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大使い魔17外伝-03


ちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃんちゃんちゃーちゃん♪ たかったたんたんたんたんたん♪ ばっばん♪

スイッチ・オン 1、2、3!!
電流火花が 身体を走~る~

ジロー チェンジ キカイダー
ガリアン・エルフ迎え撃て、人造人間キカイダー

チェインジ、チェインジ!
ゴー ゴゴー ゴー ゴゴゴー!!


第三話「ギャンブルブレイカー 武力を持ってイカサマを征す」

「「「かんぱーい」」」
リュティスにある、ジロー行きつけの立ち飲み酒場。
ジロー、ジェット、アルベルトは昼間から酒を飲んでいた。
事の始まりは今から二日前、ヨシアとアイーシャの結婚式に出席し、リュティスに帰還、一部始終をイザベラに報告した直後であった。

「「「賭博場!?」」」
プチ・トロワにあるイザベラの部屋。
ジローたちは、戻ってきた直後に新しい任務に就いて欲しいという依頼を受け、いささか面食らっていた。
「そ。賭博場さ。ベルクート街にある新参者の地下賭博場がイカサマをしている可能性が極めて高いので、それが事実かどうか調べて欲しいのさ。もし事実だったら……、暴力に訴えてでも潰しておくれ」
「物騒だな」
「そうあっさりと言わないでおくれよ、ジロー。それとな、今回は北花壇騎士団から騎士が一人、あんたたちに同行する」
「騎士?」
「北花壇騎士団は基本的に日陰の任務が専門だが、騎士はたった一人を除いてならず者ぞろい。この任務は、本当はその唯一の例外一人に任せるつもりだったんだけど……」
「博打に強いかどうか分からないから、俺たちに協力して欲しいと?」
「そういうこと。そいつには、明日、ベルクート街であんたたちと合流するように指示を出したから」
「任務自体は明日からか……」

次の日、ベルクート街。
ジロー、ジェット、アルベルトはイザベラに教えてもらった待ち合わせの場所にいた。
任務が任務なので、3人ともタキシード姿であった。
ジローはギターこそ手にしていたが、常に頭にかぶっていた白いヘルメットの代わりに、今回は黒いソフト帽をかぶっていた。
「そろそろか……」
ジローがそう呟いた直後、目の前に男装の少女が現れた。
「ジロー……!」
少女は、驚愕した。
先日、従姉妹が言っていた助っ人に、ジローがいたからだ。
「君は……、シャルロットか?」
ジローは、イザベラだけでなくタバサとも面識があったのだ。

ジローは少し困っていた。
何故北花壇騎士になっているのか、何故そんなに無愛想になってしまったのかをタバサに直接聞いたが、「答える気は無い」と一蹴されてしまったのだ。
イザベラもシャルロットも、ジローの記憶にあった姿とは大きく変わっていたのだ。
方や高飛車&冷血に、方や無愛想&寡黙に。
(イザベラを問いただす必要があるな)
何だかんだで、四人は目的の宝石店の中へと入っていった。
ジローは他の宝石に目もくれず、大きなブルーダイヤが飾られたショーケースに近づいた。
「あの、お客様……」
「これ、幾らかな?」
「ですから非売品でして……」
「幾らかな?」
「……二千万エキューです」
ジローは懐から……、銅貨三枚を出した。
ふざけている訳に非ず、これが賭博場に入る手順なのだ。
手順を確認した店員は、営業スマイルで隠し扉を開けた。
一部始終を見ていたジェットたちと共に、ジローは隠し扉の先にある階段を下りた。

タバサがドアマンに杖を預けた直後、ドアが開かれた。
「地下の社交場、“天国”にようこそ!」
光と喧騒と、酒とタバコの匂い溢れる地下賭博場のどこが天国なのだろうか?
ジローがそう考えた直後、派手な衣装のコンパニオンが近づいてきた。
「いらっしゃいませ。この“天国”は初めてですか?」
「ああ」
「安全のため、お名前を確認させてもらっていいですか?」
タバサ、アルベルト、ジェット、ジローの順に名乗り始めた。
タバサ以外は特に偽名を使うようには言われていなかったので、アルベルト、ジェット、ジローはそのまま名乗った。
「マルグリット・ド・サリヴァン」
「アルベルト・ハインリヒ」
「ジェット・リンクだ」
「ジロー・トリステイン……もとい、ジロー・テューダー」
ジェットとジローが名乗った直後、賭博場全体が静まり返った。
「どうなってんだ? 他の客がお前だけじゃなくて俺まで見てるぜ」
「この間の騒動のせいで、ジェットさんのことが一気に知れ渡ったんだ」
放逐された身とはいえ、トリステインの王子であるジローと、ブリミルの使い魔を務め、更には第一次聖地奪還の立役者でもあったジェットは、簡単に賭博場内の話題を独占した。
ジローとジェットをとにかく注目させ、タバサとアルベルトへの注意を逸らすという、イザベラの狙いは見事に当たった。
「あのおでこ姫、これが狙いだったか」
「その分やりやすい」

