あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズの魔龍伝-01


1.ゼロに喚ばれし「ゼロ」


少女は夢を見ていた


今まで見たことの無い夢
稲光が走る雷雲の中、巨大な黒い龍が飛んでゆく

そして、その龍の背に乗っている少女

「(私は…どこへ行くのだろう)」
少女の想いを乗せて、黒い龍は雷雲の中を飛んで行った……

“彼”は目の前の状況を理解しようとしても到底出来るものではなかった。

「(人間…の少女?何だ?周りの奴も似たような格好…制服…?学校か何か?)」

旅の途中、目の前に突如現われた鏡のような物体。
異様な雰囲気に敵の罠かと思い剣をとっさに抜き斬りかかったら、
突如光が視界を覆い尽くし気づくとこの風景である。
抜けるような青空、そよぐ平原、後ろにそびえる大きく荘厳な建造物。
そして目の前にいるブラウスでスカート姿、マントに小さな杖を持った桃色の髪の少女。
その後ろにいる桃髪の少女と同じような格好の大勢の少年少女。

「ルイズの奴、変なゴーレムを召喚しちまったぞ!」
「でもなんか小さいな…こんなチビゴーレム見た事無いぜ」
「出来損ないが召喚するからこうなるんだよ、ルイズの奴にはお似合いのチビだな!」

後ろにいる少年少女の笑い声が聞こえる。
一体何がどうなっているやら、この状況を知るために彼は近くの少女に話しかけた。

「そこの少女、ここは一体どこだ?」
「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しを要求します!もう一回だけ!」
「それは出来ない相談だミス・ヴァリエール。いいかい?このサモン・サーヴァントは
全ての生徒が二年生に進級する際に行う儀式であり使い魔を召喚する事なんだ。」
召喚、と少女と話していた禿頭の男性が言っていたのを彼ははっきりと聞いた。

「…おい」

「ですが!」
「くどいぞミス・ヴァリエール、ゴーレムでも呼び出したものは使い魔。
君と一生を共にするのだ、やり直しも当然利かない事は勤勉な貴女が良く知っているはずでしょう。」

「おい!」

「同級生にあそこまで言われてるんですよ!私は出来損ないのままではいたくないんです!」
「伝統は伝統、曲げる事は出来ない。さぁサモン・コントラクトを行いなさい。」
「えぇー!?」

「人の話を聞け!!」

彼が一喝するとミス・ヴァリエール、もしくはルイズと呼ばれた少女に
ミスタ・コルベールと呼ばれた禿頭の男性、それと後ろで騒ぎ立てていた少年少女。
全てが急に雷に打たれた様に黙ってしまった。
「人を召喚!?ふざけるのも大概にしろ!俺は魔物や幻獣じゃない!ましてやゴーレムでもな!
それを何だ!勝手に呼び出してこちらの都合のお構いもなしに話を進めて!
まず呼び出したらそっちの名前を名乗って状況の説明ぐらいしてみろ!」

「え、あ…」

少女は正直混乱していた。呼び出した変なゴーレムが急に、しかも大声で喋ったのだ。
数回の失敗を重ねてやっと召喚したその使い魔がこれである。
昨夜の晩、黒い龍に乗った夢を見たのでれっきとした根拠とは言いがたいがかなりの自信もあった。
万感の想いを込めて召喚したその使い魔が、これなのである。
いきなり状況を説明しろだの俺はゴーレムではないだの、一体何がなにやら。
が、気圧されてるままというのは彼女のプライドが許さない。
「そそっ、そうね!使い魔に基礎的な知識を教えるのも主人の勤めよね!」

