に入らないわよ。」
その言葉にハッとした顔になった。
「え?それって、どういう意味なの?」
「例えどんな形式でも杖から出ているんでしょう?ならそれはアンタたちが言う魔法なんじゃないの。」
少々無理がありそうな解釈である。
「幻想郷にもアンタみたいに馬鹿みたいに威力を持った魔法を使う奴だっていたわよ。それと同じなんじゃない?」
そう言うと残っていたお茶をクイっと飲み干すと続けた。
「それに魔法なんて勝手に新しいのホイホイと作れるような物なんだしこの際それを新しい魔法だと思えばいいのよ。」
言いたいことを言い終えて満足したのだろうか霊夢はカップをテーブルに置くと最後にこう言った。
「それに、アンタはちゃんと召喚に成功したんだから。」
そう言って霊夢はゴロンとルイズのベッドに寝転がった。
一方のルイズは先ほどの言葉に少ない希望を見いだしていた。
同級生達には茶化され、家族に冷たくあしらわれてきた彼女にはとても影響力のある言葉だった。
そして、霊夢の言うとおり、結果はどうアレ形式的にはちゃんと召喚の儀式は成功しているのだ。
授業時の爆発も、きっと未知の魔法に違いない。
(それに…よくよく思い出せば…。)
今まで、ルイズの失敗魔法を至近距離で受けて無事だったものはいなかった。
絶対割れないと言われていた家の壺を爆砕させたり。
家で練習していたときにたまたま母が魔法を喰らってしまい、髪がアフロになってしまったり。
学院では授業の時に実践をしろといわれた時には必ず何かが彼女の魔法で壊れる。
一年生の冬に部屋で『ロック』の呪文をドアに向けて唱え、結果丸一日雪風に震えながら一夜を過ごした。
今まではそれを全て『失敗魔法』と一括りしてきたがどれにも共通点はある。
同級生達には茶化され、家族に冷たくあしらわれてきた彼女にはとても影響力のある言葉だった。
そして、霊夢の言うとおり、結果はどうアレ形式的にはちゃんと召喚の儀式は成功しているのだ。
授業時の爆発も、きっと未知の魔法に違いない。
(それに…よくよく思い出せば…。)
今まで、ルイズの失敗魔法を至近距離で受けて無事だったものはいなかった。
絶対割れないと言われていた家の壺を爆砕させたり。
家で練習していたときにたまたま母が魔法を喰らってしまい、髪がアフロになってしまったり。
学院では授業の時に実践をしろといわれた時には必ず何かが彼女の魔法で壊れる。
一年生の冬に部屋で『ロック』の呪文をドアに向けて唱え、結果丸一日雪風に震えながら一夜を過ごした。
今まではそれを全て『失敗魔法』と一括りしてきたがどれにも共通点はある。
そう、『いかなる物でも爆発』するということだ。
それを全く未知の新しい魔法と考えればかなり強い魔法ではないのだろうか。しかし…
「どんな呪文を唱えても爆発しか起こらないって…やっぱりそれってどうなのかしら。」
ルイズはそんなことを考えながら空になった自分のカップに新しいお茶を入れた。
それを全く未知の新しい魔法と考えればかなり強い魔法ではないのだろうか。しかし…
「どんな呪文を唱えても爆発しか起こらないって…やっぱりそれってどうなのかしら。」
ルイズはそんなことを考えながら空になった自分のカップに新しいお茶を入れた。
「と、いうよりアンタはいつから私のベッドを好き勝手に使ってるのよ?」
「いいじゃない減るもんじゃないんだから。」
「いいじゃない減るもんじゃないんだから。」
場所変わって学院長の部屋。
普段はここの最高責任者のオスマンと秘書が常に待機している部屋だが今日に限って秘書はお暇を頂きこの場におらず。
部屋にはオスマンと教師の二人だけであった。
「ミスタ・コルベール。今日は何の話かね?」
「実は、見ていただきたい物があるのです。」
コルベールと呼ばれた教師はそう言うと手に持っていた細長い包みを机の上に置いた。
そして包みを結んでいる黒い紐をとくと鹿の皮で包まれていた太刀が姿を見せる。
「太刀…じゃのぉ。ミスタ、これは一体?」
コルベールが答える前に突如太刀がブルブルと震えだしたかと思うと…
『おいおい、やっと暑苦しい動物の皮から出してくれたと思ったら何処だよここは!?』
金具部分をカチカチ動かし荒っぽい口調でしゃべった。
それを見たオスマンは目を細め、それがただの剣ではないということを悟った。
「ふぅむ、インテリジェンスソード…か。」
普段はここの最高責任者のオスマンと秘書が常に待機している部屋だが今日に限って秘書はお暇を頂きこの場におらず。
部屋にはオスマンと教師の二人だけであった。
「ミスタ・コルベール。今日は何の話かね?」