コンパニオンの案内で、タバサとアルベルトはサイの目当て、ジェットはサンク、ジローはルーレットに興じることとなった。
半分運任せのタバサとアルベルトとは対照的に、ジローとジェットは勝ちまくった。
「フォー・ファイア」
ジェットは元々博打狂いな上に強い。
「ノワールの13」
ジローは、ジローで電子頭脳を活用して、ボールが落ちる場所を計算してそこに賭けるから勝つのは当たり前。
「アレで何人目だ? ディーラーが交替するのは」
「二人とも五人目」
しれっと何度も大勝ちしながら、アルベルトとタバサはジローとジェットが目立っているのを利用して賭博場内を見渡した。
「掛け金の上限と立地以外は普通だな……」
「同意」
一方、ジェットは……。
「ここまでやって、たったの3万エキューか……。あと50万は稼ぎたいな」
とんでもないジェットの一言に目まいを起こしながらも、ディーラーは必死になり、見事にフォー・ファイアをそろえた。
「ちっ、初ドローか……」
ジェット相手にドローになった時点で奇跡です。
「見てろよー」
稼ぐ気満々のジェットの、隣の客がいきなり立ち上がった。

「お客様、お飲み物はどうなさいます?」
「リキュールミルク。今度はブラックティー・リキュールで」
「他のリキュールミルクより割高になりますが」
「構わない」
「かしこまりました。それにしても、リキュールがお好きなようで」
「あの甘さが気に入っているんだ」
五杯目のリキュールミルクを注文しながら、ほんのり上機嫌かつ、擬似的なほろ酔い状態でルーレットを楽しんでいたジローは、突如として起こった怒声に驚いた。
「何だ?」
「ここではよくある事でして……」
そう言って、ウェイターは怒声の発生源であるサントのテーブルへと向かった。

ジェットと同じテーブルにいた貴族の客が、「イカサマだ!」と怒鳴った。
すぐに賭博場の支配人が駆けつけたが、ジェットとアルベルトは支配人の姿を見て仰天した。
地下帝国ヨミでアルベルトに蜂の巣にされた、ヴァン・ボグートそっくりだったのだ。
脳波通信で、ジェットとアルベルトは支配人に関して話し合った。
『トンでもなく縁起の悪いそっくりさんだぜ』
『ひょっとしたら……本人かも知れんぞ』
『チョット待て、あいつはあんたが地獄に送ったはずだ』
『余りにも似すぎているんだ』
ギルモアと名乗った支配人は、小ばかにした態度で貴族の言い分を易々と論破した。
(このボグートモドキの言ってることのほうが正しいな)
貴族の客は怒りが収まらないまま賭博場を出た……、と思ったら杖を手に戻ってきた。
貴族の客が放った火炎が支配人目掛けて飛んだが、当たる直前に一人のウェイターが支配人を抱えて転がった。
ジローの注文に応じていたウェイターであった。
「トマ!」
支配人の一声に反応したウェイターが、貴族の客の懐に飛び込もうとした直前、ジェットが貴族の客の腕を掴んだ。
「やめな、見苦しい」
「せ、聖人ジェット……」
「どう見たって、あんたが悪いぜ。納得できねえって言うんなら……」
自分に睨みつけられた貴族の客が戦慄したこと確認したジェットは、貴族の客の腕を放した。
貴族の客は舌打ちしてから賭博場を出た。
「やれやれ……。さ、続きだ続き。目指せ100万エキュー!」

