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ウルトラ5番目の使い魔-08


 8話 ダイナミック・ヒーロー!

 宇宙有翼怪獣アリゲラ
 ウルトラマンダイナ 登場!!


 西暦2017年代
 地球最大の危機、邪神ガタノゾーアの危機を乗り越えた人類は、その夢見る心のままに大宇宙へと歩を進めるネオ・フロンティア時代を迎えていた。
 だが、突如宇宙から人類を狙う謎の敵、スフィアが地球に来襲、地球平和連合TPCはチーム・スーパーGUTSでこれに対抗した。
 彼らは、人類の前に姿を現したティガに続く二人目の光の巨人とともに、地球の平和を守り抜いていった。
 しかし、遂に姿を現した究極の敵、暗黒惑星グランスフィアの前に冥王星をはじめとする太陽系の惑星は次々と飲み込まれていく。
 これに対し、スーパーGUTSは封印された兵器、ネオマキシマ砲での最終決戦を挑む。
 そして、彼らは勝利した。ただし、その代償として光の巨人はグランスフィアの生み出したブラックホールの中へと消え、消息を絶った。

 だが、彼は死んではいなかったのだ!!

「光の……巨人」
 誰も知らない深い森の奥で、真紅の巨大な飛竜の前に銀色の体に金色と赤と青をあしらった巨人が立ちふさがっていた。
 その名はダイナ、かつて異世界の平和を守りぬいた二人目の光の巨人。
「デュワッ!!」
 ダイナは森の中に立ち、甲高いうなり声を上げてくる怪獣に構えをとった。
 その怪獣はゴツゴツと角ばったワイバーンのような体から生えた、まるで鉈のような翼を広げ、背中のジェット噴射口から炎を吹き出して飛び立った。
 怪獣の名はアリゲラ、異世界で時空波に導かれてウルトラマンメビウスと戦った宇宙怪獣の同族。
「シャッ!!」
 ダイナも跳んだ。向かってくるアリゲラに右足を向けてのジャンプキックだ。
 激突! アリゲラの右肩から火花が飛び、その巨体が森の中に滑り込んでいく。
「おおっ!!」
 地上からその様子を眺めていたオスマンは、アリゲラが倒れたのを見て思わず歓声を上げた。
 だが、アリゲラは倒れたままその尾の先をダイナに向けると、そこから真っ赤な火炎弾を放った。
「危ない!!」
「シュワッ!!」
 思わず叫んだオスマンの目の前でダイナは両手をまるで押し出すように前方にかざすと、そこに薄く輝く光の幕が現れた。
『ウルトラバリヤー!!』
 火炎弾はバリヤーに当たると粉々に砕け散った。
 オスマンはその光景を唖然として眺めていた。ファイヤーボールにしたら1000発分には匹敵しよう火炎弾を巨人は軽々跳ね返したのだ。
 しかし、驚くのはまだ早かった。
 ダイナが両手を十字に組むと、その右手からまばゆい光の束がほとばしる。
『ソルジェント光線!!』
 輝く光の奔流がアリゲラを襲い、右肩から胴体までの外骨格を爆砕した。
 アリゲラはガラスを引っ掻くような鳴き声をあげて苦しんだ。しかし強靭な生命力を発揮してまだ戦意を失っていない。噴煙の中から炎を吹き上げて、空へと飛び上がっていく。
「ヘヤッ!!」
 ダイナは2発目のソルジェント光線を放つが、マッハで飛ぶアリゲラには当たらない。
 アリゲラはそのまま急降下するとダイナに体当たりを仕掛けてきた。
「グワァッ!!」
 超音速の体当たりにはさしものダイナも持ちこたえきれずに吹っ飛ばされてしまった。
 アリゲラはその後Uターンして、起き上がったダイナの背中へと再び激突した。
「グワァァ!」
 地響きを立てて地面に崩れ落ちるダイナ、そのときダイナの胸のカラータイマーが赤く点滅し始めた。
「頑張れ!」
 オスマンは固く拳を握り締めて名も知らぬ巨人の苦境を見守っていた。
 そしてダイナはその声が届いたのか、ひざを突きながらもゆっくりと立ち上がった。
 アリゲラはよろめくダイナに安心したのか今度は真正面から突っ込んでくる。マッハ3、いや4、ものすごいスピードだ!!
「デヤッ!!」
 だがダイナはまっすぐアリゲラに立ち向かう。
「危ない、避けるんだ!」
 このまま直撃されたら今度こそ危ない。しかしダイナはまったく避けようとはしない。
 正対するアリゲラとダイナ、もう両者とも避ける隙はない。
 そのときだった。ダイナの額が眩く輝いたかと思うと、その身が一瞬にして燃えるような真紅に包まれた。
『ウルトラマンダイナ・ストロングタイプ!!』
 赤いダイナはアリゲラの突進を正面からがっちりと受け止めた。
「ヌォォォッ!!」
 突進の勢いで大地をガリガリと削りながらもダイナはアリゲラを離さない。そして100メイルほどすべったところでアリゲラの突進は完全に止まった。
 さらにダイナはアリゲラの首根っこを掴んで、その巨体をハンマー投げの様に振り回した。
『バルカンスウィング!!』
 回る回る、アリゲラの巨体がまるでプロペラのようだ。さらに、1万1千tの体重がもたらす遠心力によってアリゲラの体は千切れんばかりのGに襲われる。
 そして思うさまにぶん回した後、ダイナはアリゲラの体を大地に思いっきり放り投げた。
「ダァァッ!!」
 地響きとともに7、80本の木をへし折ってアリゲラは大地に叩きつけられる。
 さらにダイナはフラフラと起き上がったアリゲラに強烈なストレートパンチをお見舞、残った左肩の砲口も叩き潰される。
「赤い巨人は、力の戦士……」
 今のダイナの前には強固な外骨格も何の役にも立たず、もはやアリゲラには武器も戦意も残ってはいない。
 そして、ついに敵わぬと悟ったアリゲラは、残った力を振り絞って空へと飛び上がった。
「デヤッ!!」
 逃げるアリゲラを見据えながら、ダイナは胸の前で拳を突合せた。
 するとダイナのカラータイマーを中心にエネルギーが集まって巨大な火球と化していく。
「ダァァァッ、シュワッ!!」
 ダイナの半身を覆い尽くすほどに火球は巨大化した、そしてダイナはそれをアリゲラに向けて一気に押し出す。
『ガルネイトボンバー!!』
 火球はアリゲラに向けて一直線に飛び、飛ぶのがやっとのアリゲラにはそれを避ける力はもはやない。
 直撃、開放されたエネルギーの奔流がアリゲラを焼き尽くす。一瞬後、アリゲラは断末魔の遠吠えを残し、大爆発を起こして粉微塵に吹き飛んだ。
「やった!」
「シュワッ!」
 オスマンとダイナは、共にガッツポーズを決めた。
 そしてダイナは腕を下ろすと仁王立ちのポーズをとった。
「ダッ!!」
 ダイナの体が一瞬輝いたと思うと、その体が光の粒子へと変わって小さくなっていき、やがて元の人間の姿へと戻っていった。


