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ブレイブストーリー/ゼロ 17

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   ◇


 それは、ムスタディオの杖を二倍にしたような代物だった。

 どう考えても人の手に余る、とフーケは思った。
 ゴーレムの肩に引っ掛けた『破壊の杖』は、台座か何かに据えて用いるものかもしれない。艦や船用の大砲といった趣か。
 手に入れた獲物を値踏みするフーケを乗せたゴーレムがゆっくりと足を進める。
 しかし歩幅がとんでもなく広いため、地鳴りの度に進む距離は大きい。進行速度はかなりのものである。

 ――その地鳴りに、風を切る鋭い音が紛れ込んだのをフーケは見逃さなかった。

 波状に飛来するそれをゴーレムの腕を広げて防ぐ。
 土くれの腕に突き立ったのは、氷柱のように尖った氷の破片だった。
 フーケは学院の方向へと視線を流す。
 夜闇に紛れて何かが羽ばたいている。
 それが先ほどまで宝物庫の下で騒いでいた生徒の使い魔だと認識した頃には、風竜が凄まじいスピードで眼前に迫っていた。
 すれ違う間際に、氷の弾丸が見舞われる。
 咄嗟にゴーレムの腕を振り回した。叩き落しこそしなかったが功を奏し、氷弾の殆どは腕に突き刺さる。
 ばさり、と頭上で羽ばたきが弾けた。
 風竜が距離を取って空中に停止していた。羽音だけがやけに耳につく。
 月光を背にしているため乗り手の顔色は窺えず、体のシルエットは年端もいかぬ少女だったが、フーケの勘は彼女を強敵だと告げている。

 だから、それを用いてみようと口の端を吊り上げた。



「ブレイブストーリー/ゼロ」-17



 膠着は一瞬だけだった。
 お互いがお互いを認識する僅かな間は、切迫の余韻を残して流れるように失せる。
 風竜が目一杯羽ばたいたかと思うと、上空へと消えている。フーケも即座に『破壊の杖』にかじりついていた。
『錬金』でゴーレムの肩を変形、突貫工事の台座に杖を固定。相手は逆光を盾に戦う腹積もりなのだろうがフーケは敵を見ていない。
 彼女は風を切る微かな音を頼りに――ゴーレムの腕を振り回し始めた。
 丸太めいた腕が空気をなぎ払う音に鋭い刺突音が混じる。
 周囲を風竜が素早く飛び回っている音がする。
 フーケは肉眼を杖の操作にだけ集中させる。
 スイッチがやけに硬い。錆び付いているのではないかと思いガリガリと力任せに引くが動かない。
 諦めてゴーレムによる接近戦闘へ移ろうかと思った矢先、『固定化』の魔法がかけられていることを思い出す。錆の可能性は低い。となるとロックが掛けられているのだろうが、解除の手順がさっぱり分からなかった。
 不意に魔法攻撃が止んだ。周りを飛び交っていた竜の飛ぶ音が一点で停止している。見上げると、月の逆光の中、竜の乗り手が杖を掲げて呪文を詠唱していた。長く、早い。口元が見えないが分かる。
 強烈な一撃が来ると直感がせっつく。
 恐らくこの相手は。自分と同格、トライアングルクラスだ。

「……くっ!」

 風竜を従えていることから、合成属性は水と風だろう。となるとこのゴーレムでも防ぎきれる自信はない。凌げないのであれば、先に倒すしか手立てはない。
 そう判断した彼女は、暴挙に出た。
 二つの魔法の同時行使を試みたのだ。
 ゴーレムを慎重に維持しながら、『破壊の杖』にアンロックをかける。やったことはなかった。冷や汗が全身から吹き出る。通常二つの魔法を同時行使することは極めて難しい。
 ゴーレムの操作はそれなりに高等なテクニックを要する。片やのアンロックはコモンマジックであるが、二つの魔法を使うことは思考を分割するに等しい。そんなことが出来る人間はそうそういない。
 しかし、極度の緊張状態が彼女に剃刀の上を渡るごとき集中力をもたらした。彼女は目前に迫った捕縛の二文字を受け入れるわけには、まだいかなかった。
 がちゃりと手元の杖から音がした。
 スイッチをゆっくり引いてみると、わずかに動いた。