「どうするの?」
「ここらでチップの数を一桁ほど増やすか」
支配人がジェットに話しかけているのを見ながら、タバサとアルベルトは一気に勝負に出て、勝った。
そこへ、ギルモアと名乗る支配人が近づいてきた。
「お二人もかなりお強いようで……」
「何故私たち?」
「ジローたちに挑んだらどうだ?」
「お連れ様たちは両名とも、「もっと稼いでから」と言って応じてくれなかったものでして……」
「「なるほど」」
支配人が近づいてきた理由を知って納得した二人は、支配人の誘いに応じることにした。
「続ける。でもその前に少し休みたい」
「後、何か美味いものと飲み物を用意してくれ」
「かしこまりました」

宿泊も可能な豪華な休憩室。
五人目のディーラーを真っ白な灰にしたジローとジェットを強引に引っ張って、タバサとアルベルトは話し始めた。
「こっちはまだ15万しか稼いでいねえのに……。ジロー、そっちは?」
「目標の50万は突破したな」
「002、ジロー」
眉をひそめ、アルベルトは二人を咎めた。
「さて、二人に目立ってもらった間に、俺たちは賭博場を注意深く観察してみたが……」
「イカサマをしているそぶりは全く無かった」
「やるとしたら……、あのボグートモドキとの勝負の時だな」
3人が話しこむ中、ジローは何故か考え込んでいた。
「どうしたの、ジロー?」
「いや、イカサマをしているとしたら、どんな方法を使っているのかと思ってな」
直後、ドアがノックされ、ジローが応対した。
「誰だ?」
「殿下、トマです。お食事とお飲み物を持ってきました」
「鍵は開いている」
ドアが開き、食事と飲み物が入ったワゴンを押してトマが入ってきた。
テーブルに豪華な食材が挟まれた大量のサンドイッチと、数種類のジュースと酒を並べて、トマは部屋を出る前にタバサに話しかけた。
「お元気そうで何よりです、シャルロットお嬢様」
この一言にタバサは驚き、残りの三人が一気に臨戦態勢に入った。
「どうして……。……!!」
瞬間、タバサは目の前にいるトマの正体に気付いた。
「トーマス?」
「気付いてくれましたか」
タバサの知り合いだと知り、三人は臨戦態勢を解き、トマから事情を聞いた。
「シャルロットの実家の料理長の息子だったのか」
「はい」
「トーマスは、私に色々手品を見せてくれた。凄く器用で、一度も見抜くことが出来なかった」
「ありがとう御座います。……シャルル様の事故死以来、立て続けに不幸が起き、使用人たちの大半が散り散りになり、父はそのショックですぐに他界してしまいました」
悲しげな表情で、トーマスは続けた。
「あれ以来、お嬢様に関していろいろと噂が流れました」
「例えば?」
ジェットが聞くと、トーマスは気まずそうに答えた。
「剥製にされた、現王女のペットにされた、ジョゼフ派の人間に玩具にされた挙句孕まされたなど……聞くに堪えないものばかりです」
「流した奴、誰だよ」
トーマスは四人の刺さるような視線に気付き、一度咳払いしてから話題を変えた。
「あれから数年、荒んだ生活を送っていましたが、ある時支配人に拾われたのです」
「あの支配人、“ギルモア”とかいう名前だったが、本名なのか?」
「……ここだけの話ですが、ギルモアは正体を隠すための偽名で、本名はバン・ボグートです」
「やっぱりな」
「何かあったのですか?」
「ちょっとした因縁さ」
アルベルトはそう言って、サンドイッチに手を伸ばし始めた。
「……シャルロットお嬢様、アルベルト様、ボグート様との勝負に応じる気ですか?」
「当然」
「向こうの誘いに乗ったからな」
「……ボグート様との勝負、決して勝てぬ仕組みになっております。それでも応じるおつもりですか?」
「「当然」」
二人の固い決意を知り、「失礼します」と言ってからトーマスは部屋を出た。

「さて、俺とタバサはボグートとの勝負が控えている。ジローとジェットはどうする?」
「俺はもう一回サントのテーブルに座るぜ。後85万エキューは稼がないと」
「博打狂め……」
「……俺は、もう少し休んでから、従業員用のスペースを調べてみる」
「何かピンと来るものでもあったか?」
「表の方に仕掛けがないのなら、裏の方を調べた方がいいと思ってね」
数分後、アルベルトとタバサはボグートとの勝負のため、ジェットは更に稼ぐため休憩室を出た。
残りのサンドイッチを平らげ、酒とジュースを全て飲み干したジローが休憩室を出たのは更に数分後であった。

