フーケ。土くれのフーケ。その名で呼ばれる者は今のトリステインには一人しかいない。
貴族専門の盗賊であり、そしてメイジでもある。その盗み方は、繊細に屋敷に忍び込んだかと
思えば、別荘を粉砕して盗みだしたり、白昼堂々と王立銀行を襲ったかと思えば、夜陰に乗じて
邸宅に侵入をする。
貴族専門の盗賊であり、そしてメイジでもある。その盗み方は、繊細に屋敷に忍び込んだかと
思えば、別荘を粉砕して盗みだしたり、白昼堂々と王立銀行を襲ったかと思えば、夜陰に乗じて
邸宅に侵入をする。
行動パターンが全く読めないその手口に、トリステインの貴族は日夜震える毎日を過ごしている
という。フーケ対策として強力なメイジにより、宝物庫に「固定化」の魔法をかける貴族もいた。
しかしフーケの魔法は強力で、大抵の場合は「固定化」の魔法を物ともせずに自らの「錬金」によって
壁や扉を土くれへと変えてしまう。
という。フーケ対策として強力なメイジにより、宝物庫に「固定化」の魔法をかける貴族もいた。
しかしフーケの魔法は強力で、大抵の場合は「固定化」の魔法を物ともせずに自らの「錬金」によって
壁や扉を土くれへと変えてしまう。
ただでさえ強力な錬金の魔法を使うの加え、フーケの恐ろしさを別にある。忍び込むばかりではなく
力任せに屋敷を破壊する時には、巨大な土のゴーレムを使うのだ。その大きさは30メイルはあるとも
言われている。
力任せに屋敷を破壊する時には、巨大な土のゴーレムを使うのだ。その大きさは30メイルはあるとも
言われている。
城さえも壊せそうな巨大で強大なゴーレム。魔法衛士達の連隊を蹴散らし、白昼堂々と盗みを行った
事もある。
事もある。
正体は不明。性別さえもわかってはいない。分かっている事といえば、その錬金の魔法と巨大なゴーレム
から察するに、トライアングルクラスを越えるメイジである事。貴族にしか狙いを付けない事。奪い去った
財宝等を売り払い、平民達に分け与えているらしいとの事。貴族達からすれば憎き盗賊なのだが、一部の
平民達からは絶大な支持を受けているらしい・・・。
から察するに、トライアングルクラスを越えるメイジである事。貴族にしか狙いを付けない事。奪い去った
財宝等を売り払い、平民達に分け与えているらしいとの事。貴族達からすれば憎き盗賊なのだが、一部の
平民達からは絶大な支持を受けているらしい・・・。
そして、犯行を行った後、現場に残していくメッセージ・・・。そのメッセージの内容は貴族達の怒りを
さらに煽るには申し分ない内容なのである。
さらに煽るには申し分ない内容なのである。
ただ、ちょっとした金銀財宝より、マジックアイテムの類の宝物に狙いを定めている事が多い。
その日も、フーケは狙いを定めた秘宝の許へとやって来ていた。
その日も、フーケは狙いを定めた秘宝の許へとやって来ていた。
巨大な二つの月が五階に宝物庫がある魔法学院の本搭を照らしている。
二つの月の光がその前に立ちすさんでいる人影を浮かび上がらせていた。
そう、土くれのフーケである。フーケは、本搭の外壁を調べ、その感触に
舌打ちをした。
「さすがは天下に名高い魔法学院だね・・・。強固な固定化がかかっているわね。そして私へのあてつけの
様に厚い壁。これでは私の錬金でも、ゴーレムですら敗れそうにないね・・。」
二つの月の光がその前に立ちすさんでいる人影を浮かび上がらせていた。
そう、土くれのフーケである。フーケは、本搭の外壁を調べ、その感触に
舌打ちをした。
「さすがは天下に名高い魔法学院だね・・・。強固な固定化がかかっているわね。そして私へのあてつけの
様に厚い壁。これでは私の錬金でも、ゴーレムですら敗れそうにないね・・。」
そう呟くと腕を組み考え込むフーケ。
苦労して目的の物の近くまできたが、これではどうしようもない。
苦労して目的の物の近くまできたが、これではどうしようもない。
「さて・・・どうしようかねぇ・・・苦労した分、諦めが付かないね・・・。あの「爆炎の鎌閃」。
私のプライドにかけて奪ってやるさ・・・」
私のプライドにかけて奪ってやるさ・・・」
月の光を雲が隠したその一瞬。再び照らしたそこには、もう誰も居なかった。
