通称「ゼロ」ことルイズ・フランソワ-ズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエ-ルはひきつっていた。
昇級試験を兼ねた「春の使い魔召喚儀式」において自分が呼び出したのは平民だった。
妙に引き締まった服装をして黒い髪を肩のあたりで切りそろえた女性。
妙に引き締まった服装をして黒い髪を肩のあたりで切りそろえた女性。
無言で担任教師コルベールを見やる。
せんせい、お願いですからやり直させてください
無言で出来の悪い、しかしそれ故可愛がってる生徒に目をやるコルベール。
駄目 召喚は神聖な儀式なのだから これまで何回もやり直しを認めただけでも感謝しなさい
うるせぇハゲチャビン とっとともう一回認めろ 昔から言うだろが『泣きの一回』って
馬鹿言ってんじゃねーのですこのウスラトンカチ 『泣きの一回』何度認めたと思ってんださっさと契約しろ
視線だけで交わされた会話(というか口喧嘩)を諦めると、ルイズは平民に『コントラクト・サーヴァント』を行う。
彼女の胸に浮かび上がった謎の紋章。
「・・・・・・・・・・・・というワケだから帰還とか戸棚のオヤツとかはあきらめなさい。
で、アンタ何よ」
「それはこちらが聞きたいのだけど、まあそれは置いておいてまずは自己紹介ね。
私の名はベアトリーチェ。
ベアトリーチェ・パスコリよ、ご主人様」
彼女の胸に浮かび上がった謎の紋章。
「・・・・・・・・・・・・というワケだから帰還とか戸棚のオヤツとかはあきらめなさい。
で、アンタ何よ」
「それはこちらが聞きたいのだけど、まあそれは置いておいてまずは自己紹介ね。
私の名はベアトリーチェ。
ベアトリーチェ・パスコリよ、ご主人様」
数日後
「決闘だぁ!
ギーシュと『ゼロのルイズ』の使い魔が決闘だぞぉ!」
「レディ、正直女性を傷つけるのは薔薇としては望むとこじゃないのだよ。
ここはおとなしく降参し、過ちを認めて貰えれば皆が幸せになれるんだ。
ついでに君も幸せにしてあげよう」
「ふふっ」
薄く微笑んだベアトリーチェは、開始の合図の前にギーシュに近寄り、耳元に何かをぼそりと囁きかける。
見る間に真っ青になっていくギーシュ。
すると突然ペタリと地面に座り込み、ベアトリーチェに土下座をはじめる。
「僕が、僕が僕が悪かった、悪かったです!
どうか勘弁してください!」
周囲が呆然と見守る中、ベアトリーチェは薄く微笑むのでした。
「決闘だぁ!
ギーシュと『ゼロのルイズ』の使い魔が決闘だぞぉ!」
「レディ、正直女性を傷つけるのは薔薇としては望むとこじゃないのだよ。
ここはおとなしく降参し、過ちを認めて貰えれば皆が幸せになれるんだ。
ついでに君も幸せにしてあげよう」
「ふふっ」
薄く微笑んだベアトリーチェは、開始の合図の前にギーシュに近寄り、耳元に何かをぼそりと囁きかける。
見る間に真っ青になっていくギーシュ。
すると突然ペタリと地面に座り込み、ベアトリーチェに土下座をはじめる。
「僕が、僕が僕が悪かった、悪かったです!
どうか勘弁してください!」
周囲が呆然と見守る中、ベアトリーチェは薄く微笑むのでした。
「ワルド!
あなた、レコンキスタだったのね!
最初から・・・・・・・・最初から」
血を吐くかのごとき絶叫を眉すら動かす事無く聞き流す一人の男。
剣の腕、魔力、権力に顔立ち、もうそれだけで人生勝ち組な彼の名はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
にもかかわらず更なるものを求めてレコン・キスタへと身を投じた。
王子暗殺の最初の一撃を、しかしかわされて今現在、許婚の使い魔と対峙していた。
「悪い事は言わないわ、ワルド君。 おとなしく降伏なさい。
さもないと後悔するわよ、心底」
「おやおや、わが婚約者の使い魔は随分大言壮語がお得意のようだ。
魔法も使えない分際でこのジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドに
後悔させる事が出来る物ならやってみるがいい」
その言葉に、懐から一枚の髪を取り出すベアトリーチェ。
にやりと笑うと、紙にかいてある文章の朗読をはじめる。
あなた、レコンキスタだったのね!
