あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズの憂鬱

前略 ちい姉様

 マジカルメイドが暗躍したお陰で、無事…いや無事ではありませんが何とか使い魔を召喚することが出来ました。
 ええ、出来たんです。 ですが……何というか人間の子供を呼び出してしまったんです。それも二人も。
 『見た目』だけはとても美しい双子の少年と少女が使い魔となったんです。 そう、なったんですが……わたし、これからの学院生活がとても不安です。
 ぶっちゃけ、家に帰ってもいいですか? いいですよね?

草々



ルイズの憂鬱(魔法少女ラジカルイズ~双子編~)



「ミス・ヴァリエール!」

 ある日、教室に呼び出されたルイズは、渋る双子の使い魔をつれて約束した時間より少し早くやって来た。
 教室に入るや否や待ち構えていた中年の女性教諭、シュヴルーズが怒鳴りあげたのだ。

「あの、ミセス・シュヴルーズ。 何か御用ですか?」

 覇気もなく気だるげに答えるルイズにますますシュヴルーズは声を荒げる。

「何かじゃありません! ミス・ヴァリエール! あなたは使い魔にどういう教育をしているのですか!」
「はぁ、その、スミマセン」

 ヒステリックな怒鳴り声に取り合えず謝罪の言葉を告げたルイズ。 どうやらまたこの双子が何かをやらかしたらしい。
 今度は何だろうか。 またモンモランシーの使い魔の蛙に何かしたのか、でも蛙の御尻にストローさして空気を入れるなんて昨日やって怒られたばかりだ。
 あるいはギーシュの使い魔のモグラの餌(ミミズ)に釣り針を仕掛けて釣り上げたことか、はたまた学院長の使い魔のネズミをまた罠にはめたのか。
 思い当たる節が沢山ありすぎてよく分からない。

「錬金の授業で使う粘土に爆薬を仕掛けるなんて! こんな悪戯初めてです!」

 ルイズは、『ああ、どんどん過激になっているなぁ』と思いながらもひたすら平謝りを繰り返す。
 それにも拘らず、 の怒りはまだ収まらない。そう、 がルイズを呼び出すのは何も初めてというわけではない。
 双子が悪戯を仕掛けるたびに、コルベールやギトー、オスマンにロングビル等、学院に努めている教職員から一通り注意を受けているのだ。
 その度に彼女は下げたくもない頭を何度も下げたのだ。

「昨日も、ミスタ・コルベールの髪を全て燃やしたではないですか! いいですか! ちゃんと教育なさい!」

 コルベールのあの可笑しな鬘はそういう理由だったのか。ルイズは心の中で納得すると再び頭を下げる。ちゃんと謝罪の意思をのせて。

「スミマセン。 ほら、あんた達もあやまんなさいよ!」

 この日、同席した双子の頭を下げさせようとグイグイと押すが彼らはそれに反発するのだ。
 そしてあろうことか、

「ばーか、はーげ、タコ坊主ー」
「タコなら海ん中でチューチュースミ吐けー」

 暴言を吐くのだ。
 ルイズの短い堪忍袋の緒は当然の如くブチキレた。

「ちゃんとあやまんなさいッ!」

 怒りと共に振るわれた杖から奔るはずだった魔法。だが忘れてはならない。彼女が魔法をうまく使えないという事実を。
 激しい爆発が教室中を蹂躙する。響き渡る4人の悲鳴。だが奇跡的に皆無傷だった。
 そして当然のようにルイズは教室の清掃を命ぜられたのだが、双子はというと当然の如くその場から逃げ出したのだった。



拝啓 エレオノール姉様

 わたしはちゃんと学院を卒業できるのでしょうか?
 とても不安です。
 だからお願いします。家に逃げ帰っても怒らないで下さい。

敬具



数日後…。



 ルイズが部屋で双子と何ともいえない時間過ごしているとを唐突に扉を叩く音が聞こえるではないか。
 あまりにも激しく叩かれる扉。煩くて敵わないと扉を開けるとそこにはモンモランシーがに鬼気迫る雰囲気で仁王立ちをしている。

「少し時間いいかしら?」

 そう言うとモンモランシーはルイズの返答を待たずして部屋にズカズカと入って来た。
 用件をルイズが聞き出そうとする前に彼女は口を開いた。

「ルイズ、使い魔にどういう教育しているわけ? ギーシュがノイローゼになってるんだけど…どうしてくれるの」

 モンモランシーの言葉にはてと首を傾げるルイズ。
 その様子がモンモランシーを苛立たせる。

「ちょっと! しらばっくれる気?」

 モンモランシーが言うには……

学院某所。

 その日、ギーシュは一人、使い魔のヴェルダンデに餌をやっていた。すると背後から不穏な影がするすると近づいてくるではないか。
 音もなくギーシュの背後にピタリとくっつくと耳元で吐息を掛けるように双子の、少年のほうが声をかけた。