「じいさん、無事だったか」
 彼は駆け戻ってくるなり、先程までの戦いがうそのようなまばゆい笑顔でそう言った。
「あ、大丈夫じゃとも、それよりおぬしこそ大丈夫なのか? あれだけやられたのに」
 そのあまりにまっすぐな瞳にオスマンも警戒心を解かれて問い返した。
「え、ああ見られちまってたか。まあ、この世界ならいいか……なんてことはないよ、いつものことさ」
「いつものことって! おぬしはいつもあんな化け物と戦っておるのか!? 君はいったい何者なんじゃ?」
 すると彼はニッと笑って。
「いや、名乗るほどの者じゃないさ……って、一度言ってみたかったんだよねー。俺はアスカ、スーパーGUTSのアスカ・シンさ。あー、と、言ってもわからねえか……」
「スーパー……ガッツ? いや、ともかく君はアスカ君というのだね。わしはオスマンという。あの巨人の姿は……いやいや、そんなことはよいか、ともかく君はわしの命の恩人じゃ、本当にありがとう」
「いいってことよ。それに、ウルトラマンダイナのことは正直俺もよくは知らねんだ。それよりも、またあんなのが来る前に、急いで帰ったほうがいいぜ」
 見ると、そろそろ日の光が赤みを帯びてくるような時刻だ。
「ああ、本当にありがとう。それで、よかったらわしのうちに来てはもらえんかね? せめてもの礼がしたいんじゃ」
 だが、アスカは残念そうな顔をして首を横に振った。
「悪いけど、俺も急いで国に帰らないといけないんだ。仲間が待ってるからな」
「国にって、とても遠いのじゃろう、あてはあるのか?」
「正直あんま自信はない。ただ、必ず帰るって約束したんだ。俺は約束は絶対破らない。だから、俺はずっと前に進み続ける」
 そう言って、空の果てにあるという彼の故郷を見つめるその視線には一点の迷いも無かった。
「わかった。そういうことなら止めはせん。旅の無事を祈ってるよ」
「ああ、じいさんも元気でな」
 オスマンは名残惜しさを振り切って別れようとした。だがそのとき自分の杖がどこかに行ってしまっていたのに気がついた。
「しまった、わしの杖……弱ったのう、あれがないと」
 メイジの使える魔法はとても便利だが、反面杖が無いとその一切が使えないという欠点もある。
多分戦いのさなかに怪獣の巻き起こした突風で飛ばされたのだろうが、この深い森の中を探すのはちと困難だった。
「なんだ、うっかりしてるなあ。この森を丸腰で帰るのは厳しいぜ……しょうがない、これ持っていけよ」
 アスカはそう言って腰の銃をオスマンに差し出した。
「い、いかんいかん、そんなもの受け取るわけには、それに君はどうするのだね?」
「俺は平気さ。そいつの使い方はこっちの銃とたいして変わらないからわかるよな。まだエネルギーは十分残ってるはずだ。じゃあ、元気でなじいさん!」
「あ、待ってくれ! 君はいったいどこへ行くつもりじゃ!」
「さあな、けどまたいつか会おうぜ!」
 アスカは大きく手を振りながら、森の奥へと消えていった。
「アスカ……ウルトラマンダイナ……」
 オスマンは、その手に残った銃を握り締めながら、彼の去っていった森の奥をいつまでも見つめていた。


