「・・・暇だわ。」
その日、風見幽香は何度目になるかわからないため息をついた。
ついでに言うと、このセリフはほぼ毎日のように呟いている。
その日、風見幽香は何度目になるかわからないため息をついた。
ついでに言うと、このセリフはほぼ毎日のように呟いている。
「あーあ・・・友達でも居ればなぁ・・・。
霊夢は紫やら魔理沙やらと毎日楽しそうにしてるし、最近気になるリグルだってあの三バカと仲良くしてる・・・
はぁ。何か、この日常を変える方法でも無いかしら?」
霊夢は紫やら魔理沙やらと毎日楽しそうにしてるし、最近気になるリグルだってあの三バカと仲良くしてる・・・
はぁ。何か、この日常を変える方法でも無いかしら?」
こんなこと言ってはいるが、この風見幽香と言う妖怪は、霊夢のところに行けば霊夢と自分以外の他人を排除しようとして
霊夢に排除され、リグルにしたって会う度にいじめているから来なくなるのである。
要は、彼女は他人に合わせるのが非常に苦手なのだ。
その上、彼女はある程度仲良くなるとあの手この手でその対象を苛めるのが好きなのだ。これでは友達なんてできっこない。
もし作ろうと思っても、もうそんな悪評が広まっているため、不可能だろう。
そしてその事を、花の妖怪、四季のフラワーマスターこと風見さんも良くわかっていることである。
霊夢に排除され、リグルにしたって会う度にいじめているから来なくなるのである。
要は、彼女は他人に合わせるのが非常に苦手なのだ。
その上、彼女はある程度仲良くなるとあの手この手でその対象を苛めるのが好きなのだ。これでは友達なんてできっこない。
もし作ろうと思っても、もうそんな悪評が広まっているため、不可能だろう。
そしてその事を、花の妖怪、四季のフラワーマスターこと風見さんも良くわかっていることである。
「・・・異世界に行けば、何かあるかしら。」
そう呟くと、空間に裂け目が出来、割れる。その中からいかにも胡散臭そうな女性が顔を出した。
スキマ妖怪こと、八雲紫である。その紫が、いかにも胡散臭そうな笑いを浮かべて、言った。
スキマ妖怪こと、八雲紫である。その紫が、いかにも胡散臭そうな笑いを浮かべて、言った。
「そんなあなたに50年ぐらい50年ぐらい一泊の素敵な異世界ツアーがあるのよ。来ない?」
「・・・もう貴方に『何処から聞いてたの?』なんて事言わないわ。で、何の用?」
「・・・もう貴方に『何処から聞いてたの?』なんて事言わないわ。で、何の用?」
幽香は、本当に面倒くさそうに言い捨てる。
「つれないわねぇ。せっかくの話し相手ゲットのお誘いなのに。」
「ッ・・・! ・・・詳しく説明なさい。」
「それはね・・・」
「長い話になりそうだから三行ぐらいに纏めなさい」
「ッ・・・! ・・・詳しく説明なさい。」
「それはね・・・」
「長い話になりそうだから三行ぐらいに纏めなさい」
幽香はこの妖怪が話すと長いことを知っていた。それも短く纏められることをだ。
「わかったわよ・・・。 異世界
召喚されろ
使い魔になれ」
「断るわ。」
「ああんゆかりんそんな事言われると悲しいぃぃ!いいからとっとといきなさーい!」
「ちょっ・・・!」
召喚されろ
使い魔になれ」
「断るわ。」
「ああんゆかりんそんな事言われると悲しいぃぃ!いいからとっとといきなさーい!」
「ちょっ・・・!」
紫の叫びと共に、幽香は足元に出来上がったスキマに落とされる。
「覚えてなさいよーッ!」
・・・カッコ悪い、ありがちな叫び声と共に。」
ちゅどーん
「乱暴な召喚だな・・・」