その日も、ルイズとファウストはルイズの魔法についての研究を行っていた。
「ルイズさん。今までの実験等で分かった事が一つあります」
そう呟くと、ルイズの反応を待つファウスト。
「何なの?もったいぶらずに話してよね」
「ハイ・・・どうやらルイズさんの魔法は、失敗して爆発するという結果になっているのではなく
爆発するべく、構成が組み合わさっているようデスね」
不可解という表情を浮かべるルイズにファウストは鞄から黒板を取り出す。
チョークを用い、図を書き記しだした。
「つまりは、今まで一度も、貴女は失敗してはいなかったのですよ。ルイズさん。貴女の唱えた呪文の
構成は全て爆発するという結果を導き出す様に編まれていたのです」
「それって私の魔法はどうあっても爆発するって事じゃない・・・」
ファウストの話に顔を青くし、今にも泣き出しそうな表情を浮かべるルイズ。
「ルイズさん。今までの実験等で分かった事が一つあります」
そう呟くと、ルイズの反応を待つファウスト。
「何なの?もったいぶらずに話してよね」
「ハイ・・・どうやらルイズさんの魔法は、失敗して爆発するという結果になっているのではなく
爆発するべく、構成が組み合わさっているようデスね」
不可解という表情を浮かべるルイズにファウストは鞄から黒板を取り出す。
チョークを用い、図を書き記しだした。
「つまりは、今まで一度も、貴女は失敗してはいなかったのですよ。ルイズさん。貴女の唱えた呪文の
構成は全て爆発するという結果を導き出す様に編まれていたのです」
「それって私の魔法はどうあっても爆発するって事じゃない・・・」
ファウストの話に顔を青くし、今にも泣き出しそうな表情を浮かべるルイズ。
「誤解しないで下さいルイズさん。これはこの世界の魔法ではありえない事なのですよ。そのような話、調べた
結果、何処にも書いてありませんでした。即ち、今までに前例が無かった・・・そう・・・貴女の魔法は既存の
系統魔法では無い可能性があります」
「それって・・・・もしかしたら・・・失われた虚無・・・という事なの?」
「あくまで可能性ですがネ・・・。しかし今の所他に手がかりがない以上、そういう仮説を立てるしか無いようですね
。ただ、虚無に関しても何の手がかりもありません。とりあえず、貴女の魔法は爆発に特化した物とし、その方向で
アプローチをしていきましょう」
結果、何処にも書いてありませんでした。即ち、今までに前例が無かった・・・そう・・・貴女の魔法は既存の
系統魔法では無い可能性があります」
「それって・・・・もしかしたら・・・失われた虚無・・・という事なの?」
「あくまで可能性ですがネ・・・。しかし今の所他に手がかりがない以上、そういう仮説を立てるしか無いようですね
。ただ、虚無に関しても何の手がかりもありません。とりあえず、貴女の魔法は爆発に特化した物とし、その方向で
アプローチをしていきましょう」
ファウストのその仮説に、ルイズは度肝を抜く。今まで教師にさえ不可解だった自分の魔法に対し、異界の魔法を
使う自分の使い魔は大胆な発想をする。
今の所、彼の言うとおり自分の魔法に対して知っていくしかあるまい。
使う自分の使い魔は大胆な発想をする。
今の所、彼の言うとおり自分の魔法に対して知っていくしかあるまい。
「では早速、いつもの場所にて練習を行いましょう」
「そうね。悩んでいてもしかた無いわ。爆発してしまう魔法?ならその道を極めてやるわ!他は二の次よ!」
「そうね。悩んでいてもしかた無いわ。爆発してしまう魔法?ならその道を極めてやるわ!他は二の次よ!」
本搭の壁の前で立ち尽くしていたフーケは、誰かが近づいてくるのを感じ身を隠した。
少ししてそこに現れたのはルイズ、ファウストであった。
少ししてそこに現れたのはルイズ、ファウストであった。
「ではルイズさん。準備はよろしいですか?」
「ええ。いつでもいいわ」
「ルイズさん。貴女の魔法の構成は、収束している力が最後に広がってしまっています。これを最後まで収束した形に
出来れば、爆発をある程度は制御下における筈です。それではまず、いつものように魔法を唱えて下さい。
私がそれを修正していきます」
ルイズは、集中し呪文の詠唱を行う。気合を入れて杖を振った。
