あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

いぬかみっより古城の精霊を召喚

高い知性を持った存在を使い魔にするのは結構大変だ。
 通常の使い魔に提供する以上の待遇を求められたり、それ以外の条件を求められたりするからだ。
 例えば韻竜を使い魔にしたタバサの場合……。
「きゅい!きゅい!ただの人間の小娘がこのわたし、○×△□wsx(日本語では正確に発音できないため当て字になっています)を使い魔にしようなんて生意気なのね!きゅい!きゅい!」
「学院が使い魔の餌として準備している食べ物の他に、任務が終わった後には高級な牛肉を1キロつける。これで、どう?」
「きゅい!……ちょっとだけ心が動いたけど、そんなことじゃ騙されないのね。きゅい!きゅい!あなたの方がわたしより優れてることを証明して見せない限り、使い魔になんかなってあげないのね。きゅい!きゅい!」
「分かった。何をすればいい?それをすれば使い魔になってくれるのね?」
「きゅい!きゅい!とっても難しい試練を与えるのね!きゅい!きゅい!誇り高き竜族の一員、○×△□wsxの何かけて、その試練を乗り越えられたらわたしはあなたの使い魔になってあげるのね!きゅい!きゅい!」
「教えて、わたしは何をすればいい?」
「きゅい!わたしの名前をあててみせるのね!きゅい!きゅい!」
「名前?」
「きゅい!きゅい!そうなのね。わたし、○×△□wsxの名前を当ててみせるのね。きゅい!きゅい!」
「○×△□wsx?」
「きゅい~~~~!凄いのね!なんで分かったのね!?」
「………」
「お姉さま凄いのね!わたし、お姉さまの使い魔になってあげるのね!きゅい!きゅい!」
 とまぁ、こんな感じだったりする。

 それでも、思考形態が人間に近く、また、同じ言語で会話が出来る相手ならまだいい。
 問題は、ルイズが召喚してしまった者達のような場合だ。

「うー!」
「やー!」
「たー!」
 その日、使い魔召喚の儀式でルイズが呼び出したのは、一言で言えば3個の巨大な喋る玉子だった。
 これが、ただの玉子なら問題は無かった。
 いや、ルイズ的には大問題なのだが、とりあえず親鳥がそうするように玉子を暖め、孵化した何かと改めて使
い魔の契約を結べばいいのだから、問題が無いと言っていい。。
 しかし。
 ルイズが召喚したのはただの玉子ではなかった。
 まず第1に、顔があった。
 玉子達の大きさはルイズの腰くらいまでだろうか。全体のフォルムは鶏卵の尖った方を下にして立てた感じだ
が、上から6分の1くらいのところに一つだけ目があった。そのすぐ下には鼻に見えないことも無いちょっとし
たでっぱりがあり、上から3分の1くらいのところには口があった。
 幸いなことに、それらの目や口や鼻は子供が玉子にペンでいたずら書きをしたような感じなので気持ちが悪い
ということは無かった。見ようによってはむしろ可愛いと感じられさえする。
 そして第2に、その玉子には手足が生えていた。もちろん、顔がそうであるように、手足も子供の落書きのよ
うなもので、人間で言えば肩に当たりそうな部分と股に当たりそうな部分から、それぞれ2本針金のようなもの
が伸びていて、肩から伸びた針金の先には5本指の手袋のようなものが、股から伸びた針金の先にはブーツのよ
うなものが付いている。
 第3には、その玉子達は服を着ていた。
 一つ目の玉子は、金色にピカピカ光る鎧を着ていた。
 二つ目の玉子は、濃い紫色のローブを着て先端の尖った三角帽子を被っている。
 三つ目の玉子は、王様が着るような豪華な衣装を身に纏っていて、一目で良いものと分る冠……恐らくは王冠
を被っている。
 第4には、玉子達の持ち物。
 鎧を着た玉子は、右手にはやはり金色にピカピカ光る剣を、左手には同じく金色にピカピカ光る盾を持ってい
た。
 ローブを着た玉子は、長い、先端に宝石を嵌めた杖を持っていた。
 豪華な衣装を着た玉子は、大きな宝石をいくつも嵌めた豪奢な杓を持っていた。
 つまり、ルイズが召喚したのは、収穫祭のときに平民の子供が玉子で作る、王様とメイジと戦士の人形だった。
 ただし、その人形は自分の“足”で立って、「うー!」「やー!」「たー!」とルイズに向かって何か訴えて
いる。

「コルベール先生、やり直しを要求します!」
 ルイズがやり直しを要求するのはある意味当然だったが、コルベールがそれを認めるわけがないのも当然なの
で、二人のやり取りは割愛。