「またか……」
一方、賭博場内のサイの目当てのテーブルでは、アルベルトとタバサが圧倒されていた。
二人とも、ボグートの手の動きをしっかりと凝視し、小の目が出るか、大の目が出るかを予測したが、有り得ないまでにその予測は外れまくった。
(どうなってやがる?)
(有り得ない……)
「お客様、こう見えても私は負け知らずなのですよ」
不敵に笑うボグートをよそに、二人は焦っていた。
チップも半分近くが向こうに持っていかれた。
二人は、休んでいるフリをして、裏方を調べているジローに賭けるしかなかった。
数秒後、何食わぬ顔でジローが来た。
「トマ、二人にリキュールミルクを」
「リ、リキュールは何になされますか?」
「両方ともカリン・スペシャルで」
「かしこまりました……」
トマがテーブルを離れた直後、ジローはアルベルトとタバサにこう言った。
「二人とも、残りのチップを全部賭けてみたらどうだい?」
この一言には、ボグートとギャラリーは絶句したが、その一言に「イカサマを見破った」という意味が含まれていることに気付いた二人は、迷わず残りのチップを全部賭けた。
結果は、二人の逆転大勝利であった。
「幸福の王子様の御利益だな」
この結果に驚いたのは、ボグードであった。
動揺するボグートの目の前に、ジローはそっと手に持っていたサイコロを置いた。
瞬間、サイコロはイタチみたいなものに変わった。
「ど、どうやって気付いた!?」
「耳を澄ませてみたら、この子の声が聞こえたんだ。先住魔法で変身する幻獣、“エコー”を利用したイカサマとはな……。気付かれないはずだ」
「迂闊だった、人造人間である貴様がここに入った時点で警戒すべきだったか……」
テーブルにあるサイコロも、全部エコーが変身したものであった。
ギャラリーからは罵声が飛び出した。
「ククク……。私自ら動いた結果がこれか……」
そこに、アルベルトが追い討ちをかけた。
「目立ちすぎたんだよ、貴様は」
直後、二人は同時に高笑いし始めた。
「「はーはっはっはっはぁ!」」
「またしても邪魔をしてくれたな、004!!」
「ギルモア博士の名を騙るとはいい度胸してるじゃねぇか、バン・ボグートォッ!!」
互いに怒りの咆哮を上げ、ボグートは懐から出した銃の引き金を引き、アルベルトは右手のマシンガンを作動させた。
レーザーと特殊合金製弾丸が飛び交い、賭博場内は修羅場と化した。
「ここでミサイルが使えるか?」
「貴様こそ、ここで加速装置が使えるのか?」
そして、トーマスの号令に反応して、ウェイターに扮していたサイボーグ兵士たちが一斉に臨戦態勢に入った。

タバサは魔法で、ジローはギターに内蔵されたマシンガンでサイボーグ兵士たちを迎え撃った。
一方、イカサマの被害にあったことがある一部の貴族の客たちが入り口で杖を取り戻し、怒り任せに暴れ始めた。
ジェットはまだサントをやっていた。
だが、タバサたちに応戦しているサイボーグ兵士たちが邪魔だったらしく、その内の一人を、別の客が注文した酒が入ったビンで殴った。
「ウロチョロするな!」
キーン! ドサ……。
「おい! お前は何だ!?」
「あいつらの仲間か?」
無視してサントに熱中するジェットの手札は、火の「ロワイヤル・ラファル・アヴェニュー」であった。
「何とか言ったらどうだ!」
直後、サイボーグ兵士の一人が銃の引き金を引き、ジェットの手札を撃ち砕いた。
「ああ……! せっかくの……、せっかくの火のロワイヤル・ラファル・アヴェニューが……!!」
怒ったジェットは、立ち上がり、吼えた。
「邪魔しやがってぇ!!」
周囲のサイボーグ兵士たちを素手で片付け、床に転がる一名をボグートに投げつけた。
「んご!」
頭部に食らった衝撃に気を取られ、一瞬回避が遅れたボグートの脚に、アルベルトの弾丸が3発命中した。
「しまった……!」
「部下の教育がなってねえぞぉっ!! バン・ボグートォッ!!!」
「今のはどう見ても貴様の逆恨みだ!! 002!!!」
怒りに任せて互いに銃を撃ち合い、賭博場は地獄絵図と化した。
床や壁だけでなく、天井にまでレーザーが命中、破壊され、一部が崩落した。
そしてその余波は、地盤沈下という形で地上の宝石店に及んだ。

