あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

これでまた一緒になれる。



―――――――ラグドリアン湖。
トリステインとガリアの国境沿いにある広大な湖である。
数年前までは水の精霊達が暮らす場所として名が知れていたが今では別の名で呼ばれている。
『悲劇の起こった場所』『姫君の墓場』――――という名で呼ばれている。
なぜそう呼ばれるようになったのか…それを知るには時をさかのぼる必要がある。


事の始まりはもう何十年も前になる。
トリステイン王国の女王、アンリエッタが愛しの王子であったウェールズの死体とともに入水自殺をした。
これはトリステインのみならず各国に衝撃を与え、以後トリステインは手が早いガリアの一部となったのである。
そしていろいろな事が終わり、一人のガリア軍の正規兵が故アンリエッタの部屋であることに気づいた。
「ベッドを置いている側の壁から変な臭いがする。」
その報告は結局取沙汰にならなかったが多数の兵士が壁越しに変な臭いを嗅ぎ、急遽壁を取り壊す作業に移った。

巨大な建築用の木槌を壁に打ち付け、五度目でやっとのこと壁を粉砕した。
兵士達は警戒しながらも壁に出来た穴へと入り、突如鼻に襲いかかった『悪臭』におそわれた。
それは死体の臭いにも感じ取られ、大量の死んだ魚が出す腐敗臭にも感じられた。
穴の中には小さな小部屋があり、小さな祭壇、壁には見たことのない印章、そして黒曜石で出来ていると思われる儀式に用いる杯が置いてあるだけだった。
黒曜石の杯に気づいた一人の兵士が鼻をつまみながら悪臭と苦闘し、杯の『中身』を見、盛大に吐いた。

杯の中には幾つもの『心臓』が入っていた。それが悪臭の原因であったらしい。
異常としか思えないそれに兵士達は戦慄し、急いで上司達に報告をした。

水のメイジ達が魔法で消臭作業をしながらこみ上げる吐き気を押さえ、杯から心臓を取り出していった。
全部合わせて約二十一個の心臓が入っており、それはあっという間に焼却処分となった。

数日後、数人の調査隊が編成されもう一度アンリエッタの部屋を調べた。
その結果、家具の隙間やベッドの下に隠されていた隠し穴から白色の香油、赤色と緑色の本、そしてアンリエッタの日記が見つかった。
以前にもアンリエッタの日記は見つかっていたのだがそれには些細なことしか書いておらずもしかしたらこれには何か秘密があるのかもと思い、ページを開いた。


★月 ▲日 ∀曜日

私には未だ忘れられない…あの人の事を。
あんなに愛した人はウェールズ様だけだ…。
現にあの後湖から引き上げ急いで作った壁穴の中に入れて魔法で防腐保存してある。
もうこれで一緒にいられる。

………ここからだいぶ飛んでいる。

▲月 ☆日 £曜日
今日は少し値段が上がっていた。
枢機卿や他の者達には気づかれていないがまだもう少しいけるだろう。
毎日見る悪夢に打ち勝つのはこれしかない…。
……………これが依存というものだろうか少し呼吸がつらくなってきた。

▲月 ○日 Θ曜日
毎日毎日来るルイズからの伝書フクロウに少々うんざりしてくる…!
なぜ民衆はこうも文句ばかりを言ってくる!?
私は皆のために必死にアルビオンと戦っているというのに…

……今日は効き過ぎた…なんでこんな乱暴なことを書いてしまったのだろうか?

ここから先数十ページは殴り書きで解読不可能。


Α月 Λ日 Φ曜日
今日は気まぐれに書斎へと足をのばし、すばらしい本を見つけた。
これには驚くべき事がかかれていた。最初は目の錯覚かと思ったが呼んでいくうちに疑問から確信へと迫っていく。

Π月 Υ日 Χ曜日
死者の復活=二十一の儀式
二十一=生け贄の事?

 月 日 曜日
必要な物=魔法学院の宝物庫
黒い杯
白い香油
赤色と緑色の本

二十一個の心臓=入手済み

 月 日 曜日
もうだめだもうむりだわ
あかいあくまがやってくるあの人との再会拒みにやってくる。
まほうもなにもきかないばけものたちにころされれれれれれれれれれる

あぁ、薬がほしい。



―――――日記はここで終わっていた。


気づけば彼女はどこかの一室に置いてあるソファに腰掛けていた。
自分が誰で、いったい何だったのかは知らなかった。
ただ彼女は、誰かと再会したいという思いがあった。

ソファから重たい腰を上げ、辺りを見回す。
家の中には明かりはともっておらず、窓から入る太陽の明かりだけが頼りだった。
ふと奥から物音がした。

誰か他にいるのだろうか?そう思い、慎重に音の発信源をたどっていく。
二回へと続く階段に誰かが腰掛けている。男の人のようだ、手にはめている指輪をいじくっている。

「だれ?」
そう言うと男の人がこちらの方に顔を向け、ニッコリとほほえんだ。

「久しぶりだね。」
「はて?どこであいました?」
「君とはあの湖で出会ったじゃないか?」

あっ――――――。
彼の言葉で何かを思い出した私は目からこぼれゆく暖かい涙で頬をぬらした。
そうだった。彼は、彼は…ずっとずっともう一目会いたいと思っていた。

私が泣いている中、彼はスクッと立ち上がり私に手をさしのべた。
「おいで、一緒に行こう。」
彼のその言葉と笑顔に、私は泣きながらも笑顔になり、うなずいた。

―――――――――――これで再び一緒になれる…。」
アンリエッタはそう言い、ウェールズの亡骸を話すまいと抱きかかえながらラグドリアン湖へと身を投げた。


ラグドリアン湖。
そこにはもしかすると、今もなお二人の王族が眠っているのかもしれない。



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