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大使い魔17外伝-01


スイッチ・オン 1、2、3!!
電流火花が 身体を走~る~

ジロー チェンジ キカイダー
ガリアン・エルフ迎え撃て、人造人間キカイダー

チェインジ、チェインジ!
ゴー ゴゴー ゴー ゴゴゴー!!


第一話「ヨルノヤミヨサヨウナラ」

「陰気な村だなー」
東方滞在から数年ほどして、三度聖地を突破してエルフたちを悔しがらせたジローは、ガリアのとある村に来ていた。
「吸血鬼でもいるのかな……?」
バカなことを考えながら、ジローは宿屋を探すために村の中心へと向かった。
当然、このハルケギニアでは珍妙な(ダークと戦っていた頃と全く同じ)服装をしているジローは目立った。
「あんた、随分変わった服を着ているね……」
「よく言われます」
「このサビエラ村に何のようだい?」
「宿を探しているんです。2日ほどの予定で」
「あんた、本気で行ってるのかい?」
「……ひょっとして、吸血鬼でも出るんですかー?」
やけに明るく尋ねるジローの一言に、老婆はおろか、周囲にいた村人たちまで凍らせた。
「……図星ですか?」
「当てずっぽうで言ったのかい……!」

村長宅兼宿屋。
王宮から、吸血鬼討伐のために派遣された騎士が滞在しており、しかも彼はジローの素性を知っていた。
「よく俺のことがわかったなあ」
「いやー、あの事件のせいで殿下はリュティスでも凄い有名人ですから」
「そうか……。しかし、本当に吸血鬼が出ているとはなー」
「二ヶ月前からだそうです。最初に12歳の可愛い娘が体中の水分ごと血を吸い尽くされて干物みたいな状態で道端に転がっていたそうです」
「酷いな……」
顔をしかめるジローを見て、少しだけ申し訳なさそうな顔をしながら騎士は続けた。
「それから約一週間単位で犠牲者が出て……。俺がこの村に到着した頃には犠牲者の数は8人になってました」
「その吸血鬼、かなり頭が回るな」
「はい。二人目の犠牲者が出て以降、村人たちは夜間の外出や森への出入りをやめたんですが、そしたら家の中に進入するようになりました」
「……屍人鬼(グール)を使っているかもしれないな」
「村人もその可能性を考えました。結果……疑心暗鬼に陥るものが多くなりました」
「噛まれた痕を調べれば……」
「無理です、虫や蛭に首を噛まれたのが多すぎて特定できませんでした」
「八方ふさがりか……」
出された牛乳を一気飲みし、ジローはため息をついた。

調査を始めた騎士の後を追うように村の中央に出たジローは、やることが無いのでギターを弾こうとしたが、農具を手にした村人の列がある家に向かっているのを見て、止めた。
「殴り込みか?」
「あの先にあるのは、三ヶ月前にこの村に越してきた占い師の家です!」
慌てて自分の下に来た騎士の言葉を聞いたジローは、すぐに後を追った。
ジローの予想通り、村人たちと、占い師の息子、アレキサンドルが衝突していた。
「待った待った! お前ら何やってんだ!」
「止めるんだ! そんな事をして何になる!」
騎士とジローが割って入り、数分後に村長が一喝したことでようやく村人たちは静まった。
薬草師のレオンが余計なことを言ったせいで更に自体はややこしくなったが、村長が再び一喝したのと、ジローがレオンの腕を思いっきり掴んだのが効いたらしく、村人たちは退散した。
「何て奴らだ!」
激昂するジローをよそに、騎士は少し淡白だった。
「……殿下、人間ていうのはあんなことが平気で出来るものですよ」
「そんな馬鹿な!?」
「あの事件で殿下も知ったはずです。人間の中にはどうしようもないほど醜くなれる奴がいることを」
「……」

村長宅兼宿屋の、村長の部屋。
「申し訳ありません。みんな気が立っておりますのじゃ」
「二ヶ月で8人も殺られているからな……」
「ところで騎士様、そちらの方、どこかの国の王子様ですかな?」
「……分かるか?」
「騎士様が『殿下』と呼ばれておるのを見たものですから」
「……隠す理由も無いな」
騎士はそう言ってから、村長にジローを紹介した。
「この方はジロー・トリステイン。トリステイン王国の第一王子だ」
「何と……!!」
「もっとも俺は養子の上に、数年前に外交問題を起こして放逐された身だけどな」
驚愕する村長を見てジローが少し呆れた顔をした直後、ドアが開いた。
そして、五歳ほどの人形のような可愛い少女が入ってきた。
「おお、エルザ、お二人に挨拶なさい」
エルザがぎこちなくお辞儀をした。
「よろしくな」
「俺はジロー。よろしく」
騎士に対しては露骨に怯えていたエルザだったが、ジローに対しては少しは安心したかの様な笑みを見せた。
「君と俺とじゃ反応が違うな」
「殿下は有名人ですから」
「お二人方、違うのです」
「「?」」
「実は……」
村長は、エルザが一年ほど前に寺院で倒れていたのを保護、引き取ったこと。
両親がメイジに殺されたためメイジを怖がっていることを聞かされた。
「珍しくは無いが、ひどい話だな」
「生まれ持った力をそんなことに使うとは……!」
いつになく激しく憤るジローを見て、村長はキョトンとしていた。
「……殿下?」
「あー、殿下ってこういう話題になると頭に血が上り易くなるんですよ……」