「(使い魔って何だ、俺は誰かに使役されるとでもいうのか!)」
彼はそう言おうと思ったがとりあえず状況を聞くだけ聞いてみる事に決めて黙り込んだ。
「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、名門公爵家である
ヴァリエール家の三女よ、以後あんたのご主人様として私に従ってもらうからね。
そしてここはかの有名なトリステイン魔法学院、メイジを数多く輩出している名門中の名門ね!」
「おい、今“ご主人様として私に従ってもらう”と言ったな?」
「そうよ、召喚したあんたは私と契約して使い魔になるの、お分かりゴーレムさん」
「ふ…」
「ふ?」
「ふざけるなッ!!」
「ひゃぁっ!!」
桃髪の少女、ルイズの前で腕組みをした彼は一喝した。
「貴族だか何だか知らんが俺はそんなものに従う義理もなければ理由も無い、さらばだ」
ぽかんとする一堂を置いて彼は彼女達を背に歩き出す。
「ちょ、ちょっとどこ行くのよ!」
「旅の続きをする、ラクロア王国のある方角はどこだ?」
「ラクロアぁ?そんな国小国でも聞いた事無いわよ、アンタどっから来たのよ?」
「俺の方こそ聞くがトリスティンとはどこの地方の国だ?
俺も長い間旅をしているがこの国名は初めて聞いた」
「ハァ?喋るゴーレムだから知識があるかと思ったら全然当てにならないじゃないのよ」
今のやりとりで彼は心の中でとても引っかかりを感じた。

「(待て、いくらなんでもラクロアを知らないのはおかしいぞ!
ナイトガンダムに纏わる数々の伝説の発祥地、ラクロア騎士団といえば
かのアムロ騎士団長をはじめ人間、ユニオン族様々な腕利きの騎士を輩出した
かなりの知名度を誇る王国!人間族でもユニオン族でも知らぬはずが無い!)」

彼の中で思考が加速する、彼女が挙げる全く知らない国、自分の挙げる国を全く知らないという彼女。
自分の中の、あまりこうだと決定したくない答えを確かめるため彼は彼女に聞いた。

「…ここはスダ・ドアカ・ワールドではないのか?」
「何それ?知らないわよ」

決定的である。この返答から導き出される答えは一つであった。

「俺は……異世界に来てしまったというのか!」

「ミス・ヴァリエール、早くコントラクト・サーバントを。
今日の召喚は貴女が最後ですので早く終わらせなさい。」
「はーい…仕方が無いけどゴーレムならまぁ、抵抗無く出来るかしら?
 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え我が使い魔となせ」
これからどうしようか考え事をしている後ろでなにやらルイズとコルベールが喋っている。
使い魔と聞こえたのでまだ自分を使役しようと算段しているのであろう、と彼は考えていた。
「だから俺は使い魔なんかやらな…」
「いい事?ゴーレムとはいえこんな名誉な事、あるもんじゃないんだからね」
彼が断りながら振り向くと何故か顔が赤いルイズが彼の口?のような赤い出っ張りに
そっ、と口をつけた。
「なっ、何を……すっ、ぐああああああああっ!!」
今まで感じたことの無い痛みを右腕に感じた彼は思わず呻きを上げてしまう。
「はい、おしまい。全くゴーレムの癖に痛みまで感じるなんて何なのかしら?」
「ぐっ…はぁ、はぁ…」
「珍しいルーンだね、後でスケッチさせてもらうよ」
近寄ってきたコルベールがそう言うと彼の右手を持ち上げてまじまじと見つめる。
確かに彼の右手には何か紋様のようなものが刻まれていた。

「契約完了ね、ゴーレムさん」
「だからゴーレムじゃない!俺はゼロ、ユニオン族のゼロガンダムだ!!」

かくして異世界からの来客、ゼロガンダムは
半ば強引に少女・ルイズの使い魔にさせられたのであった。


――――――――そのはるか上空、浮遊大陸さえ手に取るようなぐらいの高度で“それ”はいた。
「頼んだぞ…正義の雷、聖龍の騎士よ…いずれ時満ちれば、再び舞い戻ろう……」
悠然とどこかへ飛んでゆくそれは、黄金の龍であった。


新着情報

取得中です。