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ゼロテリ『北風と太陽』

「ん?」
タバサが図書館の新書コーナーをを見ていると、あるPOPの一文が目に入った。
『東の国より入荷!ロバ・アル・カリイエ版北風と太陽』
彼女の今夜読む本が決まった。

「おねえさま、おねえさま。なんなの?その絵本」
彼女の使い魔が興味津々に訪ねてくる。
「珍しい場所から届いた絵本よ」
そう言い、絵本を読み始めた。


物語をしよう。
これは、ずっとずっと昔、とおいとおい昔の物語。
まだ、国という概念がなかった頃の物語。
まだ、貴族や平民という概念がなかった頃の物語。
まだ、神様がいなかった頃の物語。

"それ"は、なんの前触れもなく現れた。
"それ"は、太陽と北風だった。
とても歪んだ、とても醜悪な、とても悪いものだった。

太陽と北風は世界を蝕み始めた。
気に入らないものを光で焼いた。
気に入らないものを風で燃やした。。
気に入らないものを全て消そうとした。

わたしたちは祈った。
この太陽と北風を倒してくれるモノに。
わたしたちを救ってくれるモノに。

そして、その願いは通じた。

初めに来たのは北風だった。
その身を巨大な鳥に変える、巨大な北風だった。

次に北のは太陽だった。
右手に天に輝く太陽を宿した巨大な太陽だった。

後から来た北風が太陽を斬った。
後から来た太陽が北風を焼いた。
そして、まぶしい光と共に帰っていった。

わたしたちは彼らの落し物に名前を付ける。

先に来た北風の落し物に『北風の杖』と。
先に来た太陽の落し物に『太陽の指輪』と。
後から来た北風の落し物に『北風の鎌』と。
後から来た太陽の落し物に『太陽の剣』と。

わたしたちは祈る。北風と太陽に。
世界を救ってくれた北風と太陽に。

これは物語。
本当にあった、消してはいけない物語。


自分の使い魔の脇で物語を読み終える。
「変な物語ね」
シルフィードが率直な感想を返す。
タバサは続けて呟く。
「えぇ。でも、不思議な物語ね」


番外
「そうだ、思い出したぞ」
「どうしたの?ダディ」
本が盲目の著者に尋ねる。
「大十字たちの駆るデモンベインのことだ。私は以前、あれに会ったことがあるのだよ」
賢者は自分の体験を本に語る。
「セラエノからの帰還の途中に立ち寄った世界でな、私はあれと共に鬼械神を駆逐していたのだよ」
本は目を見開く。
「いやはや、そんな大事なことも忘れてしまうとは、年はあまり取りたくないものだな」

そして彼らは空を駆ける。世界に蔓延る邪悪と対峙するために。

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