夜、ジローの発案により、子供を含む若い女性は全員村長宅兼宿屋で夜を過ごすことになった。
「やはり、みんな不安そうな顔をしているな」
コートレットを頬張りながらジローは呟いた。
「殿下と俺ぐらいなものですよ。食事を楽しめるぐらい元気なのは」
ジローはふと前々から思っていたことを口にした。
「……吸血鬼って、どうして人の血を吸うのかな?」
「……何ででしょうね。ひょっとしたら、当の吸血鬼側も分かっていないのかもしれませんね。人間が野菜や家畜を食べるのと一緒で」
「そんなものかな……。ん?」
エルザが無言で自分に牛乳を持ってきたのを見て、ジローは礼を言った。
「ありがとう」
「……お兄ちゃん、凄く美味しそうに飲んでたから……」
ジローの微笑みに心を開いたのか、エルザは口を開いた。
しかし、そんな微笑ましい時間はいきなり終わった。
いきなり窓が割れる音がしたのだ。
その音に瞬時に反応したジローは、急いで音がした場所、エルザの部屋へと向かった。
部屋を空けると、窓ガラスが割れており、床には破片と一緒に、割る時に使ったと思われる棒切れが転がっていた。
「……これを使って割ったのか」
ジローは棒切れをもって食堂へと戻った。
「どうでした?」
「部屋の中にガラスの破片と一緒にこの棒切れが転がっていた」
「屍人鬼でしょうね、ガラスを割ったのは」
「吸血鬼は先住魔法が使えるからな。精霊の力なり何なりで窓を開けられるだろうし」

翌朝、朝食の時間になり、余り食欲がない女性陣とは対照的にジローはオムレツを10個以上も食べていた。
「食べますねぇ……」
「長丁場になりそうだからな」
「そうですね……」
そして日は傾き、再び夜が来た。
昨日はエルザの部屋の窓が割られたこともあって不安そうな顔だった若い娘たちも、騎士とジローがいる安心感から次第に明るさを取り戻し、村長宅兼宿屋は騒がしくなった。
ジローはギターを弾きながら、警戒していた。
そして、食堂のガラスが割れた。
割ったのはアレキサンドルだった
彼の口には、人間ではありえない一対の長い牙があった。
近くにいたエルザの髪を掴もうとしたが、ジローの飛び蹴りを食らい、怯んだためそのまま逃走した。
「待て!」
割れた窓から外に出たジローは、一瞬エルザの方を向いたが、村長が駆け寄ったのを見て、すぐにアレキサンドルの後を追った。
エルザが微かに微笑んでいるのを、一瞬だけジローは見ていた。
村の入り口付近までアレキサンドルを追ったジローは、側にあった丸太を手に持ったアレキサンドルと対峙していた。
アレキサンドルが丸太を振り下ろそうとした瞬間、ジローは顔をしかめながらも、ギターに内蔵されたマシンガンの引き金を躊躇うこと無く引いた。
屍人鬼になったら最後、殺す以外に助ける方法が無いことをジローは知っていたのだ。
あっという間に蜂の巣にされたアレキサンドルは、最期に「おっかぁ……」と呟き、動かなくなった。
「……村の中心が騒がしいが、まさか!?」
かすかに聞こえてくる村人たちの怒声から、嫌な予感がしたジローは急いでアレキサンドルの家へと向かった。

