あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無の雀士 スーチーゼロ

― ヴェストリの広場

「逃げずにここまできたこと まずは褒めておこう
 だが 本当に僕とやろうって言うのかい?
 召喚すら碌に使えない『ゼロ』のルイズが・・・」

「・・・当たり前よ!
 あんたこそ あたしの『使い魔』を嘗めてるんじゃあないわよ!」

オオオオ、と、どよめきがおこる。
突然の決闘騒ぎで、広場には既に野次馬の群れが出来ていた。

「ちょっと待ちなさいよ ふたりとも
 貴族同士の決闘は、学院で禁止されているのよ」

「もちろんよ ツェルプストー
 国の未来を預かるべき貴族の子弟が 死闘で命を無駄に落とすべきではないわ
 ― けれども 何も命を懸けずとも プライドを賭けた闘いは成り立つわ だから・・・」

ルイズはそこで一度区切り、広場全体に響き渡る声で、高らかと宣言した。


「 だ っ た ら 麻 雀 で 勝 負 よ ! ! 」


「「「「「 え え え え え え え え え え え え え え え え ! ? 」」」」」

予想外の展開に、一同が驚愕の声を上げる。

「ル ルイズ・・・ 君は 何を血迷った事を言ってるんだい?
 だいたい勝負しようにも・・・」

「あら 設備ならあるわよ
 【ロバ・アル・カリイエ】産の触れ込みで 庶民でも緑茶を愉しめる時代ですもの
 この学院のような大規模な施設ともなれば 麻雀卓の一つや二つ 当然用意されてるわ!」

ほら、とルイズが指を向ける。
晴天の下、広場の中央には、緑色の四角形のテーブルが確かに設置されている。
そして、さあ、勝負しろ! と言わんばかりの、新品の麻雀牌 34種136枚が一揃え・・・。

「ウソだッ! ペテンだ! 先住魔法だ!?
 普通 屋外にこんなものを設置するか!?
 っていうか 絶対さっきまでこんなものは無かった!!
 これはなにか? ハレンチ学院長の陰謀か!?」

「ウダウダ五月蠅いわね この決闘はアンタが仕掛けてきたのよ
 それを今更やめようって言うの?」

「ううっ・・・」

違う。
どう考えても、これは尋常の決闘ではない。
ただひとつだけ確かなこと・・・ もし、ここで健全な男子生徒一同の期待を裏切ろうものなら
彼らの手により、ギーシュはたちまち血祭りに挙げられるだろう、という事だけだ。

「わかった・・・ だが これはあくまでもメイジの決闘だ だから・・・」

言いながら、ギーシュが2枚の花びらを投げる。
『錬金』が発動し、眼前に直ちに二体のワルキューレが現れた。

「決闘には魔法を使う 残りの面子はこの二人だ!」

ギーシュの宣言に、広場が再び喧騒に包まれる。
「麻雀勝負で戦乙女!?」
「いや 卑怯とかそういうレベルじゃねえだろ!」
「正気か! ギーシュ!?」
「だがそれがいい!!」

「自重しろマリコルヌ!
 ・・・ともあれ 決闘は遊びではない
 僕はこの勝負 自分の持つ知力・技量・魔法力の全てを賭けて勝ちにいく!
 よもや文句はあるまいね」

ギーシュはこの言葉でルイズの反論を封じ、必勝の形に持ち込んだつもりだった・・・
だがルイズは、卑劣な策が見事にハマった時の悪の幹部のような表情でニヤリと笑い、言った。

「ええ この勝負は貴族のプライドを賭けた決闘 
 勝つために全力を尽くすべきよ
 そして・・・ 私は美少女雀士! 
 決闘には ありとあらゆるイカサマ技を使うわ
 ここまで来て 文句は無いわね!」

「イカサマ? 美少女雀・・・? 何を言っ・・・」

「ス ー チ ー   フ ラ ァ ァ ァ ァ ッ シ ュ ! !」

ルイズの叫びに合わせ、広場が真っ白な閃光に包まれる。
まばゆい光の中、ルイズが浮いたり回ったりすっぽんぽんになったりしながら
次々と出現する衣装に身を包んでいく。
光が収まったとき、そこにはピンクのミニスカチャイナ風スーツと、ロボ耳バイザーを身に着けた少女が居た。

