「まぁ、気にすんなよルイズ」
あの後、魔法失敗の責任として2人は教室の後片付けを申し付けられていた
…もっとも、片付けが必要だったのは魔法が直撃した少年の机周辺(しかもほとんどの被害が
少年に回っていた)だったため、1、20分ほどで終わっていたが
ちなみに今2人は、昼食をとるため食堂へ向かって廊下を歩いている最中である
あの後、魔法失敗の責任として2人は教室の後片付けを申し付けられていた
…もっとも、片付けが必要だったのは魔法が直撃した少年の机周辺(しかもほとんどの被害が
少年に回っていた)だったため、1、20分ほどで終わっていたが
ちなみに今2人は、昼食をとるため食堂へ向かって廊下を歩いている最中である
「…ほっといてよ」
ふてくされているルイズに慰めの言葉を送ったマタドーラだったが
帰ってきたのは、そんなそっけない返事だった
ふてくされているルイズに慰めの言葉を送ったマタドーラだったが
帰ってきたのは、そんなそっけない返事だった
ドラが使い魔 「努力と根性、略して…」中編
「ゼロ」のルイズ
それが彼女のあだ名だった
「フライ」を使うと爆発
「レビテーション」を使っても爆発
「錬金」をしてもなぜか爆発
どんな魔法を使おうと、起きるのは爆発のみ
落ちこぼれで才能無しの「ゼロ」
それを本人から聞いたとき、マタドーラは複雑な気持ちだった
落ちこぼれで才能無しの「ゼロ」
それを本人から聞いたとき、マタドーラは複雑な気持ちだった
しばらく沈黙を保ったまま廊下を歩く
「…俺も、さ」
先に口を開いたのはマタドーラだった
先に口を開いたのはマタドーラだった
「落ちこぼれ、って言われてたときがあったんだ」
怪訝な顔をして自分を見るルイズに構わずマタドーラは言葉を続ける
怪訝な顔をして自分を見るルイズに構わずマタドーラは言葉を続ける
「俺は、馬鹿力だけがとりえでさ。あとはほとんど駄目で、ほかの奴らから
馬鹿にされてたときがあって。でも、そいつらをぶっ飛ばそうとするのもなんか違うと思ってさ
どうしようか、って思ったときに心の支えになってくれたのが2つあるんだ」
「2つ?」
「そう、1つは「親友」だな。俺とおんなじで、ドジで、間抜けな失敗ばっかりしてたけど
一度決めたことは何が何でもとことんやるような奴らでさ」
笑いながらどこか遠くを見つめるエル・マタドーラ
馬鹿にされてたときがあって。でも、そいつらをぶっ飛ばそうとするのもなんか違うと思ってさ
どうしようか、って思ったときに心の支えになってくれたのが2つあるんだ」
「2つ?」
「そう、1つは「親友」だな。俺とおんなじで、ドジで、間抜けな失敗ばっかりしてたけど
一度決めたことは何が何でもとことんやるような奴らでさ」
笑いながらどこか遠くを見つめるエル・マタドーラ
「ふうん…で、もう1つは?」
「ああ、それはな…」
「ああ、それはな…」
と、そこに
「―――!!」
食堂からのわめき声が聞こえてきた
「? 何かしら」
「…行ってみようぜ」
首を傾げるルイズと、何かいやな予感がしたマタドーラは食堂へと急いだ
「…行ってみようぜ」
首を傾げるルイズと、何かいやな予感がしたマタドーラは食堂へと急いだ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「君のせいで2人の女性が傷ついてしまった。どうしてくれるんだね!」
「も、申し訳ありません!申し訳ありません!」
涙混じりに謝るシエスタに、容赦なく怒りをぶつける貴族の少年
「も、申し訳ありません!申し訳ありません!」
涙混じりに謝るシエスタに、容赦なく怒りをぶつける貴族の少年
二人が食堂に着いたとき目にしたのはそんな光景だった
「…一体何があったんだ?」
「さあ…?」
首をかしげる二人がそばにいた生徒に尋ねてみると
こんな答えが返ってきた
曰く、
「さあ…?」
首をかしげる二人がそばにいた生徒に尋ねてみると
こんな答えが返ってきた
曰く、
- 貴族の少年(ギーシュと言うらしい)がポケットから香水を落とした
- それをシエスタが拾い、なんだかんだで二股がばれてひどい目にあった
- で、今現在「こうなったのは君が香水を拾ったせいだ」とシエスタに怒鳴り散らしている