室内の惨状を見たトーマスは、手持ちの煙幕弾を作動させ、室内を煙で満たし、ボグートに耳打ちした。
「ボグート様、今の内にお逃げください。ここは我々が」
「任せたぞ、トマ」
隠し扉を開け、ボグートは地下通路へと逃げ込んだ。
一方、サイボーグ兵士たちは全て倒され、トーマスもアルベルトに叩きのめされた。

隠し通路を抜けて路地裏に出たボグートは、一気に路地裏を駆け抜け、風の流れをたどって隠し通路の出口を探し当てたタバサと鉢合わせした。
「速い……!」
「この抜け道に気付くとは!」
脚のダメージのせいで加速装置が使えないボグートは、タバサが呪文を唱えるより早く銃を撃とうとしたが、レッド&ブルーの人影が側を掠め、銃を持っていたボグートの右手が切り落とされ、脇腹に大きな傷が出来ていた。
「デンジ……エンド!」
その人影、キカイダーが静かにそう呟いた直後、ボグートの右上半身が爆発した。

大破したボグートの懐を調べたタバサは、目当てのものを見つけた。
「あった」
手に持っていたのは、鍵であった。
「それは?」
「銀行の鍵」
「どこの銀行だろうか?」
「トーマスに聞いてみる」
その場を立ち去ろうと歩き出してから数秒後、ボグートがいきなり立ち上がった。
「その鍵を返せぇ!」
しかし、ボグートの咆哮に驚いて振り返ったキカイダーとタバサを押しのけて現れたアルベルトが、今度こそ引導を渡した。
「おのれぇ!」
アルベルトの右手のマシンガンが火を噴き、蜂の巣にされたボグートは大爆発、後にはバラバラになった死体だけが残った。
「あの世でヘレンとビーナたちに詫びやがれ……!!」

そして、タバサたちはプチ・トロワへと戻り、任務の完了を報告した。
任務が終ったタバサは、ジローの呼びかけにも答えずそのままプチ・トロワを後にした。
一方、ジローもタバサに関してイザベラを問いただしたが、はぐらかされてしまった。
結局、釈然としないままジローたちはイザベラの部屋を出て、自分たちが寝泊りしている客間へと戻った。
何故かニヤニヤしているジェットを見て、怪訝に思ったアルベルトはジェットに聞いてみることにした。
「どうした、ニヤニヤして」
「フッフッフ……。知りたいか? 知りたいんだな? 知らせてやるぜ!」
ジェットが懐から出したのは、高そうなアクセサリーや宝石の数々であった。
その中に含まれているブルーダイヤを見たジローは、ジェットがあの宝石店から失敬したことに気付いた。
「ジェットさん、まさか……!」
「そのまさかさ。ロワイヤル・ラファル・アヴェニューを台無しにされた慰謝料代わりに、取れるだけ取ったのさ」
「何てことを……」
「火事場泥棒じゃないか……」
呆れ果てたジローとアルベルトとは対照的に、ジェットはどこ吹く風であった。
「何とでも言いやがれ」

時間は、冒頭に戻る。
今日集まったのは、トーマスがこの立ち飲み酒場に就職できた祝いである。
「よかったな。再就職できて」
「はい」
心底朗らかなジェットと、微妙に心中複雑なトーマスの会話を聞きながら、アルベルトはジローに愚痴った。
「それにしても、あんな真似をするとは……」
「聖人失格、と言ったところだな」
「全くだ……」

世の中、悪銭が身についてしまうこともたまにある。
けれどジェットの真似をしてはいけない。
トリスタニアに戻れる日は来るのだろうか。
あの日の幸せが戻るのは何時の日か。
ジローは行く、果てしなき旅の路を。


赤い夕焼け~ 寄せる雪風~
戦い終わって~ 明日を夢見る~

何時の日か必ず~ みんなでタルブ行(ゆ)こう
ああ~ 我ら~ サイボ~グ~

正義の味方~


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