 全身を使って強引に『破壊の杖』の穂先を敵に向ける。
 風竜が素早く翼を動かして上方へ跳ね飛ぶが、フーケはスイッチを力任せに引ききった。
 光と轟音が鳴り響き続け、肩が外れそうな衝撃が連動する。
 杖の半ばにあった太鼓のような部分が嵐中の風車のごとく猛回転し、加速に比例するように自分の精神力が吸い上げられる。しかしその量は、トライアングルクラスの実力を持つフーケにとってはごく微量だ。
 だというのに――その威力は尋常ではなかった。

 光の筋が杖から次々吐き出され、夜の闇を切り裂いて行く。
 がくがくと震え続ける杖をぐいと横に振り抜くと、巨大な剣で薙ぎ払うような軌跡を描いた。彼女のゴーレムがこれを受けたとしたら、胴体から真っ二つになるだろう。
 しかし照準が定まらなかった。暴れ馬のような杖を御するには、したたかとはいえ女の身であるフーケでは腕力が足りない。風竜を追うつもりがめためたな狙いになっている。

 ――それが逆に功を奏していた。
 不規則に放たれる光の弾を避けるために、風竜が右往左往する。乗り手の少女の詠唱は中断され、彼女は竜の首にしがみついていた。
 フーケは渾身の力でもって杖を押さえつけ、薙ぎ払う。
 袈裟斬りのごとき軌跡は狙いを外したかに見えた。が、風竜はそれまでの動きとは違う不自然さで真横に跳ね――月明かりから、足元のほの暗い闇へ落ちた。
 どさりという音が、未だ唸り続ける杖に飲まれる。

 力を入れすぎていたためかスイッチから中々指が離れなかった。
 体中の関節が痛む。なんて乱暴な杖だと内心で悪態をつきながらもその威力に感嘆しつつ、自分の杖を握って地面の風竜と若いメイジを監視する。
 と、風竜の翼が動いた。
 死んだふりをしていたような勢いで羽ばたき、フーケは撃ち落とさんと杖を掲げたが、呪文を詠唱するよりも早く風竜は遥か彼方へ飛び去っていた。

「……逃げたか。主を置いて逃げるなんて、薄情な使い魔だねぇ」

 かすり傷だったのか、風竜の飛び方には迷いがなかった。光弾が間近を通り過ぎたために一時的にショック状態に陥っていたのだろうか。
 そんなことを考えると意識を切り替え、杖を倒れている少女へ向ける。
 ぴくりとも動かない。転がっている大きな杖を蹴飛ばすと、近づいた。
 足で転がして顔を見る。幼い顔は苦痛でゆがんだまま止まっていた。本当に気絶しているらしい。
 息をついたフーケがまず考えたのは、顔を見られただろうかということだった。
『土くれ』のフーケが女だということは、今のところ公になっていない。見られたのなら、口を封じなければならない。
 が、詠唱しかけた唇をフーケはつぐんだ。彼女は利用できるかもしれない。

「悪く思うんじゃないよ。……思っても構わないけどさ」

 どこか自嘲めいた笑みを浮かべながら、彼女は少女の腕を拘束しようと手を伸ばし――ふと、その体がきらりと月明かりを反射するのを見た。
 懐から何かが覗いている。少女の薄い胸に差し込んだ手がつかみ出したのは、大きな宝石だった。
 蛇を模った銀細工で縁取られているそれは、見ていると吸い込まれそうな深いエメラルド色をたたえている。