ドーンッ!!自らの背後から爆発音が聞こえた。
もう一度、とファウストはルイズへと指示を行う。それに従い再度詠唱を行うルイズ。
詠唱途中、ファウストがルイズの呪文の構成を軽く弄る。
「ええ。いつでもいいわ」
「ルイズさん。貴女の魔法の構成は、収束している力が最後に広がってしまっています。これを最後まで収束した形に
出来れば、爆発をある程度は制御下における筈です。それではまず、いつものように魔法を唱えて下さい。
私がそれを修正していきます」
ルイズは、集中し呪文の詠唱を行う。気合を入れて杖を振った。
ドーンッ!!自らの背後から爆発音が聞こえた。
もう一度、とファウストはルイズへと指示を行う。それに従い再度詠唱を行うルイズ。
詠唱途中、ファウストがルイズの呪文の構成を軽く弄る。
「あいやっ!?」
爆発はファウストの前で起こった。壁際の方へ吹き飛ぶファウスト。
「だ、大丈夫なのファウスト!?」
「えぇ・・・余裕ッチですよ。ルイズさん。今ので大体感じが分かりました。次で成功させます。
その感覚を体で覚えて下さい」
爆発はファウストの前で起こった。壁際の方へ吹き飛ぶファウスト。
「だ、大丈夫なのファウスト!?」
「えぇ・・・余裕ッチですよ。ルイズさん。今ので大体感じが分かりました。次で成功させます。
その感覚を体で覚えて下さい」
本搭の壁に的のようなものを描き、そこに集中して魔法を唱えるようにルイズへと言った。
ルイズは、意識を集中させると先ほどと同じように魔法の詠唱を行う。ファウストはそこに
法力による修正を行う。
ルイズは、意識を集中させると先ほどと同じように魔法の詠唱を行う。ファウストはそこに
法力による修正を行う。
ズドーーーーーンッ!!!という爆発音と共に、壁の的もろとも周囲にヒビが入った。
「やったわよファウスト!狙った通りできたわ!」
「グッド!!その感覚を忘れないようにして下さいネ。後は練習あるのみです」
「この調子でこれ以外の魔法を使えるようにして行きたいわね・・・・」
「やったわよファウスト!狙った通りできたわ!」
「グッド!!その感覚を忘れないようにして下さいネ。後は練習あるのみです」
「この調子でこれ以外の魔法を使えるようにして行きたいわね・・・・」
土くれのフーケは、その様子を一部始終見ていた。詳しい会話までは聞こえなかったが、ルイズの
起こした爆発で宝物庫の壁にヒビが入ったのを見届ける。
強固な錬金ですら防ぎきれない程の爆発。そのような魔法は聞いた事も見たこともない。ましてや
学院の生徒であるルイズがそれを使うなどとは想像も出来なかった。
起こした爆発で宝物庫の壁にヒビが入ったのを見届ける。
強固な錬金ですら防ぎきれない程の爆発。そのような魔法は聞いた事も見たこともない。ましてや
学院の生徒であるルイズがそれを使うなどとは想像も出来なかった。
フーケは考え込んでいたが、頭を振った。このチャンスを逃す事は出来ない、と。
フーケは呪文の詠唱を行った。長い詠唱が終わると、杖を大地に向けて振り薄く笑みをうかべた。
フーケは呪文の詠唱を行った。長い詠唱が終わると、杖を大地に向けて振り薄く笑みをうかべた。
大地が音を立て盛り上がる。土くれのフーケが本領を発揮したのだ。
魔法を成功させ、喜びに浸っていたルイズだが、その背後にて地面が音を立てて盛り上がる。
そう。土くれのフーケのゴーレムだ。
「!?ルイズさん!私の後ろに!!」
気付いたファウストは、急いでルイズを自らの後ろへとやる。
が、目の前の巨大なゴーレムは2人を無視しすると、その巨大な拳を振り
本搭の壁をぶち破った。その拳から全身をローブで隠した人物が降りたち、
何かを手に取ると、去っていった。去り際に壁に向かって杖を振っていく。
そう。土くれのフーケのゴーレムだ。
「!?ルイズさん!私の後ろに!!」
気付いたファウストは、急いでルイズを自らの後ろへとやる。
が、目の前の巨大なゴーレムは2人を無視しすると、その巨大な拳を振り
本搭の壁をぶち破った。その拳から全身をローブで隠した人物が降りたち、
何かを手に取ると、去っていった。去り際に壁に向かって杖を振っていく。
