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ワイルドの使い魔-9(1)

その頃学園では・・・

「おや、ミス・ロングビル。ここで何を?」
「ミスタ・コルベール。実は宝物庫の目録を作ろうかと思いまして・・・って、どうしましたの、そのお姿」

巨大な宝物庫の扉の前で、コルベールと(ようやく登場の)学長秘書のミス・ロングビルが鉢合わせしていた。
ミス・ロングビルはコルベールに愛想の良い笑顔で挨拶しようとするが・・・硬直する。
何故かコルベールは、今から爆発物の処理でもするかのように全身耐熱耐衝撃魔法を込められた防護服に身を包んでいたのである。

「いえ、実はこの宝物庫の中に入ろうと思うのです。此処には、これ位の準備をしておかないと身が持たないので」
「準備・・・ですの?」
「おや、ミス・ロングビルは宝物庫にはまだ入られていないのですか?・・・実はこの宝物庫には番人が居るのですよ」

目の前に美女が居るこの状況・・・普段のコルベールであればだらしなく隙の一つも出来そうなものだが、今はそれが無い。
(そんな危険なガーディアンでも配置してるの?・・・流石は魔法学院の宝物庫ね・・・)
内心で呟くミス・ロングビル。そういった存在の可能性は無いとは思っていなかったが、此処まで準備の必要な番人とは一体何者なのか。
声に出さずとも顔には出ていたのだろう。彼女の疑問に答えるようにコルベールが続ける。

「外見は可愛らしいのですけどね・・・一種のゴーレムだとは思うのですがあの容姿を含めて一体誰が作ったのか・・・」
「可愛らしい・・・ゴーレムって、どういう事ですか?」
「あ~・・・上手く言葉では言い表せませんね。実際見たほうが早いでしょう。
 ミス・ロングビルも目録を作るなら、『彼女達』と知り合いになっておいた方が良いでしょうし」
「彼女・・・達?」

ミス・ロングビル更なる疑問に首をひねる間もなく、コルベールは手にしていた鍵で巨大な扉の錠前を開ける。
すると、サイレンスの魔法でもかかっているのか音も無く巨大な扉が開いて・・・

「侵入者の存在を確認。直ちに排除するであります」

可憐な声が扉の中から聞こえ、次の瞬間
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!
有り余る破壊の衝撃が扉の奥の暗闇を閃光で引き裂きながらコルベール達へと殺到した。

「ひぇぇぇぇぇっ!?」
「うぉぉぉぉぉぉっ?!ま、待った!私はこの学園の関係者、コルベールですっ!!!!今すぐ攻撃を止めなさいっ!!!!」

慌てふためいてコルベールを盾にするミス・ロングビル。盾にされたコルベールは、扉の奥からの・・・謎の攻撃の連射を必死に魔法で防ぎながら自分の存在を訴えかける。

「・・・コルベール?記憶ライブラリーより声紋照合・・・教師コルベールと認識。戦闘行動を中止するであります」

再び聞こえた声と同時に破壊の嵐は収まり、コルベールは安堵の息を吐く。
これだから宝物庫には来たくないのだ。多分、今のショックと緊張でまた頭髪が後退した気がする。
一方、ミス・ロングビルは放心していた。
防護服と魔法に守られたコルベールとその彼を盾にしたミス・ロングビルは一応怪我一つ無い。
だがそれに対して周囲の惨劇は・・・背後を見れば蜂の巣のように無数の孔が強固な筈の壁に幾つも穿たれ、何やら煙をあげている。
もし、まかり間違って、先刻試した『アンロック』があの錠前に効いていたら・・・今頃彼女も周りの壁のように孔だらけだっただろう。
いや、ほんの数秒でこの有様だ。この勢いのままもっとこの攻撃にさらされたなら、原型を止めている方がおかしいといった有様となるだろう。
(丈夫な錠前にありがとう!対抗魔法をかけてた見知らぬ誰か本当にありがとう!!)
心の中でどこの誰とも知らぬ相手に全身全霊で感謝の念を送るミス・ロングビル。
無理も無い。だけど、いいのかな?その魔法をかけたのは、例のセクハラ学長ですよ。
まぁ、それは良いとして。
そんな二人の前に扉の奥の暗闇から『番人』が姿を現した。

「ミスタ・コルベール。宝物庫に御用でしょうか」

一見するとこの学園に通う生徒たちのような年頃の少女に見える。
だが、よく見るとその身体のあちこちは金属で出来ていた。
金細工の装飾が可憐な容姿と金髪とあいまって、動かなければ一種の芸術品とも見えなくも無い。
だが、その指先から未だこぼれる白煙が、先刻の冗談のような破壊力を持った攻撃の元が『彼女』だと教えていた。

「こ、この・・・子が?・・・ゴーレムなのに言葉を話していますの!?」
「ええ、我が学園の宝物庫の番人にして、彼女も貴重な宝物の一つ・・・『金細工の少女』。名は確か・・・」
「正式名称、対シャドウ用人型戦闘車両 固体名『ハルペリア』であります」

滑らかな動きで一礼する『ハルペリア』。
思わず見とれそうなほど様になっていたが、先ほどの攻撃の事もあり素直に賛辞する気になれないミス・ロングビルとコルベールだった。
もしその姿を『綾時』が見たなら思い出しただろう。
10年前のあの日・・・桐条の研究所、綾時と無数のシャドウとの戦いで謎の爆発と共に姿を消した固体だと。
あの機械の少女・・・アイギスの姉妹だと。
そこに更なる『人影』が宝物庫の闇の中から現れる。

「宝物庫への立ち入りは、学園長オールド・オスマンの許可が無い限り許されておりません。許可証の提示をお願いいたします」

それは、この学園にも居るメイドの様だった。
だが、この普段は封鎖されて居るはずの宝物庫の中から現れるとは一体何者なのか?
ミス・ロングビルが新たに現れたメイドの少女を訝しげに見ていると、何か不自然さを感じた。
新たに現れた少女・・・何かおかしい。この少女は本当に人間なのだろうか?

「ああ、気付かれましたか。彼女も・・・そう、ある意味この宝物庫の『宝物』なのですよ」
「え!?・・・それは一体!?」

コルベールの言葉に驚くミス・ロングビル。
メイド少女の顔をまじまじと見る・・・
(まさか、この子もゴーレムなの? 向こうはまだゴーレムと言われて信じられるけど、こっちはどう見ても生きてるじゃない!)
驚愕を隠せない学長秘書に、

「メアリと申します。宝物庫の管理を承っております。お見知りおきを・・・」

無数の紆余曲折の果て、彼女の主と共にこのハルケギニアに辿り着いたそのメイド少女はスカートの縁を持ち、ふわりと一礼した。

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