「…………」

 先ほど暴れる杖を押さえつける重労働をしていた反動か、汗が滲む。
 図らずも食い入るように宝石を見つめていたフーケは、少女――タバサが一瞬だけ目を薄く開け、自分を見ていたことに気付かなかった。
 しばらくして我に返ったフーケは、タバサの華奢な両手足を縛り始めた。


   ◇


『土くれ』のフーケ。
 トリステイン全土を股に掛ける盗賊。
 いかに複雑な警備であろうと強力な『錬金』の魔法で穴を突き、いかに堅固な防壁であろうと巨大なゴーレムで撃破する。それ故の『土くれ』。
 蜂の巣をつついたような騒ぎから開放された夜遅く、寝床でムスタディオがルイズから聞かされたのはそんな内容だった。
 そしてそのフーケがトリステイン魔法学院に出没し、秘宝が盗まれた。あまつさえ追跡した生徒が戻ってこないとあれば、学院の沽券に関わるらしかった。

 翌日、学院長室に全教師が集められ、会議が開かれた。
 目撃者であるメイジ、ルイズとキュルケ、それにムスタディオも呼び出されていたが、教師達は責任を押し付け合うばかりである。ムスタディオはやはり貴族というものは、どこに行っても変わらないものかとうんざりしていた。
 それに、と思う。この世界に来てからあまり日の経っていないムスタディオだが、この世界における教師というのが生徒を技能面だけでなく精神面からも育成する存在だとういうことは薄々理解し始めていた。
 だが彼らは、生徒が見ている前で自己弁護に走るばかりだった。
 ムスタディオはキュルケの横顔を盗み見る。
 いつもの覇気が、仮面を剥ぎ取ったように失せていた。しかし瞳にはどこか尋常でない光が灯る。彼女がよく口にする「情熱の炎」ではない。
 ムスタディオは、その危うい輝きを戦場で何度か見たことがあった。
 あれは復讐や報復の意思だ。
 ――そういった感情は悪い物だとはムスタディオは思わない。だが情操に良いかと聞かれれば、そうではないだろう。
 生徒がそんな面持ちでいるのに、教師達は何も言わない。気付いているのだろうかと思う。
 ムスタディオは興奮した様子のコルベールを眺める。
 彼も何も言わない。

 散々もめていた責任の所在は、オールド・オスマンが「全員の慢心によってこの事態は起こったのである」と諭し、それに誰一人反論出来なかったことで決着した。
 ムスタディオは自分が今まで攻め入った数々の拠点を思い出す。敵の油断に付け入ったこともある。裏をかいたこともある。しかしそれでも奇襲された際の彼らは、ここまで弛んではいなかった。
 この「学院」というのは、どうも特殊な場であるように思う。それが彼らを弛緩させたのか。それともトリステインの貴族たちは等し並びにこんな風なのか。
 そんなことを悶々と考えている内に、会議の焦点が自分達に向いたようだった。

「さて、犯行の現場を見ていたのは君たちか」

 部屋中の視線がムスタディオ、ルイズ、キュルケの三人に集まった。
 オスマンが何か興味深げに自分を見ている。ムスタディオは目を逸らした。

「詳しく説明したまえ」

 ルイズが応えようとしたが、それを手で制する者がいた。
 キュルケだった。彼女は異様にはきはきとした調子で私から説明させていただきます、と申し出る。

「巨大なゴーレムが現れて、宝物庫の壁を壊しました。その肩には黒いフードを着たメイジが乗っていて、穴から何かを盗んでいきましたわ。
 私達はそのまま暴れるゴーレムに応戦しましたが敵わず撤退し、メイジは盗み出した後、ゴーレムの肩に再度乗って城壁の外へ歩き出しました」

