あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの旋風-01



前書き

22世紀、太陽系全域に進出した人類。しかしその「世界の裏側」は、コネクションと称される数々
の闇の組織によって支配されていた。それら各コネクションを、あるいは壊滅させ、あるいは支配下
におさめて最終的な覇者となったのが、ヌビアコネクションの首領カーメン=カーメンだった。

彼の最終的な目的「大アトゥーム計画」は、木星を核融合爆発によって破壊することで、犯罪組織
というよりはカルト宗教団体と化したヌビアコネクションの構成員以外の太陽系人類を滅ぼし、か
つ木星より生まれる数多くの新惑星にヌビアの民だけの楽園を築くことだった。

俺、木戸丈太郎、通称ブラスターキッドを含むJ9チームは、車・宇宙船そしてロボットの3形態
に変形可能な主要メカ「ブライガー」の制作者ドク(博士)エドモンの協力を得て、木星爆発から
地球を防護する「保護スクリーン」作戦を決行。数多くの犠牲と引き換えに、間一髪作戦を成功さ
せて辛うじて地球と幾多の人々を救うことに成功した。

そして俺たちは、リーダーのアイザック=ゴドノフ(その鋭い頭脳から、ついたあだ名はかみそり
アイザック)の友人で、何度も情報収集で世話になった海賊放送局のオーナー「ラスプーチン」ら
と共に、太陽系外「バーナード星系」への植民を目指す移民団、いわゆるフライバイに参加して、
命懸けで救った母なる太陽系に「ABAYO」することにした。

はずだった…

太陽系を脱し、銀河の彼方バーナード星系へいざ旅立たん!とした時、突如まばゆい光に包まれ、
前方に鏡のような輝く平面状のものが出現した。あまりに突然の出来事ゆえ、太陽系随一のレース
チャンピョンである「飛ばし屋ボウィ」こと俺の相方のスティーヴン=ボウィの操縦をもってして
も避ける術はなく、俺たちはブライガーの宇宙船形態であるブライスターごとその鏡の中へ突入し
てしまった!

俺が確実に記憶しているのはそこまでだ、他の5人、アイザックにボウィ、それに元エージェント
で潜入操作と爆発物取り扱いの名手の美少女「エンジェルお町」ことマチコ=バレンシア、それに
J9の雑用をよくこなしてくれたメイリン=ホー・シンリン=ホーの姉弟のことが気になったが、
自分の意識を保つのが精一杯だった…

「うぅ…こ、ここはどこだ…?」
意識が戻った俺が最初に見たものは、古びた木製の天井だった。見知らぬ天井…天井を木で作
った建物の中で寝るのは、一体どれくらいぶりだろう?などとぼんやりと思って次に気付いたのは、
俺が寝かされていたベッドに付き添っていたらしい、ピンクの髪をした童顔の少女だった。

「ようやく気付いたのね!ホントに…ほんとにもう、目を覚まさないかと思って、心配したん
だからぁ!!」

泣き顔に近い表情を作り、その少女は俺に飛びつくと、俺の頭部を乱暴に抱きかかえた。

一体これはどういう状況なんだ…?


気を取り直して、彼女に俺の疑問を質してみる。彼女の後ろにいた頭の薄いコルベールとかいう教
師も説明に加わってくれた。長くなるから詳細は省くと、その少女の名はルイズ(あまりに長い本
名はとりあえず省く)、そしてどうやらここは「ハルケギニア」と呼ばれる異世界で、なおかつこ
こはその中のトリステインという王国らしい。俺は彼女が通う魔法学院(今いるこの部屋が、寮の
彼女の部屋だ)の2年生に進級する際の課題である「使い魔召喚の儀式」によってこの世界に呼ば
れたこと、その際、俺は意識を失っていて、ぶっ叩いても水をぶっ掛けても起きず、辛うじて息が
あったのでこの部屋に運ばれて、目を覚ますまでルイズがずっと付き添っていたことを聞かされた。

相当な目に遭いながらも目覚めなかった理由は俺自身も不明だが、ヌビアの「大アトゥーム計画」
から人類を救い出したことから一気に緊張の糸が解け、これまでJ9チームとして活動してきたこ
との疲れが一度に出たのではないか、と個人的には思う(何しろ命を張った危険というレベルを超
えた仕事内容の連続だったからな)。間違っても、木星爆発の際に発生した強力な放射線や電磁波
を浴びたせいだとは思いたくない…