ちゅどーん
「スターボウブレイク!」
ちゅどーん
「バティ・ゴール!」
ちゅどーん
「キェェェェェェェェ!」
「乱暴な召喚だな・・・」
ちゅどーん
「スターボウブレイク!」
ちゅどーん
「バティ・ゴール!」
ちゅどーん
「キェェェェェェェェ!」
その日、もう何度目かもわからない爆音が広場に響く。
さっきから、何か出ては意味深なことを言って消えるのだ。一部除いて、力のありそうな何かが。
ちなみに、その一部の物が出した技で周りに深刻な被害が出ていた。
さっきから、何か出ては意味深なことを言って消えるのだ。一部除いて、力のありそうな何かが。
ちなみに、その一部の物が出した技で周りに深刻な被害が出ていた。
「ケホ…も、もう一度やらせてくださいっ!」
土煙の中から出てきた少女は、少しどころではない煤で汚れた顔に涙を浮かべ懇願した。
「もう諦めたらどうだ?ゼロのルイズ!」
「どうせまた爆発して得体の知れない物が出て消えて終わりだろ?」
「ミスタ・コルベール、もう次の授業の時間が迫ってますよ~」
「どうせまた爆発して得体の知れない物が出て消えて終わりだろ?」
「ミスタ・コルベール、もう次の授業の時間が迫ってますよ~」
周りから飛んでくる嘲笑を含んだ野次の数々、これはもう立派なイジメである。
囃し立てる生徒たちと、その対象となっているルイズを交互に見つめた男…コルベールは
小さく咳払いをして、
囃し立てる生徒たちと、その対象となっているルイズを交互に見つめた男…コルベールは
小さく咳払いをして、
「こらこら、そんな事を言うものではない!
貴族たる者、級友の成功を祈る心の美しさを持つべきですよ…さ、ミス・ヴァリエール」
貴族たる者、級友の成功を祈る心の美しさを持つべきですよ…さ、ミス・ヴァリエール」
野次を飛ばしている生徒を睨み付け、心の恨み手帳につらつらと名前を書き込んでいたルイズは、
促されるままに一歩前へと進み、一度大きく深呼吸。
促されるままに一歩前へと進み、一度大きく深呼吸。
(もう失敗できない、次こそ…次こそゴージャスかつパーフェクトな使い魔を呼び出すのよ!)
「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよ!神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ!
わたしは心より求め、訴えるわ……我が導きに、答えなさいッ!!」
わたしは心より求め、訴えるわ……我が導きに、答えなさいッ!!」
今まで以上に気合を入れ、覚悟を決めたもはや絶叫に近い詠唱が広場に響き渡り…
…今まで以上の爆音と土煙が広場に広がったのは、言うまでも無い。
・・・しかし、その土煙の中から、人影が見える。
―――その人影は、一言で言うなら、美しかった。
整った顔立ちに、高い背。その顔には、何か得体の知れない自信が付加されており、その美貌をなお加速させている。
その美貌に中てられたのか、周りに居た人々が一瞬止まる。
―――その人影は、一言で言うなら、美しかった。
整った顔立ちに、高い背。その顔には、何か得体の知れない自信が付加されており、その美貌をなお加速させている。
その美貌に中てられたのか、周りに居た人々が一瞬止まる。
「やたっ!成功!?」
その止まった時の中、召喚した本人、ルイズの内心はこんな物であった。
―――綺麗で、神聖で美しくて、体から溢れ出る魔力・・・!引いた!完っ璧!最強のサーヴァン・・・いや、使い魔を引き当てた!