 そこで、キュルケの口が止まった。肩がわずかに震えている。
 ルイズが気の毒そうな視線を向けていた。
 再びキュルケが話し始める。口調は一切変化しない。

「私は止めたんです。ですけど、タバサが使い魔のウィンドドラゴンに乗ってその後を追いました。ゴーレムはかなりの速さで見えない距離まで離脱していましたから、彼女が交戦したのかどうかも分かりませんわ。以上です」
「……ふむ。そして、ミス・タバサはそこから行方不明になっておる、と」
「はい。オールド・オスマン、討伐隊の編成を急いでください。フーケは恐らくトライアングルクラス以上のメイジです。タバサといえど、どうなっているか分かりません」

 部屋の空気が、にわかに冷えついた気がした。
 教師達が改めて気付かされたようにキュルケを見つめている。

「一刻も早くそうせねばならんな。しかし、今の段階では手がかりに乏しい。他に何か気付いたことはないかね?」

 キュルケとルイズは首を横に振った。ムスタディオもそれに倣う。
 万策尽きたような、誰にもぶつけられない苛々が部屋に流れる。
 扉が勢いよく開かれたのはその時だった。
 現れた女性にムスタディオは見覚えがあった。確か院長の秘書だ。

「ミス・ロングビル! どこに行っていたんですか! 大変ですぞ! 事件ですぞ!」

 興奮した調子でコルベールがまくし立てる。一方のロングビルは冷静な様子でオスマンに告げた。

「申し訳ございません。朝から調査をしておりましたの」
「調査?」

 はい、とロングビルは頷き、今朝方の騒ぎを見、宝物庫のフーケのサインを発見し、調査に走っていたことを語った。

「そうか、仕事が速いの。で、結果はどうじゃった?」
「はい。様々な場所での聞き込みを行なったのですが成果は上がらず……しかし、灯台元暗しと言いますでしょうか」

 ロングビルが懐から何かを取り出す。それは一枚の紙切れだった。

「今日の朝、学院の敷地内にこれが落ちているのを使用人達が見つけていました。差出人は――フーケです」

 全員が息をのんだ。
 紙切れがオスマンの手に渡る。その文面にさっと目を通した後、怪訝そうにロングビルに問いかける。

「これだけかね?」
「はい、使用人達に聞いて回りましたがそれ一枚のようです」
「ふむ……そうか」

 髭を撫でた後、オスマンは文面を読み上げた。

「青い髪の生徒は預かった。返して欲しくば、――の森の奥、廃屋まで来ること。土くれのフーケ。
 ……妙なことじゃ。人質を取った割に、何も要求してこんとは」

 しかし、と老人は瞳の奥に光を灯らせる。
 その光は、キュルケのそれと似ているようにムスタディオには思えた。

「『破壊の杖』、何よりミス・タバサを無事に奪還するための糸口が見つかったわけじゃな。奴が何をたくらんでいるのかは分からんが、この糸を辿る他に、今の我々に手はないじゃろう。
 では、今から捜索隊を編成する」

 その言葉に驚いた者がいた。

「オールド・オスマン! ここは王室に直ちに報告するべきなのでは――」

 コルベールだった。しかしその申し出は、目をむいたオスマンの怒鳴り声に斬って捨てられる。

「ばかもの! 王室に知らせ、討伐隊が派遣されるのにどれだけ時間が過ぎると思っておる! その上……、身にかかる火の粉を払えぬようで、何が貴族じゃ! 
 魔法学院の宝が盗まれた! あまつさえわしらは生徒達を任されている身じゃ! ミス・タバサのことを親元になんと説明するつもりじゃ?
 先ほど火の粉と言ったが、そんな生ぬるいものですらない。これはわしらの身から出た錆じゃ!
 我々は我々の失態を拭わなければならぬ!」

 ――そのやり取りを、ムスタディオはどこか、スイッチが切り替わったような気分で見ていた。

 キュルケとオスマンの瞳に宿る危うい光。
 コルベールの消極的な態度。
 責任をたらいまわしにする教師達。
 昨日までの日々が、別の角度からの視点で書き換えられていくのをムスタディオは感じている。
 コルベールと研究に費やした時間。
 キュルケやルイズ、タバサのたわいもない戯れ。
 街に出、様々な物に触れ、感じた手ごたえ。