「一体なんだったんでしょう・・・。私たちに危害を加える様子は感じなかったのですが・・・」
「そうね・・・でも何かを持っていったわ。あそこは確か学院の宝物庫の筈だわ・・追わないと!」
「待って下さいルイズさん。すでにあのゴーレムの姿はありません。それに、何も考えずに
追うのは危険ですヨ」
「そうね・・・でも何かを持っていったわ。あそこは確か学院の宝物庫の筈だわ・・追わないと!」
「待って下さいルイズさん。すでにあのゴーレムの姿はありません。それに、何も考えずに
追うのは危険ですヨ」
悔しそうな表情のルイズを宥め、彼女を連れて部屋へと戻った。
翌朝、トリステイン魔法学院では朝から蜂の巣をつついたような騒ぎが続いていた。
巨大なゴーレムを使い、壁を破壊するといった大胆な方法で、秘宝である「爆炎の鎌閃」
を盗んでいったのだ。
宝物庫の前には学院の教師たちが集い、その惨状を呆然と見上げていた。
巨大なゴーレムを使い、壁を破壊するといった大胆な方法で、秘宝である「爆炎の鎌閃」
を盗んでいったのだ。
宝物庫の前には学院の教師たちが集い、その惨状を呆然と見上げていた。
壁には土くれのフーケの犯行声明が刻まれている。
「爆炎の鎌閃、確かに領収いたしました。土くれのフーケ」
教師たちは、皆好き勝手に喚いていた。
「この魔法学院に対してナメた事をしてくれたな!見つけ出し次第、成敗!!してくれる!!」
「衛兵は何をしておったのだ!」
「衛兵よりも、その日の当直の教師は何をしていたのだ!!」
教師たちは、皆好き勝手に喚いていた。
「この魔法学院に対してナメた事をしてくれたな!見つけ出し次第、成敗!!してくれる!!」
「衛兵は何をしておったのだ!」
「衛兵よりも、その日の当直の教師は何をしていたのだ!!」
ミスタ・ギトーは震え上がっていた。昨晩の当直は彼であった。まさか魔法学院に盗賊が現れるとは
夢にも思っていなかったのだ。昨日も当直室にひきこもり、自身が作曲している、最強たる風 の作詞
を行っていたのだ。本来なら学院の敷地内の巡回を行わなければならないのに。
「ミスタ・ギトー・・・昨夜の当直は貴方でありませんでしたか?」
ミセス・シュヴルーズがふとした疑問を口にだした。
周囲の教師たちはそれを聞きつけると、ミスタ・ギトーへとまくし立てた。
夢にも思っていなかったのだ。昨日も当直室にひきこもり、自身が作曲している、最強たる風 の作詞
を行っていたのだ。本来なら学院の敷地内の巡回を行わなければならないのに。
「ミスタ・ギトー・・・昨夜の当直は貴方でありませんでしたか?」
ミセス・シュヴルーズがふとした疑問を口にだした。
周囲の教師たちはそれを聞きつけると、ミスタ・ギトーへとまくし立てた。
ミスタ・ギトーは顔を真っ青にしながら呟きだした。
「最強たる我~それは風~・・・」
「何をブツブツと言っているのですか!?今は秘宝が盗まれた事に対して・・・」
「皆さん!少し落ち着いて・・・」
ミスタ・コルベールが皆を落ち着かせるべく話をしていると
そこにオールド・オスマンが現れた。
「最強たる我~それは風~・・・」
「何をブツブツと言っているのですか!?今は秘宝が盗まれた事に対して・・・」
「皆さん!少し落ち着いて・・・」
ミスタ・コルベールが皆を落ち着かせるべく話をしていると
そこにオールド・オスマンが現れた。
「皆の者今は責任を追求している時ではない。そもそもこの中でまともに当直をしたことがある者はいるのかね?」
教師たちは顔を見合わせると、顔を伏せた。
「これが現実じゃ。たまたまミスタ・キトーの時に事が起こっただけじゃ。責任があるとすれば我々全員じゃよ」
「キトーではなくギトーです・・・オールド・オスマン」
ギトーは、自らを庇ってくれたオスマンへと熱視線を浴びせた。
教師たちは顔を見合わせると、顔を伏せた。
「これが現実じゃ。たまたまミスタ・キトーの時に事が起こっただけじゃ。責任があるとすれば我々全員じゃよ」
「キトーではなくギトーです・・・オールド・オスマン」
ギトーは、自らを庇ってくれたオスマンへと熱視線を浴びせた。
「ワシをそんな目で見つめるでない。止めなさい・・・」
「オールド・オスマン・・・ポッ(///)]
