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異世界BASARA-46


異世界BASARA-46


裏口からルイズ達が出て行った後、キュルケは今の現状を考えて溜息をついた。
「困ったわねぇ……予定が狂っちゃったわ」
状況は全く良くなっていない。相変わらず矢は降り注ぎ、いつ突撃されてもおかしくなかった。
「ギーシュのワルキューレに油を取って来させようと思ったのに、ああもう!何でいなくなっちゃうのかしら」
キュルケは額に手を当てて悪態をつく。
「キュルケ殿、油が要るのか?」
と、利家がキュルケの顔を覗き込みながら言った。
そして腰に付けた瓢箪を手に取り、キュルケに見せる。
「これじゃ駄目か?」
キュルケはそれを見てアッ、と声を上げた。
そうだ、利家はいつもこれで火を吹いていた。つまり引火性のある液体が入っているという事だ。
「あなたってやっぱり役に立つわね、じゃあ入り口に向かって中身を吹いてくれる?」
利家は言われた通りに瓢箪の中身を口に含む。その間、キュルケは手鏡を覗き込んで化粧を直した。
「折角の歌劇の始まりだもの……主演女優がすっぴんじゃ……」
そう言っている最中、利家が勢いよく口から中身を吐き出した。
「しまらないわよね!!」
それに向かって、キュルケが杖を振るった。

キュルケの魔法によって液体は発火し、入り口の辺りに炎を振り撒いた。
今しがた突撃を敢行しようとした傭兵の一隊が、突然現れた炎に驚いてたじろぐ。
「名もなき傭兵の皆様方。あなた方がどうしてあたし達を襲うのか存じませんけども」
キュルケは微笑を浮かべて一礼した。


「この“微熱”のキュルケ、謹んでお相手つかまりますわ」


燃え上がる火炎と微熱の舞が始まり……


「ああ、わしの店が……店が……燃えていく……」
そして店主は気絶した。

巨大ゴーレムの肩の上でフーケは舌打ちをした。
『女神の杵』亭の入り口から炎が噴き出し、突撃をしようとした一隊が炎に巻かれて逃げ惑っている。
「ええいもう!頼りにならない連中ね!どいてなさい!」
ゴーレムが地響きを立てて入り口に近づく。そして拳を振り上げ、入り口にそれを叩きつけた。

酒場の中でキュルケは炎を操っていた。
さらにタバサの風も手伝って、威力を増していっている。
「見た?分かった?あたしの炎の威力を!火傷したくなかったら家にお帰りなさい!」
キュルケは勝ち誇ったように笑い声を上げる。

だがそれは轟音と共に終わりを告げた。

「調子にのるんじゃないよ小娘が!!まとめて潰してやるからねっ!!」
建物の入り口が壊され、もうもうと立ち込める土煙の中にゴーレムが浮かび上がる。
そのゴーレムの肩の上に乗っているフーケが怒鳴っていた。
「あちゃあ~あのおばさんの事忘れてたわ。どうしよう」
キュルケがタバサに問い掛けるが、両手を広げて首を振っている。
どうやら自分達に打つ手はないようである。キュルケは逃げようとした。

ところが、利家がゴーレムの正面に立ち塞がった。
「何をしているのトシイエ、逃げるわよ」
しかし、利家はキュルケの言葉に首を振った。利家はさらに数歩、ゴーレムに近付いて行く。
「どきな!また私のゴーレムに吹き飛ばされたいのかい!?」
フーケは眼下に立つ利家を睨みつけながら言った。

そう……『破壊の杖』事件の時、利家は彼女のゴーレムと戦った事がある。
その時彼はフーケのゴーレムに手痛くやられているのだ。

「あの時とは違うぞフーケ」
利家は低い声で言った。その迫力に、フーケは思わず息を飲む。
「あの時は朝飯を抜いていて空腹……だが今のそれがしはさっきまで飯を食べていた。つまり……」
利家は目をクワッ!と見開き、フーケに向かって叫んだ。



「今のそれがしは……満腹だあぁぁぁぁぁーーー!!!!」



「……だからどうしたってんだこの野人があぁー!!」
フーケは叫ぶと、ゴーレムの腕の振り上げさせて利家のいる場所に一気に振り下ろした。
利家は後ろに大きく跳んで後退する。少し遅れて岩石の腕が叩きつけられた。
それを見た利家は叩きつけられたゴーレムの腕に飛び乗り、1回、2回と大きくジャンプして腕を登っていく。
3回目の跳躍でゴーレムの頭上よりも高く飛び上がった利家は、三叉槍をフーケ目掛けて振り下ろした。
「チィッ!!」
フーケは咄嗟に呪文を唱え、ゴーレムの体を使って自分の前に岩の壁を作った。それで槍を防いでいる隙に素早くゴーレムから舞い降りる。
利家は岩を叩いた反動で空中に浮いた。その利家をゴーレムは掴もうと腕を伸ばす。

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」

しかし、そこにタバサの魔法「ウィンディ・アイシクル」が放たれた。
空中に現れた氷の矢がゴーレムの腕を貫き、間一髪で利家は逃げ切った。
「助かったぞタバサ」
利家は簡単に礼を言うと、再びゴーレムと対峙する。
ゴーレムは腕に氷の矢が刺さっているが、全く気にも止めていない。