 そして現代、昔話を語り終えたオスマンは、椅子に座りなおすと才人とルイズに視線を戻した。
「それが、30年前にわしが体験したことの全てじゃ。あんなまっすぐな目をした若者をわしはこれまで見たことはない。
その後わしはこの銃で身を守りながらなんとか学院へ帰ってきた。
銃はそのときもまだ使えたが、下手な魔法よりはるかに危険なために『破壊の光』と名づけて封印したんじゃ」
「エース以前にも、ウルトラマンがハルケギニアに来ていたのか」
(だけど、ダイナなんて名前のウルトラマンは聞いたことないぞ。エース、あなたは知ってますか?)
 才人は、自らのなかに眠っているエースへ向けて呼びかけた。
 普段エースはふたりの傷の治療もあって、ふたりの心の奥深くでじっとしているが、ふたりが同時に強く願えば答えてくれる。
(いや、私も聞いたことがない。しかし、学院長の話を聞く限りでは彼もまた異世界から来たのは間違いない)
(どういうことよサイト、ウルトラマンはあなたの世界の戦士なんじゃなかったの?)
 ルイズもエースごしにテレパシーで才人に聞き返してきた。エースが表に出てきているときだけの特典だ。
(そう言われてもなあ。ダイナってウルトラマンもそうだが、スーパーガッツなんてチームも聞いたことがない……)
(なによそれ、あんたがわかんなきゃわたしが分かるわけないでしょうが、この犬)
 そう言われても分からないものは分からない。才人が困っているとエースが助け舟を出してくれた。
(考えられる可能性としたら、パラレルワールドというやつだろうな)
(パラレルワールド?)
(このハルケギニアと地球、ヤプールの異次元世界があるように、ほかにも私たち光の国の住人とは違う、
ウルトラマンのいる世界があるのかもしれない。もしかしたらハルケギニアはそうした世界の境界が薄い世界なのかも)
 それはかつてのTAC隊員北斗星司としての経験と知識から導かれた仮説だった。
 単純に異次元世界とは言っても、ヤプールの異次元世界のほかにも、四次元怪獣ブルトンや異次元宇宙人イカルス星人の異次元はそれぞれまったく別のものだ。
(と、いうことは、あなたやそのダイナ以外にもウルトラマンが現れる可能性があるってこと?)
(可能性はあるだろうな)
(おお! ウルトラ兄弟以外のウルトラマン!? そりゃ燃えるぜ!)
(なに喜んでるのよ、このバカ犬!)
 と、テレパシーで話し合っているが一応表面上は静かなものだ。
「それで、そのアスカって人はその後どうしたかわかりますか?」
 才人はとりあえずオスマンにそう聞いてみた。
「うむ……わしもその後これを返そうと四方手を尽くして探してみたのじゃが、とうとう見つけることができなかった。
あれほどの力を持つのじゃから、もしものことはないと思うが、おそらくは彼の国へと帰ったのじゃとわしは思う」
「そうですか、これでなんとか元の世界への手がかりが見つかるかと思ったのですが」
 地球への手がかりが見つかるかと思っていた才人はがっくりと肩を落とした。
 もしハルケギニアがどこかの星ならウルトラマンAなら飛んで帰ることは簡単だが、星空にはエースの知っている星は地球とM78星雲を含めてひとつも無かった。
 ダイナがどういう世界から来たのかは分からないが、帰れたにせよ帰れなかったにせよ、もうこの星にはいないだろう。
 するとオスマンは、何かを考え込むような仕草を一瞬見せた後、才人の目を見据えて驚くべきことを言った。
「君は、ミス・ヴァリエールの召喚でここへ来たのだったね。すると君もまた異世界の住人なのだろう、ウルトラマンA」
「え!?」
「え、い、サイトがエース、な、なんてそんなわけないじゃないですか!」
 突然のオスマンの指摘にふたりは驚いた。しかし才人はまだしもルイズはごまかしが下手すぎる。
「やはりの、エースが現れて消えるまで、ずっと君達ふたりだけがいないままで、エースが消えたとたんに戻ってきた」
 もはやごまかしようも無かった。
 才人とルイズは仕方ないと自分達とエースの関係を簡単に説明した。
「なるほど、君達そのものがウルトラマンなのではなく、その体を貸しているだけというわけか」
「あの、学院長、このことは」
「わかっておる。誰にも言いはしない、かつてダイナに救われたようにエースはわしの恩人じゃ」
 オスマンはにっこりと笑って見せ、才人とルイズもほっと胸をなでおろした。
 それを見たオスマンは、一回咳払いをして呼吸を整えると、また才人に向かって話しかけた。
「それから、もうひとつ伝えておくことがある。サイト君、君の左手のルーンについてじゃ」