最初から・・・・・・・・最初から」
血を吐くかのごとき絶叫を眉すら動かす事無く聞き流す一人の男。
剣の腕、魔力、権力に顔立ち、もうそれだけで人生勝ち組な彼の名はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
にもかかわらず更なるものを求めてレコン・キスタへと身を投じた。
王子暗殺の最初の一撃を、しかしかわされて今現在、許婚の使い魔と対峙していた。
「悪い事は言わないわ、ワルド君。 おとなしく降伏なさい。
さもないと後悔するわよ、心底」
「おやおや、わが婚約者の使い魔は随分大言壮語がお得意のようだ。
魔法も使えない分際でこのジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドに
後悔させる事が出来る物ならやってみるがいい」
その言葉に、懐から一枚の髪を取り出すベアトリーチェ。
にやりと笑うと、紙にかいてある文章の朗読をはじめる。
「『しょうらいのゆめ
三年ワイバーン組、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド
ぼくは、おおきくなったら「わー!わーわーわーわー!わー!何なんだそれは一体!」
「貴方が子供の頃書いた作文よ。
(しばらく読んで)あらまぁ、随分と素敵な夢ねぇ」
「うるさいうるさいうるさい!卑怯じゃないか!」
「貴方達貴族が魔法を使って戦うように、私はこの(人差し指で自分の側頭部をつつく)頭脳を使うのよ
まさか卑怯なんて言わないわよね?」
「ぐぅ・・・・・・」
「さてそれじゃあ第二段!
ワルドさんが七歳のとき『烈風カリン』さんに送ったラブレターを朗読しましょうか」
「やめんか!」
「あらそお?残念ね
じゃあ十二歳のときエレオノールさんに「判った!悪かった!謝るから勘弁してくれぇ!」 あら残念」
三年ワイバーン組、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド
ぼくは、おおきくなったら「わー!わーわーわーわー!わー!何なんだそれは一体!」
「貴方が子供の頃書いた作文よ。
(しばらく読んで)あらまぁ、随分と素敵な夢ねぇ」
「うるさいうるさいうるさい!卑怯じゃないか!」
「貴方達貴族が魔法を使って戦うように、私はこの(人差し指で自分の側頭部をつつく)頭脳を使うのよ
まさか卑怯なんて言わないわよね?」
「ぐぅ・・・・・・」
「さてそれじゃあ第二段!
ワルドさんが七歳のとき『烈風カリン』さんに送ったラブレターを朗読しましょうか」
「やめんか!」
「あらそお?残念ね
じゃあ十二歳のときエレオノールさんに「判った!悪かった!謝るから勘弁してくれぇ!」 あら残念」
そして数年後
どたどたとジョゼフ王の私室に踏み込むイザベラ王女。
「お父様!なぜあのガーゴイル娘を処刑してはいけないのですか!
あいつ最近あたしの言う事聞かないのよ!
つまりガリア王家に反逆してるって事じゃない!」
「落ち着けイザベラ。
いまシャルロットに手は出せん」
「何故ですの!」
「シャルロットが知り合いと立ち上げた『RKTG株式会社』。
株式という経済運営システムも素晴らしいものだが、いまその会社は
このハルケギニアの経済、物資運営、情報流通をほぼ完璧に制御している。
それはガリアであってもそれは変わらぬ。
もはやハルケギニアで五人以上人間が集まって何かをしようとするならRKTGの
意向を無視することは出来んのだ。
あやつらの触手はもはやエルフどもの評議会にまで食い込んでおるようだ」
怒りを隠す事無く自室へと引き上げる娘の後姿を見ようともせず、ハルケギニア全域から送られた情報の束を見やるジョゼフ。
「そう・・・・・・・もはや戦争は、いや国の運営は権力ではなく魔法でもない、情報によって行われる。
それを理解しているようだな、ヴァリエール家の娘の使い魔とやらよ。
お前は・・・・・・・・・・・・・私を楽しませてくれるのだな。
こんなに心が躍るのはシャルルとのチェス以来、ひさしぶりだ ふっふっふっふ・・・・・・・・・・・・」
どたどたとジョゼフ王の私室に踏み込むイザベラ王女。
「お父様!なぜあのガーゴイル娘を処刑してはいけないのですか!
あいつ最近あたしの言う事聞かないのよ!
つまりガリア王家に反逆してるって事じゃない!」
「落ち着けイザベラ。
いまシャルロットに手は出せん」
「何故ですの!」
「シャルロットが知り合いと立ち上げた『RKTG株式会社』。
株式という経済運営システムも素晴らしいものだが、いまその会社は
このハルケギニアの経済、物資運営、情報流通をほぼ完璧に制御している。
それはガリアであってもそれは変わらぬ。
もはやハルケギニアで五人以上人間が集まって何かをしようとするならRKTGの
意向を無視することは出来んのだ。
あやつらの触手はもはやエルフどもの評議会にまで食い込んでおるようだ」
怒りを隠す事無く自室へと引き上げる娘の後姿を見ようともせず、ハルケギニア全域から送られた情報の束を見やるジョゼフ。
「そう・・・・・・・もはや戦争は、いや国の運営は権力ではなく魔法でもない、情報によって行われる。
それを理解しているようだな、ヴァリエール家の娘の使い魔とやらよ。
お前は・・・・・・・・・・・・・私を楽しませてくれるのだな。
こんなに心が躍るのはシャルルとのチェス以来、ひさしぶりだ ふっふっふっふ・・・・・・・・・・・・」
「王様の仕立て屋」ジラソーレ社創立メンバーのひとり「ベアトリーチェ・パスコリ」
通称「オカッパ」です
通称「オカッパ」です