「分りました!」
 ルイズはコルベールを睨みつけた。
「契約します!契約すればいいんでしょう!ええ、契約しますとも!」
 コルベールを怒鳴りつけたルイズが、玉子達に向き直る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」
 そして、一番近くにいた戦士玉子にコントラクト・サーヴァントの魔法をかけようとした時だった。
「五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔とな」
「うー!」
 戦士玉子は不意に後ろに飛んで、ルイズから逃げ出した。
「な、な、な。」
 突然の、そしてあまりに予想外な出来事にルイズが絶句すると、戦士玉子は再びぴょんと飛び跳ねてルイズの
前に寄って来て「うー!」と何かを訴える。
「落ち着いて。落ち着くのよ。ルイズ。」
 ルイズは大きく深呼吸して、自分に話しかける。
「逃げられたわけじゃない。逃げられたんじゃないんだから。」
 そんなやりとり……コントラクト・サーヴァントの呪文を唱えようとしては逃げられ、再び寄って来た玉子達
が「うー!」「やー!」「たー!」と何かを訴える……が、5回か6回続いた後、ルイズが手負いの熊のような
叫び声をあげた。
「うが~~~!あんたらいいかげんにしなさ~~~~~~いっ!」
 ルイズは少し危ない目をしていたのか、ルイズに睨まれた玉子達は一歩後ずさった。
 あとずさりながらも、「うー!」「やー!」「たー!」と何かを訴えるのは止めていないあたり、玉子達には
玉子達なりに、何かルイズに伝えたいことがあるのだということはルイズにも分かった。
 しかし、「うー!」「やー!」「たー!」だけでは、何が言いたいのか分らない。
「あ、あ、あ、あ、あんたらね!言いたいことがあるなら、ちゃんと、はっきり言いなさいよ~~~~~!」
 ルイズは切れた。
「ライト!」
 ルイズは、呪文の詠唱時間が一番短く、当然のことだが爆発の威力も一番小さい、けれども、いくら大きいと
はいえ玉子を破壊するには十分な威力を持った失敗魔法を玉子達にぶち込んだ。
「ライト!ライト!」
 最初は戦士玉子に、二発目はメイジ玉子に、三発目は王様玉子に。
 ぱん、ぱん、ぱん。乾いた爆発音が3回響く。
 玉子達が爆煙に包まれた。
「みっ、ミス・ヴァリエール!?」
 コルベールは慌ててルイズを止めようとした。が。
「ロック!」
 ルイズの失敗魔法に弾き飛ばされた。
「邪魔しないで下さい。コルベール先生!」
 地面に叩きつけられ呆然と見上げるコルベールに、ルイズは言った。
「これは、あいつらとわたしの勝負なんです!」
「勝負?」
「ええ。分らないんですか?あいつらは生意気にもこう言ってるですよ。『おれ達を使い魔にしたかったら、お
れ達に勝ってみろ』って。」
「えええ?」
 コルベールが驚くのも無理は無い。ルイズ自身、確証があるわけではないのだから。
 しかし、絶対にあいつらはそう言ってるという確信はあった。
 だから、試すのだ。
 爆煙が消えた後に。
 あいつらが倒れていたら、この勝負わたしの勝ち。契約してしまおう。
 割れた玉子が落ちていたら、わたしの負け。
 ルイズは、フライの呪文を唱えながら煙が晴れるのを待つ。
 そして。
「うー!」「やー!」「たー!」
 煙が晴れた瞬間、王様玉子、メイジ玉子、戦士玉子の3人は嬉しそうに叫びながらルイズに襲い掛かってきた。
「きゃ~~~~~~!」
 王様の飛び蹴り、メイジの良く分らない魔法、戦士の剣戟を受けて、ルイズが吹き飛ばされる。
 吹き飛ばされたルイズに、追い討ちをかけようと迫る3個の玉子。
 しかし、ルイズも悲鳴をなんとか飲み込んで、フライの呪文を完成させていた。
 正面からぶつかり合う、ルイズの爆発と3個の玉子。
 一人のメイジと3個の玉子が、楽しそうに笑っていた。

 その後のことは書くのもあほらしいのだがその後も、ルイズが系統魔法に目覚めることは無かった。
 何故なら、ルイズの失敗魔法はどんな系統魔法よりも強力だったからだ。
 風のスクエアスペルであるカッタートルネードを失敗したときなど、卑劣にも不可侵条約を破ってタブルに攻めてきたアルビオンの艦隊をことごとく爆破、破壊しつくしてしまったくらいだったのだから、こと戦闘に関す
る限り、系統魔法も虚無も、ルイズには必要なかったのだ。

 そして、3個の玉子を従えたトリステインの聖女の名は、末永く語り継がれたという。


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