「俺の?」
「うむ、それはガンダールヴ、伝説の使い魔のルーンじゃ。伝承ではあらゆる『武器』を使いこなしたと言われている。君にも心当たりがあるのではないか?」
「ええ、まあ……」
 才人は、その質問には適当にお茶を濁しておいた。
 ギーシュとの決闘からホタルンガに斬りかかったときまで心当たりは大有りだったが、それよりもやはりこのルーンがエースにも影響を与えたのだということを、改めて確信していた。
(たかが使い魔のルーンがウルトラマンに影響を与えるとは、まあプラスなんだから別に悪くは無いか)
 疑問はまだ残っていたが、元々ひとつのことをいつまでも深刻に考える性質ではなかったので、才人はガンダールヴのことを「まあいいか」で済ませた。
「ともかく、その『破壊の光』はここではとても危険なものです。二度と盗まれないように厳重に保管してください」
 この世界に来てからいくつかの攻撃魔法を見てきたが、単純な破壊力だけでなく、射程、使いやすさ、奇襲性など汎用性で
『破壊の光』は完全にそれらを上回っている。悪用されたとしたらトライアングルクラスとやらでもまず止められまい。
 そのことを承知している才人は、オスマンに強く訴えた。しかしオスマンの返答はまったく予想外なものだった。
「いや、この武器はサイト君、君が持つべきだろう」
「えっ!? な、なんですって」
 30年間守ってきた恩人の宝を譲る。信じられないオスマンの言葉に才人は仰天し、ルイズはまっこうから反対した。
「オールド・オスマン! この犬! い、いや使い魔に学院の秘宝をなんて!」
「ミス・ヴァリエール、わしではこれは扱いきれん。しかしウルトラマンであり、ガンダールヴである彼ならこれを正しく使ってくれるじゃろう。
受け取ってくれサイト君、そしてミス・ヴァリエールととともに、ハルケギニアを守ってほしい」
 最後にオスマンは深々と頭を下げた。
 ルイズは、こんなのに頭を下げる必要はないですと慌てているが、才人はオスマンの態度が真剣であることを感じて、無言で『破壊の光』を手に取った。
 すると、彼の左手のルーンが光り、『破壊の光』の使い方やその他の細やかな情報が頭の中に流れ込んできた。
「ガッツブラスター……」
「おお、それがそれの本当の名前なのか。どうか、大切に使ってやってほしい。一応わしが固定化の魔法で保護してあるから元より頑丈だろうし、下手な手入れもいらんじゃろうが、ただし一つだけ……」
「わかってます。おおっぴらに使ったりはしませんよ」
 学院の秘宝を一平民が持ち歩いてると知れたらいろいろとまずいだろう。それを察した才人はそう言ってオスマンを安心させたが、実はそれだけではなかった。
 本当のところ、ガッツブラスターにはもうあまりエネルギーが残っていなかったのだ。20発以上は撃てるだろうが、これからのことを考えると余裕のある数字ではない。
 その不安が顔に出ていたのか、オスマンは少し強い調子で才人に言った。
「不安なのじゃな。無理もない、じゃが、ウルトラマンダイナはたった一人でもあきらめずに常に明るく前に進もうと頑張っておった。君もウルトラマンなのじゃろ、ならもっと心を強く持ちなさい。そうすれば、彼のように必ず道は開ける」
「……わかりました。よーし、ヤプールなんか俺が八つにたたんでやるぜ!」
 才人はウルトラマンとしての重圧を感じていたが、すでに2匹超獣を倒していることだしなんとかなるだろうと、もちまえの気楽さを発揮して答えた。
「そうか、申し訳ないがよろしく頼む……この部屋にはいつでも入れるようにミス・ロングビルに話をつけておこう。何か困ったことがあったら遠慮なく来たまえ」
「はい。では、この辺で失礼します」
「うむ、ヤプールはまたいつ攻めてくるかわからん。今夜はゆっくり休みたまえ……ああそうだ、サイトくん、
実は1週間後にここで『フリッグの舞踏会』というものが執り行われるんじゃ。本当ならもっと前にやるはずじゃったのだが、
ベロクロンの襲撃のせいで延期になっておったんじゃ。君もメインで参加できるよう取り計らっておこう。楽しみにしていたまえ」
 『フリッグの舞踏会』とはこの魔法学院の行事のひとつで、娯楽の少ない学院では大勢の生徒が楽しみにしている食べて踊れるお祭り騒ぎだ。
 しかし普通の学生であった才人はあまり興味はないようだったが、それを察したオスマンは才人の耳元でぼそっとささやいた。
「学院中の女子生徒が着飾って踊りを楽しむぞ、もちろん手を取り合ってな」
「ぜひ参加させていただきます」
「聞こえてるのよ、この馬鹿犬!!」