ルイズに、他のJ9メンバーの消息を尋ねたが、彼女によって召喚されたのは俺とその手持ちの品
々(身につけていた服と、愛用のブラスターと最低限のサバイバルキット)だけだったそうだ。
ブライガー(ブライスター)もなく、他の面子も行方不明、かつ元の世界に帰る方法も現状では不
明。この状況下で生き残るための最良の手段として、とりあえず衣食住が保障されることから、俺
は彼女が懇願していた「使い魔契約」(さすがに生身の人間を、それも意識のない状態でいきなり
呼び出したことに罪の意識を感じたのか、高圧的に一方的に強制することはしなかった)を受け入
れることを選択した。
地球正規軍内部でもエリートと誉れ高い特殊狙撃部隊「レッドローズ」の隊長に史上最年少で抜擢
されながらも、軍上層部の腐敗しきった現実の数々を見せ付けられ嫌気が差して、昇進・叙勲とい
った軍内における全ての世俗的栄光を捨てて脱走した過去を持つ反骨精神の塊のような俺ではあっ
たが、まったく不案内な異世界でのサバイバルということもあって、一時的な方便と割り切って契
約したのだ。アイザックやパンチョ=ポンチョほどの経理の天才や守銭奴では俺はないので、あま
りにきつい金銭条件はつけなかった。後悔先に立たず…

…って、その「契約」の方法って、キスかよ!?まったく、女の子とキスするなんて、ソアラ
として以来か。彼女のことを回想したら、どうしてもその兄でかつて親友だったリッキーを俺自身
の手にかけた過去も思い出してしまう…やめよう。とにかく今はこの世界で生き延びることが
最優先だ。気を取り直して、ここは一発いつものやつを、イェ~イ!

俺がこのハルケギニア世界で目覚め、「ご主人様」のルイズと使い魔契約をして数日が経った。い
ろいろあったが、J9として太陽系で活動していた頃に比べれば、のどかで平穏としか言いようの
ない日々だった。

ルイズに付き添って昼食時の食堂へ行き、成り行きで学院付きメイドの一人シエスタを手伝うこと
になり、その際に拾った香水のビンをめぐってギーシュとかいう男子生徒と決闘騒ぎになったが、
な~に俺から言わせればとんだガキのママゴトだった。まぁ、その顛末を一応回想すると…

「単なる決闘じゃつまらねぇな。どうだい、何か賭けないかい?」
「面白い。とはいえ、あまり酷い条件を出せば、平民を虐待した横暴貴族との汚名を着ることにな
るからな…見たところ君はかなり鍛え上げられた体つきをしているから、僕が勝ったら、君は
逆立ちで半日以内に魔法学院の城壁に沿って敷地一周を遂げるというのはどうだい?」
「いいだろう。そのかわり、俺が勝ったら、俺様の『ルイズお嬢様』に対して、今後一切『ゼロ』
呼ばわりは止めてもらおう。あんたに勝てるような使い魔を召喚したということは、それだけでも
ゼロの汚名を雪ぐのには十分だろうからな」
「よかろう。ではヴェストリの広場で待つよ」
「そうこなくっちゃ!イェ~イ!」

事前にルイズから聞かされていたこの学院の生徒・教師に関する情報では、奴さんはなんでもトリ
ステイン軍の元帥の息子で、代々多くの軍人を輩出してきた武門貴族の末子とのことだったが、い
ざ対峙してみると、隙だらけだ。本人は多少は武人としての教育を受けたつもりなんだろうが、生
み出した青銅製ゴーレムの「ワルキューレ」は、配置も動きも最初こそ見事だったが、時間の経過
と共にその単調さと動きの画一性があらわになった。これなら、これまで戦ってきた各コネクショ
ンの下っ端戦闘員達の方がよほど動作も連携も取れていて手ごわかった。

もっとも、火器類は使用するつもりは最初からない。相手は貴族でこっちは「平民」ということな
ので、いくら相手が「遠慮はいらない」と言ってくれてるとはいえ、深手を負わせればルイズも巻
き込む大事になるのは目に見えていたし、それに第一、こちらの「手の内」を現時点ではあまり周
囲に晒すべきではない、と「戦士」としての俺の経験と勘が警告していた(「出る釘は打たれる」
ってね>目立ち過ぎは命取りになりやすい)。元々、ブラスターはエネルギー補充が不可能な現状
では、その方法の目途が立つまでは最後の切り札的な使用法しか選択肢はない。