ということ
「…まんま八つ当たりじゃない、それ」
「…だな」
そう言って二人は呆れたような…いや、実際呆れた顔で今もシエスタに怒鳴りつけている
ギーシュを見た
「…だな」
そう言って二人は呆れたような…いや、実際呆れた顔で今もシエスタに怒鳴りつけている
ギーシュを見た
「…ったくしょうがねぇなぁ」
そう言って、マタドーラは騒ぎのも元へ駆け出す
そう言って、マタドーラは騒ぎのも元へ駆け出す
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
ルイズもそのあとに続いた
ルイズもそのあとに続いた
「ええい、大体君g」
「そこまでにしときな、セニョール」
ギーシュの言葉をさえぎって、マタドーラが犬耳メイドの前に立つ
「そこまでにしときな、セニョール」
ギーシュの言葉をさえぎって、マタドーラが犬耳メイドの前に立つ
「マタドーラさん…!」
「何だね君は。人が話をしているときに…」
「どーでもいいよ、ンなこと」
彼はギーシュの文句を一言であっさりと切り捨てる
「何だね君は。人が話をしているときに…」
「どーでもいいよ、ンなこと」
彼はギーシュの文句を一言であっさりと切り捨てる
「な、何ぃ?」
「大体テメェが二股なんかするからこうなったんじゃねえか
シエスタに怒るのはお門違いって奴だぜ」
あっさりと切り捨てられ動揺するギーシュにマタドーラはそう言葉を続ける
「大体テメェが二股なんかするからこうなったんじゃねえか
シエスタに怒るのはお門違いって奴だぜ」
あっさりと切り捨てられ動揺するギーシュにマタドーラはそう言葉を続ける
「そうだギーシュ、お前が悪い!」
「君は黙っていたまえマリーアントワネット」
「そうだお前は黙ってろマリオブラザーズ」
横から口を出してきた生徒(何故か包帯のぐるぐる巻きだった)がいたが
軽くいなして睨み合うギーシュとマタドーラ
「僕はマリコルヌだぁ!」という声が聞こえたが二人は無視した
「君は黙っていたまえマリーアントワネット」
「そうだお前は黙ってろマリオブラザーズ」
横から口を出してきた生徒(何故か包帯のぐるぐる巻きだった)がいたが
軽くいなして睨み合うギーシュとマタドーラ
「僕はマリコルヌだぁ!」という声が聞こえたが二人は無視した
「…思い出したぞ。君はミス・ヴァリエールが召喚した…
どうやら君は、貴族に対する礼儀を知らないようだな」
「ああ、知らないね。もし知っててもテメェみたいなスネちゃま野郎には
そんな態度取る気もないがな」
「…っ!良かろう、そういう態度を取るのなら…」
「どうしようってんだ?」
ギーシュの言葉にニッ、と笑ってそう言うエル・マタドーラ
どうやら君は、貴族に対する礼儀を知らないようだな」
「ああ、知らないね。もし知っててもテメェみたいなスネちゃま野郎には
そんな態度取る気もないがな」
「…っ!良かろう、そういう態度を取るのなら…」
「どうしようってんだ?」
ギーシュの言葉にニッ、と笑ってそう言うエル・マタドーラ
「決闘だ!君に決闘を申し込む!」
そう宣言するギーシュに
そう宣言するギーシュに
「やだね」
と、そっけなく答えた
と、そっけなく答えた
「………………………………は?」
間抜け面でポカンと口を開けたままギーシュは固まった
間抜け面でポカンと口を開けたままギーシュは固まった
「やだって言ったんだよ。決闘とかは嫌いじゃないが、お前みたいな奴の相手は御免被るね
…さ、行こうぜシエスタ」
「で、でも…」
「いいからいいから、あんなの放っとけばいいさ」
そう言って戸惑うシエスタの手を引いてそこを去ろうとしたとき
…さ、行こうぜシエスタ」
「で、でも…」
「いいからいいから、あんなの放っとけばいいさ」
そう言って戸惑うシエスタの手を引いてそこを去ろうとしたとき
「…は、ハハハ、逃げるのか。そうか…
やっぱり「ゼロ」のルイズが召喚した使い魔などこんなものか!」
その言葉がマタドーラの耳に入るのと、彼の目に同じくその言葉を聞いて
苦虫をかみ締めるような顔をした自分の主人を見て
苦虫をかみ締めるような顔をした自分の主人を見て
「―― テメェ、今なんて言いやがった」
怒りも露に振り向いた
怒りも露に振り向いた