「虚無の雀士 スーチーゼロ! 見参!!」
ことの起こりは三日前・・・
進級の危機と、メイジとしてのアイディンティティを賭けて挑んだ、サモン・サーヴァントの儀式。

ゼロのふたつ名を返上し、誰にも負けない使い魔を呼び出すのだと
ありったけの想いを込めた、ルイズの詠唱が呼び出したのは、
何の変哲もない、薄くて細長い真っ白な棒だった・・・。

直ちに辺りを包む、同級生たちの笑い声。
侮蔑に耐えかね、やり直しを要求する少女の哀願も通じない。
生物ですらない、珍妙な棒ッきれに捧げられるファースト・キッス・・・。
刹那、全身に電撃のような何かが走り、少女は『それ』を理解した。

『それ』は、ただのガラクタではない。恐らくは、驚異的な力を秘めたマジック・アイテム
学院の宝物庫には、万物を破壊する力を持つ『破壊の杖』があるというが、これの力はそれすらも凌ぐであろう。
使い方次第では、世界に巨大な変革をもたらす事すら・・・。

― 儀式が終わった時、真っ白な棒の中心には、真紅の点・・・『契約のルーン』が刻まれていた。

最早、周囲の嘲笑も耳には届かない。
少女はそのとき、時代を動かす権利を得たのだ。

この『使い魔』の力で、ハルケギニアの全ての人々を幸福に導いてみせる。
そう、誓いと願いを込め、少女はそれに 『 和了(あがり)の杖 』 と、名付けた。


「それよ ギーシュ! 
 必殺! ドラドラ爆弾(エクスプロージョン)ッ!!」

「キ・・・ キ・・・ キイイイイイイイイイイ
 そ そんな ボ ボクのワルキューレがぁぁぁぁぁ・・・
 ぜ・・・ ぜん・・・め・・・ めつめつめつ・・・」

決着は一瞬だった。
二体の戦乙女は、既に鎧を剥ぎ取られ、あられもない姿を晒している。
本来無骨な青銅人形から妙な色気を感じてしまうのも、脱衣の魔力であろうか?

「くうううっ 認めないぞッ! こんな!
 やっぱり決着は魔法でつける!!
 そう! なぜな僕はグラモン家の・・・ッ!」

「フッ・・・ 愚かな・・・」

雀卓をひっくり返しながら襲ってくる五体の青銅人形相手に、
ルイズは、不動の一本足打法で『和了の杖』を構える・・・。

「ハイパアァァァァ せっかんッ!!」

ドワオッ!!

和了の杖のフルスイングが、ダイナミック的な爆風を巻き起こし
ギーシュを5体のワルキューレごと吹っ飛ばす。
数秒後、ギーシュらしき物体が、車田風にきりもみしながらハデに地面に叩き付けられた。

水を打ったかのように静まり返る一同。

「・・・ルイズの『失敗』で ついに犠牲者が」
「いや! あれを見ろ!?」

それは、まさに奇跡であった。
5体のワルキューレを粉みじんに消し飛ばし、衣服をズタズタに引き裂き
お約束どおり頭髪をアフロにしながらも、ギーシュの白磁のような滑らかな肌には傷一つ無い。
衣服にしたって、守るべき一線は死守しつつ、晒すべきところは惜しげもなく破れる見事な脱衣っぷりである。