正規軍時代に鍛えられ、かつコネクションとの実戦で磨いた体術でワルキューレの攻撃をかわし、
あるいはそれら自体の動きを利用して、柔道の応用で投げ飛ばしたりしていたが、もっと簡単に戦
闘を終了させる方法を、すぐに思いついた。
この世界でメイジ(魔法使い、貴族階級を構成している)はその魔法を発動するのに手段として
「杖」と「呪文」を必須とすることをルイズから教わった。ということは、どちらか一方の使用を
物理的に封じてしまえばメイジの魔法の無効化できるはずだ。
ギーシュの杖は、あの造花のバラだ(「赤いバラ」で少々思い出すことがあるが、今は感傷にふけ
るのはやめだ)。あれを使えなくすれば、その時点でワルキューレ達は行動不能になるはずだ。
なるべくギーシュ自身にダメージを与えずに無力化するため、手近に転がっていた石を彼の肩か右
腕に当てることにした。

(ブラスターキッドさまの腕の冴え、銃ばかりじゃないってことをみせてやらぁ!)

すると、石を手に取った瞬間、左手に刻まれた俺の「ルーン(ルイズ曰く、使い魔契約の証らしい)」
が輝いた!そして明らかに体の動きが軽くなり、かつ周囲の状況に対する感覚が研ぎ澄まされていく!
この時、俺は自分に起こった異変の原因をまだ知る由もなかったが、少なくとも状況がより有利に
なったことだけは直感した。

後はどうということもない。ギーシュの右肩に正確にその石を当て、彼が苦悶の表情を浮かべてバ
ラを落とした隙に飛ぶように接近し、彼の腕を後ろ手に回してそのままうつぶせに地面にねじ伏せ
るだけで勝負は付いた。青銅のワルキューレは主のコントロールを失って大地に還り、一対一の格
闘戦では到底俺に勝てないと悟ったギーシュは、組み伏せられた姿勢のまま悔しそうに敗北を認めた。

「負けたよ…キッド君…君のような平民ごときに…今後一切ルイズ、いやミス=ヴァ
リエールをゼロ呼ばわりしないことを、グラモン家の家名にかけて君に誓うよ」
「了解した。これに懲りたら、まずは自分の実力ってものを図って、そして相手に比べて足りない
と思ったら逃げて己が実力を鍛え上げるまで耐えることを覚えなよ。そうでないとこの先、実戦じ
ゃ生き残れないぜこの色男。イエ~イ!」

まったく、これじゃウエストJ区歓楽街の「VIKAVIKA」付近でたむろしてたチンピラども
の方が、まだ手ごたえがあったぜ。この貴族のお坊ちゃまは、俺たちの時代の太陽系とりわけアス
テロイド地区に生まれなかったことを感謝すべきだ、というのがその時の俺が抱いた偽らざる感想だ。


…というのがこの数日で俺が遭遇した最大のイベントだ。他にも、目覚めた翌朝に早速ルイズ
の下着を洗濯させられ(軍人時代にサバイバル術の一環として、機械を使わない「手」での洗濯術
を教わっていたことに感謝した)、あのシエスタとはこの時に知り合ったり、ルイズの実家とは代
々の仇敵とかいう、隣国ゲルマニア出身のキュルケとかいう、どことなくエンジェルお町に似た雰
囲気を持つ生徒にからまれたり、いつもその側に居るタバサとかいう無口な生徒から興味深げな視
線を会うたびに送られたりといったこともあったが、これまでのJ9稼業の日々に比べたら平穏そ
のものだ。

火トカゲや風竜、巨大モグラといった他の使い魔たちにも最初は驚いたが、木星系出身のポヨンの
ような生物と家族同然に接してきた俺からすれば、そうした動物達となじむのは早かった。

というわけで、今のところ、なべて世はこともなし…少なくとも俺の周辺に限っては。

それにしても、他のJ9の連中やメカはどこでどうしてるのだろう?無事であることを祈るが、気
がかりだ…

まぁ、しんみりするのは俺の性に合わない。とりあえず、ご主人様であるルイズ『お嬢様』のお呼
びとあらば即参上するだけだ!イエ~イ!



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