その土煙の中から出てきて、緑色の髪をした人物は、こう言った。
「私は風見 幽香。最強の妖怪にして、四季のフラワーマスター。使い魔の契約など、お断りするわ。」
「・・・はぁっ!?」
「・・・はぁっ!?」
桃色の髪をした少女、ルイズは、幽香のその宣言を聞き、素っ頓狂な声を上げた。
「流石はゼロのルイズだ!」
「まさか平民を呼び出して、しかもそれが妄想癖の強い女性か!」
「踏んでくだしあ!」
「呼び出したヤツに契約拒否されるなんて始めてみたぜ!」
「お姉さま!」
「まさか平民を呼び出して、しかもそれが妄想癖の強い女性か!」
「踏んでくだしあ!」
「呼び出したヤツに契約拒否されるなんて始めてみたぜ!」
「お姉さま!」
周りの人々が口々に野次を飛ばす。それと同時に
「うるさいわ」
の一言と共に、幽香の持つ傘から人二人分ほどの太いレーザーが迸り、ルイズの前に居た群集を薙ぎ払っていく。
偶然ルイズの後ろに居たコルベールが、生徒を守るためにすかさず手から炎を放つ。
「あら、危ないわね」
しかし、その言葉と共に手にあった傘を開いたと思うと、その炎を受け止めてしまった。
「元の世界では恋色魔法使いの攻撃さえ遮れる傘ですのよ・・・?そんなちんけな攻撃で破れる訳無いでしょっ!」
の一言と共に、幽香の持つ傘から人二人分ほどの太いレーザーが迸り、ルイズの前に居た群集を薙ぎ払っていく。
偶然ルイズの後ろに居たコルベールが、生徒を守るためにすかさず手から炎を放つ。
「あら、危ないわね」
しかし、その言葉と共に手にあった傘を開いたと思うと、その炎を受け止めてしまった。
「元の世界では恋色魔法使いの攻撃さえ遮れる傘ですのよ・・・?そんなちんけな攻撃で破れる訳無いでしょっ!」
恋色魔法使いとは、幽香のもといた世界の自称普通の魔法使いである。
その彼女の必殺の魔砲、マスタースパークは、山一つ焼き払える威力のある、必殺の魔法である。
その亜種に、ファイナルマスタースパーク等があるが、元々この技は彼女の技であると付け加えておこう。
そして、幽香の傘でホームランされるコルベール先生。
その彼女の必殺の魔砲、マスタースパークは、山一つ焼き払える威力のある、必殺の魔法である。
その亜種に、ファイナルマスタースパーク等があるが、元々この技は彼女の技であると付け加えておこう。
そして、幽香の傘でホームランされるコルベール先生。
「そ・・・そんな!」
「コルベール先生があんなにもあっさり!」
「あれじゃかませ犬だ!」
「俺は若林源三のかませ犬じゃないんだ!」
「逃げろぉぉぉ!」
「コルベール先生があんなにもあっさり!」
「あれじゃかませ犬だ!」
「俺は若林源三のかませ犬じゃないんだ!」
「逃げろぉぉぉ!」
周りに居た生徒達が口々に喚き立て、ちりぢりに逃げていく。
そして、幽香がルイズに向き直る―――
そして、幽香がルイズに向き直る―――
「ぷっ・・・!」
「へ?」
「あっはっはっはっは!何その顔ぉぉぉ!」
「へ?」
「あっはっはっはっは!何その顔ぉぉぉ!」
幽香はルイズの顔を見るなり、大笑いを始めた。
「・・・」
「あっはっはっはっは!真っ黒!真っ黒ぉぉぉぉ!あっはっはっは!」
「あっはっはっはっは!真っ黒!真っ黒ぉぉぉぉ!あっはっはっは!」
幽香は笑い止まない。ルイズがそんな自分の呼び出した妖怪に殴りかかろうとした時、おっとり刀で駆けつけてた来た学園長が叫ぶ。
「ミス・ヴァリアーヌ!早く!今のうちにその妖怪と契約(コンストラクト・サーヴァント)するのじゃ!」
「は、はいっ!
我が名はルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンダゴン、この者に祝福を与え我の使い魔と為せ!」
「あっはっは・・・呪文ッ!?しかもこんな長い・・・あ、駄目、お腹が・・・」
「は、はいっ!
我が名はルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンダゴン、この者に祝福を与え我の使い魔と為せ!」
「あっはっは・・・呪文ッ!?しかもこんな長い・・・あ、駄目、お腹が・・・」
幽香の顔にルイズの顔が近づき―――キスをした。
「!!!??!!?!」
それと同時に、幽香の顔が真っ赤に染まり、急にしおらしい表情になる。
はっきりいって、犯罪的に可愛い。
はっきりいって、犯罪的に可愛い。
「感謝しなさいよ、平民が―――「うわぁぁぁぁん!初めてなのにぃぃぃぃぃ!」―――へ?」
――――これが、後に虚無の花の使い魔と呼ばれる、風見幽香誕生の瞬間であった。