「実は、見ていただきたい物があるのです。」
コルベールと呼ばれた教師はそう言うと手に持っていた細長い包みを机の上に置いた。
そして包みを結んでいる黒い紐をとくと鹿の皮で包まれていた太刀が姿を見せる。
「太刀…じゃのぉ。ミスタ、これは一体?」
コルベールが答える前に突如太刀がブルブルと震えだしたかと思うと…
『おいおい、やっと暑苦しい動物の皮から出してくれたと思ったら何処だよここは!?』
金具部分をカチカチ動かし荒っぽい口調でしゃべった。
それを見たオスマンは目を細め、それがただの剣ではないということを悟った。
「ふぅむ、インテリジェンスソード…か。」
「インテリジェンス」。要は意志を持つ武器のことである。
価値はそれほどでもないが歴史は古く、中には作られてから数千年の時が経つ物も存在する。
「えぇ、ブルドンネ街で購入いたしました。それと、この本の六十ページを…。」
叫び続けているインテリジェンスソードを無視し、コルベールは一冊の古い本を剣の横に置いた。
「ん?『始祖の使い魔達』か。随分とまた古い物を…。」
そう言いオスマンは六十ページまで一気にめくるとそこに描かれていた『ガンダールヴ』の押し絵を見て体が硬直した。
白銀の鎧をまとった騎士が両の手に持っている二つの武器の内一つは太刀であった。
しかしその太刀と今机の上に置かれているインテリジェンスソードと余りにも似ている。
一度交互に目を配らせ見比べてみるがやっぱり似ているのだ。
価値はそれほどでもないが歴史は古く、中には作られてから数千年の時が経つ物も存在する。
「えぇ、ブルドンネ街で購入いたしました。それと、この本の六十ページを…。」
叫び続けているインテリジェンスソードを無視し、コルベールは一冊の古い本を剣の横に置いた。
「ん?『始祖の使い魔達』か。随分とまた古い物を…。」
そう言いオスマンは六十ページまで一気にめくるとそこに描かれていた『ガンダールヴ』の押し絵を見て体が硬直した。
白銀の鎧をまとった騎士が両の手に持っている二つの武器の内一つは太刀であった。
しかしその太刀と今机の上に置かれているインテリジェンスソードと余りにも似ている。
一度交互に目を配らせ見比べてみるがやっぱり似ているのだ。
「もしもこのインテリジェンスソードがガンダールヴが使用していた物ならば…。」
コルベールは喋り続けていたインテリジェンスソードを鞘に戻した。
「あの少女に持たせ、どうなるかを見てみたいと思いまして。」
その言葉にオスマンは顎髭をいじり神妙な面持ちになった。
「だがのぉ、あの娘は聞いてくれるだろうか。個人的には少々我を通しすぎだと思うのだが。」
「でも我が儘という程強くはありません。この程度の願いなら聞いてくれるかと。」
二人の間に少し静寂が訪れるがオスマンが口を開いた。
「しかし彼女がガンダールヴというのを知ってるのは君とわしぐらいじゃ。召喚した本人も承諾を取らねばいかん。
まぁ近日中にでもここへミス・ヴァリエールとあの娘を呼んで話を聞かせよう。あ、あぁ後そのインテリジェンスソードはここに置いていってくれんか?」
コルベールは喋り続けていたインテリジェンスソードを鞘に戻した。
「あの少女に持たせ、どうなるかを見てみたいと思いまして。」
その言葉にオスマンは顎髭をいじり神妙な面持ちになった。
「だがのぉ、あの娘は聞いてくれるだろうか。個人的には少々我を通しすぎだと思うのだが。」
「でも我が儘という程強くはありません。この程度の願いなら聞いてくれるかと。」
二人の間に少し静寂が訪れるがオスマンが口を開いた。
「しかし彼女がガンダールヴというのを知ってるのは君とわしぐらいじゃ。召喚した本人も承諾を取らねばいかん。
まぁ近日中にでもここへミス・ヴァリエールとあの娘を呼んで話を聞かせよう。あ、あぁ後そのインテリジェンスソードはここに置いていってくれんか?」
それで話し合いが終わり、コルベールは頭を下げインテリジェンスソードを机に置いたまま部屋を出た。
オスマンは引き出しからパイプを取ると口にくわえ一服をした。
オスマンは引き出しからパイプを取ると口にくわえ一服をした。
時間は進み昼食の時間、食堂前は生徒達によりごった返していた。
一度に大量の生徒達がここへ来るのだからそれはまぁ仕方のないことだが。
そんな人混みの外にルイズはいた。
「これじゃあしばらくは入れそうにないわね…。アイツは先に入って行っちゃったし。」
ルイズはそう言い頭を掻いた。
先ほどまで霊夢もいたが目を離してる隙に一人で勝手に空へと飛び上がり開けっ放しにされていた窓から食堂の中へ入っていった。
