あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの伯爵

注)本SSは『HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました』スレに掲載された作品です。

ここはトリステイン魔法学院。トリステイン王国の、全寮制メイジ養成機関だ。

メイジが用いる魔法には、火・水・風・土の四系統がある。
そして扱える系統が増えるにつれ、ドット(1系統のみ)、ライン(2系統)、トライアングル(3系統)、スクウェア(4系統全て)の使い手と呼ばれる。

火の系統の使い手 『微熱』キュルケ
水の系統の使い手 『香水』モンモランシー
風の系統の使い手 『雪風』タバサ
土の系統の使い手 『青銅』ギーシュ

――――そして彼女は――――


少女は憂鬱だった。
今日は、今年晴れて二年生へと進級した者達の、「使い魔召喚の儀」。つまりは「サモンサーヴァント」が行われる日だ。
使い魔は、メイジにとって、「目」であり「足」であり「盾」でもある。よってこの召喚の儀も、必然的に重要なものとなる。

彼女の名は、ルイズ。「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
名門公爵家、ヴァリエール家の三女。
本来なら、おいそれと話しかけることも出来ないほどの身分だが、今彼女は、朝からずっと周囲の生徒から皮肉を浴びせられている。

「おい『ゼロ』のルイズ!お前本当にやるのか?間違っても俺達を爆発に巻き込むんじゃないぞ~」

「ダメもとでやってみたら、もしかしたら成功するかもしれないぞ?原形をとどめてたらいいけどなぁ!はははは!!」

(はぁ・・どうしてこんな目に・・・)

この罵詈雑言は、なにも今日に限ってのことではない。理由は一つ。

彼女が「魔法の使えないメイジ」だからである。
彼女は有名貴族の出でありながら、これまで一度も魔法が成功したことはないのだ。

ゆえに『ゼロ』。「ゼロのルイズ」だ。


「ルイズ~ごきげんようー」

怪しげな微笑を伴なって現れた、ルイズと対照的の豊満な肉体を持つこの女性の名は、キュルケ。
火の系統を得意とする、トライアングルメイジだ。


「あぁあんたね・・いったいなんの用?」

ぶっきらぼうに返すルイズ。キュルケとはいわゆる、犬猿の仲だ。出来れば早々に退散したいと思っていた。

「あらつれないわねぇ。今日はいよいよ召喚の日じゃない。あなたにはいったいどんな素敵な使い魔が現れるのかしらねぇ~。くすくす・・・」

「・・・・・言いすぎ・・・」
キュルケの横に立つ、青い髪の少女が言う。
だが、他人に哀れまれるなど、ルイズのプライドが許さなかった。

「・・・見てなさい・・・。絶対にあなたたちより高貴で!美しくて!そして強力な使い魔を召喚してみせるんだから!!!」


「おいおい。ルイズが吹いたぞ」

「ははは召喚の時間が楽しみだな、ゼロのルイズ」


負けてなるものか。ルイズは胸に固くそう誓った。
もともとプライドの高い少女である。このようなことを言われて、黙っていられるわけがないのだ。
そして召喚の時・・・

キュルケはサラマンダーを、タバサはなんと風竜を召喚した。


「おいルイズ。次はお前の番だぞ。どうせ何も召喚できないだろうけどな」

(どうしよう・・これで成功しなかったら・・・)

ルイズがそう苦悩する中でも、野次はとびつづける。

(・・・みてなさい・・!)

詠唱が始まる

「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!」
(・・・・お願い・・・!!)

「私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!」

すると突如、少女のまわりで、本来召喚の儀式では起こりえるはずのない爆発が起きた。

人々が驚き叫び、逃げ惑う


体中に纏う頑強な鎧


腰に携えた長剣


真黒の長髪


真紅のマント

爆発によって巻き起こった粉塵が晴れたとき
そこにいたのは


一人の男だった


(に・・人間!?どうして・・・そんな・・・)

片膝をついたその男は、鎧やマントを身に纏ってはいるが、杖を持っていなく、剣しか所有していないように見える。
おそらく、裕福な平民なのだろう。

だが次の瞬間、ルイズは自分の浅はかさを後悔した。


「お・・おい!ルイズが平民を召喚したぞ!!」

「は・・・ははは流石ゼロのルイズだ!やることが違うな!!!」

とりあえず差し迫る害がないと判断すると、途端に周りがざわめき始める。


「ねぇタバサ。いったいどういうことかしら、これ」

「・・・危険」

「え?どういうこと?タバサ」

今この場で、自分たちがどういう状況にあるのかを把握出来ているのは三人。
タバサとコルベール。

そしてルイズだけだ。

(・・まずい・・・!!あの男は・・危険だ!!)

これまで数多の死線を越えてきたコルベールだが、そんな彼でさえ、体中の細胞が警告を発している。
ただ一つ「逃げろ!!!」と。


「あ・・あなた・・いったい誰・・・?」

生まれて初めて感じる、言いようのない恐怖を感じながらも、少女は言った。
貴族としてのプライドが、この場から逃げ出すことを許さなかったのだ。


『彼』もまた困惑していた。

自分は完全に消滅したはずなのだ。

なぜ生きている?そしてここはどこだ?

目の前に広がるこの光景は何だ?


彼自身、何故そう言ったのかはわからない。
もはや捨てた名だ。

だが彼はゆっくりと。しかしハッキリとこう答えた。


「Wladislaus Drakulya」

そして続けてこう言った。


「アーカードだ」


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