「だぁー!?やめろっちゅうに!!話を戻すぞ。賊は大胆にもこの魔法学院へ盗みに入った。誰が魔法学院に好き好んで
盗みにはいる者がおるかと思っておったがそれは間違いじゃった。現に奴は、我々の裏をかくように、「爆炎の鎌閃」
を盗んでいきおった」
オールド・オスマンは周囲の様子を見渡し告げた。
「オールド・オスマン・・・ポッ(///)]
「だぁー!?やめろっちゅうに!!話を戻すぞ。賊は大胆にもこの魔法学院へ盗みに入った。誰が魔法学院に好き好んで
盗みにはいる者がおるかと思っておったがそれは間違いじゃった。現に奴は、我々の裏をかくように、「爆炎の鎌閃」
を盗んでいきおった」
オールド・オスマンは周囲の様子を見渡し告げた。
「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
「ミス・ヴァリエールと、その使い魔のミスタ・ファウストです」
コルベールが歩み出て、後ろに控えていたルイズを指し示す。
「ミス・ヴァリエールと、その使い魔のミスタ・ファウストです」
コルベールが歩み出て、後ろに控えていたルイズを指し示す。
「君達か・・・」
オスマンは興味深そうにファウストを見つめると、ルイズへと視線を移した。
「では、ミス・ヴァリエール。説明してくれたまえ」
ルイズは歩み出ると、見たままを説明した。
「ほう・・・すると奴は、君たちには目もくれず秘宝だけを奪い去っていったのじゃな?」
「その通りです。申し訳ありません」
「いいのじゃよ。君は何も悪くは無いのじゃよ。そうか・・・後を追おうにも手がかりは無しか・・・」
オスマンは興味深そうにファウストを見つめると、ルイズへと視線を移した。
「では、ミス・ヴァリエール。説明してくれたまえ」
ルイズは歩み出ると、見たままを説明した。
「ほう・・・すると奴は、君たちには目もくれず秘宝だけを奪い去っていったのじゃな?」
「その通りです。申し訳ありません」
「いいのじゃよ。君は何も悪くは無いのじゃよ。そうか・・・後を追おうにも手がかりは無しか・・・」
それからオールド・オスマンは気付いたようにコルベールに尋ねた。
「そういえば、ミス・ロングビルの姿が見えんのじゃが・・・」
「はい・・・朝から姿を見かけません・・・」
「この非常時に、どこに言ったんじゃろう・・・」
「そういえば、ミス・ロングビルの姿が見えんのじゃが・・・」
「はい・・・朝から姿を見かけません・・・」
「この非常時に、どこに言ったんじゃろう・・・」
そんな噂をしていると、ミス・ロングビルが現れた。
「遅れて申し訳ありません。先ほどまで調査をしておりましたので」
「調査?」
「はい。件の土くれのフーケに関してです」
「さすがはワシの秘書。仕事が早いのぅ・・・それで何か分かったかね?」
「フーケと思わしき人物の目撃情報が掴みました」
「「な、なんだってー!?」」
「ほう。それで何処までわかったのじゃね?」
「情報によりますと、近くの森の廃屋に入っていく人間を目撃したそうです。全身をローブで覆っていたため
よく覚えていたそうです」
「遅れて申し訳ありません。先ほどまで調査をしておりましたので」
「調査?」
「はい。件の土くれのフーケに関してです」
「さすがはワシの秘書。仕事が早いのぅ・・・それで何か分かったかね?」
「フーケと思わしき人物の目撃情報が掴みました」
「「な、なんだってー!?」」
「ほう。それで何処までわかったのじゃね?」
「情報によりますと、近くの森の廃屋に入っていく人間を目撃したそうです。全身をローブで覆っていたため
よく覚えていたそうです」
ルイズが叫んだ。
「それがフーケです!昨日私達が見た人間も全身をローブで隠していました!!」
オールド・オスマンは目を鋭くして、ミス・ロングビルに尋ねた。
「そこは近いのかね?」
「徒歩で半日、馬なら4時間といったところです」
「そうか・・・。ならば探索隊を編成し、フーケを捕まえようと思うものは杖を掲げよ」
「それがフーケです!昨日私達が見た人間も全身をローブで隠していました!!」
オールド・オスマンは目を鋭くして、ミス・ロングビルに尋ねた。
「そこは近いのかね?」
「徒歩で半日、馬なら4時間といったところです」