(やはり一撃必殺が一番か……)

利家は、槍を握る腕に力を込めた。

力を込める利家の腕に血管が浮き上がる。
さらに足にも力が入り、利家の足元の地面にヒビが入った。そしてゴーレムが近づき、両腕を振り上げた瞬間。

「おおおおりゃああぁぁぁぁぁ!!!!」

利家は下から上へ、槍を一気に振り上げた。
槍の衝撃は大きく一気に脳天まで達し、ゴーレムの体に綺麗なヒビが縦に入る。
人の力ではない、もはや“野生の斬撃”である。

「せえええぇぇぇやっっ!!!!!」

間髪入れず、利家は槍を持ち直して横薙ぎにぶん回した。ゴーレムの体に横一直線にヒビが入る。
一時の硬直状態の後、ゴーレムは体が維持出来なくなったのか、ボロボロと崩れ落ちていった。


フーケの立っている場所に向かって。


「ちょ!ちょっと待……きゃああぁぁぁ~!!」
哀れフーケは崩れ落ちる岩に巻き込まれ、その姿が見えなくなった。
ゴーレムが崩れ去り、後には岩の瓦礫が残る。
が、しばらくすると瓦礫の中からモゾモゾとフーケが現れた。
「畜生っ!お前等……よくも私のゴーレムを!」
「あら、お似合いの姿に変わったわねぇ~お・ば・さ・ん♪」
フーケは岩や土の中から這い出してきた所為か、服は土まみれ、髪はぼさぼさに変わっていた。
だが、そんな事よりもフーケの怒りに火を付けたのは、キュルケの最後の一言だった。

「おばさんだって!?ふざけるな!私はまだ23だよ!!」
「フーケ。大丈夫だ、まだ間に合う」
「裸は黙ってろ!!!!!!」

利家の一言でフーケは怒り狂い、杖を向けた。

ゴゴゴゴゴゴ……

しかし、彼女の背後から地響きが聞こえてきた。
フーケはハッとなり、背中を冷や汗が流れる。こんな大きな音を出す人物が、彼女の記憶にあったからだ。
フーケは恐る恐る振り返る。

「……クソ、やっぱりこいつだったか……」
「…!……」シュゴー!

案の定、彼女の後ろには戦国最強と言われた男……本多忠勝が立っていた。
「土くれのフーケも年貢の納め時かしら?」
さらに前方にはキュルケ達がいる。まともに戦って勝てる状況ではなかった。
(まぁいい。時間は稼いだ……これぐらいで充分だね)
フーケは挟み撃ちにされているにもかかわらず、ニヤリと笑みを浮かべる。
次の瞬間、フーケはフライで飛び上がり、忠勝の頭上高くを飛び越えた。
「!……!?!?」プルルル!バスン!!
「この辺で帰らせてもらうよ。私の仕事は済んだからね」
そう言い残すと、フーケは逃げ去って行った。

「ちょっとタダカツ、何でフーケを捕まえなかったのよ?」
「!?」バスン、バスン!!
「いいじゃないかキュルケ殿、それがし達は役目を果たしたぞ」
忠勝に詰め寄るキュルケを、利家がなだめる。
確かに利家の言う通り、囮作戦は上手くいった。
雇われていた傭兵の一派も散り散りに逃げ出していったようだ。
「……ま、それもそうね。でもここでじっと待っているのも何だし……追いかけましょう」
キュルケは髪をかき上げながら言った。

キュルケ、利家、タバサは忠勝に乗る。
「じゃあ行くわよ!タバサ、いつもの」
キュルケの言葉にタバサは小さく頷き、忠勝に呟いた。
「飛んでタダカツ」
その言葉に忠勝は「起動形態」となり、空高く飛び上がる。
……筈だったのだが


「!?……??」バスン、バスン!!ヴィィ?
何故か忠勝は飛び上がらなかった。


「タダカツ?何で飛ばないのよ」
業を煮やしたキュルケが問い掛ける。
しかし、忠勝の体からは何か空気の抜けるような音が聞こえるだけで、一向に飛ぶ気配がなかった。
この異変に忠勝が気づいたのは、フーケを追いかけようとした時だった。
「起動形態」になろうとしてもなれないのである。

もしやさっきの3形態の同時展開が原因ではないか?

忠勝はそう考えながらも、何とか飛ぼうと頑張り続けた。


一方、ルイズ達一行の方も問題が発生していた。
停まっていたフネに半ば無理矢理に乗り込み、アルビオンに向けて出発した。
そしてフネが港を出発して朝になった頃……幸村と氏政は驚くべきものを目にする。
大陸が空に浮いている……“白の国”、アルビオンを目の当たりにしたのだ。
この光景に、幸村と氏政は驚きの声を上げ、ルイズは「驚いた?」と自慢気に話していた。
そう、ここまでは良かったのである。

「船長!右舷上方の雲中より船が接近!は、旗を掲げておりません!」
見張り員の声が甲板に響き渡り、船長の顔が青ざめた。

空賊の来襲である



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