“かわいいあの子とランデヴー!”
………風神宮に巣食っていた火群の者 赤カブトを、立ち会わせたスサノオの助力もあって、
(というかアマテラスがスサノオに助力したのだが)
見事討ち取ったアマテラスとイッスン。
その一行の前に現れ、水晶のヘビイチゴを掠め取っていったウシワカの予言である。
(というかアマテラスがスサノオに助力したのだが)
見事討ち取ったアマテラスとイッスン。
その一行の前に現れ、水晶のヘビイチゴを掠め取っていったウシワカの予言である。
ビシッとポーズまで決めて何やら悦に入っている。
毎度毎度の事ながら何を言っていやがるのかこの妄言野郎は?
毎度毎度の事ながら何を言っていやがるのかこの妄言野郎は?
とイッスンは思っていた、その時は。
………
……
…
……
…
「ルイズが! ゼロのルイズがサモン・サーヴァントに成功したぞッ!」
「い、犬?」
「…化粧してんのか? あれ?」
「い、犬?」
「…化粧してんのか? あれ?」
ルイズを囲んでいた生徒たちから戸惑いの言葉が次々に飛んだ。
まさかゼロのルイズがサモン・サーヴァントに成功するとは…
誰もがそう思った。彼女が召喚に挑戦し始めてからいったい何度爆発を巻き起こしただろうか?
最初こそ失敗の度に皆で嘲笑していたのだが、途中から誰も何も言わなくなった。
ルイズ本人の必死さに心打たれたのではなく、単純に飽きたのだ。
まさかゼロのルイズがサモン・サーヴァントに成功するとは…
誰もがそう思った。彼女が召喚に挑戦し始めてからいったい何度爆発を巻き起こしただろうか?
最初こそ失敗の度に皆で嘲笑していたのだが、途中から誰も何も言わなくなった。
ルイズ本人の必死さに心打たれたのではなく、単純に飽きたのだ。
(さっさと諦めればいいものを…)
そう思い始めた矢先の事であった。
「ふ~ん、あれがルイズの言う神聖で美しく、そして強力な使い魔って訳ね?」
大柄な赤毛の少女が感想をこぼす。
「…………」
隣の小柄な少女も先ほどまで興味なさ気に読書に勤しんでいたのだが、
彼女もまたルイズが召喚した使い魔をじぃーっと注視していた。
「おお!! ようやく成功したかね、ミス・ヴァリエール」
教師のミスタ・コルベールが賛辞を送る。
が、ルイズの耳にはちっとも届いていなかった。
当のルイズは放心したように目の前の犬を見つめていたが、事態を飲み込むとようやく喜びをあらわにした。
ちょっと泣きそうになっている。
なにせ生まれて始めて成功した魔法なのである、感動もひとしおであった。
(やった…!成功した!!
父様!
母様!
ちい姉様!)
大柄な赤毛の少女が感想をこぼす。
「…………」
隣の小柄な少女も先ほどまで興味なさ気に読書に勤しんでいたのだが、
彼女もまたルイズが召喚した使い魔をじぃーっと注視していた。
「おお!! ようやく成功したかね、ミス・ヴァリエール」
教師のミスタ・コルベールが賛辞を送る。
が、ルイズの耳にはちっとも届いていなかった。
当のルイズは放心したように目の前の犬を見つめていたが、事態を飲み込むとようやく喜びをあらわにした。
ちょっと泣きそうになっている。
なにせ生まれて始めて成功した魔法なのである、感動もひとしおであった。
(やった…!成功した!!
父様!
母様!
ちい姉様!)