 体の内側にざわざわと、昨夜の感覚が蘇る。
 魔なるものが近づく、現れる際の世界が変わる感覚。
 その不可触の手触りが体の芯へとゆるやかに絡みつき――胸に仕舞い込まれていた黒いものをつついている。何かが裏返りかけている。

「再度、捜索隊を編成するぞ。我こそはと思うものは杖をあげい!」

 誰も杖を挙げなかった。先ほどまでの喧騒はどこへ消えたのか、戸惑うように顔を見合わせるばかりだった。
 そんな中、すっと一振りの杖が掲げられた。

「ミス・ツェルプストー!?」

 コルベールが声をあげたが、それは教師達の総意の代弁のように思えた。
 キュルケが杖を掲げていた。その瞳は先ほどより穏やかに、かつ剣呑な光を増していた。

「いかん、君は生徒じゃないか!」
「誰も杖を掲げませんわ」

 キュルケの瞳がコルベールを射抜いた。

「ミス・タバサは私の大切な学友です。友や生徒を見捨てるのが貴族の嗜みというのなら、私はこのマントを陛下に返上しますわ」
「な、なんてことを言いだすのかね!」
「ミスタ・コルベール、お言葉ですが、杖を掲げなかった貴方にそんなことを言われたくありません。
 先生には正直、失望しましたわ。サモン・サーヴァントの夜、私やルイズにかけて下さった言葉はただの建前だったんですね」

 コルベールが言葉に詰まる。一瞬、何か言いたそうな顔をしたのをムスタディオは見たが、見ただけだった。

「他の教師の方々もそうですわ。今の様子を見ていると、教師としての責務を放棄しているとしか思えません。それともこれがトリステイン貴族の流儀なのかしら?」

 他の教師達もコルベールに倣うように黙り込んだ。オスマンの試すような視線が場を一巡している。
 また一人、杖でなく手を挙げた人物がいる。ロングビルだった。

「私も協力いたしますわ。戦いのお役には立てませんが、雑事は任せてください。それと、これは私的な意見なのですが」

 内側にいながら外から眺めているような心持ちだったムスタディオは、自分に差し向けられたロングビルの手と次の台詞に、しかし動じなかった。

「――捜索隊に、彼を加えたらどうかと思います。彼は平民ですが、いつぞやの一件で強力な魔法を見せてくれました。フーケ討伐に一役買ってくれるかと」
「いいぜ」

 このまま誰も杖を掲げないのなら、自分から言い出すつもりだった。
 自分は立場上、ルイズの使い魔である。タバサのことは気にかかるが、自分より適材な教師達がいるのだから、と黙っていた。
 しかしその考えも、現状を見て崩れた。

 教師達がざわめいている。
 このざわめきが彼らのどんな心境を意味するものか、ムスタディオは考えるのも億劫だった。
 気だるい腹立たしさすら感じていた。

「あ、わ、私も! 使い魔が部隊に加わるのに主人が安全な場所で休んでいるなんて、あるまじき行いだわ!」

 慌ててルイズも杖を掲げている。
 ――その様子を見て、苛立ちを感じている自分がいることにムスタディオは驚いた。
 彼女は他の教師達とは違い、誇るべき行動をしたはずなのに。

 その疑問は、簡単に解けた。
 気付いてしまった。
 自分が彼女のことをまだ許し切ってはいないことに。

 この少女は、若い。
 だから向こう見ずだったり素直になれない心を抱えている。
 逆に、無邪気だったり純粋だったりもする。ムスタディオは昨日の街での様子を思い出す。

 でもそれは、若い内のこと。
 いずれ彼女も――「貴族」になってしまうのではないか。



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