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秘密結社ゼロシャイム総統ルイズ 外伝?


「んだてめぇっ、じろじろ見やがって何か用でもあんのかよっ」
「ひぃぃっ」
 イザベラは頭を抱えた。つくづく何故こんなのを呼び出してしまったのだろう自分は。
 全てはあの、あの、あの、クソ忌々しい鉄面皮・・・名を出すのも憚られるからtbs(仮名)としておこう。
 そうあのtbsが呼び出したという青い風竜。あれの姿に一瞬でも心奪われてしまった自分が憎らしい。その思いが背中を押しまくり、
 だからして「どーせオマエにゃ無理だよだってオレの娘だし(プ」とほざくクソ親父の制止も意に介さず、
 イケイケドンドンな感じで自室でサモン・サーヴァントを実行したのである。そして出てきたのが、

『あ?・・・なんだこりゃ。おいお前、何処だここ。お前もあのバカどもの仲間って訳か?』
 まず目に付いたのが頭部全てを覆う赤いマスク。・・・いや兜と言ったほうがいいのかもしれない。イザベラの持ち合わせる常識ではそう言えた。
 そして着ている物はその頭部の重装(?)に比してあまりにも貧弱な・・・少なくともイザベラには平民が着るだけの服に見えた。
 もちろん、実際そうであり、それはサンレッドにとってあまりいい気がしない認識だった。彼も一時は自分を養う彼女の為に定職に就こうとしたのだ・・・。
『へ、平民・・・何であいつは竜で・・・このあたしにあんたみたいなボンクラが!!』
『あぁ?』
 正義のヒーローは子供に手を出してはいけない。そんな事は常識も常識、社会の大原則だ。
 だがこの日パチンコで完敗していたサンレッドの怒りはまさにこの瞬間頂点に達し、そして「目の前のガキ=フロシャイムの何か」というあまりにも不条理な方程式が完成する。
 悪の組織の一員ならガキでも容赦する必要は無い。悪の組織のガキは容赦してほしくて悪の組織のガキをやっているのに違いないからだ。
 日頃あのアニマルソルジャーども相手に辛酸を舐めさせられている(?)サンレッドの決断は早かった。
『きゃあああっ』
『イザベラ様っ、如何しm・・・何だ貴様は!平民風情がこんなk』
 悲鳴を聞き扉を開けて入ってきた守衛は王女のデコを掴んで持ち上げている狼藉者に挑みかかるも、
 哀れな一兵卒は正義のヒーローの正義の一撃の前に地に臥した。追撃のローキックをこめかみに叩き込まれ動かなくなるカステルモール。
『あぁ、あ・・・』
 あー私終わったな。自分がサモン・サーヴァントで呼び出した平民(よりによって!)にブッ殺される王女なんぞお笑い種だ。
 自分の葬儀の席で大爆笑するクソ親父の、顔を伏せながら必死で笑いを堪えるtbsの姿がありありと・・・ちくしょうお前ら絶対枕元に立ってやる。
 全く表情の読み取れないその男がへたり込んだ自分を見おろしている最中、イザベラの頭の中ではそんな思いが駆け巡り・・・
『くそっ、泣くこたぁねーだろ。これだからガキは・・・』
 サンレッドはこれでも大人だった。かなりどうしようもない部類には入るが、ビビりまくって泣きじゃくる子供を脅す趣味も性癖も無かった。
 とりあえず泣き止まないその少女を引っ掴み、部屋を出て責任者と思しきこの趣味の悪い家の家主を恐喝・・・もとい事情を窺う事に。


『ブッハハハハハハハハ!さっすが俺の娘だ!よりによってそんなボンクラ平民を呼び出s』
『悪かったなボンクラでよぉっ』
 ヤクザキック一撃で黙りこくる自称国王。国王て。自称将軍のあのヒゲがどれほど謙虚かサンレッドは理解した。
 しかし一撃とは意外と拍子抜けである。コンクリート片で殴打してもアパートに這って帰る連中はやっぱり身体の造りが違うのか。
『貴様、そのお方が誰k』
『蛮人め!狙いは何だ!?まさか貴様があのガンd』
 女をじわじわといたぶる趣味も無いし、客間で平然とコスプレしている変態に手加減するほどの慈悲も持っていないのがサンレッドだった。
 それぞれ下アゴへの一撃で白目を剥いてKOする様にちょっぴり罪悪感を覚えたが、どうせ死なないだろう悪の組織の奴なんだし、とも思った。
『ったく、何だよこの家は。まともに客の話聞こうって奴ぁいねぇのかよ。おいガキ!何とか言えっての』

