あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのアトリエ-11


森の中の空き地に、廃屋があった。
元は木こり小屋だったのだろうか、朽ち果てた炭焼き用の窯と物置が並んで建っている。
「わたくしの聞いた情報では、あの中にいるという話です。」
ミス・ロングビルが廃屋を指差して言った。


ゼロのアトリエ ~ハルケギニアの錬金術師11~


ルイズ達はゆっくりと相談し始めた。とにかく、あの中にいるのなら奇襲が一番である。
タバサはちょこんと地面に正座すると、地面に図を書いて自分の考えた作戦を披露する。
まず偵察兼おとりが小屋の様子を探り、中にフーケがいれば挑発して外に出す。
中にいてはゴーレムを作る土が使えないので、いやおう無しに飛び出てくるだろう。
飛び出たところを、魔法の集中砲火でしとめる。
「で、偵察兼おとりは誰がやるの?」
キュルケが尋ね、タバサが短く答える。
「速くて、強い人。」
全員が一斉に、ヴィオラートを見つめた。
「うん。じゃあちょっと行ってくるね。」
ヴィオラートはデルフリンガーを背負うと、フライングボードを取り出し、小屋に近づく。
窓をのぞくが、人影は見えない。変わったものといえば、薪の隣にチェストが置いてあるだけだ。
「誰もいないよ。」
隠れていた全員が、おそるおそる近寄ってきた。
タバサが、扉にむけて杖を振る。
「ワナはない」
そう呟いて、小屋の中に入る。
ルイズとヴィオラートが後に続く。
キュルケは外で見張りをすると言って、後に残った。
ミス・ロングビルはあたりを偵察してきますと言って、森の中に消えた。

小屋に入ったヴィオラートたちは、家捜しを始めた。
そして、ヴィオラートがチェストのなかから、
なんと「破壊の像」を見つけ出した。
「あっけないわね!」
ルイズが叫んだ。
ヴィオラートは、その像を触ったとたん、目を丸くした。
「これ、もしかして…」
そのとき、外で見張りをしていたキュルケの叫ぶ声が聞こえた。
「ゴーレム!!」
それと同時に屋根が吹っ飛び、巨大なゴーレムが姿をあらわす。

最初に反応したのは、ルイズだった。
ルイズは「破壊の像」をひったくると、ゴーレムの傍に駆け寄っていく。
「あ!」
気付いたヴィオラートが振り返ったときには既に、
像を使おうと悪戦苦闘するルイズの頭上にゴーレムの足が迫り…
間一髪、ヴィオラートのフライングボードが超低空の地擦り飛行を見せて、ルイズを救出する。
「ルイズちゃん、どうして!」
ルイズは答えず、ヴィオラートの手を振り払って、もう一度ゴーレムに向かって走る。
「わたしは貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ。」
ルイズは像を握り締めた
「敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!」
しかしやはり、像はむなしく空を切るだけ。
「ルイズちゃん!その像を地面に置いて!」
ヴィオラートが叫び、ルイズを導く。
「心に描いて!伝説の竜、フラン・プファイルのブレスを!」

伝説の竜?それなら、何度も心に描いた。こんな使い魔がいればいいと。
ルイズが何度も夢に見て、ゼロの現実に打ちひしがれた、心の中の最強の使い魔。
その速さは風よりも早く、そのブレスは全てを焼き尽くす―――

像が動き出し、まるで生きているようなしぐさで口を開き、
大音響と共に吐き出された雷のブレスがあたりを白光に染め上げる。

黒焦げになったゴーレムの表面が、どさり、どさりと剥がれ落ち、
細くなった土ゴーレムの芯だけがゆっくりと倒れ伏した。

キュルケが、我がことのように喜びをあらわにする。
「ルイズ、すごいわ!まさかあなたが破壊の像を使えるなんて!」
ルイズを抱擁するキュルケと、それを見守るヴィオラートの脇で、
ウィンドドラゴンに乗っていたタバサが、ゴーレムの残骸を見つめながら静かに呟いた。
「フーケはどこ?」
全員がわれに返る。しかし、フーケの姿はない。しばらくのち、
あたりを偵察に行っていたミス・ロングビルが茂みの中から現れた。
「ミス・ロングビル!フーケはどこからゴーレムを操っていたのかしら。」
キュルケがそう尋ねると、ミス・ロングビルはわからないと言うように首を振った。
四人は、仕方なくゴーレムの残骸を漁り始める。
ミス・ロングビルはその様子を観察し、地面に置かれたままの「破壊の像」を手に取る。

「ミス・ロングビル?」
ルイズは怪訝に思って、ミス・ロングビルの顔を見つめた。
ミス・ロングビルは四人から距離を取ると、「破壊の像」を地面に置く。
「ご苦労様。」
「ミス・ロングビル、まさか…」
キュルケが誰何すると、ミス・ロングビルは見たこともない邪悪な笑みを浮かべて、種を明かした。
「そう、私が土くれのフーケ。さすがは破壊の像ね。雷でゴーレムを破壊するなんて、想定外だったわ。」
タバサが杖を振ろうとした。
「おっと。動かないで。全員、杖を遠くに投げなさい。」
仕方なく、ルイズ達は杖を遠くに投げた。これでもう魔法は使えない。
「使い魔さんは、その赤いものを投げなさい。それがあなたの力の全てなんでしょう?」
ヴィオラートは、言われたとおりにした。
「どうして、こんなことを?」
笑みを貼り付けたヴィオラートが、静かに尋ねる。
「そうね…教えてあげる。使い方が知りたかったからよ。」
「それだけで…それだけで、こんなことを?」
「そうよ。」
「誰も、使えなかったら?」
「ふふ、その時は皆処分して、次の人に期待したかしら…でも、その必要はないみたいだけど。」
フーケは笑った。
「じゃあ、お礼を言うわ。短い間だったけど楽しかった。さよなら。」
ルイズは観念して目をつぶった。
タバサも目をつぶった。
キュルケも目をつぶった。

ヴィオラートはつぶらずに、声を上げた。
「…デルフリンガーくん、頑張ってね!!」
それだけ言うと、ヴィオラートはフーケに向かって走り始める。
「へ?」
光り輝くデルフリンガーが宙を飛び、走るヴィオラートの斜め前に躍り出た。
いきなり抜き放たれたデルフリンガーは、状況が良くつかめていないようだが…
「お、おい!一体俺に何を頑張れってんだ!!」
「言ったはずだよ!動くなってね!」
フーケが破壊の像に命令を下し、像が口をあけたその時。
神の頭脳、ミョズニトニルンの力が強制的にデルフリンガーの能力を解放する。
「ちょおま、何かするなら前もって―――」
雷のブレスがまるでヴィオラートとルイズたちを避けるように走り、収束し、

その全てがデルフリンガーに落雷した!

「ギャアアアアアアアアアアアアぁアアあああああああああああああああああああ!!!」
落雷の大音響と共に、デルフリンガーの絶叫が周囲に響き渡る。
(くっ、外した!?)
至近距離での稲光に目をくらまされ、
ヴィオラートの姿を見失ったフーケがあたりを見回した次の瞬間、
すぐそばに迫るヴィオラートの手から必殺のスペルが解き放たれる。
「エンゲル、スピリットーーーー!!」
杖無し、詠唱ほぼ無しのスペルに不意を撃たれ、
精神を削られ切った土くれのフーケは、くず折れるように倒れ伏した。


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