あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

平行世界

あの日、使い魔召喚の日。
私の運命は変わった。
目の前にはひとつの星色のお守り袋。
え、失敗?…でも、なにかしらこれ。
それに触れたとき、私は気を失った。

気がついたら、儀式の場には私以外誰もいなかった。
もしかしてみんな帰ったのだろうか、と思い私も帰る事にした。

「あなた、誰よ?」

疲れを癒そうと思って自分の部屋にはいったら、黒い猫を連れた見知らぬ誰かがいた。
「あんたこそ誰よ。ここは私の部屋よ」
「何言ってるのよ。ここはわたしの部屋よ。さっさと自分の部屋にもどりなさいよ。さ、
さあわたしのカゲネコ。夕食をとりに行きましょう」
その誰かは出て行き、私は改めて部屋を見渡した。私の部屋と何一つ変わらない。いや、
位置から見ても私の部屋でもあるはずなのに!!
部屋を出た。走った。そして最初にモンモラシーに会った。でも、私の事は知らないみたい。
ギーシュに会った。あいつはいきなりナンパしてきた。いつもはゼロだと軽蔑したように
からかってくるのに。
マリコルヌにあった。あいつは何かを食っていた。私を見ても何も言わなかった。

みんな、みんな、私の事を知らない。

タバサに出会った。ドラゴン…うらやましい。ふとお守り袋に目をやった。
なにも起こらない。
コルベール先生に会った。わたしのほうを訝しげに見たが、何か思い出したらしく足早に
去っていった。
ミス・ロングヒルにあった。話しかけたら同じく訝しげに見られた。
どうしてみんな私の事を知らないの?こんなのじゃ、私は、私は…

「あら、あなた誰?どこのクラス?」

いいところにツェルプストーが現れた。しかも生意気にもサラマンダーなんて連れている。
まあいいや、こいつに聞こう。少し癪だけど。
「ツェルプストー!!いったいこれはどういうことよ!あんたまで私の事を知らないとい
うの!」
「ちょっと、大声出さないでよね!あんた、誰よ」
「わ、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール!誇り高き「まさか!
あのこは十年前に死んだはずよ」…え?」
死んだ?私が?ピンピンしてるじゃない私。この前までギャンギャン言い争ってたのに何
寝ぼけてんのコイツ。
「本当に、ルイズ?なら証明してみせなさいな」
「う…ヴァリエール家に行けば「公爵家は没落したわよ。公爵は行方不明、公爵夫人も病
で死亡。あと二人の娘達は…ああ、屋敷も不審火で燃えたらしいわね。そうそう、そうい
えば、ルイズは魔法がなんでも爆発になるんだったかしら。みせてちょう…あら、いなくなった」
「キュルケ、今の人が持ってたもの」
「あら、タバサ。…今度は何を読んでるの?教えてちょうだい」
「『もし、自分がもう死んでいた世界に飛ばされたら』という内容の物語」
「で、あの自称“ルイズ・ド・ヴァリエール”の持っていたお守り袋がどうかしたの?」
「主人公が持っていた、死んだ世界と元の世界を行き来するための道具にそっくり」
「……………………まさか、本物?」
「知らない。これはフィクション」
「ま、そうよね。そんな事あるはずないもの」





うそよ!!
父さまが、母さまが、ちい姉が、エレオノール姉さまが!!!
この眼で確かめないと気がすまない!!!
……………………お金は少しぐらいなら手持ちである。行こう。帰るんだ、なんとしてでも…



 やっと、公爵領についた。あとすこしでヴァリエール家だ。
今までが散々の道のりだった。
馬車を出してもらおうと王宮を守る兵士にヴァリエールの名で王女様に謁見を申し出たの
だが、一蹴された。「没落貴族ごときが」、と。
仕方ないから平民が乗る粗末な荷車に無理矢理乗りこんでしばらく行き、途中で降りて徒
歩で向かう。手持ちのお金はもう尽きた。平民に貰うのも癪だったからそこらの食べれそ
うな草や木の実を食べた。泉の水も汲んで飲んだ。
そのせいかお腹を壊して動けなくなった時もあった。山賊に襲われたときもあった。まし
てやそのお陰で一日中身動きが取れなくなるときもあった。
そんな時気づいた。失敗の爆発はこんなにも役に立つものなんだって。


その内風の便りでアンリエッタ王女様が亡くなられた、と知った。なんでも服毒自殺との
ことだった。真相は、知らない。
ワルド様も行方不明になった、と聞いた。
もう、頼れるのは家族しかいない。誰も私の事を知らない。もう誰も私のことを“ルイズ”
と呼ばない。知らない。
頬に何か生暖かいものが伝ったので触ってみた。涙のようだ。貴重な水分がぬけてしまう
のはもったいない。そういえば肌も荒れ放題だし、頬もこけた。あれほど気にしていた胸
も気にならなくなった。
それでも私は向かう。
だって、私という存在を知っているのは、もう家族しかいないもの。
私を“ルイズ”と呼んでくれるのは。“ルイズ”と知っているのは。
うそよね。ツェルプストーが言った事なんて。帰ったら父さまが笑っていらして、母さま
がボロボロな格好をして帰った私をいつものように怒って…


けれども、歩けど歩けどヴァリエール家は見えてこない。
門は見えた。でも、あんな大きな屋敷はない。
なぜないのか。それは門をくぐってハッキリした。
炎の勢いを物語るように黒焦げになって崩れ落ちた柱。無残にも飛び散った瓦礫。


も う わ た し を 知 っ て る 人 は だ れ も い な い


「……………もう、私には帰る場所がない。寂しい…寂しすぎるわよ……………こんなに
なってまで帰ったのに。私を誰も知らないなんて……
王女さまも、ワルド様も、父さまも母さまも、エレオノール姉さまもちぃ姉さまもいない。
ツェルプストーも私を知らない。みんな私を知らない。こんな世界に、居たくない」





その後、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエールがどうなったかはこの
ハルゲキ二アでは誰も知らない。知ることはなかった。





やがて、世界は滅びた。
時の流れの底から時を喰らい続ける“時喰い”と呼ばれるもの、エルフ達が“シャイター
ン”と呼ぶものによって。
だがなんどもその歴史が繰り返されるうち、時喰いは何者かによって“開放”された。
インテリジェンス・ソードを持った彼と仲間の彼らはこう語る。
その化け物の内なる身には、金髪の少女と桃色髪の少女が取り込まれていたという事を。





クロノクロス・星色のお守り袋を召喚
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