「イヤ~ン! ギーシュさまー!?」
「しっかりして! ギーシュ!!」

キャーキャー騒ぎつつ、指の間からしっかりと凝視しているモンモンとケティ
これもまた、ある種の様式美というやつであろう。

―と、
上空からはらりと舞い降りてきた2枚の花びらが
大胆に曝け出されたギーシュの胸元の、実に絶妙な位置に乗っかった。

「貴族の情けよ
 MA-18で勘弁してあげるわ ギーシュ」


「・・・オールド・オスマン
 ミス・ヴァリエールの召喚したアレはいった・・・ハゥッ!」

オスマンの方を振り向いたコルベールが、思わず奇声を上げた。

オスマン老が泣いている。それも男泣きだ。
両目から滝のように涙があふれ出ている。
鼻水も凄い、最早上半身が粘液まみれだ。
あんぐりと大きく開いた口中から、涎も牛の如くこぼれ続けている。
ていうか漏らしてる! 水溜りがコルベールの足元まで侵食せんばかりに広がってくる。

「オールド・オスマン! しっかりして下さい!?
 ミス・ヴァリエールが勝ったのが そんなに悔しいんですか!」

「違うんじゃ・・・ 違うんじゃよ コルベール君
 わしらの・・・ わしらの女神が帰って来たんじゃ!」

「女神・・・?」

「まだ若い君には分かるまい
 かつて この国がまだ国家として未熟であったころ
 そう・・・ 古き良き時代
 猥雑で、無粋で、混沌として・・・それでいて 無闇なパワーにあふれていた 熱狂の時代
 世の貴族たちを魅了した、遊戯館【ゲームセンター】と呼ばれる施設があった・・・」

「ゲー・・・ セン・・・? 未熟な国家?
 ちょっと待ってください 考証がおかしいです!!
 トリステインは6000年前に光臨した始祖ブリミルの・・・」

「黙って聞け!
 その遊戯館の中でも一際人気があったマジック・アイテムが 通称【女神の箱】!
 脱げば脱ぐほど強くなるイカサマ女神の魅力に 当時小僧だったわしもイチコロじゃった!
 親の財布からドニエ銅貨を盗んでは女神に突っ込み 納屋に閉じ込められたりもしたもんじゃ」

「あの やっぱりおかしいですよ・・・
 そんなアツイ時代があったなら たとえ生まれて無くても噂ぐらいは聞くはずですし・・・」

「・・・アカデミーの前身・王立風紀修正機関(PTA)の仕業じゃ
 ヤツらは遊戯館が社会の風紀を乱し モラルを破壊するとして
 関係者たちを片っ端から粛清した・・・
 徹底した焚書坑戯の結果 『熱狂の時代』は語ることも記すことも許されなくなり
 黒歴史として ハルケギニアの正史からは忘れさられたのじゃ・・・
 そしてトリステインには 秩序ある停滞がもたらされた」

「・・・・・・」

「じゃが あのときの女神が ここに再び光臨した!
 それも今度は 実体を持つ一人の少女として!
 時代は変わるぞコルベール君! 革命じゃ! 進化じゃ! レコン・キスタじゃ!
 さしあたって まずはこの学院の名を 『トリステイン魔雀学院』に改める!!」

「 !? 」

「最早 魔法の時代は終わった!
 近い将来 麻雀・・・もとい魔雀は 新たな時代を開く魁となるじゃろう
 その時に向け われら教師陣が・・」

「このバカァッ!!」

コルベールが、渾身のストレートを放つ。
仰向けにぶっ倒れたオスマンに馬乗りになり、ドオン ドオンとパンチを繰り出す。
負けじとオスマンも、噛み付き、引っ掻き、反撃を試みる。

「ええい 放さんかこのハゲッ!! ワシはやる! やるといったらやるんじゃ!!
 常識という名の暴力に屈したりはせんぞ!!」

「うるさい! バカ バカ このバカッ!! 百篇くたばれ! このセクハラ魔人!!」

トリステイン魔雀学院の一室で、大人二人の取っ組み合いは、果てることなく続いた・・・。


オールド・オスマンの言葉が真実なのか? あるいはボケ老人の妄執なのか?
それは誰にも分からない・・・。

だが、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール の手の内には
確かに世界に革新もたらせるだけの力が宿っていた。
そして、その力に導かれるように、彼女自身の運命もまた、加速していくのである・・・。

負けるな ルイズ! 戦え 虚無の雀士 スーチーゼロ!!

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