…一人はぶられてるような気もするが気にしてはいけない。
目じりに溜まっていた涙を誰にも気取られぬよう引っ込めてまずは心を落ち着ける。
それからルイズは自分の召喚した使い魔をじっくりと観察してみた。
呼び出されたのは犬、犬だ。
見まごう事なき犬だ。
やや大きめの犬だろうか、人1人乗せて走れそうなくらいの体つきをしている。
顔つきは…整ってはいるのだがなんとも呆けた印象に見受けられた。
全身を覆う真っ白な体毛がやたら柔らかそうで、撫でると手がツルツルになりそうである。
呼び出された犬は状況を理解していないのか、辺りをキョロキョロ見回していた
それからルイズは自分の召喚した使い魔をじっくりと観察してみた。
呼び出されたのは犬、犬だ。
見まごう事なき犬だ。
やや大きめの犬だろうか、人1人乗せて走れそうなくらいの体つきをしている。
顔つきは…整ってはいるのだがなんとも呆けた印象に見受けられた。
全身を覆う真っ白な体毛がやたら柔らかそうで、撫でると手がツルツルになりそうである。
呼び出された犬は状況を理解していないのか、辺りをキョロキョロ見回していた
しかし…見れば見るほど妙な犬であった。
一つ、背中に何やら背負っている。
一つ、真っ白い体躯に赤い化粧が施されている。
一つ、なんと全身が薄っすらと光り輝いているように見えるのだ。
常人には『唯のすっ呆けた面をした犬』にしか見えないはずのアマテラスであるが、
メイジである彼らには本当の姿を知覚できるのであった。
そして唯の犬ではないことを本能的に悟る。
まさか幻獣か…? とまで思わせるなにかがこの犬にはあった。
一つ、背中に何やら背負っている。
一つ、真っ白い体躯に赤い化粧が施されている。
一つ、なんと全身が薄っすらと光り輝いているように見えるのだ。
常人には『唯のすっ呆けた面をした犬』にしか見えないはずのアマテラスであるが、
メイジである彼らには本当の姿を知覚できるのであった。
そして唯の犬ではないことを本能的に悟る。
まさか幻獣か…? とまで思わせるなにかがこの犬にはあった。
一方起き上がったアマテラスはというと…
ここが先ほどまで駆けずり回っていた神州平原でないことを確認し、
そばで気絶していたイッスンを前足でいじりまわして生きているのを確認するとフテ寝を決め込んでいた。
少しは取り乱せよお前。
そばで気絶していたイッスンを前足でいじりまわして生きているのを確認するとフテ寝を決め込んでいた。
少しは取り乱せよお前。
「さて、召喚には成功したことだしミス・ヴァリエール。儀式の続きを」
「は、はい」
ルイズに緊張が走る。召喚したところで契約できなければ全ては水泡と帰す。
呼び出した相手が高位の幻獣であったりすると契約できなかったという事例がいくつか存在するのだ。
自分は魔法をろくに使えもしないゼロのルイズ、目の前には得体の知れぬ犬。
しかしここで失敗するわけにはいかない。
いつもゼロと蔑まれてきたルイズ。
プライドの高い彼女にとって、それはどれほどの屈辱だっただろうか?
「は、はい」
ルイズに緊張が走る。召喚したところで契約できなければ全ては水泡と帰す。
呼び出した相手が高位の幻獣であったりすると契約できなかったという事例がいくつか存在するのだ。
自分は魔法をろくに使えもしないゼロのルイズ、目の前には得体の知れぬ犬。
しかしここで失敗するわけにはいかない。
いつもゼロと蔑まれてきたルイズ。
プライドの高い彼女にとって、それはどれほどの屈辱だっただろうか?
(絶対に…絶対に成功させる!)
意を決して未だ寝こけている犬へと接近してゆくルイズ。
…いきなり近づいて逃げたりはしないだろうか?
ルイズは慎重に犬へ近づいて声をかける。
「ねえちょっと、起きなさい」
が、犬は寝そべったままノーリアクション。
「起きなさいよ」
ガン無視。
…いきなり近づいて逃げたりはしないだろうか?