 その後、ルイズと才人は学院長室をあとにした。
 すでに夜もふけて廊下も静かなもので、ふたりの足音だけが響いていた。
「やれやれ、おーいて」
「学院長の手前、蹴り一発で許してやったんだからむしろ感謝しなさい。ったく、この色ボケ犬!」
 ルイズはカッカッと怒っている。
 才人は、相変わらずのルイズの態度に辟易していたが、やがて思い出したようにルイズの肩を叩いた。
「なによ?」
「あとで言うことがあるって、言ってあっただろう?」
 ルイズの顔が固くこわばった。
 あのときの無茶は、正直どんな弁明をしても正当化できようはずもない。身構えるルイズに才人はやがて口を開いた。
「今度は俺も連れてけ」
「は?」
「お前が俺の言うことなんか聞く気がないのはわかってる。だったら次からは俺も連れてけ、多少はお前より頑丈なんだから盾くらいにはなってやる、俺はお前の使い魔なんだろ?」
「……」
 あまりに意外な言葉にルイズは絶句していた。
 ウルトラマンは決してひとりで戦っているわけではない、信じられる仲間たちがいるからこそどんな強敵とも戦い抜いてこれたのだ。
 しかし、他人を信じようとしないルイズでは、先のように命の投げ捨てに行くようなものだ。
 頑ななルイズにそのことを説いても聞き入れはしまいと分かっている才人は、あえてそういう言い方をしたのだった。
(ダイナも、仲間の元へ帰ろうとしていた。ウルトラマンがなんで強いか、いつかこいつもわかってくれる……かもしれないな)


 続く



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