 前々からいけ好かなかったあの女とエルフを簀巻きにして井戸に叩き込んだ後(蓋はしなかった。なんて慈悲深いあたし)に目を覚ましたクソ親父は、このチンピラをいたくお気に入りあそばされたようだった。
 一通りの事情を聞いて「元の世界に戻せ」とクソ親父の首をガンガン振るチンピラ―――サンレッドと言った―――を宥めすかし、
 とりあえず戻す算段がつくまで私の使い魔・・・なんて言ったらまたキレるだろうから、召使いでいろ、と言ってみたところ、
『ていの良い事言ってるけど「使い魔」ってやつだろ。ジジイが言ってたぞ。・・・まあ暇潰し程度に付き合ってやるよ』

 で、「とりあえずここがどんな世界なのか見せてくれや」とお願いされ・・・お願いであって命令とか脅しとかじゃ断じてない、とイザベラは必死で自分に言い聞かせる。
 こいつを呼び出したのは自分だ。私が主。こいつは使い魔。だからこいつに引け目なんて感じる必要は無い!
 だからイザベラはこうやってサンレッドを連れて城下をぶらついてるのであるが・・・。

「おいっ、何か用かって聞いてんだよっ。ガン飛ばしてんじゃねぇぞこらぁっ」
「うわぁぁっすいませんっすいませんっ」
「何でこいつはこう・・・」
 チンピラだ。チンピラ丸出しだ。
『名前?サンレッド。向こうで正義の味方やってた』
 嘘だろこれ。絶対嘘だ。どう考えても退治される側のチンピラAだろこいつ。
 だがイザベラの脳裏によぎるのは先程の、あの化物・・・メイジ数人がかりでようやく仕留められる実力を秘めるというエルフ、
 その中でも更に戦いの為に身を研ぎ澄ましたあの化物を一瞬で、一撃で地に這いつくばらせたあの姿。
(実は自称正義の味方で、周りからは悪の帝王とか呼ばれてるんじゃないのか?)
 そんな疑念が湧き出てくるのは至極当然の事だった。
「あんたっ、正義の味方が一般人にそんな事して恥ずかしくないのかいっ」
「どーせ俺はここじゃ治外法権なんだからいいだろがっ」
「法律がどうとか以前に、人として踏み外しちゃいけない道理ってもんもわかんないのかいっ」
「ちっ、かよ子と同じような事言いやがってガキのくせに・・・」
 ハッキリ言ってイザベラ自身こんな台詞を言えた義理では無かったが、
 何しろこいつのボンクラぶりを見るにつけとても放置していいものとは思えず、
 湧き上がる恐怖を押さえ込みつつどうにかこの使い魔の手綱を握ろうと苦心していた。
(このあたしがまさか他人の為に心を砕くなんてね。因果応報ってやつかね)
 くくっ、と口の端が歪む。ひたすら己に降りかかる運命を恨み抜き、ひたすら部下とtbs相手に鬱憤を晴らすだけの日々。
 その行為はいつだって終わった後に猛烈な罪悪感という重圧に変わり自分の心に圧し掛かってきた。

 だが、この暴君を相手にしているこの瞬間は、そんなしがらみの一切から解き放たれている事にイザベラは気付いた。
(・・・ひょっとして、こいつはあたしの心を救いに来てくれたのか?)
 そんな事を思い至るイザベラだったが、
「~~~貴っ様~~~もう勘弁ならん!このデコ娘ならまだしも城下の民に手を出すなd」
「うるせえよっ」
 固定化されている石の塀に穴が空く勢いで頭をぶつけられたカステルモールを見て、その考えを全力で否定するのであった。



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