あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

雇われた使い魔-01


大きな爆音と共に現れた奇妙な生物。
その生物を召喚したルイズといわれている少女は目をぱちくりさせていた。
後ろでルイズを煽っていたギャラリー達もルイズと同じような反応をしている。
『サモン・サーヴァント』という召喚の儀式でルイズが呼び出した生物は、
狐と人間が合体したような、なんとも奇妙な動物であった。

「……何これ」

ルイズは、自分が召喚した奇妙な動物におそるおそる近寄る。
爆風によって舞い上がった砂埃が晴れ、今はその謎の動物の容姿が手に取るように分かる。
顔は狐。よく見ると尻尾も生えている。しかし体は人間のような骨格をしている。
おまけに服も着ており、彼の顔にはよくわからないアクセサリーのようなものがついていた。

「おいおい、なんだよアレ? 狐じゃあ……ねえよな?」
「ルイズが召喚したから骨格がおかしくなっちまったんじゃねーの?」
「でも服を着ているしな……」

ギャラリーが騒然となる中、ルイズは自分の使い魔となるその動物をじっと見つめていた。
気絶しているのか、はたまた眠っているのか、その動物は目を閉じたまま動かない。
まさか死んでいるのではないだろうかと、ルイズの頭に嫌な予感が過ぎる。
何回、何十回と失敗をし、やっと召喚できた動物なのだ、死んでしまっていたらたまったものではない。
ルイズは生死の確認をするため、恐る恐る手を伸ばし触れてみた。……暖かい。
どうやら死んでいるということはなさそうだった。

ルイズがほっと胸をなでおろし、ため息をついた瞬間、その動物がムクリと起き上がった。

「うう……」

ルイズはビクッと体を反応させ、思わず後ずさりする。
起き上がった動物は、自分の身に何が起こったのか理解出来てない様子で、辺りをキョロキョロと見回している。

「や、やったわ…… 成功よ! ついに成功した! ついにやりました、ミスタ・コルベール!」

ルイズはあまりの嬉しさにカエルのようにピョンピョンと飛び跳ねた。
召喚したのは、人間のような謎の狐だが、自分の使い魔であることには変わりない。
いや、"人間のような謎の狐"なんてそうそう出会えるものではない。
もしかしたら自分は物凄い才能の持ち主なんじゃないかと思えるほどだ。

「なあ……あれって成功なのか?」
「絶対変だよな……あれ」

あれと言われた動物は、辺りをキョロキョロと見回したり、
自分の頬を抓ったり、自分の顔についてる奇妙なアクセサリをいじったりしていた。
そんな奇妙な動物の様子を興味深そうに見ながら、ミスタ・コルベールと呼ばれた男が呟いた。

「ふむ……これは珍しい。人間のような格好をした狐とは実に興味深い……」
「は、はい! きっと凄い使い魔となるに違いありません!」

すっかり興奮しきった様子でルイズが答える。

そんなルイズに、多少気圧されながらも、コルベールは話を続けた。

「ミス・ヴァリエール、興奮するのは後にして、早く契約をしたまえ。次の授業まで時間がないんだ」
「あ……。す、すみません……」

ルイズは狐人間に近づき、スッと顔を近づける。

「悪いけど、ちょっとの間だけじっとしててね」
「……!?」

狐人間はルイズに顔を掴まれ驚いたような表情をしている。


「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

すっと杖を狐人間の額に置き、そのまま唇を重ねた。

「終わりました」

ルイズにキスをされた狐人間はしばらく放心しているらしく、ピクリとも動かなくなった。
自分の体が妙に熱くなっているのを感じていたが、そんなものが気にならないくらい意識が飛んでいた。
なぜなら、この狐人間は宇宙空間に漂い、強大な敵に向かって戦闘機を走らせているからだ。無論妄想であるが。

「ふむ……珍しいルーンだな」

コルベールは魂が抜けている狐人間の左手の甲を見ながら呟いた。

「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」

コルベールはきびすを返すと、中に浮いた。
他の生徒達も中に浮き、それぞれ教室に向かって飛んでいく。

「ルイズ、お前は歩いて来いよ!」
「『レビテーション』がまともに使えないんだからな!」
「使い魔もまともじゃねえしな!はーっはっは!」

いつもなら罵倒を浴びせてくる生徒達を睨み付けるルイズだが、今回は違った。
なぜなら、自分の目の前に最高の使い魔が現れたからだ。
それに比べたら、幼稚な罵倒や、見る目が無いバカの戯言などまったく気にならなかった。