主人と共に人生を生きてゆく事を義務づけられた使い魔がとるとは思えない行動である。
しかし実際には彼女の左手にはルーンが無いため、使い魔ではないと思うのだが。
ルイズは軽いため息を吐くと後ろから誰かに肩をたたかれた。
後ろを振り返ると、この前霊夢に叩きのめされたというギーシュが手に花束を持って突っ立ていた。
「なによ。」
突き放すようにルイズは言うと彼は少し躊躇いながらも口を開いた。
「い、いや実は…あの使い魔君に、これを渡してくれないか?」
そういってギーシュはルイズに花束を突きつけた。
赤と白のバラが一緒くたになって入っている。
「どうして私なのよ?アンタの手で直接渡せばいいじゃない。」
こういうのは本当に自分の手で渡した方が良いのである。
「い、いやぁ…もしも君の使い魔が男だったのなら直接僕の手で渡していたけど女の子だと…ね?」
そう言ってギーシュは目だけを右方向に動かした。そこにいたのはほかの女子達と談笑しながら食堂中へと入っていくモンモランシーがいた。
この前彼は浮気がばれてしまい、その後に霊夢と決闘をして負けたらしい。
女の子達の間では当時少し低めであった彼の評価は見も知らずの少女に負けてしまったせいで地に落ちた。
しかしモンモランシーただ一人だけが今も彼とつきあっているのだ。
なんと健気なことだろうか。まぁでも皆はこの二人のことを「バカップル」とか呼んでいるらしい。
特にキュルケあたりが。
そんな人混みの外にルイズはいた。
「これじゃあしばらくは入れそうにないわね…。アイツは先に入って行っちゃったし。」
ルイズはそう言い頭を掻いた。
先ほどまで霊夢もいたが目を離してる隙に一人で勝手に空へと飛び上がり開けっ放しにされていた窓から食堂の中へ入っていった。
主人と共に人生を生きてゆく事を義務づけられた使い魔がとるとは思えない行動である。
しかし実際には彼女の左手にはルーンが無いため、使い魔ではないと思うのだが。
ルイズは軽いため息を吐くと後ろから誰かに肩をたたかれた。
後ろを振り返ると、この前霊夢に叩きのめされたというギーシュが手に花束を持って突っ立ていた。
「なによ。」
突き放すようにルイズは言うと彼は少し躊躇いながらも口を開いた。
「い、いや実は…あの使い魔君に、これを渡してくれないか?」
そういってギーシュはルイズに花束を突きつけた。
赤と白のバラが一緒くたになって入っている。
「どうして私なのよ?アンタの手で直接渡せばいいじゃない。」
こういうのは本当に自分の手で渡した方が良いのである。
「い、いやぁ…もしも君の使い魔が男だったのなら直接僕の手で渡していたけど女の子だと…ね?」
そう言ってギーシュは目だけを右方向に動かした。そこにいたのはほかの女子達と談笑しながら食堂中へと入っていくモンモランシーがいた。
この前彼は浮気がばれてしまい、その後に霊夢と決闘をして負けたらしい。
女の子達の間では当時少し低めであった彼の評価は見も知らずの少女に負けてしまったせいで地に落ちた。
しかしモンモランシーただ一人だけが今も彼とつきあっているのだ。
なんと健気なことだろうか。まぁでも皆はこの二人のことを「バカップル」とか呼んでいるらしい。
特にキュルケあたりが。
「うーん…、でもレイムだと薔薇の花束なんて貰っても喜びそうにないわよ。」
今までの彼女を見てきたルイズはキッパリとそう言った。
それに霊夢はギーシュのことを毛嫌いしていたし初めてあったときにも「女の敵」とか言っていたのをよく覚えている。
しかしそんなギーシュは尚もこちらに花束を突きつけてくる。
「でもねぇ、このままじゃなんというか…レディに優しい僕としては申し訳が立たなくて。頼むよ。」
そう言うとギーシュは一方的にルイズの手に花束を預けるとそのままそさくさと食堂の中へと入っていった。
取り残されたルイズはギーシュ本人の性格を丸写しにしたようなこの薔薇の花束をどうしようかと悩むだけであった。
今までの彼女を見てきたルイズはキッパリとそう言った。
それに霊夢はギーシュのことを毛嫌いしていたし初めてあったときにも「女の敵」とか言っていたのをよく覚えている。
しかしそんなギーシュは尚もこちらに花束を突きつけてくる。
「でもねぇ、このままじゃなんというか…レディに優しい僕としては申し訳が立たなくて。頼むよ。」
そう言うとギーシュは一方的にルイズの手に花束を預けるとそのままそさくさと食堂の中へと入っていった。
取り残されたルイズはギーシュ本人の性格を丸写しにしたようなこの薔薇の花束をどうしようかと悩むだけであった。