あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-50


幸村とルイズは長い廊下を、2人並んで歩いていた。
「良き主君にござるな、ジェームズ殿は」
廊下を歩きながら、幸村はルイズに話し掛ける。
「配下の将を見ていれば分かる。あのように慕われるのは幸せでござろう」

「……でも、明日には戦って死んじゃうのよ?」

ルイズが震える声で口を開いた。
「嫌だわ……何であの人達死のうとするの?姫様が逃げろって言っているのに……」
次第にルイズの目から涙が流れる。遂には立ち止まり、その場で泣き出してしまった。
幸村はそれを黙って見ている。
「私、もう一度説得してみる。国より、愛する人の方が大事じゃない」

「それはなりませぬ」
と、黙していた幸村が首を横に振りながら言った。
「どうして!?ウェールズ様だって本当は……!」
「アンリエッタ殿を想うからこそにござる」
幸村は真剣な表情でルイズを見つめ、さらに続けた。
「ルイズ殿。皆、勇敢に戦い果てる事を決心しておられる。その思い、察して下され」
だがルイズは頷かなかった。
ルイズは武士ではない、ましてや戦に出た事もない少女である。
彼女にはどうしても理解出来なかった。だから、ルイズは幸村にこう言った。
「……ユキムラ、あんたは死ぬのが怖くないの?」
「この幸村、武士となったその日から死する事は覚悟しておりまする」
「じゃあ、私が戦って死ねって言ったらあんたは死ぬの?」
「それがルイズ殿の望みであれば」


その瞬間、幸村の頬に平手が飛んできた。

一瞬、幸村は何が起こったのか分からず、呆けた顔でルイズを見ていた。
「ルイズ殿?何を……」
数秒後、自分の頬を押さえていた幸村がやっと口を開いてルイズに尋ねた。
「やっぱりあんた馬鹿だわ、この国の人と同じ、自分の事しか考えてないのね!」
「そのような事は!拙者はルイズ殿の為ならば命懸けで……!」
「それで死んで満足?残された人の気持ちはどうなるのよ!!」
ルイズはその目に涙を溜めたまま、幸村を睨んだ。
今まで何百、何千という敵と刃を交えてきた幸村であっても、ルイズの涙と、その小さな体から発せられる気迫にたじろぐ。
しばらく幸村を睨んでいたルイズだったが、少し落ち着いたのか、腕で涙を拭ってもう一度幸村を見て言った。
「あんたは使い魔だから、私を守るのは当然よ。でもね、それで死ぬなんて絶対ダメ。分かった?」
「……は、ははっ!!」
幸村は我に返り、ルイズに深く頭を下げた。

「あ、そうだ」
と、ルイズは何かを思い出したのか、はっとした顔になる。
「あ、あのねユキムラ……ラ・ロシェールで言い忘れていた事だけど……」
「はっ!何でござろうか?」
ルイズは困ったような表情になり、ポリポリと頬を掻いた。


「ワ、ワルドがね、私と結婚しないかって」
「おお!そうでござるか!結婚…………結婚んんんーーーっっ!?!?」


予想だにしなかった告白に、幸村は素っ頓狂な声を上げた。

「け、け、けけけけけけけ結婚とは!ななな何故いきなり!?」
今にも飛び出しそうな程に目を見開き、ルイズに尋ねた。
「そんなに驚かないで、婚約者なんだからいつか結婚するのは当たり前じゃない」
そんな幸村とは違い、ルイズは落ち着いた様子で腰に手を当てている。
「でも安心しなさい。結婚はしないから。」
「そ、そうでござるか……」
それを聞いてほっとしたのか、幸村は大きな溜息をついた。

「私、これからワルドにこの事を謝ってくるわ」
「ルイズ殿、拙者も御供いたしますぞ」
しかし、ルイズは突然慌てた様子になってそれを止める。
「い、いいわ!ユキムラは先に戻ってて!こ、こういうのは当人同士で話し合った方がいいのよ!」
「し、しかし……」
「いいから!戻ってなさい!!」

戸惑っている幸村を戻らせ、ルイズはワルドの部屋に向かっていた。
相手は憧れていたワルド子爵だ。幼い頃、結婚するのを夢見ていた……
それなのに、今は結婚する事を考えると気持ちが沈んでしまうのである。
滅び行くこの国を見たからか、それとも死に向かうウェールズを目の当たりにしたからか……
しかし、そのどれも今の心境の原因ではないように思えた。
不意に、ルイズは幸村にワルドと結婚する事を話した時の事を思い出す。
幸村にまだ結婚はしないと話した時の、あのほっとした顔を見た時……
何故か自分も安心したのである。

まさか、自分はワルドとの結婚を否定して欲しかったのだろうか?