「ねえ、いつまで硬直してるのよ? あんたは私の使い魔なんだから早く私について来なさい」

そういって狐人間が着ていた服を掴もうとした瞬間だった。

「い、い、い、い、いきなり何をするだあーっ!!」

狐人間が思いっきり叫んだ。
思わず台詞をかんでしまったことを恥じる。
しかし、この狐人間にとってもっと恥じるべきことが先ほど発生した。
台詞をかんだことよりも、そっちの方が遥かに重大であった。

「……へ?」
「"へ?"じゃない! キミには恥じらいというものが無いのか!」
「あんた、喋れるの……?」
「……? 何を言ってるんだ、当たり前じゃないか」


狐人間がしゃべった。いや、狐"人間"なのだからしゃべって当たり前なのかもしれない。
しかし、この狐人間が喋るなんて毛ほども想像していなかったルイズは、驚きと同時に深い喜びを感じた。

「す、すごい! すごいわ! ねぇねぇあんた一体何者なの? 人間じゃないんでしょ? でも、狐でもないんでしょ?
 一体何なの? どんな生物なの? 名前は何? どこから来たの? 歳はいくつ? 性別は雄……じゃなくて男……どっちでもいいわ!」

凄い勢いで質問攻めしてくるルイズに、狐人間は後頭部に大きな汗を流す。
そして、とりあえずルイズを落ち着かせることにする。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。 オレだって質問したいことは山ほどあるんだ。
 とりあえず順番にお互いのことを話していくってことでどうだい?」

狐人間の提案に、ルイズはなるほどといった表情で頷いた。

「そうね、それがいいわ。じゃあまず名前から聞くわ。ていうかあんた名前とかあるの?」

狐人間はむっとした表情で答える。

「あるに決まってるじゃないか、失礼な子だな……。オレの名前はフォックス・マクラウドだ。
 雇われ遊撃隊、スターフォックスのリーダーを務めている。よろしくな」

フォックスと名乗った男は握手を求め手を差し出す。

「雇われ遊撃隊……? ナニそれ? ……ま、いいわ。フォックスって呼べばいい?」
「ああ、そう呼んでくれると助かるよ。オレの仲間も皆そう呼んでいるからね」
「そう。私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」

ルイズが言い終えると、フォックスは頭に?マークを浮かべ、しばし考え込む。

「……それ、キミの名前かい?」
「当たり前でしょ」
「……な、なんだかずいぶんと長い名前だな……えーとルイズ・フランスソース……?」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!!」
「……? ……そうか、よくわかった! よろしく頼む、ルイズ」
「あんた絶対分かってないでしょ……」

ルイズはあきれ返ったような表情でフォックスを見た。
さっきの最高の使い魔を手に入れたという表情はどこへやら。
ひょっとして自分はとんでもないボンクラを呼び出してしまったのではないかとさえ感じている。

「ところで、先に一つ言っておくことがあるわ」
「……なんだ?」

ルイズはフォックスが差し出している手をはたく。

「な、何をするんだ!」
「あのね、今日から私はあんたのご主人様なの。わかる?
 握手するつもりなんだろうけど、ご主人様に軽々しく握手するなんて使い魔としてどうなのって感じでしょ?」

フォックスは自分が何を言われているか理解できてない表情で首を傾げる。

「あー、もう! つまり、あんたは私の部下ってこと! だから私と立場が同じと思っちゃだめなの!
 わかったら、"ハイッ!"って大きな声で返事をしなさい! これは私の最初の命令よ!」

フォックスは今となっては誰にも通じない通信機に向かって呟いた。

「コイツ何言ってんだ?」

その声はルイズにも聞こえ、ルイズは顔を振るわせながら両手を挙げる。

「あんた私に喧嘩売ってるの!? とにかくあんたは今日から私の使い魔なの! 分かったわね!」
「……言っている意味がさっぱりわからない。スリッピー、この子が言っていることを分析してくれ……」

今やそばにいない仲間に助けを求め、フォックスは頭を抱えた。
しかし、フォックスの苦悩はまだ始まったばかりなのであった。


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