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Jackal00

 アルビオン軍七万を前に、たった一人の男が立ち塞がった。
 その姿を使い魔の眼で見たメイジは、その姿を滑稽に思った。見慣れない形の白い鎧を纏ったその姿。あれではロクに動けまいと、完全に侮っていた。同時に、罠の可能性を疑った。
 それを上官に報告すると、
「総員戦闘用意!」
 の掛け声が瞬時にかけられた。
 彼は偵察兵は上官──総指揮官の顔が汗だくなのを不思議に思いながら下がった。
 そして────死神が動き出す。
 偵察兵が先程まで見ていた鎧が消え、数瞬後に使い魔とのリンクが切れた。何が起きたのか判らない彼は、「敵襲!」の声と同時に自分の使い魔が死んだ事に考えが至る前に、使い魔と同じ運命を辿った。



 ハイパー・ヴェロシティ・アームガン。初撃でレールガンを放ち、その男は七万の兵に切り込んだ。60口径徹甲重機関銃を性格に撃ち、肉薄する。
 『戦場の死神』と称される化物じみた身体能力、それにSAAと呼ばれる強化装甲服、更にガンダールヴの能力。たとえメイジだろうとトロル鬼だろうと敵う筈がない。
 接近戦に持ち込み、戦闘スタイルをハンドガンと剣にスイッチする。喋る剣の言葉を無視して、残像すら残る機動で中~遠距離からの攻撃をかわし、近距離の兵士からは攻撃される前に殺す。
 彼の通る後には屍しか残らない。



「あれは……何なのですか!」
 最初に鎧の男を見つけた偵察兵が総指揮官に訊く。トライアングルであり精鋭であった彼らは、最後の砦として総指揮官の周りに集められた。
「ニューカッスル攻城戦を覚えているか?」
「いえ、私は後方で孤立した一群を叩いていましたから……」
「戦艦で援護砲撃しつつ、ニューカッスル城に一万の兵士を突入させた。しかし、誰も城内に入れなかった。たった一人の兵士が、見慣れぬ白い鎧を着た兵士が城門を護っていたからだ。彼は残像すら残る速さで我が軍を翻弄し、オグル鬼やトロル鬼すら斬り伏せ……一万の兵を、」

 殲滅した。

「半刻も経たず全滅した。艦砲で撃っても爆風すら当たらない。私はそれを艦上で見ていた。そして奴は……腕を挙げ……戦艦を沈めた。私も生きているのが不思議なくらいだ。甲板から艦底まで、隕石に貫かれた様な大穴が空いていた」
 一呼吸置き、
「ベッドの上で、タルブ侵攻戦の結果を聞いた時、戦慄したよ。奴は報告書にすら『トリステインの白き死神』やら『ジェノサイド』やらと記述されていた」
「ジェノサイド、とは?」
 遠くで味方が蹴散らされるのを見ながら、半ば諦めた様に答えた。
「異世界の古代語で、『大量殺戮』という意味らしい。現にタルブ侵攻戦に参加して、帰ってきた者はいない。死んだか、逃げたか。何れにせよ、二度と我が軍には戻ってこれるまい」
 総指揮官は、溜め息を一つ吐いた。そして息を吸い、宣言する。
「総員撤退!可能な限り逃げろ!」
 その命令は、今までのどんな命令より速く全軍に伝わったという。



 彼は一気に逃げる軍を見ていた。
 今回の任務は味方が撤退できるまでの時間稼ぎだ。敵が壊走している今、戦う必要は無い。
「こちらジャッカル00。作戦完了。オーバー」
「よかったわグラハルト!無事なのね!」
 無線越しにはしゃぐ少女の声が聞こえる。遠くで参謀らしき男の声がするが、全く意に介していない。
「すぐに戻る」
「相変わらず無愛想ね」
「相変わらず騒がしいな」
 皮肉る。これならサヤを相手にしていた方が楽だ。
「使いを寄越すわ。早く戻ってきて」
「00了解」
 暫くして降りてきた竜に乗り、彼は主(本人は認めていないが)の元へ戻るべく、飛んだ。

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