ルイズは慎重に犬へ近づいて声をかける。
「ねえちょっと、起きなさい」
が、犬は寝そべったままノーリアクション。
「起きなさいよ」
ガン無視。
「………………………………」
ルイズの事などまるで眼中にないようだ。
ぴきっとこめかみに青筋を走らせるがなんとか堪える。
言葉も理解できない畜生に腹を立てても仕方がない。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
こうなれば強行である。
ルイズは相変わらず寝そべっている犬っころをむんずとひっ掴んで、
振り向かせたその顔の鼻先にちょんと口付けた。
ぴきっとこめかみに青筋を走らせるがなんとか堪える。
言葉も理解できない畜生に腹を立てても仕方がない。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
こうなれば強行である。
ルイズは相変わらず寝そべっている犬っころをむんずとひっ掴んで、
振り向かせたその顔の鼻先にちょんと口付けた。
(!?)
これにはさすがに驚いたらしい。
バッと身を翻してルイズを睨みつけ、ウ゛~~~~~と唸り声をあげて臨戦態勢を取っている。
ルイズは犬っころの身のこなしにやや驚くも、こちらも負けじと睨み返す。
相手に舐められるわけにはいかない、こういうのは最初が肝心なのだ。
まず主と従の関係をきっちり躾けなくては、とルイズは決意を固める。
バッと身を翻してルイズを睨みつけ、ウ゛~~~~~と唸り声をあげて臨戦態勢を取っている。
ルイズは犬っころの身のこなしにやや驚くも、こちらも負けじと睨み返す。
相手に舐められるわけにはいかない、こういうのは最初が肝心なのだ。
まず主と従の関係をきっちり躾けなくては、とルイズは決意を固める。
「…………」
睨み合うことほんの数秒、均衡はあっさり破られる。
不意に犬っころが左前足を舐め始めたのだ。
よく見るとその部分の体毛にルーンが浮かび上がっていた。
ここに契約は成ったのである。
睨み合うことほんの数秒、均衡はあっさり破られる。
不意に犬っころが左前足を舐め始めたのだ。
よく見るとその部分の体毛にルーンが浮かび上がっていた。
ここに契約は成ったのである。
「…ん、ミスタ・コルベール、終了しました」
「うむ、コントラクト・サーヴァントはきちんと成功したようだね」
(しかし随分と珍しいルーンだな…ふむ?)
訝しげに眺めていたコルベールであったが、生徒に教室へ戻るよう命じると空へと浮かび上がって去って行った。
次々と空へと飛んで学院へと戻ってゆく生徒たちを、アマテラスはぽけーっと眺めていた。
「うむ、コントラクト・サーヴァントはきちんと成功したようだね」
(しかし随分と珍しいルーンだな…ふむ?)
訝しげに眺めていたコルベールであったが、生徒に教室へ戻るよう命じると空へと浮かび上がって去って行った。
次々と空へと飛んで学院へと戻ってゆく生徒たちを、アマテラスはぽけーっと眺めていた。
「ルイズ! お前は歩いてこいよ!」
「あいつフライはおろか、レビテーションすらまともにできないんだぜ!」
生徒から笑い声が飛ぶ。
ルイズは悔しそうに口をかみ締めていたが、
「ほら、あんたもさっさとついてきなさい」
そう言って己が使い魔を促す。
「あいつフライはおろか、レビテーションすらまともにできないんだぜ!」
生徒から笑い声が飛ぶ。
ルイズは悔しそうに口をかみ締めていたが、
「ほら、あんたもさっさとついてきなさい」
そう言って己が使い魔を促す。
このアマテラス、何を考えているのか定かではないが…
未だに気絶しているイッスンをくわえるとルイズの後を追い始めた。
未だに気絶しているイッスンをくわえるとルイズの後を追い始めた。
こうしてアマテラスとイッスンはナカツクニから異世界ハルケギニアへと飛ばされてしまったのである。
復活したヤマタノオロチは?
ナカツクニは?
神様が人間の僕になるとかねーよwww
と色々疑問はつきないがとりあえず話は進む。
復活したヤマタノオロチは?
ナカツクニは?
神様が人間の僕になるとかねーよwww
と色々疑問はつきないがとりあえず話は進む。
ルイズの部屋でようやく目を覚ましたイッスンは、
まず最初に自分をベトベトにしてくれやがった犬っころにたいそう憤慨したそうな。
まず最初に自分をベトベトにしてくれやがった犬っころにたいそう憤慨したそうな。