そんな考えが頭をよぎった頃、ルイズはワルドのいる部屋の前まで来ていた。

ルイズがワルドの部屋に着いた頃、幸村は言われた通りに自分の部屋に戻っていた。
「ひでぇ慌てっぷりだったな相棒」
すると、今まで黙っていたデルフリンガーが口を開いた。
「あそこはあれだぜ、俺の傍にいてくれ!とか、そういった事を言わねぇと」
「何を申すか、拙者はルイズ殿の傍にいるよう心掛けているが?」

そういう意味じゃねぇよ……と、デルフリンガーは小さい声で呟いた。
デルフ自身も薄々感づいてはいたが、この幸村という男、戦いにおいては中々のものだが、女性の事となるとまったくの二流……いや、三流であった。
さらに片や自分の気持ちに素直になれないルイズである。
(こりゃ嬢ちゃんが猛烈にアタックしない限りは無理だな……)


「結婚は出来ない?」
一方、こちらはワルドの部屋。
突然訪れてきた婚約者の言葉に、ワルドは思わず聞き返した。
「ごめんなさい。ワルド、あなたには憧れていたわ。もしかしたら恋だったのかもしれない……」
ルイズは俯きながら話していたが、深く深呼吸すると顔を上げ、決心したように言った。
「でも、今は違うの。私……」
話そうとしたところで、ワルドがルイズの手を取った。
「……緊張しているだけさ。そうたろうルイズ?」
しかし、ルイズは首を振る。
その瞬間、ワルドの目が吊り上り、ルイズの肩を強く掴んできた。
「世界、世界だルイズ!僕は世界を手に入れる!その為に君の力が必要なんだ!」
豹変したワルドに、ルイズは震え上がった。


「……む?」
その頃、幸村の体にある異変が起こっていた。
「どうしたね相棒?」
「今……ワルド殿の姿が見えたような……」
幸村はそう言って、しきりに目をこする。
武器を握っていないのにも関わらず、左手のルーンが光っていた。

「ルイズ!僕には君が必要なんだ!君の才能が、力が!」
ワルドはルイズの肩を掴んだまま、激しい口調で詰め寄る。
その剣幕に、ルイズは顔を歪めた。
「嫌よ。そんな結婚死んでも嫌……!あなた、私の事愛してないじゃない!」
ルイズはそう言い放つと、ワルドの手を振り解く。
「……こうまで言ってもダメなのかい?」
「嫌よ。誰があなたなんかと結婚するもんですか!」

その言葉を聞いたワルドは、唇の端を吊り上げ、禍々しい笑みを浮かべた。

「そうか……分かった、分かったよルイズ。手に入らないのならば、壊すとしよう……」
ワルドはそう言うと杖を手に取り、呪文を唱え始める。
そして、杖を振るうと、杖の先から光の玉が飛び出す。
光は窓を突き破って上昇すると、空中で大きな音と光と共に爆ぜた。
「子爵……今のは?」
ルイズは恐る恐るワルドに尋ねる。
対してワルドはいつもルイズに見せるような笑顔を浮かべて言った。


「合図だよ。ニューカッスル城を総攻撃せよという合図さ」


その言葉の後、城が轟音と共に大きく揺れ動いた。

「……どうやら、彼は言いくるめるのに失敗したようだな……」
レキシントン号の甲板上で、松永久秀は砲撃を受けるニューカッスルの城を見ながら呟いた。
不意に松永は指を鳴らす。
すると、彼の背後に長身のメイジが現れた。だがそのメイジから発せられる雰囲気は貴族というよりも傭兵のそれである。
「御出陣ですかマツナガ様」
「欲しい物は自分で手に入れるから良い。セレスタン、卿は女子供を捕らえてくれ」
「何に使うんです?」
「余興だよ。いずれトリステインの姫君に見せる余興に使うのだ」
松永はその顔に嫌な笑みを作り、笑った。
だが、セレスタンと呼ばれたメイジは困ったように松永に尋ねる。
「俺はやりますけど……“あの2人”はどうするんで?」
それを聞いた松永は、歯を剥き出しにし、さらに邪悪な笑みを浮かべて言った。


「欲望のまま血を啜らせればよい。肉を喰らわせればよい。それが彼等の真理……」



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