「ねぇギーシュさん。 遊ぼうよ」
「あひゃぁ!」

 突然のことに飛び上がらんばかりの勢いで驚いたギーシュだったが、双子の姿を認めるとすぐさま使い魔を己が背に隠した。

「も、もうヴェルダンデをお前達の玩具にはさせないからな!」

 おっかなびっくり双子に向かって啖呵を吐いた。だが双子はそんなことは気にも留めない。
 今度は双子の少女のほうがギーシュの耳元で囁いた。

「何を言っているのかしら? 私達はギーシュさんと遊びたいの? ね、兄様」
「うん、姉様の言うとおりだからね、ギーシュさん」

 使い魔を玩具にされないと分かって一瞬だけ安堵したギーシュ。だが疑問が一つ浮かぶ。

「僕と遊ぶって……何をするんだい?」


 ギーシュの問いに双子は満面の笑みを浮かべて言い放った。

「んー、今日はお医者さんごっこでいいよね、姉様?」
「そうね。 せっかく本式の道具一式そろえたんだもの。 それにしましょう」

 途轍もなく嫌な予感がするので回れ右をしてその場を立ち去ろうとしたギーシュだったが…

「こ、これからケティと遠乗りの約束が…」

 そうは問屋が卸さない。少年がギーシュの服の襟をがっしりと掴んだ。ちなみにヴェルダンデはとっくに逃げていた。主を見捨てて……。

「姉様、きっと普通のお医者さんごっこが嫌なんだよ」
「まぁ兄様、本当かしら? だったら……」

――大人のお医者さんごっこにしましょう――

 そういってギーシュの眼前に出されたものは18歳未満の人には説明することが憚れる器具の数々。

「大人のお医者さんごっこー♪ 僕らのテクにかかればその愚息も昇天だよ?」
「さぁ、天使を呼んであげましょう……」

 哀れ。 ギーシュはもはや逃げることなど出来ない。

「やめろ! 助けてケティ! モ、モンモランシーでもいいから!」

 ああ、その悲痛な叫びは届かない……。

「い、いやぁぁぁぁ!」



そんな事があったらしい。



「あれ以来ギーシュはうわ言の様に『助けてケティ』って繰り返すのよ!」

 ギリギリとモンモランシーの歯軋りが聞こえてくる。

「何で!? どんなプレイしたか知らないけど、何故助けを求めるのが私じゃないのよ! ふざけないでよね!」

 私もあんな事ギーシュにしてみたかったのにと、興奮して怒鳴り散らすモンモランシーを尻目に、双子はというと……。

「弱いわね、兄様」
「そうだね、姉様。 この程度で泣いていたらこの先辛いことがイッパイ、イッパイあるよ」

 シエスタから貰ったペロペロキャンディーなめながら、達観した様子で佇むのであった。
 それがルイズの逆鱗に触れたのは当然である。

「あやまんなさいッ!」

 ルイズは学んだ。怒りに我を忘れてはいけない。だから魔法は使わず杖で双子の頭を殴ったのだ。
 うわぁーんと泣き声をあげる双子の姉兄。ルイズはきっと懲りずにまた何かやらかすだろうと、遠い目をして考えていた。


親愛なるワルド様へ

 この先の学院生活がとても不安です。比喩でも過剰表現でもありません。
 例え中退してもわたしを貰ってくれますか?
 デルフリンガーに相談しても、
「剣であるオレにどうしろと?」
 そんなことばかり言って取り合ってもらえません。



 そんなルイズの神経をすり減らす双子の使い魔であったが、ルイズを癒してくれる時間があったのだ。

「寝顔は天使そのものね」

 子供らしく可愛らしい寝顔、多くの人はそれに癒されるだろう。
 剥製の作り方と銘打たれた本と囚われた梟と土竜の姿さえなければの話だが……。



エピローグ(?)

「ねー、ルイズさん」
「圧力釜どっかにないー?」
「あー…シエスタの所に行けばあるんじゃない?」

 読書に勤しむルイズに話しかける双子。本から目を離すことなく投げやりに答える。

「はーい。じゃあ聞いてくるわ」
「ねぇ、アレ持った?」

 一瞬のやり取り……これでルイズは察した。

「…石礫とか釘詰めたら爆殺するからね」

 その言葉にブーブー文句を言ってくるが最早ルイズは気にしない。


前略 ちい姉様

 色々あったけど最近慣れました。
 家に帰らなくても恐らく大丈夫なはずだと思います。
 いろいろあるけれど、わたしは元気です……多分。

草々



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