駆けつけたジローが見たのは、燃え盛るアレキサンドルの家と、松明を手にそれを囲むレオンたちであった。
レオンたちは口々に罵声を吐きながら家が燃えていくのを見ていた。
「何てことをするんだ!!」
怒声を上げた直後、ジローは迷うことなく燃え盛る家に突撃した。
十数秒後、崩れ落ちる直前にジローは占い師を連れて脱出した。
「何しやがる!!」
レオンが食って掛かったが、ジローはレオンの襟首を掴み更に声を荒げた。
「お前たちは自分が何をやっているのか分かっているのか!!」
「あんた、今のが吸血鬼退治に見えなかったのか!」
「証拠も無いし、それ以前に吸血鬼が煙に巻かれたぐらいで死にそうになるか!!」
「しょ、証拠ならあったぜ。その婆さん寝巻きと全く同じ色の布キレが八人目の家の煙突に挟まっていたんだ」
「……その家の煙突なら、今朝そこにいる騎士と一緒に既に調べた。そんな物はどこにも挟まっていなかったぞ」
レオンの襟首から手を離し、村人の一人が持っていた鎌を取り上げたジローは、その場にいたエルザの胸に突き刺した。
「え……?」
「で、殿下……、ってあれ?」
本来なら激痛の余り動けなくなるはずのエルザは、キョトンとしながら胸に刺さった鎌を引っこ抜いた。
「……いつ気付いたの?」
「昨日の夜、君の部屋に割れたガラスだけでなく割るのに使ったと思われる棒切れまであった。投げたのならともかく、手で持って割ったのにどうして部屋の中に残る」
「……」
「俺がアレキサンドルを追いかけようとした直前に振り向いた時、君の表情には怯えが見られなかった。それに、他の子達はまだ宿屋にいるのに、どうして君だけここにいる?」
「……お兄ちゃん、意外と目ざといんだね」
口を開いたエルザの口からは、吸血鬼の証である牙があった。
「エルザ……!!」
愕然とする村長を尻目に、エルザは言葉を続ける。
「みんなにばれた以上、この村にはいられないね……」
先住魔法を使ってエルザは逃げようとしたが、直後にジローが叫んだ。
「チェンジ! スイッチ・オン! 1、2、3!!」
電流火花を走らせ、ジローは変身した。
「とぉー!」
きゅるるるる~、フォッ、カシンッ!
「お兄ちゃん、その姿は……!!」
エルザだけでなく、村人たちや騎士までも驚愕した。
(噂は本当だったようだな……)
「俺はジロー・トリステイン。またの名を、人造人間キカイダー!!」
そう名乗りを上げたキカイダーは、ムエタイよろしくワイクルーの舞を披露してから、戦闘態勢に入った。
「一人の青年が死んだ、俺の手にかかって。君が屍人鬼にしなければ、彼は俺なんかに殺されることはなかった!」
キカイダーの声に耳を貸すこともなく、エルザは先住魔法で操った木の枝でキカイダーを絡めとったが、すぐに破壊された。
「え!?」
エルザが面食らった隙を突いて、ジローは彼女の肩を思いっきり掴んだ。
「大車輪投げー!」
エルザを投げ飛ばし、間髪いれずキカイダーは止めの一撃を放った。
「デンジ・エーンド!!」
パリーン!
「きゃああああー!!」
エルザは断末魔をあげて、爆発した。
そして村長の足元に、エルザの生首だけが転がった。
村長はそっとその生首を抱いたが、十数秒ほどでエルザの生首は灰になった……。

吸血鬼退治の一部始終を見たレオンたちはこれまでとはうって変わって、急に馴れ馴れしくなった。
「あんた、凄いなー。吸血鬼をあっという間にやっつけちまうなんて」
レオンが開口したのを皮切りに、村人たちがこれでもか、といわんばかりにキカイダーを持ち上げ始めた。
自分たちが占い師にした仕打ちを棚に上げるレオンたちの態度に、キカイダーの何かが切れた。
プツーン……。
その音は、キカイダー本人だけでなく、村長と騎士にも何故か聞こえた。
数秒後、レオンたちはキカイダーによってあっという間に叩きのめされた。
キカイダーは特にレオンを念入りにボコボコにしていた。
「……騎士様、殿下が放逐される原因となった外交問題というのは……?」
「……五年ほど前、トリステイン国王の葬儀の席で、国王のことを悪く言った外賓を殴ったんだよ。ついでに、外賓の問題発言を止めなかった高等法院の連中まで殴っちゃって……」
「何と、まぁ……」
「後日、罰として義妹に当たるアンリエッタ王女殿下直々に王家放逐を言い渡されたんだけど、殴られた側にも非があったから放逐期間は6年間だけってことになったんだ」
「そうですか……」
キカイダーが暴れる様を見て、騎士はこう呟いた。
「にしても、ちょっとやり過ぎのような」
「まあ、レオンたちにはいい薬ですじゃ」
そう言い切った村長は、ようやく涙腺が崩壊し始めた。

朝、村の入り口。
馬に乗った騎士と、サイドマシーンに乗ったジローが村を出る準備をしていた。
「あの村長、身の回りの整理が終わったら村長の座と宿屋を他の人に譲って、エルザちゃんの遺灰と一緒にリュティスに引っ越すそうです」
「そうか……」
「これからどうするんですか?」
「リュティスにでも行ってみるよ。君の方は?」
「事の一部始終を報告して、辞表を出してから田舎に帰ります。今は東花壇騎士団に所属してるんですが、元々別のとこから強引にヘッドハントされたんで、辞めるタイミングを窺っていたんですよ」
「そうか。それじゃ、一足お先に」
ジローがそう言った直後、サイドマシーンは急加速し、リュティスへと向かった。
「プリンス・オブ・ジロー……。また会いそうな気がする……」

こうして、サビエラ村の吸血鬼事件は解決した。
しかし、村長の心には消えることのない悲しみが残った。
トリスタニアに戻れる日は来るのだろうか。
あの日の幸せが戻るのは何時の日か。
ジローは行く、果てしなき旅の路を。


プリンス・オブ・ジロー 僕らの仲間~
正義の人造人間だ~

悪と戦い~ 今日も行く~
ギターのパンチとマシンガンで~

ガリアン・エルフ、やっつけろぉ~


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