「そうか・・・。ならば探索隊を編成し、フーケを捕まえようと思うものは杖を掲げよ」
誰も杖を掲げない。皆、お互いの顔を見ては困った顔をしている。
「何じゃ?皆、口ばかり達者なようじゃのう?フーケを捕まえようと思う貴族はおらんのか?」
ルイズは教師たちの様子を見つめていたが、すっと杖を掲げた。
「ミス・ヴァリエール!?君は生徒じゃないか?いくら目撃者とはいえ・・・」
「そんなこと関係ありません!学院の窮地に立たずして何が貴族といえますか!!それに今回の原因は・・・」
まくし立てるルイズをファウストは後ろへとやった。
「ルイズさんの使い魔のファウストと申します。今回、盗賊が押し入る前、私があの搭の壁にヒビを入れてしまった
のです。それが無ければあの壁を破られる事は無かったかもしれません」
「ファウス・・・」
怒鳴ろうとしたルイズへと小言で告げた。
「シッ・・・アレは秘密にしておいた方がいいと思います・・・・・・。学院長さん、今回の件、我が主と共に私も
参加させて頂きたいデス」
「何じゃ?皆、口ばかり達者なようじゃのう?フーケを捕まえようと思う貴族はおらんのか?」
ルイズは教師たちの様子を見つめていたが、すっと杖を掲げた。
「ミス・ヴァリエール!?君は生徒じゃないか?いくら目撃者とはいえ・・・」
「そんなこと関係ありません!学院の窮地に立たずして何が貴族といえますか!!それに今回の原因は・・・」
まくし立てるルイズをファウストは後ろへとやった。
「ルイズさんの使い魔のファウストと申します。今回、盗賊が押し入る前、私があの搭の壁にヒビを入れてしまった
のです。それが無ければあの壁を破られる事は無かったかもしれません」
「ファウス・・・」
怒鳴ろうとしたルイズへと小言で告げた。
「シッ・・・アレは秘密にしておいた方がいいと思います・・・・・・。学院長さん、今回の件、我が主と共に私も
参加させて頂きたいデス」
「あの壁を・・・君が・・・かね?」
暫くファウストを見つめたオスマン氏であったが、納得したかのようにファウストへと話かけた。
「直接の原因ではなかったかもしれぬが・・・行ってくれるのかね?」
「ええ・・・もちろ・・・」
暫くファウストを見つめたオスマン氏であったが、納得したかのようにファウストへと話かけた。
「直接の原因ではなかったかもしれぬが・・・行ってくれるのかね?」
「ええ・・・もちろ・・・」
部屋の扉が勢いよく開けられたかと思うと、中に生徒が2人入ってきた。
キュルケとタバサである。
キュルケとタバサである。
「お待ち下さい学院長!その任。私も参加させて頂きたいですわ!」
「キュルケ!?どうしてアンタが・・・」
「貴女が朝から学院長室へ入っていくのを見かけてね・・・。面白いことかと思って覗いてたのよ」
そういい、自らの杖を掲げた。
タバサも彼女に習うように掲げる。
「タバサ。貴女はいいのよ?関係ないのだから」
キュルケがそういうと、タバサは答えた。
「心配。それにこの子も行きたがってる」
ひょこっとちびファウスト君が前にでた。ファウストと見つめあっている。
キュルケとルイズは感動した面持ちで、タバサにお礼を言った。
「ありがとう・・・」
その様子をみたファウストはオスマン氏の方へと向き合う。
「よし。それでは君達にフーケを捕まえる任を与える。ミス・ロングビル。彼女等を案内してやってくれ」
「キュルケ!?どうしてアンタが・・・」
「貴女が朝から学院長室へ入っていくのを見かけてね・・・。面白いことかと思って覗いてたのよ」
そういい、自らの杖を掲げた。
タバサも彼女に習うように掲げる。
「タバサ。貴女はいいのよ?関係ないのだから」
キュルケがそういうと、タバサは答えた。
「心配。それにこの子も行きたがってる」
ひょこっとちびファウスト君が前にでた。ファウストと見つめあっている。
キュルケとルイズは感動した面持ちで、タバサにお礼を言った。
「ありがとう・・・」
その様子をみたファウストはオスマン氏の方へと向き合う。
「よし。それでは君達にフーケを捕まえる任を与える。ミス・ロングビル。彼女等を案内してやってくれ」
分かりましたとミス・ロングビルは告げ、ルイズ達を馬車へと案内した。